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今週のヘッドライン: 2015年09月 1週号

台風15号 農業に甚大な被害(1面)【2015年9月1週号】

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 強い台風15号は、8月25日に熊本県荒尾市付近に上陸し、勢力を保ったまま九州を縦断した。南からの暖かく湿った空気の影響も加わり、九州を中心に西日本では激しい風雨に襲われ、園芸施設をはじめ、水稲や大豆、果樹など農業関係にも甚大な被害が発生した。

(1面)

〈写真:大きな被害を受けたハウス(熊本県菊陽町、8月27日撮影、提供=NOSAI熊本)〉

収穫期 安全への意識を行動に(1面)【2015年9月1週号】

 農作業に伴う死亡事故件数は年間400件前後で推移している。秋は稲の収穫期を迎え、各種作業で多忙になる。特に、コンバイン操作やトラクターなどでの移動など注意したいもの。事故防止は、作業の慣れなどによる気の緩みを起こさない意識づけが前提だ。加えて、適正な作業手順の共有や圃場周辺の整備、農業機械類の運行前点検・安全装置の確認など、事故を起こさない未然の対応が鍵となる。9月から2カ月間、「秋の農作業安全確認運動」が始まった。これを機に事故ゼロを目指したい。

(1面)

農林水産予算概算要求14.8%増 農村整備など大幅拡充(2面・総合)【2015年9月1週号】

 農林水産省は8月25日、自民党農林関係合同会議に2016年度予算概算要求案を示し、了承された。31日に決定する。総額は15年度当初予算比14・8%増の2兆6497億円を計上。強い農林水産業と美しく活力ある農山漁村の実現に向け、農業農村整備事業など公共事業費を大幅に増額要求したほか、飼料用米の生産拡大に不可欠な水田活用の直接支払交付金を拡充した。

(2面・総合)

農家女性が役者として活躍 食とアートで風土伝える ―― 新潟県津南町・上郷クローブ座(3面・暮らし)【2015年9月1週号】

 「足を運んでくれたお客さんと会話して、反応が聞けてうれしい」と江村美代子さん(61)は笑顔を見せる。新潟県津南町上郷のレストラン「上郷クローブ座」では、農家女性らが地元の食材を使った料理を提供する。コース料理の始まりと終わりには、地元の風土を伝えるパフォーマンスを上演、その役者も務める。越後妻有(えちごつまり)地方で3年に1度開催される「大地の芸術祭」の作品の一つで、現代美術作家が演出などを手がけた。食とアートを通じた活動で、地域の魅力を伝えている。

(3面・暮らし)

NOSAI部長 住民からの信頼厚く ―― NOSAI高知(5面・NOSAI)【2015年9月1週号】

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 NOSAI制度の円滑な運営を支えるNOSAI部長は、職員と組合員を結ぶ拠点的な役割を担っている。NOSAI高知(高知県農業共済組合、松田達夫組合長)では、地域を支えるさまざまな役を兼務し、住民からも大きな信頼を得ている農家がNOSAI部長を務める。地区担当職員と良好な関係を築きながら、災害発生時でも営農継続ができるよう適切な被害申告を呼び掛ける。

(5面・NOSAI)

〈写真上:「男性にできる農作業はほとんどできますよ。息子たちは私のこと女性と思ってくれてるのかな」と笑う田島さん〉
〈写真下:地区担当のNOSAI職員と話し合う鍋島さん(右)。「地域で支え合い、下組集落の環境を子供たちに残していきたい」という〉

ブドウ49品種 粒売りで全量を直販 ―― 山梨県笛吹市・南林和さん(7面・流通)【2015年9月1週号】

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 「色も味も違うブドウを一度に味わってみたいという自分の夢を商品化しました」と話すのは、山梨県笛吹市一宮町でブドウ栽培に取り組む笛吹農園の南林(なんばやし)和さん(65)。49品種のブドウを、房単位ではなく粒ごと分けて、5品種以上の詰め合わせで全量直販する。さまざまな品種を味わえる楽しみと、すぐに食べられる手軽さが評判を呼び、贈答用や家庭消費用として引き合いが強い。3色のブドウを組み合わせて、目でも楽しめるように工夫する。ブドウの一大産地の中で、他農家との差別化を図りながら、徐々に売り上げを確保している。

(7面・流通)

〈写真:「お菓子のような感覚で、いろいろな品種のブドウをもっと気軽に楽しんでほしい」と南林さん〉

15年産水稲の作柄概況 遅場は九州が「やや不良」 ―― 8月15日現在(2面・総合)【2015年9月1週号】

 農林水産省は8月28日、2015年産水稲の作況概況(8月15日現在)を発表した。東日本を中心とした早場地帯(19道県)は、東北や北陸を中心に11県で作況指数102~105相当の「やや良」、8道県で99~101相当の「平年並み」と見込んだ。

