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今週のヘッドライン: 2015年10月 1週号

平成27年9月関東・東北豪雨の被災地 営農再開へ一歩ずつ ―― 栃木県・NOSAIかみつが管内(1面)【2015年10月1週号】

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 「平成27年9月関東・東北豪雨」により、関東や東北を中心に大雨や強風などで農作物などに被害が発生した。栃木県日光市や鹿沼市などを管内とするNOSAIかみつが(上都賀地方農業共済組合、青柳秀男組合長)では、黒川などの氾濫による園芸施設の本体被害や、水稲の冠水被害が発生した。迅速な共済金の支払いに向けて損害評価に取り組む同NOSAI管内の被害現場を取材した。

(1面)

〈写真:ハウスにせき止められたがれきを前に高橋さん。大きいものの処分には重機が必要だという〉

自民党 改正農業委員会法の政省令案を了承(2面・総合)【2015年10月1週号】

 自民党・農林関係合同会議は9月18日、来年4月1日に施行される改正農業委員会法に伴う政省令案を了承した。市町村長の任命制に移行する農業委員は、定数の上限を現行の半数程度などとし、過半数を認定農業者とする要件の例外措置は、区域内の認定農業者数が委員定数の8倍を下回る場合などに限定する。新設する農地利用最適化推進委員は、定数を区域内の農地面積100ヘクタール当たり1人の割合とした。政府は、法改正の目的を農地利用の最適化の推進とする。ただ、生産現場では、公選制廃止や定数半減などにより農業委員会の機能や活動が弱体化するのではと心配する声も残る。地域の実情に即して農地の確保と適正利用を確実にする体制の構築が求められる。

(2面・総合)

15年産水稲/作況指数は100 過剰作付け初の解消(2面・総合)【2015年10月1週号】

 農林水産省は2日、2015年産米の全国の作況指数(9月15日現在)は100の「平年並み」と発表した。天候に恵まれた北海道と東北は、103の「やや良」となる一方、東海以西は100を下回っている。主食用米の作付面積は、前年産比6万8千ヘクタール減の140万6千ヘクタールと生産数量目標の面積換算値を1万3千ヘクタール下回り、目標配分開始以来、初めて過剰作付けを解消。予想収穫量は41万5千トン減の746万7千トンとなり、目標(751万トン)対比では、4万トン下回る。

(2面・総合)

フルーツホオズキ栽培に情熱 魅力広めたい ―― 長野県原村・いっちゃん農園(3面・暮らし)【2015年10月1週号】

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 長野県原村払沢で原村いっちゃん農園を営む一谷(いちたに)牧男さん(56)は、露地15アールで食用のフルーツホオズキ「太陽の子」を栽培する。長野県の豊かな自然とホオズキの持つ大きな可能性に魅せられ、報道関係の会社を早期退職し、パートナーの魚住由紀さん(53)とともに兵庫県からIターン就農して3年目。フルーティーな香りと甘酸っぱいホオズキならではの魅力をより多くの人に伝えたいと二人三脚で汗を流す。小規模ながらも営農スタイルを確立、新規就農を考えている若者や定年退職者のモデルになりたいと夢を描いている。

(3面・暮らし)

〈写真:袋状のがくを開いて、出来栄えに笑顔を見せる牧男さんと由紀さん。思い描いてきた暮らしをホオズキがつないでいる〉

自家産野菜をピクルスに まろやかな酸味液の調合に工夫 ―― 高知県土佐町・川谷 活心さん、美紀さん(4面・流通)【2015年10月1週号】

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 高知県土佐町の川谷活心(いくみ)さん(36)と美紀さん(38)夫妻は、20アールで15種類の野菜を露地栽培し、全量をピクルスに加工・販売する「ピクルス屋 いく農園」を経営する。年間約30種類を一つ一つ手作業で仕込む。ピクルス液は、むせかえるような酸味を抑え、野菜本来の風味を生かしたいと、かんきつ類の果汁やみりんなどを使用し、種類ごとに全て味付けを変える。一瓶1500円前後で、県内外の雑貨店など33軒と取引するほか、インターネットで直売する。瓶詰めにすることで棚映えし、ギフト需要も多く、年間で生産する4000瓶がほぼ完売している。

