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今週のヘッドライン: 2016年03月 4週号

今年1月の豪雪被害 補償が拡充した園芸施設共済、経営再建を支える ―― 熊本県天草地方(1面)【2016年3月4週号】

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 温暖な気候を生かし、かんきつのハウス栽培が盛んな熊本県天草市を1月24~25日、積雪40センチメートルを超える雪が襲った。1984(昭和59)年の「五九豪雪」以来32年ぶりの大雪が、ハウスを押しつぶした。NOSAI熊本(熊本県農業共済組合)の天草支所は、災害発生直後から被害申告を受け付け、適正・迅速な損害評価を実施。被災したハウス25戸、45棟に対し2月、約2300万円の共済金を支払った。園芸施設共済は2015年2月、耐用年数経過後の施設本体・附帯(ふたい)施設の時価現有率の下限を20%から50%に引き上げるなど、補償を大幅に拡充した。被災農家はこの共済金を活用して、農業経営の再建を図っている。

(1面)

〈写真:被災したハウスで熊野さん(右)と話す天草支所の吉村課長〉

中酪/16年度の生乳計画生産対策 引き続き増産へ(2面・総合)【2016年3月4週号】

 中央酪農会議(中酪)は17日、2016年度の生乳計画生産・需給安定化対策の概要を決めた。生産枠の基礎となる「供給目標数量」は15年度実績見込み比1.2%増の675万8千トンに設定。15年度から3年間は増産・維持とした中期計画に基づき、基本的な仕組みは15年度を踏襲した。5月末までにチーズ向けなど各指定団体が新規需要分として申請する「選択的拡大生産数量」を加え、全国の計画生産目標数量を決定する。生乳を増産させるには、酪農経営の安定化を大前提に、離農や飼養頭数減少に歯止めをかけられるかにかかっている。国内酪農の課題や現状を国全体で正確に理解・共有し、官民挙げて増産を後押していく必要がある。

(2面・総合)

おいしさと元気をお届け 「大阪エコ農産物」の認証取得 ―― 大阪府堺市・ひろせファーム(3面・暮らし)【2016年3月4週号】

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 「野菜と一緒に元気を届けたい」――大阪府堺市南区庭代台で「ひろせファーム」を経営する廣瀬裕(ひろし)さん(45)は、自家産や農家仲間が生産した農作物を泉北ニュータウン周辺の消費者に宅配する。農薬や化学肥料を慣行の5割以下に抑えた「大阪エコ農産物認証制度」の認可を受けた野菜は、子育て中の女性や高齢者から喜ばれている。新規就農から今年で5年目。宅配サービスを通じて都市部の消費者と生産農家をつなぐ橋渡し役を担いながら、季節の野菜などを紹介する手作りのチラシやサツマイモ掘り大会などの体験を通して農業の魅力を伝えている。

(3面・暮らし)

〈写真:玄関先で野菜や加工品を手渡す廣瀬さん(右)。ひろせファームはママ友の間でも評判だという〉

改正した園芸施設共済/より手厚い補償へ(5面・NOSAI)【2016年3月4週号】

 1月中旬の大雪では全国的に園芸施設などに大きな被害が出た。これからの季節は突風などに警戒が必要で、経営再建を支える園芸施設共済への加入が欠かせない。加入農家の要望を踏まえ、農林水産省は昨年、耐用年数の延長や補償価額の引き上げなど補償内容を大幅に拡充。各地のNOSAIは新制度での加入を推進している。園芸施設共済の仕組みを共子さんが済太郎くんに聞いた。

(5面・NOSAI)

ロータリー爪 損傷状態を確認、管理や交換で耕起・砕土性がより向上(14面・資材)【2016年3月4週号】

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 本格的な春作業を控え、土作りや耕起・整地に取り組む農家も多い。ロータリーによる耕うん作業の場合、爪の状態を確認することも重要だ。使い続けて爪が摩耗や損傷していると耕起の能力が低下する。不十分な耕起は作物の生育にも影響をおよぼすため、こまめな管理や交換が重要だ。購入時に装着されている純正品だけではなく、耐久性や性能を向上させた市販品もあり、費用や効果を加味しながら選択できる。爪の向きの組み合わせを工夫すれば土を寄せる方向の制御が可能で、耕起と同時に畝立てができるなど作業省力化に役立つ。

(14面・資材)

〈写真:定期的な爪の整備が、ロータリーの性能を最大限に発揮させる〉

中玉トマト「華小町」/食味重視の土作り ―― 愛媛県松山市・風早山本農園(15面・営農技術)【2016年3月4週号】

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 松山市中西内の山本克樹さん(55)は、ハウス50アールで中玉トマト「華小町」を栽培。バーク入り牛ふん堆肥とシイタケの廃菌床を主成分とした有機質肥料に微生物資材5種を混合して土作りし、良食味トマトを生産する。微生物の活性が落ちる冬季は、点滴灌注(かんちゅう)と葉面散布で肥料分を補う。通路には稲わらと米ぬかを散布し、抑草効果に加えて土壌改良にも生かす。樹上完熟させて糖度9度ほどで収穫する。売上高の85%はスーパーや直売所、飲食店への直販が占め、安定経営を図っている。

