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今週のヘッドライン: 2015年09月 3週号

各地で豪雨災害(1面)【2015年9月3週号】

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 台風18号と発達した低気圧は9~11日、東海や北関東、東北の一部に豪雨を降らせ、大きな爪痕を残した。NOSAIは、水稲や果樹、園芸施設、農機具などの被害把握と早期の共済金支払いに全力を挙げている。

(1面)

〈写真:氾濫した水に押し流される水稲(10日、栃木県日光市)〉

有機農業/3泊4日の集会を初開催 400人が参加 ―― 静岡県浜松市(1面)【2015年9月3週号】

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 全国の有機農業者と有機農業に関心がある消費者などが寝食を共にし、学び、交流する「第1回ラブファーマーズカンファレンス」が3~6日、浜松市天竜区春野町で開かれ、延べ400人超が参加した。地域づくり組織「はるの山の楽校」と全国有機農業推進協議会が主催した。有機農業の展望を議論する座談会や藍染め体験など多彩なプログラムを用意。3泊4日で提供する食事は、有機栽培で生産した米や野菜などを利用する。米国で35年続く集会がモデルで、来年も春野町で開催する予定だ。

(1面)

〈写真:座談会で議論する左から野田克己さん(大地を守る会常勤監査役)、金子さん、星さん、鶴巻義夫さん(新潟県津南町)、加藤さん〉

2014年の新規就農者/13.5%増の5万7650人 青年は2万1860人で最多(2面・総合)【2015年9月3週号】

 農林水産省は4日、2014年の新規就農者数は前年比13・5%増の5万7650人となったと発表した。前年を上回るのは、11年以来3年ぶり。特に49歳以下は、21.9%増の2万1860人となり、年齢別の統計を開始した07年以降、最多を更新した。同省は、青年就農給付金など関連施策の効果を強調する。ただ、青年新規就農者の3割は、生活が不安定なことなどから5年以内に離農しているのが現状だ。地方自治体への調査でも、約3割の市町村が給付金受給者の定着見込みを「8割未満」と回答した。農家の高齢化や担い手不足が深刻化する中、新規就農者の確保・育成は、持続可能な農業の確立や農村集落の維持・活性化に欠かせない。就農を後押しする環境整備はもとより、営農と暮らしの両面からの継続的なサポート体制の強化・拡充が求められる。

(2面・総合)

若い力で地元フルーツPR 期待の四人衆(3面・暮らし)【2015年9月3週号】

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栽培品目持ち寄り洋菓子や料理に挑戦
 大阪府河内長野市・羽曳野市でブルーベリーやイチジク、ブドウ、ナシなど栽培品目の違う若手果樹農家4人が「南河内FRUITIST(フルーティスト」を結成。地元に豊富にそろう果物をおいしく味わってほしいと、レストランやワイナリーなどの協力を集め、果物を組み合わせた洋菓子の開発や料理提供などを実現している。顧客や知人などとの新たな交流が刺激となって、次々生まれる発想で存在感を示している。

(3面・暮らし)

〈写真:「地元の果物をもっと知ってもらいたい」とFRUITISTのメンバー(右から藤井さん、中谷さん、橘谷さん、吉田さん)〉

日本食文化広め輸出額1兆円へ 16年度予算概算要求の概要など(5面・流通)【2015年9月3週号】

 農林水産物・食品の輸出額1兆円の達成に向け、農林水産省は来年度予算概算要求で、輸出関連対策を拡充した。日本食・食文化の魅力発信で輸出促進を図る「食文化発信による海外需要フロンティア開拓加速化事業」は12億円を新規に計上し、日本食材を積極的に使う海外レストランのネットワーク化などを促す。2015年1~7月の農林水産物・食品の輸出額は、前年同期比24.8%増の4136億円となり、過去最高のペースで伸びている。輸出に係る予算概算要求の主な新規・拡充事業の概要と農林水産物・食品の輸出の現状をまとめる。

(5面・流通)

分娩・発情監視通報システム「モバイル牛温恵」 母牛の体温計り通知 ―― 大分県農林水産研究指導センターと民間企業が共同開発(9面・営農技術)【2015年9月3週号】

