ヘッドライン一覧 購読申込&お問い合わせ 農業共済新聞とは? 情報提供&ご意見・ご感想 コラム防風林

今週のヘッドライン: 2015年08月 1週号

肥育牛・レストランなど 自家製堆肥で広がる「循環」 ―― 山口県美祢市・有限会社梶岡牧場(1面)【2015年8月1週号】

150801_01.jpg

 「おいしい農産物を作るには、"活(い)きた土づくり"が基本だ。手間とコストを掛け、信念を持って堆肥を作っている」と話すのは、山口県美祢市伊佐町の有限会社梶岡牧場の取締役・梶岡秀吉さん(41)だ。和牛一貫経営で繁殖牛20頭を飼養するほか、交雑牛300頭を預託管理する。牛房の敷料として使用した木質チップを、発酵熱75度で2週間維持させて雑草種子と病原菌を死滅させ、6カ月間熟成させると、良質堆肥が完成する。供給が追いつかないほど人気で、売上高が経営全体の25%を占める。スーパーと連携し、堆肥施用を共通項とするブランド化を進め、循環型農業の価値を広く発信している。

(1面)

〈写真:「75度、ちょうどでしょう」と温度計を手に秀吉さん。堆肥プラントにはハエが少なく、いやな臭いがしない〉

政府/国土形成計画策定へ 人・物・金の対流促す(2面・総合)【2015年8月1週号】

 政府は、今後10年間の国土づくりの指針となる新たな国土形成計画を近く閣議決定する。急激な人口減少や高齢化の進展などを踏まえ、今年からを「日本の命運を決する10年」と位置付けて、多様な個性を持つ地域が連携し、地域間の人や物などの移動・交流を促す「対流促進型国土」の形成を打ち出す。地域の整備は、コンパクト化(集約化)とネットワーク化を組み合わせ、農山村は、複数の集落がまとまる「小さな拠点」づくりの推進を柱に据える。地域に住み続けられる環境づくりは、国土保全や景観形成など多面的機能の維持・発揮の面からも欠かせない。地域の暮らしを守り、活力やにぎわいを引き出す実効性ある施策の具体化が求められる。

(2面・総合)

台風11号・各地で被害/園芸施設などに打撃 NOSAI損害評価急ぐ(2面・総合)【2015年8月1週号】

 7月16~17日にかけて四国・中国地方を縦断した台風11号の影響で西日本と東日本を中心に大雨や暴風となり、四国を中心に各地で園芸施設の損壊など農業関係にも大きな被害が発生した。

(2面・総合)

かんきつ/「酵素剥皮」で手軽にきれいに 農産加工に用途広がる(4面・流通)【2015年8月1週号】

150801_02.jpg

 温州ミカンをはじめとしたかんきつの皮をむく「酵素剥皮」という技術が、農産物加工に取り組む農家などから注目を集めそうだ。酵素を利用するため、刃物や酸・アルカリを使用する従来の方法よりも手軽で、形状や香り、果汁など果実そのものが持つ、本来の品質を損なわずに加工が可能だ。農研機構では、皮むきの手間や生ごみ処理の煩わしさから、生鮮果実を敬遠する消費者に向けた新商品開発に生かせるのではと期待を寄せる。酵素剤さえあればすぐに導入可能で、安全性も高く、農家など小規模向けの加工にも適応できる可能性が広がっている。

(4面・流通)

〈写真:外皮が厚いブンタンでも、手で簡単にむくことができる〉

水稲共済細目書取りまとめや広報紙配布 職務への姿勢が信頼に ―― 埼玉県・NOSAI埼玉中部(5面・NOSAI)【2015年8月1週号】

150801_03+04.jpg

 地域に詳しいNOSAI部長は農家とNOSAIをつなぐ欠かせない存在だ。埼玉県のNOSAI埼玉中部(埼玉中部農業共済組合、小森谷武雄組合長)の支部長(NOSAI部長)は事業推進などに汗を流し、NOSAI制度の運営に協力している。ナシ農家を営むNOSAI部長2人を取材した。

(5面・NOSAI)

〈写真上:「本年産の生育は順調だ」と沼田さん〉
〈写真下:広報紙の配布を依頼される田中さん(左)〉

露地ナス/半身萎凋病・青枯れ病に耕種的防除 被害株率は5%以下 ―― 群馬県富岡市・田中才一さん、夏江さん(9面・営農技術)【2015年8月1週号】

150801_05.jpg

 ナスの主要な土壌病害である半身萎凋(いちょう)病と青枯れ病の対策として、ブロッコリーを前作とした輪作と抵抗性品種の接ぎ木技術を組み合わせている群馬県富岡市高瀬地区の田中才一さん(61)・夏江さん(54)夫妻。新技術の実証試験として導入した。以前は病害で収穫皆無だった圃場も、土壌消毒なしで被害株率5%以下に抑えられている。

