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今週のヘッドライン: 2015年10月 4週号

飼料用米利用/地域一丸で酪農家支援 耕畜納得の体制で拡大 ―― 新潟県魚沼市・魚沼市自給飼料生産組合(1面)【2015年10月4週号】

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 日本有数の米産地である新潟県魚沼市で、飼料用米の生産・利用が拡大している。魚沼市自給飼料生産組合の酪農家4戸(経産牛130頭)は、搾乳牛に1日1頭当たり7キロの飼料用米をTMR(混合飼料)で給与。2014年産米は340トンを利用し、飼料費を約1千万円削減できた。玄米の保管と消化性を高めるための破砕・運搬作業はJA北魚沼に委託する。実践前には、県畜産研究センターが酪農家ごとにコスト低減額を提示し、技術指導した。飼料用米給与に対する酪農家の負担や不安を、地域一丸で解消した成果が出ている。

(1面)

〈写真:飼料用米を23%含むTMRを手に桜井さん〉

重要品目は3割撤廃 TPP関税交渉の全結果公表(2面・総合)【2015年10月4週号】

農林水産物の撤廃率は81% 聖域確保の約束はどこに
 政府は20日、環太平洋連携協定(TPP)の関税交渉結果の全容を公表した。加工品や調製品なども含む農林水産物の関税撤廃率は81%に上り、米や牛・豚肉など重要品目も3割が撤廃される。甘利明TPP担当相は同日の会見で、日本以外の交渉参加11カ国の平均関税撤廃率が98.5%となったことなどを説明し、「守るべきは守った」と自賛した。しかし、果実や野菜などの関税がほぼすべて撤廃され、国会決議で「聖域」とされた重要品目すら風穴が空く事態に、生産現場では先行き不安や不信感がかつてないほど高まっている。

(2面・総合)

豊富な加入方式から選択 補償手厚く経営再建へ(5面・NOSAI)【2015年10月4週号】

 果樹は栽培期間が長く自然災害を受けやすい作物だ。2015年は8月の台風15号や、9月の関東・東北豪雨などの自然災害が発生しており、ナシなどで被害が確認されている。NOSAIが実施する果樹共済ではリンゴや温州ミカンなどを対象に自然災害による減収などを補償している。果樹共済の制度の概要について共子さんが済太郎くんに聞いた。

(5面・NOSAI)

乳牛や肉牛対象に畜舎消毒 農家の負担軽減に貢献 ―― 島根県・NOSAI出雲広域(5面・NOSAI)【2015年10月4週号】

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 島根県のNOSAI出雲広域(出雲広域農業共済組合、高野義徳組合長)は、酪農家や肉牛農家を対象に畜舎消毒を実施する。病気を媒介するハエなどの防除や、呼吸器系疾病の原因となるウイルスの殺菌を目的としている。2014年度は稼働の多い7~9月だけでも延べ906戸の農家が利用した。農家の負担軽減になると評価も高い。

(5面・NOSAI)

〈写真:消毒する伊藤主事。多いときは1日に30戸に実施するという〉

イノシシ用箱わなに車輪付き輸送箱 捕らえ追い込みとどめ刺す ―― 栃木県足利市・獣害機器メーカーが製造(10面・資材)【2015年10月4週号】

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 野生のイノシシを捕獲した箱わな内で、とどめを刺すのは暴れて難しく、危険が伴うことが多かった。栃木県足利市樺崎町の中田研磨工業は、イノシシ用捕獲の箱わなに取り付けて使う車輪付きの輸送箱を開発した。捕らえたイノシシを箱わなからこの輸送箱に追い込み、安全な場所に輸送した上でとどめを刺す。加工処理場の近くで作業ができれば、解体までの時間を短くでき、肉へのダメージが少ない高品質のイノシシ肉流通にもつながると期待される。

(10面・資材)

〈写真:輸送箱の入り口を開く中田取締役〉

KFT農法/園芸用ハウスの冷暖房 遠赤外線活用で暖房費を8割削減(11面・営農技術)【2015年10月4週号】

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開発企業が試験結果を報告
 園芸用ハウスの暖房効果が、従来の温風機に比べ80%以上の省エネ効果と、約1.3倍の収量増が可能な「KFT農法」についてこのほど、開発した民間企業と導入農家が試験結果や導入実績について報告した。KFTは遠赤外線を活用した冷暖房システムで、ハウスの内張りに特殊なセラミックを塗布、またヒートポンプからの温水や冷水をハウス内のセラミックを塗布した装置に循環させることで冷暖房する。同じ物質同士が共鳴し合う性質を利用し、効率良く遠赤外線を放射・吸収する仕組みを応用しており、既存ハウスへの導入が可能だ。

(11面・営農技術)

