ヘッドライン一覧 購読申込&お問い合わせ 農業共済新聞とは? 情報提供&ご意見・ご感想 コラム防風林

今週のヘッドライン: 2015年09月 4週号

「平成27年9月関東・東北豪雨」 適正な損害評価を急ぐ(1面)【2015年9月4週号】

150923_01.jpg

 台風18号から変わった温帯低気圧に湿った空気が流れ込み、関東・東北地方を中心に記録的な雨量となった。内閣府によると17日現在、茨城県常総市を流れる鬼怒川や宮城県大崎市の渋井川など19河川で堤防が決壊、61河川で氾濫などの被害が確認されている。宮城県、福島県、茨城県、栃木県を中心に田畑など約4千ヘクタールが浸水し、水稲や大豆、園芸施設、果樹などに大きな被害をもたらした。

(1面)

〈写真:冠水した水田。家屋やハウスも水没している(茨城県常総市、12日、本紙記者撮影)〉

田舎で国際交流 日本文化を発信 ―― 京都府南丹市・農家民宿「節恵庵」(1面)【2015年9月4週号】

150923_02.jpg

過半数が外国人客
 遠く海の向こうからの来客も「おかえり」と迎え「いってらっしゃい」と送り出す。京都府南丹市日吉町の藤原恵一さん(71)・節さん(69)夫妻(水稲12アールなど)が経営する農家民宿「節恵庵(せつけいあん)」は、国内外から訪れる宿泊客を田舎体験でもてなし、滞在型の農業体験者「ウーファー」も世界中から受け入れる。宿泊や体験などで訪れる年間約100人のうち、半数以上が外国人だ。語学が得意なわけではないという夫妻は、身ぶり手ぶりを交え、前向きな姿勢で異文化交流を楽しんでいる。

(1面)

〈写真:餅つきを教える恵一さん(左から3人目)と節さん(右手前)。餅には夫妻が栽培する古代米を使う〉

TPP/9月末に閣僚会合開催の可能性 国会決議順守最後まで貫け(2面・総合)【2015年9月4週号】

 米政府が環太平洋連携協定(TPP)交渉参加国に9月末の閣僚会合開催を打診していることが18日、分かった。甘利明TPP担当相が閣議後会見で明らかにした。開催地は米国南部のアトランタで、参加国のカナダが10月19日に総選挙を控える中、甘利TPP担当相は「(次回会合は)現体制での最後のチャンス」と強調し、大筋合意に意欲を示す。

(2面・総合)

台風15号/園芸施設に爪痕 迅速な損害評価実施 ―― 熊本県・NOSAI熊本、熊本市支所(5面・NOSAI)【2015年9月4週号】

150923_03.jpg

拡充した補償で再建後押し
 8月25日に熊本県荒尾市に上陸した台風15号は、九州北部を北上し、西日本や東海地方に暴風と雨をもたらした。農林水産省によると台風15号による農作物などの被害額(17日現在)は72億4600万円に上る。NOSAIの園芸施設共済は2月、耐用年数の延長や時価現有率の引き上げなど大幅に補償を拡充した。NOSAIではハウスの損害評価を適正に実施し、迅速な共済金支払いを目指す。被災した熊本市の農家を取材した。

(5面・NOSAI)

〈写真:ハウスの再建を急ぐ坂田さん親子。「NOSAIの損害評価はスムーズだった」〉

公共牧場で放牧衛生検査 獣医師が訪問し治療も ―― 長野県・NOSAI中信(5面・NOSAI)【2015年9月4週号】

150923_04.jpg

 長野県のNOSAI中信(中信農業共済組合、菅谷昭組合長)では、目が届きにくい放牧牛の事故低減につなげようと、家畜共済損害防止事業の一環として定期的に放牧衛生検査を実施している。家畜保健衛生所や農業改良普及センターなどと協力しながら、管内の公共牧場に出向いて臨床と血液検査をし、病気やけがの治療を行う。夏を越してたくましくなった牛が、元気に下牧できるよう地域の放牧酪農を下支えする。

(5面・NOSAI)

〈写真:ピロプラズマ病に感染した疑いのある牛に治療薬を注射する中村獣医師〉

イタリアンライグラスとの二毛作で飼料用トウモロコシ 耕うん同時播種 ―― 農研機構・畜産草地研究所が技術開発(9面・営農技術)【2015年9月4週号】

150923_05.jpg

縦軸型ハロー組み合わせ大幅省力化
 農研機構・畜産草地研究所(本所・茨城県つくば市)では、飼料用トウモロコシとイタリアンライグラスの二毛作で、トウモロコシの播種作業時間を58%削減でき、慣行同等の収量が得られる耕うん同時播種技術を開発した。市販の縦軸型(バーチカル)ハローと鎮圧用ローラー、油圧で昇降できるPTO中間軸付きヒッチ、真空播種機を組み合わせた複合作業機を使う。イタリアンライグラスの収穫作業と重なる5月に、大幅な省力化につながると期待されている。

