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今週のヘッドライン: 2015年07月 3週号

モモ/せん孔細菌病の被害が拡大 総合的防除が頼み(1面)【2015年7月3週号】

感染枝切除や袋がけ、防風ネットも
 モモの難防除病害「せん孔(こう)細菌病」の被害が拡大している。2014年度は、全国作付面積の38%に当たる3560ヘクタールで発生し、過去最大となった。雨や風で病原菌が飛散し、9~11月に新梢(しんしょう)の皮目や落葉痕から感染。感染枝が越冬して翌春の伝染源となり、葉や枝、果実に発病する。果実に穴があき、商品価値を大きく損なうため、経営は大打撃を受ける。農研機構・果樹研究所は3日、福島市で効果的な防除対策を議論する研究会を開催。被害軽減には、収穫終了後の薬剤散布に加え、春季の感染枝(春型枝病斑)の切除や果実の袋がけ、防風ネットの設置など総合的防除が重要と確認した。

(1面)

明日のNOSAI私の期待(4) 果樹の価格低下が大きなリスク ―― 愛媛県松山市・青井幹夫さん(1面)【2015年7月3週号】

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 農家経営のさらなる安定に向けて、政府は収入保険制度検討調査事業を実施する。併せてNOSAI制度の改正も予定される。農業のセーフティーネットへの期待や意見、要望を、NOSAI部長など基礎組織構成員に聞く。

(1面)

〈写真:青井幹夫さん〉

農水省/気候変動適応計画の骨子示す 高温対応技術の開発を推進(2面・総合)【2015年7月3週号】

 農林水産省は3日、地球温暖化に伴う農林水産分野の影響緩和策などを示す気候変動適応計画の骨子を示した。農業では、高温耐性を持つ水稲品種の開発やリンゴでは標高の高い場所の果樹園の整備などを盛り込んだ。8月に閣議決定する政府全体の適応計画に盛り込む。米や果樹の品質低下をはじめ、害虫の北上や豪雨発生頻度の増加などすでに気候変動の影響は顕在化しており、持続可能な農業生産の確立には、的確な対応や対策が必須となっている。地域ごとの環境変化やすでに影響が現れている生産現場で実施されている対策などの情報も共有しながら、国全体でリスクの低減・回避に向けた総合的な取り組みを強化していく必要がある。

(2面・総合)

牛飼いの女性たちに聞いた これが私の信条!(3面・暮らし)【2015年7月3週号】

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第8回全国モーモー母ちゃんの集いinあきた
 全国から牛飼い女性たちが集まる「第8回全国モーモー母ちゃんの集いinあきた」が、6~7日に秋田県由利本荘市で開かれた。活気みなぎる参加者たちに、日常生活で大切にしている"モーモー母ちゃんの信条"を書いてもらった。

(3面・暮らし)

〈写真:和牛繁殖 宮崎市・小松和美さん〉

有機野菜/サラダ用途で引き合い 個性的な色・形が人気 ―― 石川県小松市・西田俊一さん(8面・流通)【2015年7月3週号】

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顧客の要望に応えセット販売 量販店や外食などに直販

 石川県小松市岩上町で西田農園を経営する西田俊一さん(69)と幸恵さん(65)夫妻は、有機栽培した色鮮やかで形に特徴がある野菜を量販店やレストラン、個人客に全量直販する。とろりとした食感が人気の円盤型ズッキーニ「サンバースト」や薄緑色のしま模様で生食できるカボチャ「フルーティパンプキン」など110品種を作付ける。2007年に露地90アールとハウス10アールで有機JAS認証を取得。野菜本来の味を楽しんでもらおうと「生で食べられるサラダ野菜」を主力に売り上げを伸ばしている。

(8面・流通)

〈写真:消費者に野菜のおいしさを正しく伝えたいとジュニア野菜ソムリエの資格を持つ西田さん夫妻〉

イグサ/食用米・ナタネ・WCS用稲を導入 輪作で経営多角化 ―― 熊本県八代市・岡初義さん(9面・営農技術)【2015年7月3週号】

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 「イグサ農家の経営は厳しく農家数は減少している。水稲や油糧作物のナタネを組み入れた輪作体系によってリスク分散につなげている」と熊本県八代市鏡町のイグサ栽培農家・岡初義さん(58)は話す。イグサと水稲、ナタネ、WCS(発酵粗飼料)用稲を輪作し経営の多角化を実現している。農家4戸で構成する「やつしろ菜の花ファーム987」の代表を務め、収穫後のナタネ残さをすき込んで栽培した米を「なの花米」と名付けブランド化、新八代駅やインターネットで販売する。ナタネから採取したナタネ油や蜂蜜も所得確保につなげるほか、栽培を通して景観改善や食育に発展させるなど地域貢献も大きい。

