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今週のヘッドライン: 2015年10月 3週号

収穫物に赤米混入/等級格下げや減収も 雑草イネ根絶が急務(1面)【2015年10月3週号】

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 収穫した米に赤米が混じっていれば、「雑草イネ」を疑ってほしい。古代米や赤米の栽培品種とは異なる水田の強害雑草で、圃場にまん延すると等級の格下げや減収につながるため、経営は大打撃を受ける。直播栽培を行う水田で被害が多く、発生地域は近年拡大傾向にある。赤米は色彩選別機を使えば取り除けるものの、根本的な解決には至らない。雑草イネは脱粒しやすく、もみが農機類などに付着して広がるため、徹底した株の抜き取りと除草剤3回体系処理を基本とした総合的な防除対策が重要だ。

(1面)

〈写真:手取り除草を徹底し、雑草イネは見当たらない。左からとざま常務の小林隆行さん(65)、中原さん、今清水さん〉

TPP合意内容の説明開始 対策への要望も聴取へ(1面)【2015年10月3週号】

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 環太平洋連携協定(TPP)交渉の大筋合意を受け、農林水産省はTPPの地方意見交換会を15日から始めた。大筋合意の内容を説明するとともに、生産現場の要望を聞き、今後の対策検討に生かすのが目的。「水田・畑作関係」「畜産関係」「園芸関係」の3分野ごとに全国10ブロックで23日まで開催する。農業対策について政府は、担い手の育成・確保や農地集積・集約化などを柱とする「体質強化対策」と、米や牛・豚肉など「重要5品目対策」を中心に、万全の措置を講じるとの方針を示す。ただ、政府の譲歩により、ほとんどの国産農産物が安い輸入品との競争を強いられるのは必至で、生産現場は先行き不安や不信で満ちている。

(1面)

〈写真:農業団体や都道府県など対象に説明会を開催(東京・虎ノ門の日本消防会館)〉

JA全国大会「創造的自己改革」決定 所得増大と生産拡大へ(2面・総合)【2015年10月3週号】

 JA全中は15日、東京都内で第27回JA全国大会式典を開き、2016年度から3年間のJAグループの実践方針となる大会議案を決議した。「創造的自己改革への挑戦」をスローガンに、政府の農協改革を踏まえて「農業者の所得増大」と「農業生産の拡大」を最重点課題に位置付け、「地域の活性化」を併せた三つの基本目標を掲げた。特に担い手支援をはじめ、営農・経済事業を強化する。また、大会では、環太平洋連携協定(TPP)交渉の大筋合意を受け、TPP対策運動を継続・強化する特別決議も採択。農業・農村を守るための万全な対策を求めていくことなどを確認した。国内農業・農村が重大局面を迎える中で、地域に根ざした協同組合としての役割発揮が求められる。

(2面・総合)

桜島大根の種まき⇒自家産野菜のランチ ―― 鹿児島市・カフェしらはま 村山昭江さん(3面・暮らし)【2015年10月3週号】

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 「種まき体験の後、ゆっくりランチを楽しんでもらい、交流が生まれます」と村山昭江さん(65)。鹿児島市の桜島にある「カフェしらはま」を切り盛りする。夫の利清さん(69)が「ファームランド櫻島」で作る野菜などを中心に、地域の食材を使ったランチを提供。体験を終えた人に、くつろいだ雰囲気の中で食事をしながら地域や農業の魅力などを伝えている。

(3面・暮らし)

〈写真:カフェしらはまとファームランド櫻島を経営する村山さん一家。右から2人目が昭江さん〉

魅力的な商品開発で需要を喚起 消費者に「米選びの幅」提供(10面・流通)【2015年10月3週号】

 米の1人当たりの年間消費量が55.2キロ(2014年度)と過去最低を記録し、昨年の米価大幅下落の影響から生産意欲低迷の声も聞こえる。農家の中には、特別栽培や減農薬・減化学肥料などの高品質米の生産も見られるが、需要を底上げする要因にはなっていない。青森や新潟、宮城などの米産地では、新ブランド米戦略を展開され、期待が寄せられている。近年、民間流通企業による銘柄選択の幅を広げる商品開発や新たな流通形態への挑戦が見られる。米のおいしさを数値化して消費者に分かりやすく伝える販売方法や、料理に適した専用米の開発など新しい取り組みを紹介する。