(15面・営農技術)


〈写真:「食べて感動するトマトを作りたい」と克樹さん。トマトの生育を確認する〉

「復興・創生」基本方針を閣議決定/農地の大区画化を推進(2面・総合)【2016年3月4週号】

風評被害の払しょくも明記
 政府は11日、東日本大震災・原発事故にかかる新たな復興基本方針を閣議決定した。農業分野では、2018年度までに農地・農業用施設の復旧完了を目指すとともに、農地の大区画化・利用集積などを進める。原発事故への対応では、農産物などの風評被害の払しょくに向けた取り組みの推進などを明記した。大震災からの復興は道半ばであり、引き続き被災地域の実情に寄り添ったきめ細かな支援の充実・強化が求められる。
 基本方針は、20年度までの5年間を「復興・創生期間」と位置付け、重点的に取り組む事項を示した。

(2面・総合)

NPO法人田舎のヒロインズ 都内で初の全国集会 (2面・総合)【2016年3月4週号】

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 全国の女性農業者などで組織するNPO法人田舎のヒロインズは10日、東京都内で初の全国集会を開き、消費者なども含め約100人が参加した。豊かな農村を次世代につないでいくことを目的に、田舎の魅力発信や再生可能エネルギー推進などを提案する組織で、今回は「農家と考える! これからの食とエネルギー」がテーマ。日ごろ感じている農村の可能性などを伝え合った。

(2面・総合)

〈写真:農村の風景をデザインした衣装で思いを語り合った〉

水稲 ブログや広報紙で情報発信【富山県・3月4週号】

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 【富山支局】水稲8.7ヘクタール、麦を0.9ヘクタール作付けする濱田ファーム(濱田智和代表、44歳)では、自家製堆肥を使い、害虫対策として畦(あぜ)にミントを植えるなど、減農薬・無農薬での栽培を実践。農薬使用量が最も多いものでも、富山県で推奨される栽培方法の8割減となっている。
 販売先は近隣地域(配送)や料理店、土産物店などが多い。5年前からは年に5、6回、東京の青山や六本木のマルシェに出品。県外へも積極的に販路を広げている。
 妻の律子さんは米袋のデザインやチラシの作成を担当し、広報紙「濱田ファーム便り」を毎月発行。濱田さん本人もブログやSNSで毎日情報を発信する。着々と顧客を増やし、昨年からは米を全量、直接販売することができるようになったという。
 「できる範囲で作業することで、自信を持って『僕が作ったお米です』と言える。それを広報紙やブログなどで伝える。食べたり、見てくれた人からいろいろなメッセージを頂いて、多くの人とつながることができる。農業をして良かったなと思える瞬間です」と話してくれた。

〈写真:毎月発行している「濱田ファーム便り」〉

震災に負けず ふるさとで農業【福島県・3月4週号】

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 【福島支局】「震災に負けず、新たな土地で頑張りたい」と話す新地町の三浦草平(みうらそうへい)さん(29)は、南相馬市小高区で両親とともに営農していたが、震災に伴う津波被害と原発事故で一時、県外へ避難を余儀なくされた。三浦さんは、「生まれ育った福島での農業をあきらめたくない」との思いから新地町で営農再開を決意。国の復興交付金などを活用して営農環境を整備した。
 三浦さんは、両親とともに農業経営安定と雇用の確保を目的として「合同会社みさき未来」を2013年12月に立ち上げ、その代表社員となった。14年5月には同町内で、新居と合同会社の事務所兼農作業場を敷地内に建て、本格的なスタートを切った。
 農家仲間と三浦さんは、消費者などを対象に農作業体験を企画するなど活動的だ。さらに、首都圏の直売所で農産物販売などを行い、県内産農産物の風評払拭(ふっしょく)のためのPR活動に取り組んでいる。

