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今週のヘッドライン: 2016年02月 3週号

ソバ二期作200ヘクタール 中山間の標高差生かし作業分散 ―― 群馬県渋川市・株式会社赤城深山ファーム(1面)【2016年2月3週号】

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 分散する中山間地の農地や放棄地を集め、延べ約200ヘクタールで高品質なソバの大規模経営を展開するのは、群馬県渋川市赤城町の株式会社「赤城深山ファーム」(髙井眞佐実代表、65歳)だ。夏・秋の二期作と500メートルもある標高差を利用した営農体系で生産量確保と作業分散につなげている。地域野菜農家との交換耕作を実践し、農地を有効活用。条件が悪い耕作放棄地も積極的に借り受けてきた。高齢化や離農が進む中、管理する農地は500筆、地権者は600戸にのぼる。外皮を除いた丸抜きやそば粉に加工し、そば屋や製粉会社150軒に全量を直販。収穫は、色や風味が良いとされる早刈りを行い、通気性の良いネット袋を用いるなど高品質生産に努め、実需者ニーズに合わせた商品作りで販路を伸ばす。

(1面)

〈写真:「徹底した圃場管理と栽培技術向上でより高品質なソバを生産したい」と髙井代表〉

第3次食育推進基本計画策定へ 若い世代への対応強化も重点(2面・総合)【2016年2月3週号】

 政府は、3月にも今後5年間の食育施策の指針となる第3次食育推進基本計画を策定する。計画案では、若い世代を中心とした食育の推進や食文化の継承などを重点課題に掲げ、行政や教育関係者、農林漁業者などが連携・協働して取り組む重要性を強調。若い世代に限った目標などを新設した。日本の食は、世界有数の長寿国・日本の源となっている。一方、少子高齢化に伴う世帯構造の変化やライフスタイルの多様化などで、若年層を中心に食生活の乱れが顕在化し、伝統的な食文化などの喪失も心配されている。さらに、日本の食の要である農業基盤も弱体化が指摘されている。食の重要性や現状を見つめ直す機運を高め、国内農業への理解・支持を深める運動を強化する必要がある。

(2面・総合)

特区での企業の農地取得 森山農相「現状回復の担保が前提」(2面・総合)【2016年2月3週号】

 政府が国家戦略特区での企業の農地取得を事実上解禁する方向で検討する決定をしたことについて、森山農相は9日の会見で「農業・農村の現場に懸念がある」と述べ、慎重な姿勢を強調した。その上で、検討は、耕作放棄や廃棄物の置き場などになった場合に、確実に現状回復できる手法の確立を前提にすべきとの考えを示した。

農水省が意向調査/環境に配慮した生産 4割強が実践(2面・総合)【2016年2月3週号】

 農林水産省は9日、有機農業を含む環境に配慮した農産物への意識・意向調査結果を公表した。回答した農業者約1100人のうち、有機農業に取り組むのは8%で、特別栽培が15%、エコファーマーなど環境に配慮した栽培は17%となり、全体の4割強が環境に配慮した生産を実践していると回答した。

(2面・総合)

農家、レストラン、民宿が野菜の輪 多品目を付加価値生産 ―― 富山県氷見市・氷見元気野菜の会(8面・流通)【2016年2月3週号】

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 「手間をかけない野菜生産で小遣いを稼げる。地域農業が元気になるきっかけにしたい」と話す廣英信さん(74)。富山県氷見市の農家とレストランなどでつくる「氷見元気野菜の会」の会長を務める。畑10アールで、農薬や化学肥料、動物性の堆肥を使わずに野菜を生産する。不ぞろいで、市場出荷には不向きな野菜だが、会に参加するレストランは、その特長を生かした一皿に仕上げる。農家とレストランが連携する取り組みが動き始めた。

(8面・流通)

