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今週のヘッドライン: 2015年07月 4週号

沖縄県/若手への経営継続支援も厚く 南国酪農に順風(1面)【2015年7月4週号】

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 沖縄県の本島南部で酪農に汗を流す新規就農者たちがいる。酪農経営に魅力を感じ、家族と過ごす時間も大切にしながら、亜熱帯気候での乳牛の飼養管理に情熱を傾ける。県内の酪農家は70戸に満たない戸数ながら、普段から農家同士の交流が盛んだ。地元では、後継牛の確保や酪農ヘルパー制度の導入などで若手酪農家を支援する動きも出てきた。


【新規】に対し皆親切 ―― 南風原町・新垣幸一さん、恵子さん

【就農】に不安感じず ―― 糸満市・横井直彦さん、美鈴さん

(1面)

〈写真上:生まれたばかりの子牛を見守る新垣さん夫妻〉
〈写真下:「沖縄での酪農にも強みはたくさんある」と直彦さん(左)。右は美鈴さん〉

甘利明TPP担当相 妥結最優先の交渉姿勢を鮮明に 重要品目を譲るな(2面・総合)【2015年7月4週号】

 環太平洋連携協定(TPP)交渉の閣僚会合を28~31日に控え、政府が妥結最優先で臨む姿勢を鮮明にしている。甘利明TPP担当相は14日の閣議後会見で「(今会合を)最後にしないといけない」と述べ、交渉が遅れる一部の参加国を除外した妥結の可能性を強調した。閣僚会合と並行して日米は2国間閣僚協議を開き、農畜産物などの扱いで政治決着を目指す方針だ。米国産主食用米の輸入枠設定など大幅な譲歩検討が報じられ、生産現場の不安・不信はピークに達しつつある。米価下落や担い手不足など農業・農村の疲弊は深刻化している。政府は国会決議を順守し、農業・農村所得倍増や地方創生など地域の産業・経済を活性化する政策目標の実現にこそ全力を挙げるべきだ。

(2面・総合)

水稲共済/被害確認後はすぐに申告 台風11号発生、生育遅延やイモチ病も懸念(5面・NOSAI)【2015年7月4週号】

 大型の台風11号が先週末、西日本を中心に猛威を振るい、農業分野で大きな被害が発生している。また、農林水産省が発表した病害虫発生予報第4号(14日)では、日照不足や長雨による生育遅延、イモチ病の発生も懸念されている。水稲共済は、収穫までの期間、さまざまな自然災害による減収などを補償する。NOSAIは、農家からの被害申告により損害評価を行う。共済金算定には現地での損害評価が欠かせないため、被害が発生したら、すぐにNOSAIの組合等に連絡するのが大切だ。水稲共済の仕組みを共子さんが済太郎くんに聞いた。

(5面・NOSAI)

水稲生育調査/結果を水田に掲示 良質米生産と損害防止へ ―― 山形県・NOSAI置賜(5面・NOSAI)【2015年7月4週号】

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 山形県のNOSAI置賜(置賜農業共済組合、平弘造組合長)は農業生産性の向上や損害防止を目的に水稲生育調査を実施する。管内の13圃場で草丈や茎数、葉数、葉色などを定期的に調査し、収穫期には食味・品質検査も行う。結果はホームページ(HP)や広報紙、調査圃場近くの掲示板を通じて農家に情報提供する。生育状況から肥培管理などを判断する材料に活用されている。


 「調査結果をもとに自分の稲の生育と比較して栽培に活用している。掲示板を参考にする地元農家からも助かったとの話を聞く」と、米沢市窪田町矢野目の水稲農家・渡部清一さん(66)は話す。

(5面・NOSAI)

〈写真:生育状況について話す渡部さん(右)とNOSAI職員。掲示板に調査結果が記録されている〉

環境調和の雑草防除(7面・資材)【2015年7月4週号】

 農研機構は10日、東京都内で産学官連携交流セミナーを開き、農業者や農機メーカーの担当者など約50人が参加した。「人と環境にやさしい」省力的な雑草防除技術がテーマで、水稲有機栽培圃場での機械除草や難防除雑草に有効な蒸気処理防除機、中山間地域の急傾斜法,(のりめん)に対応した除草ロボットが紹介された。参加者同士のマッチングを促し、研究開発の高度化・加速化を図るのが目的。概要を紹介する。

(7面・資材)

和牛肥育/濃厚飼料に地元産飼料用米 飼料費1割削減 ―― 島根県出雲市・藤江昭雄さん(9面・営農技術)【2015年7月4週号】

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 「地元産の飼料用米を使うことでコスト削減しながら、米を食べて育てた牛だという付加価値販売ができる」と島根県出雲市で黒毛和種340頭を肥育する藤増牧場の藤江昭雄さん(74)。もみ付きの飼料用米をJAしまね出雲地区本部から購入し、濃厚飼料の20%を代替して給与する。生後8カ月齢で仕入れた子牛に、4週間のならし期間を設けて、代替する飼料用米の割合を調節して与える。肥育した牛はほぼ全量を「まい米〈まい〉牛〈ぎゅう〉」として自らが経営するスーパーマーケットや焼き肉店で販売し、経営の安定につなげている。