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 牛の分娩(ぶんべん)予定日が近づくと、農家は定期的に夜も見回りをするなど負担が大きい。大分県農林水産研究指導センター畜産研究部(竹田市)と、動物用医療機器製造販売業・株式会社リモート(別府市)らが共同で開発した分娩・発情監視通報システム「モバイル牛温恵(ぎゅうおんけい)」が畜産農家の負担軽減に役立っている。分娩を控えた牛の膣内に温度センサーを挿入・留置。体温変化などから「分娩の約24時間前」「第一次破水時」を農家にメールで知らせる。

(9面・営農技術)

〈写真:子機を説明する藤田主幹研究員〉

畑ワサビを新たな収入源に【岩手県・9月3週号】

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 【岩手支局】近年の米価下落などによる農家の収入減少が続いている中で、遠野市附馬牛町小出地区では農家6戸が小出地区特産物生産組合(佐々木良一代表)を設立。山を整備しながら畑ワサビ栽培に取り組み、地域の新たな収入源を目指している。
 同組合では、2013年秋に行政の支援を受けながら、地区内の山林に間伐などの整備を施し、そこへ畑ワサビ苗3千本を定植した。山の整備には、国から環境保全を目的とした森林・山村多面的機能発揮対策交付金の助成があり、1ヘクタールにつき16万円と資材費(苗代含む)の半額分が交付される。その他、遠野市から事業を起業するグループへの補助金として「アストパワーアップ事業補助金」があり、資材費(苗代含む)の半額分の助成を受けられる。
 同組合は今年、収穫量2トン、10アール当たり70万円の収入を目指し、先ごろ収穫作業を行った。佐々木代表は「去年50アール定植したワサビが順調に生育しており、来年の収穫が楽しみ。今年の秋も50アール定植するつもり」と意欲満々だ。

〈写真上:ワサビ畑の入り口に立つ生産組合の看板〉
〈写真中:畑ワサビ〉
〈写真下:ワサビ苗の植え付け作業〉

自家産牛乳使いチーズ作り【宮崎県・9月3週号】

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 【宮崎支局】小林市北西方の㈱加藤牧場(加藤エミ子代表=肥育牛50頭、乳牛120頭、飼料畑12ヘクタール、水稲30アール)の次男・教昭(のりあき)さん(41)が、自家産の生乳を使ったチーズ作りに取り組んでいる。
 同牧場の敷地内にチーズ加工所を建設し、2014年5月から本格的に生産を開始した。教昭さんは、毎日午前5時から8時まで搾乳作業を行い、その後、チーズ作りを行う。原料は搾りたての新鮮な牛乳で、殺菌から加工まで一人でこなす。週2回、カチョカバロ、モッツァレラ、ストリングチーズの3種類を作っている。
 また、チーズ作りの際にでる「ホエー」でクリームチーズ(リコッタチーズ)を製造。教昭さんは同市内の洋菓子店に自ら営業を行い、現在、クリームチーズを使用した商品を試験販売している。今後、正式に契約を結ぶ予定だ。
 「チーズ専用の乳牛としてジャージー種を導入し、チーズ向きの濃い牛乳を生産したい。加工施設の拡大もしたいですね」と抱負を話す。

〈写真上:「チーズ作りは奥が深い」と教昭さん〉
〈写真下:熟成中のカチョカバロチーズ〉

特産ナスのマドレーヌで地元農産物を応援【広島県・9月3週号】

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 【広島支局】廿日市市栗栖のカフェレストラン「清流厨房(ちゅうぼう)せせらぎぶんこう」では、佐伯地域特産の大長ナスを使ったマドレーヌ「なすレーヌ」を製造、販売している。
 なすレーヌは、地元の佐伯高校の生徒が地域のことを学ぶ授業で考案。昨年から生徒らが試作し、今年6月、同店で本格的に商品化された。
 同店の竹本佐土美さん(46)は「地元の物を知ってもらいたいという思いを応援できれば」と協力し、多くの人の意見を取り入れるため、祭りなどでの試食・アンケートを提案。生徒らと共に開発したなすレーヌは、ラム酒に漬けた焼きナスを生地に混ぜ、レモン風味に砂糖で煮込んだナスをトッピングしている。