(2面・総合)

大豆「フクユタカ」を早期播種 摘心技術で成長を抑制 ―― 愛知県弥富市・有限会社古江トラクター(11面・営農技術)【2015年9月1週号】

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 愛知県弥富市操出の有限会社古江トラクター(古江春秋代表、60歳)では、大豆「フクユタカ」18.7ヘクタールを栽培。梅雨時期の出芽不良と播種遅れを避けるため、6月下旬に早期播種し、県が開発した摘心機を導入して倒伏を防ぎ、2014年産の10アール当たり収量は272キロ(県平均169キロ)を達成した。排水対策を徹底しながら新技術を積極的に導入し、高品質多収を実現している。

(11面・営農技術)

〈写真:「生育は順調だが、今年は播種が遅れ、摘心しない不安もある」と古江代表(右)。眞人さんと生育を確認する〉

月報で呼びかけ地域で獣害対策【香川県・9月1週号】

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 【香川支局】獣を捕獲する作業は"徒労"になることが多いが、それに負けずに"捕ろう"と、2014年11月16日に地元有志らで立ち上げた「大鐸(おおぬで)イノシシとろう会」(会員19人、土庄町)。
 のり網や鉄製のメッシュ、電気柵で農地を囲う間接的対策に加え、捕獲という直接的対策に力を注ぐ。農家だけでなく地域住民にも狩猟免許取得を働きかけ、地域一体となって獣害対策を実施し、捕獲成果を上げている。
 とろう会では、一人でも多くの地区住民に狩猟免許を取得してもらおうと、毎月発行される公民館だより「アクティブ大鐸だより」に、不定期だが活動状況や捕獲数を掲載。「地域を守るために一緒に活動しませんか」と呼びかける。
 事務局で肥土山自治会長を務める出水利明さん(水稲、66歳)は「住民の『誰かがしてくれる』という他力本願の意識から、『自分も参加しなくては』という意識に変化し、手応えを感じている」と話す。メンバーは発足当初から5人増えた。
 本年度も新たに数人が狩猟免許試験を受ける予定。出水さんは「仲間を大勢増やし、獣から地域を守り抜きたい」と意気込む。

〈写真:公民館だより『アクティブ大鐸だより』〉

バラの見た目、色、香り生かし加工品【広島県・9月1週号】

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 【広島支局】福山市芦田町のマチモト株式会社(町本義孝代表取締役社長=67歳)では、自社農園で食用に栽培したバラを、敷地内にある工場で加工する。「福山薔薇人(ふくやまバラード)」と名付けた全ての商品に香料、着色料、保存料を使用せず、安全・安心なバラ製品を届けている。
 撚糸(ねんし)・繊維加工を手掛ける同社がバラ栽培を始めたのは8年前。「福山市を盛り上げたい」と、福山市の花であるバラで何かできないかと、町本社長が発起。栽培と同時に、妻の静子さん(65)と、見た目・色・香りの三つの要素を生かした商品作りに取り組んだ。
 試行錯誤しながら、ジャム、ジュース、砂糖、茶などを開発。市内のホテルや百貨店、JRの駅の売店などで販売する。花を食す文化が浸透していない日本でどれくらい認知されるか不安もあったが、口コミで広がり、各種メディアで取り上げられることで売れ行きは好調だ。
 「自分たちで育ててひらめきから新しいものを生み出す。こんな楽しいことはない」と同社の挑戦は続く。

〈写真:バラジュースとバラ砂糖〉

ミニサイズのキュウリ独学で挑戦【大分県・9月1週号】

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 【大分支局】新規就農して3年になる杵築市の吉田億治(よしだむねはる)さん(39)は、今年4月から、実のサイズが2~3センチというミニサイズのキュウリ(商品名「メキシカン・サワー・ガーキン」)の栽培に挑戦している。スイカのような甘い香りと酸味が特徴。主にピクルスに用いられる。
 県内では他に生産者が見当たらず、吉田さんはインターネットなどの情報を活用し、試行錯誤しながら栽培に取り組んでいる。
 奈良県出身の吉田さんは大分県でサラリーマンをしていたが、農業にあこがれて、3年前、同市大片平でハウスを借りてキュウリなどを作り始めた。「鎌や鍬(くわ)すら持ったことがなく、手探りでした」と振り返る。
 「自分の作った野菜をいろんな人たちにもっともっと食べてもらいたい」と笑顔で話している。