〈写真:福島県新地町で農業を再開させた三浦さん〉

米を2.0ミリのふるいで選別し販売【鳥取県・3月4週号】

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 【鳥取支局】「水稲は自分が販売可能な量を作るという時代になってきたと感じる」と話すのは、岩美町の有限会社いわみ農産の北村凱男(かつお)代表(78)。水稲41ヘクタールのうち3ヘクタールは清水が流れ込む圃場で、「コシヒカリ」を再生紙マルチ栽培する。一般的には1.85ミリでふるいにかけるところを2.0ミリで選別。「清流育ち」ブランドとして販売する。
 その他の「きぬむすめ」やコシヒカリも2.0ミリでふるいにかけ「極厚米」とし、厚みによる食味の良さをアピールする。
 同社では品種検査の必要があることから、一度JAに全量出荷してから買い戻す。買い戻した米を2.0ミリのふるいにかけ、極厚米として販売。県などの関係機関でも、厚みが食味の良さにつながることが認識されつつある。
 同社の米は顧客の要望に対応することで、酒米用、米粉用など多方面から引き合いがあり、付加価値のある米を生かした経営となっている。今後につなげるため、育苗ハウスを使った水耕トマト栽培や果樹園地整備にも挑戦中だ。

〈写真:「今後、収入に影響するのは米の質と販売方法」と話す北村代表〉

高枝結束器を自作 手元操作で簡単固定【千葉県・3月4週号】

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 【千葉支局】「ナシの若い樹(き)を大きく育てる中で、特に主枝を成長させることがとても大事です」と話す、白井市の中村善一さん(49歳=ナシ120アール)。ナシの新梢(しんしょう)管理に「高枝結束器」を自作し、製品化に向けて特許を申請中だ。
 この装置は手元のグリップを操作するだけで、高い場所にある主枝と支柱をテープで結びつけ、簡単に固定することが可能だ。脚立の昇り降りや移動もなくなり作業時間が短縮でき、転落事故の防止にもつながる。
 中村さんは「生産者の高齢化が進んでいるので少しでも農作業の負担を減らせれば」と話す。

〈写真:「作業の負担を減らせれば」と高枝結束器を手に中村さん〉

ヒマワリ型風車を田んぼ一面に【新潟県・3月4週号】

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 【新潟支局】地域の人から「ヒマワリ」の愛称で親しまれている、ペットボトルを使った風車を製作する柏崎市谷根の池田壽一さん(77)。風車は谷根地区で開催される光のアートイベント「たんねのあかり」で使用され、訪れる人からは「かわいい」と評判を呼んでいる。
 これまでに500ミリリットル用のペットボトルを主に使用して、約1300本のヒマワリを製作した。
 「今年は田んぼ1反分をヒマワリ畑にすることが目標なので、今のうちから準備しています」と気合は十分。今秋10月開催予定のイベントでは、ヒマワリにも明かりが灯(とも)る予定だ。
 「夜になってもヒマワリ畑を見ることができるので、ぜひ多くの人に来ていただきたいですね」と笑顔で話す。

〈写真:作品を手に池田さん〉

リンゴの発泡酒 品種の異なる5種類を製造【青森県・3月4週号】

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 【青森支局】弘前市の「弘前シードル工房kimori」では、リンゴの発泡酒「シードル」の製造・販売に取り組んでいる。
 kimoriのシードルは、「つがる」が原料の「ハーベスト」、「トキ」が原料の「グレイス」、「サンふじ」が原料の「ドライ」と「スイート」の他、「北斗」と「紅玉」をブレンドした「弘前市りんご公園限定オリジナルシードル」の5種類がある。工房のスタッフが丁寧に醸造し、炭酸を人工的に充填(じゅうてん)せず、発酵時に発生する炭酸をそのまま果汁に溶け込ませる製法が特徴だ。さらに無ろ過で果実感を損なわず味わい深いシードルに仕上げている。

〈写真:弘前シードル工房kimoriが手掛けるシードル〉


防風林「良食味米の評価、実需者とのつながりも必要【2016年3月4週号】」

 ▼日本穀物検定協会が公表した「平成27年産米の食味ランキング」で、「特A」は昨年産より4点多い46。専門員による食味試験で評価するのだが、格下の「A」との差は鈍感なわが舌では区別がつくまい。
 ▼品種別には「コシヒカリ」が19産地と最も多く、「ひとめぼれ」「つや姫」と続く。九州産ながら良食味米として消費者から支持を得ている品種が、特Aから格落ちするなど、産地の天候不順が品質に著しく影響するのだ。
 ▼東北地方で唯一、特A実績がなかった青森県は「青天の霹靂(へきれき)」で初めて特Aに選定され、県内稲作農家にとって産地イメージを払拭(ふっしょく)する契機として、今年の作に意気込んでいるはず。気象の機嫌が産地の明暗を分ける。
 ▼2015年産米は、大幅に値を下げた14年産よりも上向きに転じたが、農家が満足できる水準にはほど遠い。食味ランキングが消費者の購買意欲を刺激し、価格や需要を押し上げられるほどの材料になればいいのだが。
 ▼毎年、各地で米食味鑑定コンクールが開かれているものの、受賞者の米が銘柄米として市場で高値取引される例は一握り。「受賞の常連農家でも一般生産者との横並びなのが現実」との声が強い。生産者と、卸・料理店などの実需者をつなぐ橋渡し役が求められている。

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