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今週のヘッドライン: 2016年03月 1週号

「最勝柿」使用 干し柿の特許取得 就職して技伝承 ―― 石川県志賀町・治郎堂一夫さん(1面)【2016年3月1週号】

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地元企業「菜夢来」が伝統受け継ぐ
 「80歳を過ぎた新入社員です」と顔をほころばせるのは石川県志賀町安津見の治郎堂一夫さん(85)。干し柿(ころ柿)を熱湯で洗い、製造過程で用いた硫黄成分を除去する製造方法を考案して特許を取得するなど高品質な干し柿生産を続けてきた。この高い技術を受け継ぐ後継者の不在が課題だった。町内で水稲や野菜などを生産する合同会社「菜夢来(さむらい)」が治郎堂さんを正社員として雇用。治郎堂さん指導の下、加工場を構築し、高品質な干し柿の量産化に成功した。高齢化が進む能登町で樹園地4ヘクタールを借り受けて柿生産を始め、産地化やブランド化に本腰を入れる。輸出も視野に入れ、干し柿を地域活性化の起爆剤に据える。

(1面)

〈写真下:石村さん(右)に干し柿生産を指導する治郎堂さん〉

生産資材価格の引き下げ議論本格化 実現策 今秋にも策定へ(2面・総合)【2016年3月1週号】

現状把握し冷静・丁寧な検討を
 環太平洋連携協定(TPP)発効を念頭に、政府・与党は、生産資材価格の引き下げに向けた具体策の議論を本格化させている。政府の産業競争力会議と規制改革会議は2月25日に合同会議を開き、農林水産省やメーカーなどから生産や供給などの現状を聴取。自民党の農林水産業骨太方針策定プロジェクトチーム(PT)も精力的に会合を重ねている。農業所得が減少する中、農産物の国際競争力の強化を図るためには、より安価で高品質な資材供給は不可欠だ。ただ、過度に業者間の低価格競争をあおったり、メーカーなど関係業界やJAのみに問題を矮小(わいしょう)化すれば、資材の機能や安定供給、安全性などに問題が生じかねないと懸念する声もある。生産資材の生産や流通の現状を正確に把握した上での冷静で丁寧な議論が重要だ。

(2面・総合)

農業と都市住民のつなぎ役も 農地残す固い意志 ―― 大阪府・NOSAI大阪府南部(5面・NOSAI)【2016年3月1週号】

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 NOSAI大阪府南部(大阪府南部農業共済組合、石﨑勇組合長)では、地元農業を支えるさまざまな役職を引き受け、住民から信頼を得ている農家がNOSAI部長を務めている。農地の宅地化が進み、高齢化や担い手不足、近隣同士のつながりの希薄化など都市農業を取り巻く現状が厳しさを増す中、農業のセーフティーネットの役割を担うNOSAI事業の役割は大きい。制度への理解を得ながら普及推進に奔走する支部長2人を取材した。

(5面・NOSAI)

〈写真上:NOSAI職員に圃場を案内する吉田さん(右)。ごみを投げ込まれることもあると頭を悩ませている〉
〈写真下:シュンギクの生育を確認する谷野さん。離農者もいる中、続けていきたいと決意する〉

イチゴ「スカイベリー」完熟果を直売 規格外を息子がジャム加工 ―― 栃木県足利市・堀江いちご農園(7面・流通)【2016年3月1週号】

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 栃木県足利市板倉町の堀江いちご農園では、堀江勇一さん(64)と妻の廣子さん(61)が生産したイチゴを独自ブランド「逸品いちご」として自宅に併設する「朝摘みいちご直売所」で販売する。2015年産から一般栽培・販売する同県育成の新品種「スカイベリー」を使い、都内の飲食店でシェフとして働く息子の功一さん(35)が加工したジャムなども並ぶ。関東近郊の消費者を取り込むため、ファーマーズマーケットなどにも出店。商品の魅力を伝えながら、6次産業化と販路拡大につなげている。

(7面・流通)

