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今週のヘッドライン: 2015年11月 4週号

国産濃厚飼料 「イアコーン」 増産に意欲も価格の壁 ―― 北海道安平町・株式会社スキット(1面)【2015年11月4週号】

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 トウモロコシを主原料とする配合飼料価格が高止まりする中、北海道では、栄養価が高く濃厚飼料として利用できるイアコーン(トウモロコシの雌穂=しすい)栽培が広がりつつある。安平町安平の株式会社スキットは、畑作物205ヘクタールの輪作体系でイアコーン19ヘクタールを栽培。そのうち4ヘクタールは子実だけを収穫・破砕し、サイレージ化するHMSC(ハイモイスチャーシェルドコーン)を供給する。栽培管理の手間が掛からず、普通型コンバインを汎用(はんよう)利用できるなど利点が多い。輸入トウモロコシと代替できるが、普及には価格差が大きな課題だ。代表の鈴木悟さん(42)は「キロ10円でも支援があれば、もっと畑作地帯で作付けが増える」と訴える。

(1面)

〈写真:発酵途中のHMSCを手に鈴木さん〉

災害による損失の補てんと未然防止へ 「NOSAI事業推進大会」開く(1面)【2015年11月4週号】

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 NOSAI全国(全国農業共済協会、髙橋博会長)は18日、東京都千代田区で「NOSAI事業推進大会」を開いた。「災害による損失の補てんと未然防止」を全ての農家に提供し、農家・農業を未来につなげていくため強力に取り組むとした大会決議を採択した。共済金の早期支払いや大規模自然災害からの復旧・復興に積極的に協力することなどを明記。環太平洋連携協定(TPP)交渉の大筋合意を踏まえ、農家が安心して農業を営むことができるよう万全を尽くすことも盛り込んだ。
 大会に出席した森山農相は、TPPへの不安払拭(ふっしょく)へ生産現場に対する丁寧な説明に全力を挙げる考えを強調。農業者が希望を持って経営に取り組めるセーフティーネットの構築に向け、収入保険制度の調査・検討と併せて、NOSAI制度についても「農業・農村の現状などを踏まえ、農業の発展により寄与する制度に見直していく」とした。

(1面)

〈写真:全国のNOSAI関係者約800人が参加した〉

自民、TPP対策決める(1面)【2015年11月4週号】

 環太平洋連携協定(TPP)の大筋合意を受け、自民党は20日、TPP対策の提言を正式決定し、政府に申し入れた。農業分野は、米や牛・豚肉など重要品目の影響緩和策と、担い手の育成や輸出拡大など体質強化策の二本立て。政府は提言を踏まえて近く対策大綱を決定、早期の対応が必要な対策は補正予算などで措置する方針だ。

(1面)

直売所甲子園2015 農林水産大臣賞に長崎県の「シュシュ」(2面・総合)【2015年11月4週号】

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 日本一の農産物直売所を決める「直売所甲子園2015決勝大会」(全国直売所研究会など主催)が16~17日、東京都中野区で開かれ、長崎県大村市の「おおむら夢ファームシュシュ新鮮組」が優勝し、農林水産大臣賞を受賞した。

(2面・総合)

〈写真:優勝したおおむら夢ファームシュシュ新鮮組〉

生分解性プラスチック トータルコストで採算性も(6面・資材)【2015年11月4週号】

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 使用後の農ポリ製マルチフィルムは、圃場外搬出を含めた適正処理が義務付けられているものの、処理費用や過剰な労力がかかるなど高齢農家や規模拡大を目指す農家の障害となっている。微生物の働きで炭酸ガスと水に分離し消滅する「生分解性プラスチック」(BP)は、作業労力や環境負荷の軽減が図られることから期待の素材といえる。しかし、製品価格が農ポリより高額な上、分解速度制御の難しさもありマルチなどの代替素材までには至っていない。農業環境技術研究所が先ごろ東京で開いたシンポジウムでは、開発した酵素の処理によりポリ乳酸などBPを急速に分解促進する研究成果を報告。同素材の応用範囲を一段と広げられる可能性も出てきた。現状と今後について取材した。

(6面・資材)

〈写真:分解酵素(PaE)による生分解性プラスチックの分解。約3時間後には分解した(右写真)〉

循環型農業を推進 食品残さで液肥 ―― 島根県・有限会社アースファーム(9面・営農技術)【2015年11月4週号】

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 農業生産法人「有限会社アースファーム」(松江市東出雲町)は、出荷先から排出された食品残さを主原料とした液肥を施用してミニトマトやブロッコリー、サトイモなどの野菜2.4ヘクタールを栽培、循環型農業に取り組んでいる。液肥は関連会社の廃棄物回収事業者・アースサポート株式会社が野菜の出荷先である地元のスーパーや飲食店などから残さを回収し製造する。液肥は地元農家にも提供し、「食味が良くなる」などの評価を得ている。

(9面・営農技術)