(9面・営農技術)

〈写真:「餌の給与は朝昼晩の1日3回。飼料用米を導入して飼料コストが約10%削減した」と藤江さん〉

台風11号 農地冠水など農業に打撃(1面)【2015年7月4週号】

 大型で強い台風11号の上陸・通過に伴い、四国、中国、近畿、東海などを中心に西日本と東日本で暴風や大雨となり、河川等の氾濫で農地に冠水などの被害が発生した。各地のNOSAI団体では、迅速・適切な損害評価に向け、被害状況の把握に努めている。台風11号は16日に高知県室戸市付近に上陸した後ゆっくり北上し、岡山県倉敷市付近に再上陸。中国地方を縦断して17日午後に日本海に抜けた。

(1面)

台風・日照不足・農作物への影響懸念 被害防止へ対策徹底を(2面・総合)【2015年7月4週号】

農水省が都道府県に通知
 西日本を中心に6月初めから日照不足・長雨が続き、台風11号の接近・通過も加わって農作物などへの影響が懸念されるとして、農林水産省は13日、農作物被害防止に向けた技術指導を都道府県に通知した。台風11号の通過後の対策では、増水した水路をはじめ危険な場所に近づかないなど人命第一を徹底し、病害虫発生予察情報に基づく適期防除などを呼びかけている。

(2面・総合)

地場産果樹で果実酒製造へ【福島県・7月4週号】

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 【福島支局】郡山市と三菱商事復興支援財団が連携して、地域農業の再生を目指す事業「果樹農業6次産業化プロジェクト」を進めている。今秋から、県産果実を使ってワインとリキュールの醸造が始まる。市内では、ワイン用ブドウを栽培する農家の育成も行われ、地域振興にも期待が高まっている。
 財団では、「産業復興、農業振興」を目的に、県産果実を使ったリキュールとワインの醸造、商品の販売を郡山市に提案。郡山市も、農業再生のため地域の特産品を使った6次化商品の開発支援に取り組んでいることから、連携してプロジェクトに取り組むこととなった。
 プロジェクトでは市内を中心にした約10戸の協力農家からブドウやナシ、リンゴ、モモなどを買い取る予定で、今秋からワインとリキュール造りを始め、来春からの販売を見込む。一方、県内では少ないワイン用ブドウの栽培農家育成に取り組む。
 財団では「醸造販売事業が地場産業として地域に根差してくれれば」としていて、将来は、醸造と販売のノウハウを身につけた地元住民で施設を運営していくことを目指している。

〈写真:ワイン用ブドウ栽培農家を育成する様子〉

果樹園地に犬を駐在 サル害ゼロ【岡山県・7月4週号】

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 【岡山支局】年々深刻さを増す、サルによる果樹被害を防ぐため、新見市の果樹農家・石川至海(よしみ)さん(67歳・モモ60アール、ブドウ50アール)は「駐在犬システム(犬のおまわりさん)」を2012年6月に導入し、効果を上げている。
 このシステムは三重県農業研究所が開発、特許を取得。新見市鳥獣被害防止対策協議会が同研究所に許諾料を支払っているため、新見市民なら届け出をすれば誰でも利用することができる。
 石川さん宅では、3匹の猟犬が犬のおまわりさんとしてモモ園地約24アールとブドウ園地約10アールを守っている。園地に犬小屋を設置し袋掛けから収穫までの期間常駐させたところ、被害がまったくなくなった。
 石川さんは「サルが出没したら地域ぐるみでの追い払いが理想的だが、それができない現状ではこのシステムはとても有効。これから導入を希望する人がいれば協力し、被害防止に努めたい」と意欲的だ。

〈写真:柱へのリードの巻き込みを防ぐため、支柱を1カ所2本にし、その間に金網を設置する(特許:三重県農業研究所)〉

野菜の煎餅 色・味そのままに【長崎県・7月4週号】

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 【長崎支局】五島市上崎山町の北川クミ子さん(68)は、規格外の野菜を利用して煎餅(せんべい)作りに取り組む。無着色・無添加で、「野菜そのものの色・味が楽しめる」と観光客を中心に人気だ。
 会社を退職後、娘の悦子さんのバックアップのもと、規格外野菜を使った煎餅作りを開始。煎餅は、ジャガイモ、スナップエンドウ、ニンジン、カボチャ、ゴボウ、サツマイモの6種類を展開し、材料の野菜は自家産をはじめ、近所の農家から譲り受けている。
 「私は甘いものが得意ではないので、甘さは控えめ。甘党の方には物足りないかもしれませんが、野菜本来のおいしさを味わっていただけると思います」と北川さん。