(9面・営農技術)

〈写真:幅50センチほどの未耕起部ができるが、トウモロコシの収量には影響しない〉

エコフィードの推進に向けて 食品業者との連携が鍵 ―― 農林水産省がシンポジウム(7面・資材)【2015年9月4週号】

 パンくずや大豆かすなど食品残さを利用して製造した飼料「エコフィード(食品残さ飼料)」の推進に向け、農林水産省は11日、畜産農家や食品事業者、研究者などを対象にしたシンポジウムを開いた。エコフィードの製造数量は近年、横ばいで推移しており、分別や小口収集などの手間やコストなど流通面の課題も指摘されている。参加者からはエコフィードの安定した質と量の確保や、給与する農家と加工し提供する食品業者のマッチングなどの重要性が挙げられた。

(7面・資材)

兄と妹力を合わせ水稲、野菜【山形県・9月4週号】

150923_06.jpg

 【山形支局】春はダイコン、夏はカボチャ、秋はネギ、そして冬はキャベツと多品目の野菜栽培を取り入れ、周年農業を行っているのは、酒田市刈穂の成澤貴行さん(34)、美保さん(31)兄妹。主食用米5ヘクタールと飼料用米2.3ヘクタールに野菜栽培を加え、経営安定を目指している。
 兄と妹の2人で仕事をすることに、「良いことも悪いことも、何でも言い合えるのが兄妹の利点」と貴行さん。作業の打ち合わせは畑や作業場で行い、自宅では農業のことは一切話題にしない。「オンとオフをはっきりさせることが、共同作業を長続きさせる秘訣(ひけつ)かも」と美保さんは話す。
 「今は、作物づくりに集中したい。生産物を売り切れば、おのずと経営も安定する」と話す貴行さんの傍らで、「調理師免許を生かして、6次産業化にも取り組みたい」と美保さんが続ける。将来の農業経営を模索し、兄妹で共に歩む日々だ。

〈写真:ネギの収穫作業に取り組む貴行さんと美保さん〉

葉とらずりんご タイに輸出し完売【青森県・9月4週号】

150923_07.jpg

 【青森支局】平川市原田で「葉とらずりんご専門農園『岩渕農園』」を経営する岩渕聖さん(46)は、「父以上のリンゴを作ろう」と決意し、Uターン就農して14年。「国内外に葉とらずリンゴのおいしさを伝えたい」と強い信念を持ち日々の農作業に励んでいる。
 岩渕さんは現在、父の實さん(77)と共にリンゴ園2.5ヘクタールで「サンふじ」を中心に「サンつがる」「紅玉」「シナノゴールド」「王林」の他、水稲7.5ヘクタールを栽培。岩渕農園オリジナルのリンゴの化粧箱を作り、ホームページを開設してリンゴや米のネット通販を行う。
 2014年産は、葉とらずサンふじ100ケース(1ケース=10キロ入り)をタイの首都バンコクへ個人輸出し、見事完売。15年産では輸出量増の他、仲介業者に頼んで店頭で対面販売を実現させたいという。
 「生産者として品質の高さを維持していく努力と、経営者として出荷や販売戦略のバランスも視野に入れ、取り組んでいきたい」と岩渕さんは話す。

〈写真:収穫したサンつがるを手に岩渕さん〉

緑色のミニトマトに挑戦【岩手県・9月4週号】

150923_08.jpg

 【岩手支局】「このミニトマトは熟しても緑色のままですが、とっても甘いですよ」と話す八幡平市大更の江藤豊(えとうゆたか)さん(62)は、緑色のミニトマト「ミドリちゃん」をハウス(1.2アール)で栽培。食味の良さや珍しさから消費者から好評だ。
 完熟しても緑色のため収穫期の見極めが難しいが、「少し黄緑色になってきたら収穫のサイン。あとは手に取って実の柔らかさを確認しながら収穫します」と、一つずつ丁寧に確認しながら収穫する。
 今後について江藤さんは、「農業は手を掛けた分だけ最後に結果がでる。10アール当たり10トンの収量が目標。6次産業化にも挑戦したい」と意欲を燃やす。