(10面・流通)

適地選び業者との契約出荷 ジャガイモ核に水田営農 ―― 熊本県玉名市・アグリ一瀬(11面・営農技術)【2015年10月3週号】

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 「誰にも頼らず、常に5年先、10年先を見据えながら経営を考える」と熊本県玉名市川部田の一瀬〈いちのせ〉きぬ子さん(65)。夫・俊郎さん(63)とともに「アグリ一瀬」を経営し、水田転換畑で契約栽培するジャガイモを核に、年間35ヘクタール規模の農業を営む。毎年、タマネギやキャベツなど新品目を試験栽培し、収益性の高い品目へ柔軟に対応できるようにしている。30代の息子3人がそれぞれ地元に就農。次男が別経営で経営する農業法人の役員をきぬ子さんが務める。今後は息子たちに農地を引き継ぎ、一瀬さん夫妻は新たな経営形態へ進む予定だ。

(11面・営農技術)

〈写真:「農業は、情報を集めて自分で判断する経営感覚が必要」と新品種の黒米の圃場できぬ子さん(右)。左は俊郎さん〉

NOSAI全国が研修会/任意共済推進へ 優良事例に学ぶ(2面・総合)【2015年10月3週号】

 NOSAI全国(全国農業共済協会、髙橋博会長)は15日、東京都内で第40回任意共済全国研修会を開き、連合会・組合等の任意共済担当者約200人が出席した=写真。事業推進事例の発表や台風15号など最近の自然災害の状況が報告された。また、弁護士法人大江橋法律事務所の嶋寺基弁護士は、「共済契約に関連する法律上の留意点」と題し、共済契約を取り巻く法環境などについて講演した。

(2面・総合)

種雄牛「室太郎」と「美津忠」を育成【埼玉県・10月3週号】

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 【埼玉支局】寄居町桜沢の室岡重雄さん(68)は、妻・登志さん(66)とパート1人と共に黒毛和牛の繁殖に取り組む。母体には「安福久」「第1花国」「勝忠平」「花清国」の血統を主体に、親牛(雌)60頭から子牛55頭を生産する他、酪農家と協力して受精卵移植(ET)で多くの子牛を生産する。
 室岡さん方では、飼育する親牛60頭のうち年間10頭から受精卵を採取し他農家の牛へ移植する。こうして生まれたET子牛20頭を買い取り、通常の繁殖で生まれた55頭と合わせて年間75頭の子牛を出荷する。
 系統の優れた「もとじろう」血統の「もとみつ」×「百合茂」の交配受精卵から「室太郎」を生産。すると、2013年に日本で有名な鹿児島県の人工授精所に注目され、種牛として鹿児島県で活躍している。翌年には、「もとじろう」血統の「もとみつ」×「忠富士」の交配受精卵から「美津忠」を生産し、室太郎と同じく種牛として活躍している。
 「この2頭の出荷直後からきた全国の生産農家からの注文や問い合わせに対し、今までにない喜びや手応えを感じている。やっと、自分の理想が現実となった」と室岡さんは話す。