(4面・流通)

〈写真上:ユズ果汁やリンゴ酢などでまろやかな酸味に仕上げるピクルス〉
〈写真下:「畑に軸足を置き、お客さまに喜んでもらえるピクルスを作り込んでいきたい」と活心さん(右)と美紀さん〉

高齢化・条件不利地に負けない 地域の力より強く ―― 大分県・NOSAIおおいた(5面・NOSAI)【2015年10月1週号】

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 複雑な地形を持つ大分県は、中山間地が約7割を占める。NOSAIおおいた(大分県農業共済組合、阿部順治組合長)では、自然災害の多発や高齢化などの条件を抱える中山間地でも、共済部長(NOSAI部長)が集落を支えている。条件不利地でも農業継続のため、獣害対策や水田の受託作業などに励む共済部長も多い。NOSAIおおいたは、損害防止事業の啓発などに加え、職員と協力し、地域に貢献できる新体制づくりへの検討を始めている。

(5面・NOSAI)

〈写真上:「今年は天候不順で病害も気になる」と稲の生育を眺める永野さん〉
〈写真下:「管理しきれない水田に牧草を作付けて、お互いに利益があるようにしている」と佐々木さん〉

第33回全農酪農経営体験発表会(9面・営農技術)【2015年10月1週号】

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 第33回全農酪農経営体験発表会(主催・JA全農)が9月25日、東京都港区で開かれ、書類や現地審査で選ばれた6人が発表した。優秀賞・特別賞を受賞した福島県の水戸崇宏さんと奈良県で植村牧場株式会社を経営する黒瀬礼子さんの経営概要を紹介する。

(9面・営農技術)

〈写真上:優秀賞・特別賞 植村牧場株式会社 黒瀬礼子さん 奈良県奈良市〉
〈写真下:優秀賞・特別賞 水戸崇宏さん 福島県新地町〉

明日のNOSAI私の期待(6) 大きい価格変動、より広い補償を ―― 福岡久留米市・田中稔さん(1面)【2015年10月1週号】

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 農家経営のさらなる安定に向けて、政府は収入保険制度検討調査事業を実施する。併せてNOSAI制度の改正も予定される。農業のセーフティーネットへの期待や意見、要望を、NOSAI部長など基礎組織構成員に聞く。(不定期連載)

 (福岡県久留米市田主丸町、サニーレタス2.5ヘクタール、ゴボウ70アール、ニンジン40アールなど、54歳)

〈写真:・田中稔さん〉


(1面)

アンズの里へ着々【香川県・10月1週号】

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 【香川支局】「アンズを地域の特産品として定着させたい」と話すのは、高松市国分寺町の竹本慧さん(68)。2006年からアンズの栽培を始め、今年、加工品を作る「讃岐国分寺あんず工房竹本」を立ち上げた。企業とタイアップした商品開発に取り組み、徐々に販路を広げている。
 竹本さんは同会の会員として、20アールの園地で「信州大実」「ハーコット」など4品種120本を栽培する。生食用は高糖度の品種を出荷し、加工用には酸味が適度にある品種を活用。「女性には酸味がある品種が好まれます」という。安心して食べられるよう、農薬は抑えて栽培する。
 生果だけでなくジャムやシロップ漬けなどの加工品を作り、産直市や地元のイベントなどを中心に販売してきた。菓子類の原材料として、冷凍果肉も出荷している。
 現在、アンズに香川県産のしょうゆや黒こしょうなどのスパイスを加えて作ったソースで鶏肉を煮た、「鶏手羽先のあんず煮 手羽プリコット」(450円/150グラム)を、鶏肉専門店の株式会社サクマ(高松市、佐久間美光代表取締役社長)と連携して商品化。サクマの店頭で販売している。
 竹本さんは「品質の良い物を作り続けたい。企業が加工用として便利に利用できるように、ピューレやジュレといった1次加工にも力を入れたい」と話す。