(9面・営農技術)

〈写真:「育苗に時間がかかるけど、病害は減っている」と接ぎ木苗の生育を見る田中さん夫妻〉

マンゴー「キーツ種」を地域の顔に【高知県・8月1週号】

150801_06.jpg

 【高知支局】土佐清水市で"幻のマンゴー"といわれる「キーツマンゴー(キーツ種)」を栽培しているのは、足摺岬有限会社(土佐清水市)の井村敏雄社長(75)。青果販売だけでなく、6次産業化にも力を入れ、「土佐清水市の名産品にしたい」と取り組んでいる。
 「キーツ種はおいしいが、生産者が少ない。どうせならおいしいマンゴーを作ろうと考えた」と話す井村さん。今年で8年目を迎えるが、「栽培技術に関する情報が少なく、今でも勉強中です」と話すように、沖縄県をたびたび視察する他、独学で栽培技術の習得に努めている。
 現在の栽培面積は16アール。生産したマンゴーはJAに出荷する他、取引先を通じてインターネットで販売する。4年前からは、「こだわっている」という意味の方言「りぐっちゅう」から「りぐっちょキーツマンゴー」と命名し、ブランド化した。
 最近では規格外品の加工販売にも着手。昨年、アイスクリームコンテストに応募する業者に原料として果肉を提供したところ、準優勝と好評だったことから、正式な提供依頼が届いている。
 また、自らも無添加でヨーグルト用のソースやジュースに加工。地元のイベントなどでの販売でも評判が良く、加工品販売にも手応えを感じていて、「設備を整え、本格的に加工に力を入れたい」と意欲をみせる。

〈写真:マンゴーハウスで「今後は加工の勉強もしたい」と井村さん〉


先人の知恵・技術を次の世代に【新潟県・8月1週号】

150801_07.jpg

 【新潟支局】地元で代々引き継がれている伝統野菜「中島巾着なす」の栽培に取り組んでいる、長岡市中島の土田重兵衛さん(52)。ダイコンやナス、サツマイモなどを1.2ヘクタール栽培している野菜専業農家で、そのうち、約8アールの畑で350本の中島巾着なすを栽培し、地元のスーパーなどへ出荷している。
 「他地区の農家から、巾着なすは栽培が難しいといわれていますが、私には中島地区の先人が残してくれた知識と経験があるので難しくは感じません」と、100年近く積み重ねてきた栽培技術の伝承に感謝する。
 また、土田さんは「種の保存」にも、力を入れている。中島巾着なすは、昔から伝わる本来の特色や地域の歴史を熟知していないと、特性が失われてしまう恐れがあるという。そのため「その特性を残すため、数多くあるナスの実を毎年厳選し、種子を残してきました」と土田さんは苦労を話す。

〈写真:中島巾着なすの圃場で「伝統を引き継いでいきたい」と土田さん〉

育てた牛を競り市に出したい【福島県・8月1週号】

150801_08.jpg

 【福島支局】「今後は良質な系統へ入れ替えながら、5年後には母牛を10頭に増やし、将来は30頭ぐらいに規模を拡大したい」と話す須賀川市あおば町の竹田ゆかりさん(30)は、今年5月に繁殖和牛4頭を購入し、良質牛生産に取り組んでいる。
 両親が和牛の繁殖を営んでいて、竹田さんは結婚を機に空いた時間を使い実家で経理を手伝っていた。
 経営の中で、人工授精にかかる技術委託代が大きな出費になっていると感じ、父親に相談。2010年に人工授精師免許を取得。経費削減させ、牛の受胎率もアップしたという。
 牛との関わりが多くなるうち、「この技術を生かして、いつか自分で育てた牛を競りに出荷したい」と独立への思いをふくらませる。
 夫の隆一さんと両親の支援を受けて、兄弟の協力のもとで建てた手作りの牛舎で、繁殖和牛の飼養をスタートさせた。
 会社員の隆一さんも週末は2人の子どもと畜舎へ。竹田さんは「夫の協力と両親のアドバイスなど、全面的に支えてもらい家族には本当に感謝しています」と話している。