〈写真:「栽培規模は小さいが、イチゴの顔を見ながら丹精込めて栽培している」と勇一さん〉

獣医師が発表 臨床現場の最新技術(8-9面・家畜診療等技術全国研究集会)【2016年3月1週号】

 畜産の生産現場で診療活動に携わる獣医師が診療技術に関した研究の成果を発表する「平成27年度家畜診療等技術全国研究集会」が2月18・19日、東京都港区のヤクルトホールで開かれた。北海道のNOSAIオホーツク(オホーツク農業共済組合、佐々木環組合長)湧別家畜診療所の田中優樹獣医師の「牛の閉塞(へいそく)性胆汁うっ滞に対して胆嚢(たんのう)十二指腸吻合(ふんごう)術を行った7例の比較考察」が農林水産大臣賞を受賞した。そのほか、農林水産省経営局長賞9点(うち吉田賞1点、奨励賞2点)、全国農業共済協会長賞11点が選ばれた(審査委員長・酒井健夫日本大学名誉教授)。農林水産大臣賞などのほか、飼養管理の参考になる研究成果を紹介する。また、「ウシ人工授精前後のホルモン処置による受胎率向上の試み」と題して帯広畜産大学の松井基純教授が講演した概要を紹介する。

(8-9面・家畜診療等技術全国研究集会)

全国果樹技術・経営コンクール 先進経営で産地けん引(13面・営農技術)【2016年3月1週号】

 先進的な果樹経営者などを表彰する全国果樹技術・経営コンクール(中央果実協会など主催)の表彰式が2月19日、東京都内で開かれた。農林水産大臣賞の受賞者、団体の経営概要を紹介する。

(13面・営農技術)

大雪被災農業者へ支援対策 営農再開と産地強化の2本柱(2面・総合)【2016年3月1週号】

 1月の大雪で野菜や施設園芸などに大きな被害が発生していることを受け、農林水産省は2月23日、被災農業者への支援対策を発表した。産地再生に向けた栽培環境の整備や生産資材などの共同購入などを支援する。

(2面・総合)

津波から復旧 トマトで再び夢育む【岩手県・3月1週号】

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 【岩手支局】復旧した農地を活用して釜石市唐丹町下荒川地区では加工用トマトの契約栽培に取り組んでいる。営農再開を機に始まった新たな栽培品目だが、作業性や収益率も良く、土壌改良を進めながら、栽培面積の拡大を目指す。
 同地区は東日本大震災による大津波によって農地約8ヘクタールが冠水した。農地が復旧した2013年に日本デルモンテ株式会社と加工用トマトの契約栽培を開始。1年目は1戸の農家が取り組み、2年目からは6戸の農家が栽培に励んでいる。
 「初期投資が少額で、他の作物に比べて労力も少なくてすむ。収穫したものを集荷場まで運送屋が運んでくれるのもありがたい」と話すのは、14年から栽培に取り組んでいる鈴木賢一さん(70)だ。
 同社は栽培指導の他、3日に一度、運送業者に委託してトマトを集荷。JAに集荷した後、群馬県の工場でジュースに加工している。
 復旧農地で新たに始まったトマトの栽培に、地域農業の復興・活性化も含め、地域の期待は大きい。

〈写真:「多くの方の支援で農地の整備や農機具もそろえられました」と感謝する鈴木さん〉


伝統野菜「花作大根」の知名度向上へ意欲【山形県・3月1週号】

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 【山形支局】長井市花作町(はなづくりまち)地区で栽培されてきた伝統野菜「花作大根」。同地区の横澤芳一(よしいち)さん(63)と昭子さん夫妻は、市内の生産者の遠藤孝志さん(36)らとともに約3アールに作付けし、花作大根の生産と知名度アップに取り組んでいる。
 1955年ごろまでは盛んに栽培されていたが、肉質が硬いことや、冷蔵庫の普及などで、栽培者が減少。横澤さんらは、花作大根が途絶えないようにと、わずかながら栽培を続け、種子を守り続けてきた。
 横澤さんらは、同じく置賜地域の伝統野菜である米沢市の「雪菜」と花作大根を使った「料理を楽しむ会」を開催。「花作大根を広めていくには、多くの人に食べてもらうのが一番。知名度のアップとともに、後継者が増えてくれればうれしい」と話す。

〈写真:花作大根を手に横澤さん〉


ジャンボイチゴ 目指すはギネス超え【高知県・3月1週号】

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 【高知支局】高知市春野町でハウスイチゴ14アールを栽培する森強さん(35)。普通のイチゴの5倍ほどあるジャンボイチゴ(1粒50グラム以上)を1~2月限定で出荷していて、その大きさと甘さで消費者を驚かせている。
 大きさだけでなく、糖度が高いのも特長。県工業技術センターで糖度を測った結果、有名産地のイチゴが同時期に9度だったのに対し、ジャンボイチゴは11.9度、小サイズでも9.6度を記録した。
 その大きさと甘さを大絶賛した高級料亭「京都吉兆」でコース料理のデザートとして採用。加工調理を一切加えず、そのままの姿で提供している。
 「ギネス超えも狙いたいし、今後は6次化も視野に入れながら体験型の観光農園も始めてみたい」と目標を話してくれた。