〈写真:手に取り果実の柔らかさを確認する江藤さん〉


福島県産あんぽ柿に回復の兆し【福島県・9月4週号】

 【福島支局】県北部を中心に栽培・加工が盛んなあんぽ柿の今年の出荷目標がこのほど、東日本大震災前の出荷量の75%と決定された。
 国や県、福島市、伊達市、伊達郡の関係市町とJAなどで構成する「あんぽ柿復興協議会」は、7月に行った幼果の放射性物質検査をもとに、加工できる地域を全域に拡大(加工自粛の一部地区を除く)し、出荷量も前年実績約500トンの2倍以上となる1157トンと設定。出荷再開3年目となる今年の出荷量を震災前の75%とした。
 幼果の放射性物質検査は、畑ごと品種別に行われ、その結果、1キロ当たり10ベクレル以下の畑からの原料柿生産と干し柿加工が認められた。
 伊達市梁川町五十沢で果樹と水稲を営み、あんぽ柿を約2ヘクタール、成木400本を栽培する曳地一夫(ひきちかずお)さん(57)は、「250グラム入りトレーだけの出荷は変わらない。以前のように1キロの化粧箱などでも消費者に提供してみたい。風評払拭(ふっしょく)のためにも早く以前の出荷形態がとれるよう関係者には頑張ってほしい」と将来の生産・加工に意欲を見せる。

加工で地場農産物を後押し【岡山県・9月4週号】

150923_09.jpg

 【岡山支局】「船穂町産の最高級『マスカット』を100%使用してワインを製造することで、マスカットを一年中PRできるようになった」と、ふなおワイナリー有限会社(倉敷市船穂町水江)の狩山恭三代表取締役(64)は話す。
 同社は、船穂町の特産品「マスカット・オブ・アレキサンドリア」を原料とするワインの製造・販売を行うことで、農家所得の向上、新規就農者の確保・育成、観光客の増加 ―― など、地域振興に寄与することを目的に2004年7月、設立された(倉敷市が資本の53%を出資)。ワインには1本当たり生食用のマスカットを約2房も使用。極甘口・甘口・中口・辛口の4種類を製造している。
 「ピオーネワインやピオーネジュース、白桃や金時人参(にんじん)など地元の特産品を使った新商品を開発している。今後もさまざまなイベントに出向き、マスカットワインをメーンに、これらの新商品を通じて倉敷市特産品の魅力をPRしていきたい」と狩山社長は地域振興に意欲的だ。

〈写真:新商品のスパークリングワインを手に狩山社長〉

「ゆずたま」ユズ皮与え卵の生臭さなく【高知県・9月4週号】

150923_10.jpg

 【高知支局】「『ゆずたま』はユズの香りがする、他の卵とは違うジャンルのおいしさを持つ卵です」と力強く話すのは、南国市の「ヤマサキ農場(山崎吉恭代表)」の営業担当・山崎由紀夫さん(57)。
 馬路村産のユズ皮を飼料として与え、他の飼料や水にも工夫し、試行錯誤を重ねて開発した独自の手法(特許出願中)で飼育する。卵独特の生臭さを大きく軽減させ、爽やかなユズの香りをまとわせることに成功した。
 生卵が食べられない人は、卵独特のにおいが理由の場合が多いが、ゆずたまだと、「卵臭さがなく、これなら食べられる」と消費者から好評。山崎さんも「どんな料理にしてもおいしいですが、お薦めの食べ方は、塩で食べる卵かけご飯。卵がおいしいから、しょうゆがいらないんですよ」と笑顔で話す。

〈写真:ゆずたまとゆずたま焼き〉

防風林「地名の由来を知ることが災害対策の第一歩では【2015年9月4週号】」

 ▼台風18号に伴う低気圧がもたらした豪雨は本紙報道の通り、死者・行方不明者を出す深刻な大災害となった。穏やかな表情を見せる自然から一転し、憤怒の形相を見せる猛威には、人間の力は全く無力だ。
 ▼昨年の広島県豪雨土砂災害を教訓に、気象庁は今年から、危険性が著しく高まった場合に「特別警報」を発令し、ただちに命を守る行動をとるよう呼びかけている。しかし、この特別警報を有効に生かせるかどうかは、行政や住民の意識で異なり今回も疑念の声が挙がっている。
 ▼市町村の大合併以降、住所表示から大字や字などの地名を省略・変更したり、地番だけに置き換えられたりした地区もある。そもそも地名は地形や過去の出来事から由来するなど、土地固有の歴史が刻まれている場合が多い。
 ▼内閣府の政府広報『みんなの力を、防災の力に』では、「土地の名前の意味を知り、歴史を知ることは災害対策上で重要なヒント」として、「蛇」「竜」「龍」などが使われる地名は、過去に大規模な土砂災害が発生したケースが多いと紹介する。斜面から土砂が濁流のように崩れ落ちる光景を、これら動物になぞらえ示唆してきたのだろう。
 ▼ある県では、河川が頻繁に氾濫する地域を治めた中世期の豪族が「難波田(なんばた)」と名乗った由縁をもつ地名を、数百年たった昭和期に「南畑」と変更した地区がある。近年は、地価やイメージに悪影響だとして、歴史と関係ない「自由」や「希望」など空々しい名称の宅地開発例はあまたある。地名の由縁を知り、各種警報と共にシグナルと認識することが、身を守る第一歩になるかもしれない。

» ヘッドラインバックナンバー 月別一覧へ戻る