〈写真:ミニキュウリの圃場で吉田さん〉

クマザサでモグラ被害軽減【島根県・9月1週号】

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 【島根支局】「人間とモグラの知恵比べ」と話すのは、大田市水上町の廣山勝秀さん(73歳、水稲1.3ヘクタール、ユズ0.7アール)。クマザサを利用し、畦畔(けいはん)を掘り起こすモグラ被害の軽減を図っている。
 モグラ対策に使うのは、自宅周辺に自生するクマザサ。刈り取った2~3本を、葉がこすれるように設置するのがポイントだ。ササは青々としたものでなく、少々枯れて白っぽくなった状態の硬い葉だとよく音が出るという。
 廣山さんは「クマザサを差していても掘ることがあるので、100%効果があるとは言えないが、少しでも被害の軽減を図ることができたらいいですね」と期待を寄せる。

〈写真:差し込んだクマザサの様子を見る廣山さん〉

田んぼアートで人を呼び込む【福島県・9月1週号】

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 【福島支局】相馬市岩子の遠藤友幸さん(55)は、さまざまな色の稲で絵や文字を描く「田んぼアート」を実施し、地元住民や他県からの観光客の目を楽しませている。
 遠藤さんは、原発事故以降、いまだに相馬産の農産物が受け入れられないことをなんとかしようと、田んぼアートの実施を決意した。「観光にきてもらうことで安全・安心をアピールしたい」という。
 2年目の今年は、オレンジ色の「あかねあそび」、黒色の「紫大黒」など6種類の色の違う稲を栽培した。昨年は農業団体の協力があり成功したが、今年は全くの個人実施だったので管理が行き届かなかったためか、緑、黄色の稲はうまく生育しなかったと遠藤さんは悔やむ。
 「それでも1、2年でやめたと思われるのは悔しい。他県の観光客から感想も寄せられているので来年以降も続けたい」と遠藤さんは意欲的だ。
 今秋には収穫祭を実施する予定だという。

〈写真:相馬市のシンボルである2頭の馬を描いた〉

「べにふうき」香り生かしウーロン茶に【静岡県・9月1週号】

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 【静岡支局】茶の産地として全国的に有名な牧之原市の「有限会社ヤマセン」(代表取締役・畑勝也〈はたかつや〉さん=60歳)では、16軒の農家が茶を36ヘクタール栽培している。このうち6軒、4ヘクタールで栽培された「べにふうき」を使ってウーロン茶(花いろ烏龍〈ウーロン〉茶)を製造・販売している。
 ヤマセンでは15年ほど前に、べにふうきの栽培を始めた。製茶作業の工程で、今まで嗅いだことのない爽やかな香りがしたことから、この爽やかな香りを生かせないかと一念発起した。
 畑さんは、茶園を土作りから見直し、製造方法をゼロから研究。べにふうきの爽やかな香りを生かすため、3年間試行錯誤して、ようやく納得のできる商品「花いろ烏龍茶」を完成させた。
 畑さんは「幅広い年齢層の方々からご好評をいただいています。ぜひ、お試しください」と話す。

〈写真:商品を前に畑さん〉

防風林「自治体は誰のために何の目的で運営するべきか【2015年9月1週号】」

 ▼ある地方都市郊外にある住民自治会。ここを構成する十数地区で、世話役を務める班長さんを集めた会議での一幕。閉会の間際にある班長がした質問が波紋を呼んだ。町内会費の徴収で各戸訪問した際、高齢者世帯の脱会と新規入居世帯の入会拒否が同時に発生したという。
 ▼「脱会を思い留まらせたり、新規入居者の入会勧誘も班長の仕事なのか? 会長や役員がやるべき仕事ではないのか?」と。会長は「各班の班長が対応すべき仕事だ」と回答。これに対して、ほかの班長も「責任を班長に負わせるのか」と反発した。
 ▼約40年前の宅地造成を契機に入居した世帯主の多くは、70歳を超える。高齢世帯の脱会理由は、生活を年金に頼る中で年会費は負担のうえ、班長がやるべき仕事は頻繁で、夏祭りや運動会などは体力的に無理だという。
 ▼不動産価格が落ち着き、若い世代の新規入居者は増加傾向にある。「地縁も血縁もない地区に住居があるだけで何故、会費を払ってまで自治会に加入し面倒なことをしなければならないのか?」。これが入会拒否理由。
 ▼新・旧住民の自治会への参画意識の低下はよく耳にする。恒例行事をなぞるだけ、年齢構成や会員の意向に配慮しない自治会運営、会長・役員・班長それぞれの責任回避的な思考、若い世帯主の希薄な連帯意識、どこの自治会でも抱える課題か。会議進行が滞る中、ある男性班長が「いつ来るかわからない大震災が発生した時、住民が頼れるのは自治会しかない。全住民が漏れなく加入できる自治会のあり方を役員も持ち回り班長の私たちも真剣に考えるべきだ」。不毛な議論の最後の一言、拍手で閉会した。

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