(9面・営農技術)

〈写真:イグサの生育状況を確認する岡さん〉

TPPハワイ閣僚会合 大筋合意へ最終局面(2面・総合)【2015年7月3週号】

 環太平洋連携協定(TPP)交渉参加12カ国による閣僚会合を米ハワイ州マウイ島で28~31日に開くと、米通商代表部(USTR)が7日発表した。直前の24~27日には首席交渉官会合を開き、「知的財産」など難航分野の協議を進展させ、政治判断に委ねる事項を整理する方針。米議会が大統領に通商交渉権限を一任する「大統領貿易促進権限(TPA)法」の成立を受け、日米両政府は閣僚会合での大筋合意を目指す方針を明示しており、交渉は最終局面を迎える。

(2面・総合)

快適な牛舎へ80台の換気扇【香川県・7月3週号】

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 【香川支局】約1ヘクタール1棟の広大な牛舎を2013年10月に新設・移転した有限会社将基酪農(高松市香川町)。トンネル換気方式のフリーバーンを採用し、縦150メートル、横66メートルで、横部分に約80台の換気扇を取り付けた。牛舎内には風速2.5メートルの風が通り、体感温度はぐっと下がる。「電気代は発生するが、それ以上のメリットがある」と佐々木さん。
 常に外気が牛舎内に入るので温度、湿度ともに低くなり、牛にとって快適な環境がつくられる。結果、季節によって乳量が落ち込むことなく保たれ、昨年は導入した初産牛が多い中、4800トンを出荷した。
 牛乳は、夏場に需要が多く、乳価も高くなる。夏に多く出荷するには、6~9月に授精し、春に出産することが求められる。特に気温が高い7~9月までの3カ月間の受胎率を比較すると、旧牛舎では10~13年までの4年間平均が2割を切る中、昨年は冷夏とはいえ約2倍の4割になった。

〈写真:84台設置された換気扇〉

ミニトマト 味にほれ込んで【岩手県・7月3週号】

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 【岩手支局】果皮が薄くて糖度が高いミニトマト「プチぷよ」をビニールハウス2棟(7.5アール)で千本栽培する矢巾町土橋の細川浩光(ほそかわひろみつ)さん(53)。プチぷよの魅力を消費者に直接届けたいと、自ら店頭に立ち、積極的にPRする。
 試験栽培を提案された細川さんは7年前から栽培に取り組んでいて、昨年から盛岡市下飯岡の産直施設「サン・フレッシュ都南」で本格的な販売を開始。「おいしいだけでは買ってもらえない。生産者だからこそ分かる商品の魅力を直接伝えたい」と、週末は売り場に立って自ら消費者に声を掛けるなど、販売にも力を入れている。
 果肉が柔らかすぎて輸送に向かないため、出荷は地元産直に限られるが、「ここでしか買えない」というセールスポイントとしてPRする。
 細川さんは「魅力を多くの人に知ってもらえるよう、もっとPRしたい」と意欲的だ。

〈写真:「お客さまの喜ぶ顔が見たい」と細川さん〉

メロン新品種 生産地復活の起爆剤に【島根県・7月3週号】

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 【島根支局】島根県が県内のメロン生産拡大への足掛かりとして開発した、新たなメロン「ゴールデンパール」。2014年度から本格的に生産が始まり、消費量の減少や生産者の高齢化で落ち込んだメロン産地の救世主として、主力のアムスメロンに次ぐ特産品への成長が期待される。島根県農業技術センターでは研究を兼ね、作付け農家への普及を進めている。
 松江、出雲、大田の9戸の農家(43アール)で試験栽培を行い、昨年は大阪市場を中心に春作と秋作合わせて約2トンを出荷。高級メロンとして市場の評価も上々だ。
 出雲市内で栽培を行うJAいずもアグリ開発㈱の三島雄太取締役(26)は「農業技術センターと協力した試験栽培中ですが、大玉を安定生産するのが目標です」と話す。
 栽培農家も増加傾向にある中で、さらなる知名度アップに向け、県やJA、生産者が一丸となり洋菓子店とタイアップしたスイーツフェアなどのイベントを開催するなど、消費者へのアピール活動にも熱が入る。

〈写真:「Lサイズを安定して栽培したい」と三島取締役〉

夢は日本一の牛飼い【鹿児島県・7月3週号】

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 【鹿児島支局】「毎朝5時半に起きて、牛の世話をしてから学校に行きます」と話す、曽於市末吉町の徳永楓翔(とくながかいと)くん(12)。牛が大好きで、小学2年生から毎日のように自宅隣にある祖父・良治(よしはる)さん(65)の牛舎へ行き、牛の餌やりや掃除などを手伝うようになった。
 背中に「牛一筋」と書かれた自慢の青い服を着て、競り市で牛を引くことや品評会に行くのが楽しみだという。「競り市でおじいちゃんの牛が高値で取引されたときはうれしいです」と笑顔を見せる。
 楓翔くんの将来の夢は「日本一の牛飼いになることです」と力強く話した。