〈写真:焼きたての煎餅を持つ北川さん〉

ふるさとの農地保全 真剣に【岐阜県・7月4週号】

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 【岐阜支局】「ふるさとの農業を守る」をモットーに荒廃農地、耕作放棄地を再生し農作物の栽培に取り組む、恵那市の農業生産法人有限会社「東野」。代表を務める伊藤仁午さん(60)は「活動を通して地域の活性化を目指したい」と話す。
 東野では現在、再生した農地18ヘクタールで主にニンニクを栽培。土作りから力を入れ、化学肥料や農薬にできるだけ頼らず栽培し、自社施設で熟成加工、「黒にんにく」として販売も手掛けている。
 建設業を営んでいた伊藤さん。2000年の恵南豪雨発生時、災害現場に入り調査を行う中で、土砂が流出した主な原因は山際の耕作しにくい農地が放置され、荒れることで保水力が低下したためだと分かった。「こんな状態では地域がつぶれてしまう。ふるさとを復元し、安定させるには農業しかない」と農業に参入することを決意した。
 「地域再生は真剣にならなければできない。災害時に地域を守るためにどうしたらよいかをしっかり考えていく」と伊藤さんは話す。

〈写真:ニンニクを収穫中の畑で伊藤さん〉

牛舎内が5度ほど低く【熊本県・7月4週号】

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 【熊本支局】「この時季に気を付けたいのは、暑熱による牛へのストレスです」と話す、宇城市の野村康生(のむらこうせい)さん(39)。家族とともに経産牛80頭、育成牛50頭を飼養している。
 野村さんは10年前、老朽化した経産牛用の牛舎を新築。その際、既存の構造ではなく、暑熱対策を重視した。「トンネル換気を基本として、さらに暑熱対策を強化するためにクーリングパッドを設置しました」。吸気口付近にクーリングパッドを設置することで、外気は水の気化熱で冷却される。これを大型換気扇10台で牛舎内へ引き込むと、畜舎内の温度は外気温と比べ5~6度低下する。
 クーリングパッドの効果について「通常のトンネル換気以上の効果をもたらし、夏場の畜舎環境改善と牛へのストレス低減につながりました。牛だけでなく、人にとっても日中の作業が体力的に楽になりましたね」と野村さんは笑顔で話す。

〈写真:クーリングパッドを設置している牛舎〉

地場産六条大麦で麦茶【富山県・7月4週号】

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 【富山支局】JAうおづはこのほど、魚津市産の六条大麦を使った初の商品「魚津の麦茶」を開発・販売した。
 管内8経営体で約90ヘクタール栽培している六条大麦「ファイバースノウ」を用いた新たな商品を作ろうと企画。JAうおづの基幹作物である大麦での特産品を作りたいとの思いから、1年がかりで商品化にこぎつけた。
 この麦茶は、魚津産ファイバースノウを100%使用していて、大麦茶の商品化は県内JAでは初めて。開発を担当した営農企画課の寺西純一さんは「麦の香ばしさとコクが出るように試作を重ね、クセのないすっきりとした味わいとなりました」と自信を見せる。

〈写真:魚津の麦茶〉

防風林「盗難防止には地域住民のつながりから【2015年7月4週号】」

 ▼戸締りをせずに外出しても、空き巣などへの警戒が不要だった時代はそれほど遠い昔ではない。帰宅したら玄関の上がりかまちに、お隣さんからおすそ分けの品が置いてある......農村部や都市の下町界隈ではそんな人間関係を大切にしてきたものだ。
 ▼近年、栽培中の農作物や農機具が忽然(こつぜん)と消えてしまう盗難事件が続発し、玄関や格納庫の施錠に加え、自動感応式ライトを設置して防犯対策を講じる家庭も多い。鍵が掛かる納屋に格納して、エンジンキーを抜いた状態なのに盗まれた、という犯行事例もあり、念には念を入れるに越したことはない。
 ▼宅地化や混住化により、農村部も勤労者世帯が急激に増え、顔見知りの資材販売店やJA、NOSAI職員のほかにも、多種多様な業者が絶えず道を往来し、住民は意識なしに風景として見過ごしてしまっている。
 ▼「窃盗犯が作業服姿で店員になりすまし、堂々とトラクターを操作して持ち去った」「昼間は何らかの業者に身をやつし、物色しているようだ」との報告も耳にする。他人を過剰に疑って見る視線や行動は、近隣住民同士の「絆」にほころびを生じさせてしまう恐れもあり、いざ対応するとなると難しい。
 ▼地元の高齢者に散歩や水田見回りの途中で目を光らせてもらい、夜は自治会でパトロールをし、暗がり箇所の街灯設置を自治体に要請してもいいだろう。要は、個々の防犯意識と、住民同士のつながりを深めながら、おすそ分けができるような農村環境に戻せればいい。

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