〈写真:アンズのジャムとシロップ漬けを手に竹本さん〉

柿「西条」でジョイント栽培 目標は反収1トン【島根県・10月1週号】

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 【島根支局】出雲市東福町で「西条」「富有」「松本早生」など柿270アールを栽培する奥秀男さん(59)は、昨年3月から作業の省力化が図れる西条のジョイント栽培に取り組み、同栽培方法の普及を目指す。
 この栽培方法は複数樹の主枝を高さ約60センチのところで90度に曲げ、約1メートル間隔で連続的に連結し、直線状の集合樹として仕立てるもの。樹高が低いため、摘蕾(てきらい)から収穫までの作業で脚立が不要となり、効率化と安全性が確保できる。また、側枝のバランスと採光・通風もよくなり、果実の品質向上が見込まれる。
 JAしまね出雲地区本部平田柿部会の部会長も務める奥さんは「ジョイント栽培だと、高齢化に伴い危険が増す脚立での作業が無くなり安全です。早期の成園化も可能で、新規就農や定年帰農のきっかけになれば」と期待する。
 植栽本数が多いなど導入時に生産コストが高いことや接ぎ木に労力が必要など課題もあるが、「目標の収量は3年目で10アール当たり1トン。軌道に乗せてジョイント栽培を平田全域に広めていきたい」と奥さんは意欲的だ。

〈写真:「来年の収穫が楽しみ」と手入れをする奥さん〉

ゴーヤー3品種を育種【埼玉県・10月1週号】

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 【埼玉支局】「人が作っていない変わったものを作りたい。そんな思いから誕生したのが『上里アップルゴーヤ』です」と話すのは、上里町金久保で「岡村農園」を経営する岡村秀雄代表(67)。
 上里アップルゴーヤは従来のゴーヤーに比べて肉厚で、糖度が高く、苦味が10分の1に抑えられていて、生でも食べられる。重さは大きいもので900グラムにもなる。
 岡村さんは上里アップルゴーヤを9年かけて育種し、2014年に農林水産省に品種登録された。現在、白色の「白秀(品種登録名は『岡村白秀』)」、緑色の「緑秀(現在、品種登録出願中)」、青磁色の「青秀(同出願中)」の3種類を栽培し、苗だけを年間約8万鉢、地元企業を通じて全国へ出荷する。
 「児玉郡市がアップルゴーヤの産地になっていけばいいな」と話す。

〈写真:アップルゴーヤを栽培するハウスで岡村さん〉

6次産業の草分け 瓶入り牛乳提供【新潟県・10月1週号】

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 【新潟支局】上越で唯一、乳牛の飼育から瓶牛乳の製造・販売までの工程を一貫して行っている上越市三和区の三和牛乳。梨本一郎さん(58)・厚子さん(54)夫妻が力を合わせて経営している。
 生乳から牛乳を製造する工程で行われる殺菌処理では、加熱臭が少なく、生乳本来の風味や甘味を保持できるという高温保持殺菌法(75度以上で、15分間以上保持する殺菌法)を採用。
 同市内のレストランや洋菓子店、温泉施設で販売されているジェラートなどにも幅広く三和牛乳が使われている。
 梨本さん夫妻は「帰省客がうちの牛乳を飲んで地元を感じ、懐かしんでいるという声を聞くとうれしいですね。これからも安全・安心な牛乳を提供したい」と笑顔で話す。

〈写真:「おいしい牛乳」とPRする梨本さん夫妻〉

消費者に喜ばれるライチを【鹿児島県・10月1週号】

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 【鹿児島支局】垂水市海潟の角野廣志(すみのひろし)さん(72)は、妻の惇子(あつこ)さん(73)とともに、露地とビニールハウスでライチ約5アール(30本)を栽培し、地元物産館などで販売している。
 角野さんは、果実が大きく糖度も高い特徴を持つ南大隅町佐多の在来種を栽培している。栽培に取り組み始めたのは10年前。当初は実を収穫するだけだったが、8年前からは同市内にある果樹試験場の職員の指導を受けながら、本格的に取り組んでいる。
 「農業は全くの素人でしたが、成果が目に見えるのがうれしくて、どんどんのめり込んでいきました」と角野さん。
 収穫したライチの出荷作業は、惇子さんが担当。「自分たちが栽培したものを購入されるところを見るとうれしいですね。『次はもっとおいしいものを作るぞ』って意欲もわいてきます」と笑顔で話す。