〈写真:ネギを引き抜く廣さん〉

水稲・麦・大豆を100ヘクタール超 「緻密」と「省力」を両立 ―― 三重県桑名市・丹羽一久さん(9面・営農技術)【2016年2月3週号】

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 三重県桑名市長島町の丹羽一久さん(58)は、地元で水稲・麦・大豆の3作物を栽培するほか、水稲の異なる作期を利用して労力分散を図り、県外に法人を設立。丁寧な仕事で信頼を得て作業受託面積を拡大し、100ヘクタールを超える大規模経営を展開する。経営の主力作物は小麦。資材の適切な活用により、茎数確保を最優先とする肥培管理で、2015年産の10アール当たり収量は360キロ(県平均265キロ)を達成した。一方、水稲は直販で収益性を高めるほか、直播栽培の導入など効率性も追求している。

(9面・営農技術)

〈写真:「暖冬で分けつしすぎだが、この程度ならば問題ない」と小麦の生育を確認する一久さん〉

旬の野菜をセットで宅配【山形県・2月3週号】

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 【山形支局】「農業に対する考え方や栽培方法に、共感してくれるお客さんだからこそ、形が悪かったり、ちょっと穴が開いていたりしていても理解してもらえます」と話すのは、「お日さま農園」を主宰する寒河江市三泉の西尾佑貴さん(31)と沙織さん(31)夫妻。農薬や化学肥料を使わない野菜作りに取り組んでいる。
 二人が第一に考えているのは、消費者とのつながり。沙織さんは取れたて野菜を同市や山形市など、近隣の5市町約50戸の購入者宅に、毎週月曜日と金曜日に分けて配達している。その他、遠方には宅配便で発送。さらに、朝市やマルシェに出店したり、県内の量販店との取引もある。
 購入者に届ける野菜は、年間延べ50~60品目。家庭で一般的に使われる旬の主要品目など8~10種類をセットにして提供している。難しいのは一年間切れ目なく野菜を確保すること。そのため収穫時期が異なる多品目を少量ずつ栽培している。
 西尾さん夫妻は「地元で取れた旬の野菜を地元の人に食べてもらいたい。お客さんとのつながりを大切にすることが、お日さま農園のこだわりです」と話してくれた。

〈写真:看板を手に西尾さん夫妻〉


有機培地でトマト・メロンを試験栽培【宮崎県・2月3週号】

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 【宮崎支局】県立都城農業高等学校(上池恭廣校長・生徒数580人)では、地球環境にも体にもやさしい循環型農業として、5年前から、杉バークと籾(もみ)殻を利用した有機培地耕栽培の試験栽培に挑戦し、成果を上げている。
 培地については、生育、果実の品質面からみて、杉バークと粉砕籾殻の混合培地が有効であることが分かった。また、培地の消毒を行わず栽培しても土壌病害の発生は認められなかったことから、有機物を使った少量培地耕栽培は、臭化メチル剤の代替技術であることが確認された。
 研究班代表の中島琴海さん(18)は「培地づくりは、調査をしては観察、分析の繰り返しでした。地道な作業でしたが、仲間とともにたくさんのことを学ぶことができました」と話す。

〈写真:木質系廃棄物を再利用した培地づくり〉


励ましの声が水害乗り越える力に【栃木県・2月3週号】

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 【栃木支局】「水没したハウスを見てがく然としました。諦めようと思いましたが、皆さんの励ましと支援に支えられました」と話す、栃木市藤岡町の佐山光男さん(70)=イチゴ22アール。「平成27年9月関東・東北豪雨」で佐山さんのビニールハウスは水没し、「とちおとめ」などの苗1万3千本が全滅した。
 苦心する佐山さんのもとへ各地のイチゴ農家から苗が届けられた。定植は近隣の農家たちの手伝いもあって、3日間で終わらせることができた。多くの人々に支えられたイチゴは、その後順調に育ち、昨年12月4日に無事に出荷を迎えた。
 佐山さんは「本当にありがたいことでした。人の温かさを身に染みて感じるとともに、自分も災害時には可能な限り、助け合いたいと思いました」と話す。