〈写真:液肥を施用した圃場でニンニクを植え付ける〉

NZ〈ニュージーランド〉酪農の最前線(3)(9面・営農技術)【2015年11月4週号】

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 「牧草作りに始まり、生乳生産、チーズの加工、熟成。どれも重要な工程で気が抜けません」とミエルさん。ニュージーランド(NZ)のハミルトン・バレットロードにあるチーズ工房「マイヤーゴーダチーズ」は、生乳生産からチーズ加工までを一貫して手がける家族経営だ。

(9面・営農技術)

〈写真:熟成室で質問に答えるミエルさん〉

園芸施設共済 拡充内容で加入を(5面・NOSAI)【2015年11月4週号】

 大雪などの災害に備え、経営再建を支える園芸施設共済への加入が欠かせない。昨年2月の豪雪では、関東・甲信越地方を中心に、園芸用ハウスの倒壊など甚大な被害があった。今年も、大雪や台風、豪雨など各地で園芸施設の被害が後を絶たない。農林水産省は2月、耐用年数の延長や、共済金の算定に使う時価現有率を引き上げるなど補償内容を大幅に拡充した。補償の範囲などについて、あらかじめ確認しておくことが重要だ。

(5面・NOSAI)

ミニバックホウ貸し出し 圃場の整備や補修を支援 ―― 新潟県・NOSAI上越(5面・NOSAI)【2015年11月4週号】

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 新潟県のNOSAI上越(上越農業共済組合、金子紘一組合長)では、ミニバックホウや動力噴霧機などの農業用機械を貸し出している。田植え前や稲刈り後に利用が集中するミニバックホウは人気があり、3機種を用意。2014年度の貸出件数は96件で、延べ206日間稼働し、農道や畦畔〈けいはん〉、用水路などの整備・補修作業を損害防止活動の一環として支援してきた。使用用途が限られている建設機械を、必要なときに安価で借りられると組合員から評判を集め、農作物の生産安定と収益確保を後押ししている。

(5面・NOSAI)

〈写真上:NOSAI職員から使用方法について説明を受ける慎也さん(右)〉
〈写真下:農家から返却されたバックホウの点検作業をする齋藤副考査役(奥)ら職員〉

若者好みの日本酒を【秋田県・11月4週号】

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 【秋田支局】JA秋田おばこ青年部協和支部(佐藤智治支部長)の部員と秋田県立大学の学生ら15人は「日本酒プロジェクト」の一環で、酒米「美山錦」の籾(もみ)すり作業を実施。学生は5月に田植えした同品種を、部員から説明を受けながら出荷用米袋(30キロ用)の梱包(こんぽう)、運搬に汗を流した。
 同プロジェクトは、地元酒蔵・奥田酒造店へ日本酒の原料になる酒造好適米(酒米)を提供するため、2013年からJA青年部が酒米栽培している取り組み。
 昨年、青年部の部員が生産した米で造った日本酒「純米大吟醸 きょう和びより」が完成。商品のネーミングやラベルデザインなどは大学生の意見を取り入れたものになっている。
 同青年部から奥田酒造店への酒米の納入量は年々増加。昨年秋からは、青年部部員が冬期間、同酒造店の蔵人(くらびと)として日本酒の仕込みもするなど、JA・酒造一体での酒造りに取り組む。
 「消費者・飲み手に対して、生産者である私たちが前に出てお酒のPR・売り込みをしていきたい」と佐藤支部長。「奥田酒造店の原料米を全量地元産にできるように力を入れていきたい」と意欲を見せる。

〈写真:籾すり具合を確かめるJA青年部員と県立大の学生ら。地元酒造と一体で、若者向けの日本酒造りを行う〉


鮮度重視し肉質に自信【広島県・11月4週号】

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 【広島支局】中学生で牛飼いを志し、4年前から肥育農家として活躍する、神石高原町の入江良介さん(26)。2013年6月から、もともと精肉店をしていた父・昭さん(50)を代表取締役に、生産から販売まで一貫する株式会社入江ミート(肥育牛45頭、繁殖牛10頭、子牛5頭)を営む。昨年は23頭を同社の精肉店で販売し、25頭を出荷した。
 入江さんは朝9時半から夕方5時まで、肉のカットなど精肉店の仕事をし、その前後に牛を世話する。「市場ではサシが多く入ったものが求められるが、最近の消費者は脂身がほどほどで赤身志向。自分の店で販売できるのでニーズに合ったものを作れる」と入江さんは、消費者に求められる肉質の牛の生産を目指す。
 精肉店には多いときで50人が来客する。町外からも多く訪れ、贈答用の購入も多い。昭さんは「店では5等級、4等級の肉を販売する。消費者のことを一番に考え、鮮度と肉質にはこだわる」と話す。