〈写真:ハウスでライチを手に角野さん〉

昔懐かしい農具などがずらり【大分県・10月1週号】

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 【大分支局】国東市国東町の旧大恩小学校区住民でつくる地域起こしグループ「文渓里(ぶんけいさと)の会」(川野文義〈かわのふみよし〉会長)では先ごろ、旧校舎内に「農村博物館」をオープン。昔懐かしい農具や民具が70種類、約170点展示されている。
 この展示は、昨年、同市が世界農業遺産(GIAHS)に認定されたことを受け、伝統的な農具などの保存・継承を通じた地域の活性化を図ろうとするもの。
 「小中学校などから授業の一環として見学に訪れます。生徒はもちろん、先生にもぜひ見てもらいたい」と同会の石田幸人(いしだゆきと)事務局長(76)。「先人が土地の環境を生かしてきた農具などを見てもらいたい」と話している。

〈写真:七島イ織機を使ってみせる石田さん〉

現代風レシピで伝統野菜をPR【石川県・10月1週号】

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 【石川支局】「加賀野菜の色を生かし、彩りを意識した料理を心掛けています」と話す金沢市の丸山順子(まるやまじゅんこ)さん(39)は、自身が開催する料理教室で伝統野菜を現代風に調理した料理の提供や紹介をしている。
 ジュニア野菜ソムリエとナチュラルフードコーディネーターの資格を取得している丸山さん。レシピを考案する際、あえて郷土料理は調べず、一口食べて感じた素材の特長を生かす調理法を導き出しているという。
 煮物や酢の物として調理されることが多いが、料理教室では、塩糀(しおこうじ)と合わせたドレッシングであえたサラダや、スープなど、新しい調理法を提案。説明する時には、栄養価や適した保存方法などの情報も追加する。
 「今後は生産者と消費者がつながるイベントも開催していきたい」と丸山さん。伝統野菜の普及に新たな挑戦を続けている。

〈写真:野菜の色を生かした料理〉

女子グループ「梨っ娘」 特産ナシを広める【群馬県・10月1週号】

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 【群馬支局】明和町でナシのPR活動を行う女子グループ「梨っ娘(こ)」。県立館林商工高校の生徒と、同町と連携協定を結んでいる成城大学の学生7人で活動している。
 梨っ娘は同町の若手農家グループ「梨人(なしんちゅ)」のPRグループとして結成。名付け親である梨人中心メンバーの「えぇファーム」東秀人(あずまひでと)代表(37)は「繁忙期には、PRに力を入れられなかった。男ばかりの世界に明るく元気な女の子を入れることで、現場に華を持たせたかった」と話す。
 梨っ娘のメンバーは「もっと若い人たちに明和のナシを知ってもらえるようにPRしたいです」と意欲を見せる。

〈写真:祭りでナシを販売するメンバー〉

防風林「小さな日本の小麦育種が飢餓を救う偉大さ【2015年10月1週号】」

 ▼真っ白な豪州産小麦粉「ASW」がわが国の加工用小麦として席捲して以降、乳白色の国内品種はうどんやパンへの加工適性に劣るとされ、次第に栽培が縮小してきた。
 ▼1935年に日本で育成した「農林10号」が、世界で栽培される多くの小麦品種に形質が受け継がれ、「緑の革命」の礎を築いた事実は知られていない。育種家・稲塚権次郎の生涯を描いた映画「NORIN TEN 稲塚権次郎物語」(稲塚秀孝監督)を観た。
 ▼北陸の寒村に生まれ、冷害に強い水稲育種で郷土へ恩返しをと願う稲塚。秋田の農事試時代に「農林1号」「陸羽132号」の育成に貢献した矢先、盛岡への異動が命じられ小麦の品種改良に没頭する。
 ▼稲塚は、日本在来の短稈種「達磨」系統と、トルコ系統を交配することで、草丈が低く良質で多収の農林10号を作出した。戦後、米国の研究者の手で農林10号を交配親にした小麦が、乾燥地帯での生産量を増大させ、飢餓克服を果たしたことから緑の革命と賞賛された。
 ▼優良品質の作出が、人類の生命をつなげ、独自の食文化や産地の形成にも貢献する。品種一粒のもつエネルギーの可能性に驚かされる。

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