〈写真:牛と一緒に竹田さん〉

花ハス お盆へ向けてまもなく出荷【山形県・8月1週号】

150801_09.jpg

 【山形支局】川西町下小松の島貫孝一さん(70)方では、転作田約80アールで花ハス「誠蓮(まことはす)」を栽培し、妻のオフヂさん(70)とともに花や葉を出荷している。
 島貫さんが栽培する誠蓮は、花弁が多い八重咲き種。以前は転作地に大豆を栽培していたが、ブドウの収穫作業と重なり作業が追いつかないことから、手間のかからない花ハス栽培を始めた。
 この時期、花ハスのつぼみが鶏卵大に膨らみ始めると早朝から刈り取って出荷し、葉はお盆のお供え用に直径約30センチのものを、9月から10月中旬には、生け花用として花弁が散った蓮台(花托)、直径3~4センチの大きさのものを箱詰めし、出荷する。出荷の最盛期となるお盆前は、早朝から深夜まで作業が続く。
 栽培当初の観察ノートを今でも大切に保管している島貫さんは「背丈ほどの高さに育ち、収穫時は突風に一番気を使うが、これからも続けて育てていきたい」と話す。

〈写真:「花ハスはお盆向けの他、生け花用としても親しまれている」と話す島貫さん〉

豊橋茶を多くの人へ 商品開発に力【愛知県・8月1週号】

150801_10.jpg

 【愛知支局】「自宅近くに茶園があるからこそ、きめ細かい管理で生産できます」と豊橋市で5ヘクタールの茶畑を経営している岡本広巳(おかもとひろみ)さん(62)。
 岡本さんは「翠茗園(すいめいえん)」の4代目として、親子3人で茶園を経営している。父の代から3世代にわたり、全国および愛知県茶品評会で品質の良さを評価され、農林水産大臣賞を受賞している。
 「安全・安心な自園自製100%の緑茶・紅茶を多くの方に飲んでもらいたいです」と岡本さん。
 JAなどの産直やスーパーに卸すだけでなく、休日には実演販売や詰め放題などのイベントを実施。豊橋茶を使用した煎餅(せんべい)やパンなど、新商品の開発に積極的に取り組み、茶の地産地消に力を入れている。
 後継者に引き継いでいくにあたり、「型にはまらない、オリジナルな豊橋茶を提案してほしい」と期待を込める。

〈写真:茶の商品を手に岡本さん〉

菓子で黒大豆をもっと手軽に【岡山県・8月1週号】

150801_11.jpg

 【岡山支局】「自然に恵まれた熊山地区のおいしい農産物を、皆さんに知っていただけたら」と、赤磐市の熊山農産株式会社代表取締役・村田章恵(ふみえ)さん(37)は、赤磐市熊山地区の特産品、黒大豆の菓子「くまつぶら」を生産している。
 2013年に村田さんが立ち上げた熊山農産。スタッフはみんな、子育て中の女性だ。「商品開発の経験が全くなかったので、完成まで時間がかかりました」という第1号商品が、くまつぶらだ。高級品種「丹波黒」だけを使用し、いり豆・砂糖がけ・甘納豆の3種類がある。香料、着色料、保存料は使っていない。
 「黒豆は調理に時間がかかり、敬遠されがちな食材なので、手軽に食べられる豆菓子で素材の良さをお伝えできればと思います。これからも商品を通して、熊山の魅力を発信していきたいです」と村田さんは笑顔を見せる。

〈写真:「くまつぶら」甘納豆〉

防風林「電気柵の使用は適正な使用方法で【2015年8月1週号】」

 ▼あってはならない痛ましい事故が先日、静岡県内で発生した。野生鳥獣の侵入防止に使用する電気柵の電線が川に触れ漏電し、河原で遊ぶ数家族のうち男性2人が感電で死亡、ほか数人が重軽傷を負ったのだ。
 ▼報道では、事故があった地区では野生シカが頻繁に出没し栽培中の農作物が食い荒らされ、電気柵を有効な手段として利用していた。だが、農地ではなく河川敷のアジサイの踏み荒らしを防ぐため柵線を張ったという。
 ▼家庭用電源から引かれ、漏電遮断器や危険表示の掲示がないなど、電気事業法で定めた感電防止措置がされていなかった。電気柵は、野生動物を人の生活圏に侵入させない防護境界線。生活圏内に不適切な形で敷設されていたのだから危険極まりない。今後このような事故が再発しないよう、あらためて法令や取扱説明書を確認すべきだろう。
 ▼農林水産省は、鳥獣害防止資材の導入を国が補助する対策事業を実施していて、機材の選定は事業主体である市町村等が独自の入札方式で決めている。電柵を扱うある業者によると、納品時に社員が直接、現地に赴き敷設指導を行う前提で価格提示してきたため、他業者より高額となり落札できない入札が多いという。業者の中には製品を宅配便で送付するだけという事例もあるそうだ。価格優先の入札ではなく、技術指導も含めた方式にするなどの工夫も必要だ。
 ▼学校は夏休みでもうじきお盆。孫を連れて帰省する家族も多くなる。電気柵は適切な使用で事故はない。農村が"危険な場所"でなく、昆虫採集や水辺遊びもできる"原風景"として印象づけたい。

» ヘッドラインバックナンバー 月別一覧へ戻る