〈写真:牛舎で牛を引く楓翔くん〉

自家産大豆を加工でよりおいしく【北海道・7月3週号】

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 【北海道支局】JAみねのぶ(美唄市峰延)管内の農家女性6人グループ「気ままな主婦の会(代表=前川和子さん)」は、「転作大豆の付加価値を高め、峰延を盛り上げたい」と自家産大豆の加工品作りに取り組んでいる。今年3月には新商品を発売し、ラインナップは10種類を超える。
 「大豆で発芽米のような健康食品作りを」と、発芽大豆を蒸して塩で味付けして真空パックした「発芽姫」を商品化。この他にみそ、黒豆茶、かりんとうなど、大豆を使った商品や総菜を次々に商品化した。
 今春発売した「食卓のタレ」は美唄市が提案する農商工連携を受けて市内の食品会社と共同で開発したもの。発芽大豆の豆乳を食品会社でドレッシングに加工する。
 「タレは好評です。峰延の大豆を多くの消費者にPRしたい。タレが流通に乗ったら美唄市を生かした商品を作り、市全体をもっと盛り上げたい」と力を込める。

〈写真:「発芽姫」やドレッシングなどの加工品〉

休耕田で育てたソバを乾めんに【秋田県・7月3週号】

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 【秋田支局】大館市比内町大葛(おおくぞ)の青年団を中心とした地域組織「青若会(せいわかい)〈35戸、畠山鉄男会長=53歳〉」は、休耕田などでソバを栽培。昨年からは「比内大葛プレミアム」と銘打って乾めんを売り出し、産地化を目指している。
 収穫し選別した後、長野県の製粉会社へ製めん化を依頼。地元の大葛金山をモチーフにしたパッケージに入れ、地元の大葛温泉「比内ベニヤマ荘」内で販売。12月からは、宿泊客へ同商品を使った料理の提供も予定している。
 昨年は千セットを製造。ほぼ完売することができた。「今年は増収させたい。販売は、市内の道の駅、さらに市外への販売も検討したい」と意欲的だ。

〈写真:販売している乾めん〉

軽くて丈夫な竹かご作り【福島県・7月3週号】

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 【福島支局】「冬場の退屈しのぎに3年前から竹かごを作り始めました」と話すのは矢吹町で水稲150アール、インゲン20アールを営む安田亨さん(80)。
 材料のシノダケは自分で調達する。「完成したら全部、知人やご近所さんに配っています」と話す安田さん。現在では1日1個、1シーズンで50個ほど制作する。
 安田さんが作ったかごを愛用する近所の人からは「安田さんの竹かごは軽くて丈夫だから農作物の収穫などで重宝しています」と評判が高い。
 「作り始めると夢中になってしまいます。喜ばれる趣味なので、続けていきたい」と安田さんは張り切っている。

〈写真:竹かごと安田さん〉

防風林「災害対策はデータより人のイメージが大切【2015年7月3週号】」

 ▼三つの台風が同時発生し長雨や日照不足が続く。先日も関東でダウンバーストとされる突風で農業被害をもたらした。気象衛星・観測レーダーなど最新技術のおかげで、雨雲の移動予測が携帯電話の画面で見られる時代。だが、自然災害は依然として減っていない。
 ▼雨雲の配置が同じでも、標高差や地形の違いで降雨量が異なり、局地的な豪雨で土砂崩れを誘発することもある。谷間や小高い場所から常に吹き下ろす地区以外でも、風向き次第では断崖・建物に衝突し発生した吹き返しの風で、安全と思った場所に設置したハウスが倒壊する事例も。
 ▼このような局地的条件による気象異変は、画像や観測データだけで予測するのは難しい。地域の伝承や高齢者の記憶にしかない事象も数多い。東日本大震災の際に、貞観地震(869年)や過去にあった津波の教訓が、地元住民に伝えられていて高台への避難で多くの人命が救われた被災地もあった。
 ▼NHKで放送された震災を検証する番組の中で、専門家が「災害対策の基本はイメージ力だ」と強調した。気象予測などを入手した際に最悪の事態をイメージして、回避手段を判断しなければならない。
 ▼台風予測にはパイプ補強か被覆資材除去か? 病害虫発生予報に要防除か否か? 先端技術で詳細な予測が可能でも、迅速に決断ができる農家や組織の豊富な経験や知識が重要なのだ。

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