〈写真:「餌おけは常にきれいにして、新鮮な餌を与えています」と入江さん〉


水車復活に仲間意識より強く【香川県・11月4週号】

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 【香川支局】観音寺市大野原町の「五郷里づくりの会」では、五郷地域活性化のシンボルとして、住民が協力して2013年12月に水車を復活させた。会長の藤岡修(ふじおかおさむ)さん(70)は、「共通の目的で団結した結果、より強い仲間意識が住民間で生まれました」と話す。
 同会は、五郷地区住民全員と協賛者、延べ300人以上が参加。農業資源の保全や集落活性化を目的に11年に結成された。活動は年間100回を超え、主に耕作放棄地や水車の管理を行う。里山歩きやそば打ち体験も開催するなど、精力的に活動している。
 水車は実際に、精米や粉ひきに活用されていて、小学校の地域学習の場としても利用される。児童たちは、自然を利用した昔ながらの道具を通し、先人の知恵や工夫を学んでいる。「農業の存在をアピールし、地域に興味を持ってもらいたい。将来、就農を希望する人たちが現れてくれれば」と期待を抱く。

〈写真:水車の前で五郷里づくりの会のメンバー〉


天然の冷蔵庫「つぐら」 結びの技術を守る【福井県・11月4週号】

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 【福井支局】雪が降る前の男の仕事として受け継がれてきた、冬の天然冷蔵庫「つぐら」作り。大野市森山の源内武雄さん(76)が、その技術を守り続けている。
 同市内で唯一つぐらを作り続ける源内さんは「稲作文化には結びの技術が欠かせない。『ねじ込み』や『男結び』など何百通りもの結びを覚えたものだ」と話す。冬の風物詩として、どこの家庭の庭先にも置いてあったが、今はめったに見ることができない。
 つぐらの設計図はなく、親から盗んだ技術と勘を頼りに作り上げる。つぐらの使い方は、中にダイコンやハクサイ、キャベツなどの野菜を茎元を下にして入れ、雪が積もるのを待つだけ。温度と湿度がバランスよく調整され、野菜の糖度を増し、乾燥させずみずみずしさを保ちながら保存が可能だ。
 次世代に技術を継承することは難しく「現代の人は、『何も教えてくれない』とよく言うが、技術とは、手つきを見て盗むもの。教えてもらったことは、なかなか身に付かない」と源内さんは話す。

〈写真:つぐらを作る源内さん。「積んで蔵のようにするから『つぐら』と呼ぶようになったのでは」〉


ギンナン殻割り機 広がる加工用途に期待【静岡県・11月4週号】

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 【静岡支局】JA富士宮ギンナン部会(渡邉晴巳〈わたなべはるみ〉部会長=61歳、大杉好基〈おおすぎよしもと〉顧問=65歳)は、世界初のギンナン殻割り機「銀次郎」を昨年導入した。
 同部会では、年間約10トンのギンナンが生産、出荷されている。しかし、ギンナンの難点は硬い殻。むき身ですぐに調理できなければ手が出しにくいと考えた同部会は、機械メーカーと連携して3年間の試行錯誤を重ね、1号機を2014年3月に導入した。銀次郎は、1時間に約3キロ(ギンナン約千個)を処理できる。
 渡邉会長は「この機械の導入でむき身での販売や、加工の用途・可能性が広がりました」と話す。

〈写真:稼働中のギンナン殻割り機。殻と実に分かれて排出される〉


玄米粉使った菓子を提供【新潟県・11月4週号】

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 【新潟支局】「お菓子に玄米粉を使うことで、精米の段階で削り落とされるビタミンや食物繊維などの栄養素を気軽に摂取することができます」と話すのは、妙高市にある「スゥイーツ工房くみ」代表の柴田久美子さん(57)。
 2012年4月から、クッキーやシフォンケーキなど、玄米を使用した菓子を手作りし販売している。材料の玄米は同市産「コシヒカリ」を米粉にして使用。油は米油、塩はヒマラヤ岩塩、砂糖は国産の素焚糖(すだきとう)など原材料選びには余念がない。
 柴田さんは「信頼できる原材料だけを使った、やさしい味の手作りお菓子を提供したい」と思いを話してくれた。

〈写真:種類が豊富で見た目も楽しいクッキー〉


防風林「職業選択に夢を追っていいのかも【2015年11月4週号】」

 ▼今年度変更されたばかりの大学新卒者の採用面接が、来年度は解禁を早めるという。経済界の朝礼暮改に、学生は「仕方ない」とあきらめムード。
 ▼ファストフード店内に数人の未就学児童が店員と同じ制服姿で並んでいた。ハンバーガー作り体験ができて予約は満杯だ。幼い心に職業への淡い憧れは宿るのだ。
 ▼動物好きの少年は、地元農業高校に獣医大学の推薦枠を知り、卒業までトップを維持し、夢を叶えた。親戚の酪農家の元に足繁く通い、牛飼育の楽しさを覚えた少女は獣医師の道を選んだ。二人ともNOSAI獣医師、夢を現実にしたのだ。
 ▼経済状況や世相により企業の浮沈は激しく、昔の人気企業は影を潜め、急速に成長した情報通信や娯楽産業が花形。宇宙ステーション(ISS)で活動する油井亀美也宇宙飛行士の姿から、手に届く夢と目指す少年もいる。
 ▼知り合いの北陸や山陰の企業では、地元出身の優秀なUターン転職者が集まっているという。情報通信や交通の発達で都市で働く魅力が薄れからという。昨年、若い新規就農者が増加し見直されつつある地方。農業法人に学生が行列をなす時代になっていい。多様な職業選択が重要なのだ。

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