〈写真:ジャンボイチゴ(右)とショートケーキ用〉


ピーマンで株元加温 反収が3トン増に【鹿児島県・3月1週号】

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 【鹿児島支局】ハウス2棟25アールでピーマンを栽培する志布志市志布志町の川原俊行(かわはらとしゆき)さん(37)。株元加温を導入し、収量向上への取り組みが成果を上げている。
 株元加温は、株元を透明のフィルムでトンネル被覆し、小型ダクトをトンネル内に通してトンネル内温度を20度で管理する。株元を加温することで地温を確保し、冬場の樹勢維持と増収効果を狙って11月中旬から始める。ハウス内は重油暖房機を用いて導入前と同じ18度に維持し、株元加温したところ、10アール当たりの収量が13トンと、導入前より3トン増加。「株元が太くなり、根の張りも良くなりました。斑点病や黒枯病などの病虫害が減り収量増につながっています」と手応えを感じている。

〈写真:株元加温を導入したピーマンハウスで川原さん〉


ウメのジョイント栽培に挑戦【茨城県・3月1週号】

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 【茨城支局】水戸市渡里町の大槻義光さん(79)は「JA水戸梅生産部会(部会員16人)」の部会員7人と共に、約70アールでウメ「白加賀」「南高」などの品種で、「ジョイント仕立て」による栽培を導入している。
 「当初は主枝と幹が付かなかったり、接ぎ木したと思って結束バンドを外してみたら、風にあおられて取れてしまったこともありました」と大槻さん。「この栽培方法だと、木の高さが1.2メートルほどで脚立を使わずに消毒などの管理作業ができ、今までと比べとても楽です。実を傷つけずに収穫もできます」と省力化した成果を話す。
 3年目の昨年は、少量だが収穫できた。今年は収穫したウメの実を初めて出荷する予定だ。

〈写真:作業効率化のため、ウメのジョイント仕立てに取り組む大槻さん〉


商品の包装袋に新聞活用【新潟県・3月1週号】

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 【新潟支局】「商品の包装袋に使っていますが、保存用にも使えます」と話す、阿賀町東山の石川英理香さん(37)。石川さんが勤める同町平堀の「津川地区農林水産物直売所」では、環境への配慮と経費低減の観点から、包装袋に新聞紙を利用している。
 袋は、新聞紙を折りながらテープ留めするだけで作り方は簡単。野菜などの商品を入れて、ふたをすることも可能で、そのまま保存用にも使える。使用する新聞紙のサイズで、袋の大きさを変えられる他、2枚に重ねると強度が増し、重い物でも入れることができる。
 「『便利だから作り方を教えて』と、お客さんから要望もあります」と石川さんは笑顔で話す。

〈写真:新聞紙で作った包装袋〉


防風林「自治会運営の岐路、身の丈に合った姿を語り合うべき【2016年3月1週号】」

 ▼編集部宛てに毎週たくさんのはがきが届き、クイズへの応募や投稿には、本紙への意見や感想が記されている場合が多い。便りの中に、切実なむらの現況を書き記す一葉があった。
 ▼「住民の80%以上が高齢者という限界集落に住んでいます。最近は、多忙なのか自治会や敬老会、交流会の集まりに参加する方がめっきり減少してきました。会の運営に非協力的な方も多くなっているのが悩みです」。
 ▼都市部での自治会への参画意識低下はよく耳にするが、農村部しかも連帯意識が強いとされる山村にも見られるよう。集会所までに要する往復や草刈り・清掃などの共同作業に苦痛を感じる、年金からの自治会費支払いが負担、など理由はそれぞれ。
 ▼地元で活力ある地域づくりに取り組む優良事例を本紙では、多様な視点からルポしている。中には「その集落には昔からの地域資源があり、地域づくりが容易に成功した事例では。何も特徴のない場所の活性化は非常に難しい」と指摘する人もいる。
 ▼名所・旧跡や寺社仏閣、芸能、野菜、料理など、伝承されてきた地域資源が地元に存在しなくても、結束の強い自治会はある。全住民が参加できる身の丈に合った自治会の姿を語り合うのはどうか。その先には、人が織りなす新たな地域資源が見つかるはずだ。

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