〈写真:「夏場の冷房で夜温を下げたことが糖度確保につながった」と榎本さん〉

第14回全日本ホルスタイン共進会 10年ぶりに待望の開催 ―― 北海道安平町(1面)【2015年10月4週号】

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 都道府県代表の乳牛が一堂に会し、体型や資質の改良度を競う第14回全日本ホルスタイン共進会(主催・日本ホルスタイン登録協会)が23~26日、北海道安平町で開かれた。国内での口蹄疫発生や東日本大震災で13回大会が中止となり、10年ぶりの開催だ。

(1面)

〈写真:高校生リードマンコンテストの様子〉

15年産米 9月の相対価格は5.9%高の1万3178円(2面・総合)【2015年10月4週号】

13年産比では1割安
 農林水産省は16日、2015年産米の9月の相対取引価格(全銘柄平均)は、前年同期比5.9%(697円)高の60キロ当たり1万3178円と発表した。過剰作付けの解消や平年並みの作柄見込みなどの需給状況が反映されたと見られる。ただ、2年前の13年産比では、11.4%(1693円)安い。

(2面・総合)

集荷場設置し 仲介通さず直接量販店へ【香川県・10月4週号】

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 【香川支局】NOSAI香川中讃地域青年クラブ(以下青年クラブ)の有志10人が集まり、2014年9月、丸亀市飯山町に「飯山集荷場」を立ち上げた。発起人で当時、青年クラブ会長だった髙橋光男さん(44)は「新しい流通の形だと思います」と話す。問屋、仲卸を省き、直接、スーパーの物流センターに出荷する取り組みをしている。生産者は徐々に増え、現在は40人。1年間の集荷場全体の売り上げは、約5000万円になる。 髙橋さんは「一人だけではどうしても生産品種、数量に限界があり、今までは大手スーパーの要望に応えることができませんでした。しかし、同じ志を持つ仲間が集まることでこの問題を解決しました」と話す。
 出荷する品目、数量、価格は生産者が自ら決める。産地、出荷者、作物名、入荷日などが印字されたシールを袋に貼り、店舗別に並べられた配送かごに野菜、果実を入れていく。昼すぎには集荷のトラックが来て、翌日の朝には店舗に並べられる。
 店舗での売れ行きは、登録した携帯電話のメールを介して確認。生産者は、価格や店舗などを決めるだけでなく、出荷後の販売状況を知ることができる。青年クラブ現会長の乃村一平さん(25)は「消費者ニーズをすぐに得ることができるのは大きいです。生産意欲を高めるきっかけになっています」と話す。

〈写真:「私たちが魅力ある農家としての見本となり、たくさんの仲間をつくりたいです」と声をそろえる3人。左から乃村さん、髙橋さん、鈴木さん〉


水稲新品種「ささ結」 食味に自信【宮城県・10月4週号】

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 【宮城支局】「猛暑の影響もなく、無事に育てることができた」と、黄金色に実った稲穂を手に取る大崎市古川の加藤憲治さん(66)。妻のちよ江さん(62)、息子の実(まこと)さん(37)とともに、水稲とシソの周年ハウス栽培に取り組んでいる。
 水稲は、11ヘクタールで「ひとめぼれ」や「ササニシキ」など5品種を作付ける。2013年から栽培を始めた「ささ結(むすび)」は、この10月に市場デビューした新品種。試験栽培から携わっている加藤さんも、ブランド確立の一端を担う。今年は109アール作付けし、「出来はまずまず。食味値だと80以上はあるだろう」と十分な手応えを感じている。育てやすく、注文も多いため来年は面積を倍増させる予定だ。
 直接販売の強化を今後の目標に挙げる加藤さん。「同じ志を持つ仲間とささ結のブランドを広げながら、お客さんとの信頼関係を築いていきたい」と抱負を話す。

〈写真:稲穂を手に粒張りを確認する加藤さん〉


津軽伝統の漬物作り42年【青森県・10月4週号】

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 【青森支局】「あっという間の42年。大変だと思ったことは一度もありませんでした」と話す、弘前市高杉地区「JAつがる弘前高杉そさい研究会」(会員3人)会長の梨田定さん(82)。津軽伝統の漬物「大根の葉くるみ漬け」など一年を通して生産・加工・販売まで手掛けている。
 加工する漬物は10種類以上。全て無添加・減塩で「大根のにしん漬け」「赤かぶの千枚漬け」「まめ漬け」など昔から地域で親しまれている伝統食ばかりだ。大根の葉くるみ漬けは、タカナで酒かすとダイコンをくるんだ漬物で地域のごちそうとして正月などに食べられていた。しかし、手間がかかるため、現在は家庭で作る人はほとんどいなく業者でも少ないという。
 梨田さんは「このまま無くしてしまうのはもったいない味です。代々受け継がれてきたこの味を残していきたい」と話してくれた。