〈写真:飼育する和牛と室岡さん。「今度は新たな種牛の生産に挑戦したい」と話す〉


サル用大型囲いわな 高さ4メートルの壁で脱出阻む【島根県・10月3週号】

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 【島根支局】サルによる被害を長年受けてきた邑南町西鱒渕(にしますぶち)集落。被害を少しでも減らそうと、西鱒渕野猿被害対策組合(間茂樹代表=72歳・構成員72戸)では、箱わなと並行して大型囲いわな「地獄檻(おり)」を導入した。
 地獄檻は、天井のない八角形の囲いの簡潔な構造だが、約10メートル四方、壁の高さは4メートルに及ぶ大きな仕掛けだ。壁は中で育てているおとり用作物が外から見えるよう、下部の1メートルにワイヤメッシュを張り、内壁の上部3メートルには足がかりのないようにトタンを張る。ワイヤメッシュ越しに内部のおとりの作物を見たサルが、外側に設置した侵入用の丸太を伝って侵入すると、アリジゴクのように脱出ができない作りだ。
 2015年から本格稼働したこのわなで、同年4月と5月の2カ月だけで10頭を捕獲。サル被害対策に手応えを得ている。
 同組合では今年からサルの寝床めがけて光や音で脅すなど、集落に寄せ付けない活動も始め、被害に負けない地域を目指す。住民の日高洋子さん(77)は、「以前は20頭ほどの群れで頻繁に畑へ来て、野菜の食害に悩まされていました。今年は2、3頭ほどで、来る回数、被害の量もぐっと減り、助かっています」と話す。

〈図:地獄檻〉


「秋田牛」売り込みに力【秋田県・10月3週号】

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 【秋田支局】「必要コストを安定させ、品質向上に努めたい」と話す横手市山内南郷の橋本紘志さん(35)は、父親の一志さん(62)、弟の健司さん(32)と繁殖から肥育までの一貫経営に取り組んでいる。
 家畜人工授精師の資格を取得し、繁殖を紘志さんが担当。肥育を一志さんと健司さんが担当し、経営を分業している。
 橋本畜産では肥育牛の6割を東京都へ出荷。飼料に県産米を使用するなど「秋田牛」としての売り込みにも力を入れ、サシの入ったうまみの強さは贈答用としても人気があるという。また同時に、地域銘柄の「横手黒毛和牛」として、県内での消費拡大にも積極的に取り組み、市内ホテルで不定期に開催されるイベントに提供する。
 子牛取引価格の高騰など、畜産を取り巻く環境は厳しさを増すが、熱意を持って挑戦したいという紘志さん。「今後も親子協力し、高品質を追求したい」と意欲を見せる。

〈写真:家族で高品質を追い求める紘志さん(右)〉


わな猟で農作物の被害削減へ【福島県・10月3週号】

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 【福島支局】「震災後、放射能の影響でイノシシの食用ができなくなったため猟師が減り、農作物被害が増えて困り果てていました」と話す新地町杉目の目黒清明さん(74歳・水稲11アール、パイプハウス7棟)は、早急に被害を食い止めなければとの思いから、イノシシの捕獲に本腰を入れて取り組む。
 手始めに箱わなを2基購入したが、わなの中の餌には興味を示さず、思った以上に捕獲ができなかった。「守りの捕獲では成果が上がらない」と考え、ワイヤ式の足くくりわなを購入。さらに、イノシシの生態を知るために本を購入し勉強した。
 その努力が功を奏し、2013年の20頭を最高に震災後から計50頭ほどを捕獲。最近では、他集落の被害報告も新地町役場経由で目黒さんに連絡が入り、捕獲に出向く。
 目黒さんは「後継者不足が深刻な問題。関係機関・団体・地域が協力し指導員を含めた人材育成が急務だ」と話す。

〈写真:わなを仕掛ける目黒さん〉


耕作放棄地を再生 無農薬でかんきつ【高知県・10月3週号】

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 【高知支局】「農業は面白い。樹(き)の成長を見るのも楽しいし、手をかければ応えてくれる」と話すのは、高知市春野町にある「青山農園」の青山洌(きよし)代表(72)。耕作放棄地を再生させ、無農薬での果樹栽培と加工品販売に意欲的に取り組んでいる。
 青山代表は栽培依頼があった須崎市や土佐市など県内6カ所(約2ヘクタール)で、「土佐ブンタン」を中心に小夏やユズなどのかんきつを栽培している。栽培開始時から無農薬栽培にチャレンジ。現在では全ての樹園地を無農薬で栽培する。12年には高知県のかんきつ栽培では初めてとなる有機JAS認証も取得した。
 年間を通して販売できるようにと加工品にも力を入れ「土佐の果実・飲むゼリー」などを生産。「無農薬・無添加なので、自然そのものおいしさ」と自信をのぞかせる。
 今後について、「現在は果汁の業務用販売が中心だが、ゼリーやアイスの原料としての販売も増やしたい」と話してくれた。