〈写真:「東北や九州のイチゴ農家、お客さまからも励ましの言葉が届きました」と佐山さん〉


種ショウガの菓子が好評【島根県・2月3週号】

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 【島根支局】大田市のJAしまね石見銀山女性部「旬彩工房きれんげ」(神谷栄子代表、構成員23人)では、5年前から冬季限定で種ショウガをスライスして砂糖で煮詰めた「しょうがのお菓子」を加工、販売。同工房の冬の主力商品として素朴な味で好調な売れ行きをみせる
 食感が柔らかくショウガの繊維が口に残りにくいので食べやすいという同商品は、そのまま食べるのも、紅茶に入れてしょうが紅茶にするのも好評だ。
 「切り方や味付け、煮詰め方を納得のいくまで繰り返しました」と話すのは開発の中心になった和田直美さん(63)。「次世代に活動を継承し、地域の活性化を」と夢を膨らませる。

〈写真:左から製造を担当する尾村清子さん、神崎稔子さん、渡辺美紀子さん〉


自家産和栗の焼きぐりにリピーター【福岡県・2月3週号】

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 【福岡支局】「うちの焼きぐりは、とても香ばしく、優しい甘味で絶品です」と話すのは、飯塚市でクリを栽培する小山光治さん(64)。「丹沢」や「筑波」などの和栗約10品種を牛ふん堆肥などの有機質肥料で栽培している。
 収穫したクリの8割は焼きぐりに加工している。クリの焼き方は兵庫県丹波市まで習いに行った。商品は近所の直売所で販売していて、リピーターも多いという。
 「今後も健康で農業を続けながら、もっとおいしいクリ作りに励んでいきたいです」と力を込める。

〈写真:自慢の焼きぐり〉


米せたな町をPRにポテチ【北海道・2月3週号】

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 【北海道支局】「町のPRに」とせたな町の畑作農家・河田春夫さん(63)は、自家産ジャガイモのポテトチップスを、町内の商店や温泉ホテルで販売し、好評を得ている。
 河田さんは、知り合いを通じて個人の依頼を受けてくれるポテトチップス製造会社を知り、昨年、20アールに「ワセシロ」を作付けた。7月下旬に収穫し、8月下旬には1袋60グラム入りのポテトチップスが2万1600袋完成した。
 「生産コストは高額ですが多くの人に食べてもらいたいと思った」と河田さんは話す。
 完成品は近隣の幼稚園、学校や施設に寄贈する他、町主催のイベントや町外での物産展で販売し、すぐに完売するほどの人気だ。
 河田さんは「町のPRが目的なので、利益はあまり求めていません。販売先が確保できれば今年は作付面積を増やして、違う味付けも作りたい」と意欲的だ。

〈写真:袋に町の観光名所を掲載〉


防風林「金では買えない環境に配慮すべき隣国【2016年2月3週号】」

 ▼韓国での口蹄疫発生で、国内へのウイルス侵入防止に厳しい防疫体制が敷かれている。周囲ではインフルエンザがはやり、近隣の小学校では数クラスが学級閉鎖。外出先でもマスク着用者が目立ち異様な光景だ。
 ▼インフルエンザや花粉予防でもないのに、マスク着用が必要なのは中国の都市住民。エネルギー源を低質な石炭に頼り、工場や家庭から排出される黒煙が大気を覆い、日中でも夕方かのような薄暗い日が多いという。
 ▼PM2.5という超微粒子は、一般的な市販マスクを通過してしまうというから深刻。住宅の窓にテープで目張りをしても、室内で稼働する空気清浄機のフィルターは真っ黒だ、とテレビの情報番組が深刻さを報じた。
 ▼国連気候変動枠組条約第21回締約国会議(COP21)が昨年末、〝産業革命時より世界的な気温上昇を2度以下に抑える〟などの「パリ協定」を採択した。中国も含めた参加国が削減目標を5年ごとに提出・更新する。
 ▼国民の健康や生命をも脅かす大気汚染。かつて高度経済成長期の日本も光化学スモッグなど公害が社会問題化し克服した。日本で爆買いに走る富裕層に、「環境への配慮」を説いても貸す耳は持たないだろう。旧正月・春節を機に、金では買えない環境への転換を熟慮すべきだと考えるが。

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