〈写真上:「『これが入っています』とナスも一緒に販売したいんですよ」と竹本さん〉
〈写真下:マドレーヌ「なすレーヌ」〉

耕作放棄地利用し菜の花、ヒマワリの加工品【大分県・9月3週号】

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 【大分支局】耕作放棄地に菜の花やヒマワリを植えて景観保全に取り組む豊後高田市のNPO法人「長崎鼻B・Kネット」(近藤哲憲会長)では、自前の搾油施設で植物油など加工品を開発し、特産品化を目指す。
 同法人が手入れするのは、「長崎鼻リゾートキャンプ場」の周辺の耕作放棄地。住民も遊休地の提供や草刈りに参加し「花いっぱい運動」として広まった。現在では年間800人の地域住民が参加する。
 2013年には、NPO法人が設立され搾油施設も建設。菜の花やヒマワリを使った食用油をはじめドレッシングなどの開発にも力を入れ、商品は30品目となった。
 「植物由来の純粋な油は香りがよく、食パンなどにつけてもおいしいですよ」と近藤さんは話し、観光地の新たな特産に期待する。

〈写真:商品を手に近藤さん〉

獣医師が養蜂 牛同様に手をかけて【福島県・9月3週号】

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 【福島支局】家畜医院を営む猪苗代町の小須田治祐さん(84)は、「学生のころから興味があった」という養蜂を楽しんでいる。
 小須田さんは数年前まで農業共済指定獣医師として牛の診療にあたっていた。「ミツバチは家畜と同じで、手をかければかけるだけ期待した結果が生まれるのが面白い」と話す。
 ダニなどの防虫対策や抗生物質の投与、天敵であるスズメバチ対策、巣箱の改良補修、女王バチの更新と作業は多岐にわたる。
 「養蜂によって自然を学ぶことができるのも魅力の一つ」と話す小須田さんは、トチやアカシアをはじめとしたさまざまな花の咲く時期などを調べたりと、四季を感じながら活動を続けている。

〈写真:蜜を採る小須田さん〉

サル被害防止へクマのオブジェ【新潟県・9月3週号】

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 【新潟支局】以前からサルによる野菜などへの被害に悩まされている、湯沢町芝原集落の笛田雄三さん(60)は「サルが怖がる動物のオブジェを使えば効果があるのでは」と思いつき、クマなどのオブジェを自作。サル被害防止対策に取り組んでいる。
 「昨年は自宅脇の畑をネットで囲いましたが、サルにやられました。今年はネットの中に、自作のオブジェを入れてからは、サルが近寄ってきません。一定の効果があるみたいです」と手応えを感じている。全て手作りで、クマでは横向き、縦向きと2パターンがある。
 「近所の人からもオブジェを作ってほしいと声を掛けられます。集落内では、自分が作ったオブジェによるサル被害防止対策が広がってきています。今後は、色の工夫もしていきたいです」と意欲をみせる。

〈写真:畑の内にオブジェを設置してある〉

防風林「予算配分には物も人も大事で2者択一ではない【2015年9月3週号】」

 ▼二十数年前に亡くなった祖父の腕には古い腕時計が巻かれていた。地元土地改良区から贈られたという。2016年度の農林水産関係予算概算要求が総額で15年当初予算比114.8%、特に農業農村整備は22.5%の増額となった。
 ▼民主党政権時代に、「コンクリートから人へ」の方針で、公共事業費を大幅に削減し多くが戸別所得補償に向けられた。大区画化や揚排水機場・用水路の老朽化で修繕や更新が遅れ営農の行き詰まり感を抱く地区も多い。
 ▼自民党が政権を回復してはや3年。要求が増額したとはいえ、旧政権以前と比較しても、金額ではまだ隔たりが大きい。農地集積バンクによる集積・集約化の促進には、大区画化と田畑輪換が容易な農地造成も必要だ。
 ▼現場では、予算が組まれても計画通りに着工できない、という話も耳にする。数年の途切れた公共事業で地方土木業者が減少、震災復旧などに労働者が割かれるなど深刻さは増している。
 ▼古い腕時計は父親に託され、修理を重ね今も時を刻む。農業は「コンクリートも人も」大事であり、二者択一ではない。人がいるから物を維持できる。予算配分は緊急性とバランスを優先することが重要だ。

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