〈写真:「無農薬にこだわって作っていきたい」と話す青山代表〉


四つ子の子牛 競り市に【鹿児島県・10月3週号】

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 【鹿児島支局】曽於中央家畜市場で開かれた子牛競り市にこのほど、四つ子の子牛が出場し周囲を驚かせた。出荷したのは曽於市財部町で繁殖牛29頭を飼養している柿木幸夫(かきのきさちお)さん(65)。
 出生時の体重はいずれも12~13キロと一般的な子牛の3分の1ほどで、1カ月ほどはかかりきりだったという。特に、寒い時期に生まれたため「赤外線ヒーターと、毛布で作ったちゃんちゃんこで寒さをしのぎましたよ」と振り返る。
 4頭が元気に育つのはまれで、「競りに出すのは少し寂しい気持ちもある」と柿木さんは目を細める。体調管理に細心の注意を払い、出荷時は267~307キロと、他と変わらない体重まで成長。「ここまで育ってくれて達成感でいっぱい」と笑顔を見せる。

〈写真:四つ子の子牛と柿木さん〉


みんなで楽しくかかし作り【大分県・10月3週号】

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 【大分支局】佐伯市本匠上津川地区では、地区の高齢者グループがかかし作りを通じた生きがいづくり、地域活性化に取り組む。同地区の道路沿いには約350体のかかしが11月末まで展示され、訪れる人を楽しませている。
 かかしを製作するのは地区の高齢者が集まる「上津川ふれあいサロン」(20人、高橋ふくみ代表・61歳)。8月ごろから、会員6~7人がサロンに集まり、半日で5体ほどずつ製作。「裁縫をしながら服のサイズを合わせているので手間がかかります」と高橋さん。「かかし作りが高齢者の生きがいになったり、みんなで話をしたりすることで、活気が出てきました」と話す。
 会員の三城フサエさん(83)は「みんなとしゃべって、笑って、楽しいです」とほほ笑む。

〈写真:かかしを作る会員ら〉


防風林「日本独自の先進的な農業スタイルを目指そう【2015年10月3週号】」

 ▼人気ビジネス劇画の作者が、主人公名を冠した農業論を出版したというので読んでみた。
 ▼植物工場が普及するオランダは、単位面積当たりの生産額や労働生産性が高く、農産物輸出額も世界2位で「先進国型農業」の姿と称賛する。
 ▼日本は反面、土地利用型農業に固執するため基盤整備に膨大な費用が必要で、生産額も生産性も輸出額も低い。オランダは園芸作物を中心とした農産物輸出が多いが輸入もまた多いのだ。国民の栄養源となる穀類などの作物を、他国の耕地に委ねることが、国家の選択すべき道とは思えない。
 ▼植物工場は、培地・養液・光源・環境制御など高度技術の結集で、新規参入企業のほか、高齢農家や若手就農者への福祉や研修での活用が期待される。だが、栽培できる作物には限界があり、穀物や重量野菜など土地利用型に代わる営農方式として強調するには難がある。
 ▼土を耕す農業を放棄し、水田を植物工場に変えた先進国型農業で儲かるのは経済界だけだ。農家は制御盤を監視する作業員か。集落に人がいて農村文化を継承しつつ、高品質で収量性の高い品種育成、田畑輪換が容易な汎用水田の造成、機械やICTも活用した日本発の先進国型農業を目指したい。

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