〈写真:手際よくタカナで酒かすとダイコンを包む梨田さん〉


放牧酪農を広く伝えたい【北海道・10月4週号】

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 【北海道支局】放牧地22ヘクタールで経産牛55頭、育成牛40頭を飼養する清水町の十勝アルプス牧場代表・橋本晃明(はしもとてるあき)さん(52)は、質の高い牧草生産に重点を置いている。
 放牧地では、季節や草勢など牧草の状態を見極めながら、放牧頭数に見合った面積を決定。そうすることで丈の短い高栄養価な牧草の生産を維持している。また、貯蔵飼料用の牧草は早期多回刈りを実施。栄養価の高い若葉を与える。その結果、配合飼料への依存を減らしていくことができると考えている。
 土作りでは、土壌診断を実施して微量要素の投与を的確に行うことを徹底する。堆肥を投入するだけでなく、土の状態に合わせた管理が大切だと橋本さん。「ミネラルバランスが保たれた土は微生物の活動が活発で、健康な草が育つ。その草を牛が食べて良質な乳が生産できます」と話す。
 「牧草の質と量、牛の採食量を把握するため、日々草地を歩いて観察し、草の量を計ることが重要です。放牧酪農は決して難しくないことを広く伝えていきたい」と橋本さんは話している。

〈写真:「土の状態に合わせた管理が大切」と橋本さん〉


擬似雑穀「キヌア」で地域元気に【山梨県・10月4週号】

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 【山梨支局】上野原市では、農業生産法人「上野原ゆうきの輪 合同会社」(杉本公司代表)を中心に、産官学が連携して、全国初の国産キヌア(ヒユ科の擬似雑穀)による地域おこしを目指している。
 さまざまな雑穀のうちキヌアだけは国産品が無く、需要があることも確認。販売を始めると、日本全国から注文があったことから、消費者ニーズに応えるため、化学農薬や化学肥料を使用しない国産キヌアの栽培に挑戦している。
 収穫したキヌアは、水稲と同様に脱穀、皮むきをしたものや、パフ状スナック、パウダーに加工して販売。現在、収穫量が少ないため、ネットでの個人向け販売が主だが、品切れ状態だという。
 「個人の取り組みだけでは地域の活性化は難しい。産官学の連携事業にしたかった」と副代表の大神田良行さん(65)。上野原市や地元の帝京科学大学などと連携し、キヌアでの地域おこしを進める。

〈写真:上野原市大鶴のキヌア畑で大神田さん〉


磯の香り広がるようかんが人気【島根県・10月4週号】

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 【島根支局】松江市野原町の道の駅本庄(安部寿鶴子店長=57歳)では、同市邑生町の市立本庄小学校の児童が環境学習の一環で養殖した、スジアオノリを使ったようかんの売れ行きが好調だ。
 スジアオノリが見た目で分かるように白インゲン豆を使用した、ほんのり緑色の同商品。開発当初は生のノリを使用していたが香りがなく、試行錯誤を重ね、ノリを干すことで磯の香りが広がる商品が完成した。今年8月に販売を開始し、初日は児童も販売に参加するなど盛況だった。
 同校の松尾弘康教頭は「児童たちが、きれいになった中海で育てたノリをようかんとして売り出すことで地域をPRしていきたいです」と話す。

〈写真:スジアオノリのようかん〉


防風林「ドローン防除は有望ゆえに着実な普及を【2015年10月4週号】」

 ▼空の産業革命とさえいわれる小型無人機・ドローン。政府も「新たな産業の健全な発展を促しわが国の成長戦略に資する」として期待を寄せている。
 ▼農業分野でも作物生育や被害調査、施肥、播種、防除への利用が有望だろう。ところが、墜落などで通行人に危害を加えたり、建物への損傷といった事故が相次ぎ発生したことから、急きょ政府は、飛行可能な空域や運用ルールを定めた「改正航空法」を成立させ、12月初旬に施行する。機体から物件を落下させる場合、許可が必要になった。
 ▼産業用無人ヘリコプターによる病害虫防除は、農水省の利用技術指針に基づき機体登録や操縦者の技術習得、運航ルールに従った作業で長年の実績をもつが、これも許可手続きが義務となった。しかし今年、法規制がないグレーゾーンを背景に、生産現場の各地では散布装置を搭載したドローンでの防除が実施されたという報告を受けた。
 ▼危惧するのは、住宅や住民への危害のほか、飛散による他作物への誤散布だ。複数の回転翼を持つ無人機の場合、薬剤のドリフト状況、所定量を均一散布するための飛行高度・速度などが不明確のままでは、安全性を確保しているとは言えまい。
 ▼農水省は今年度末までに新たな指針をまとめる計画だが、実用化はそれからでも遅くない。共同防除が難しい時代、産業用無人ヘリを含めた無人機での防除は、将来の基幹になるのだろう。だからこそ、安全や精度を確認した機体とルールで着実に進むべきだ。

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