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今週のヘッドライン: 2016年04月 1週号

NOSAIの建物総合共済に特約導入 米・麦・大豆/納屋が火災・水害......保管中の補償始まる(1面)【2016年4月1週号】

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 NOSAI団体は本年度から、農家が納屋などに保管中の農作物を対象に、火災や水害による損害を補償する新たな仕組みを導入する。建物総合共済に「収容農産物補償特約」を新設するもので、対象農産物は、米、麦、大豆だ。建物総合共済の加入に併せて収容農産物補償特約を付帯する。補償は、JAなどへの出荷前の一時保管に対応するタイプと、自家販売などのための通年保管に対応するタイプがあり、加入者が選択できる。昨年9月の関東・東北豪雨による水害で、納屋などに保管中の米が流出する被害が多発したことを受けて導入した。保管中の農産物に特化した仕組みで、手続きが簡単で共済掛金が低く抑えられている。

(1面)

〈表:収容農産物補償特約のイメージ〉

「経営安定」と「農業所得」を議論 東北大学大学院とNOSAI宮城が仙台市でシンポ(1面)【2016年4月1週号】

米国の収入保険制度を紹介
 東北大学大学院農学研究科とNOSAI宮城(宮城県農業共済組合)は3月17日、仙台市でシンポジウム「これからの経営安定と農業所得を考える~欧米に学びながら」を開いた。農林水産省が収入保険制度の導入に向けて現在、調査・検討を進めている状況を踏まえ、農業所得政策のあり方を議論した。

(1面)

高齢化などで農村女性グループの起業数減少/次世代につなげる環境を(2面・総合)【2016年4月1週号】

 農林水産省は3月29日、2014年度の農村女性による起業数は、前回調査(12年度)に比べ1.4%減の9580件となったと発表した。インターネットでの販売などに取り組む個人経営が増加する一方、グループ経営は高齢化などにより減少し、初めて個人経営数を下回った。地場産食材を使った加工品の開発や郷土料理の普及、農業体験の受け入れなど農村女性たちの多様な活動は、農村の維持・活性化にも大きく貢献している。新事業に挑戦する女性の取り組みを強力に後押しするとともに、長年培われてきた技や知恵、経験などグループ経営が持つ"宝"の継承支援などにも力を入れる必要がある。

(2面・総合)

災害に対する相談や地域住民との交流 信頼厚いまとめ役 ―― 鳥取県・NOSAI鳥取(5面・NOSAI)【2016年4月1週号】

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 農村の高齢化が進む中、地域農業の状況を理解し万一の災害に備え周辺の農家を支える役職が、共済部長(NOSAI部長)だ。NOSAI鳥取(鳥取県農業共済組合、坂本昭文組合長)の管内にある大山町では、水田での野菜などへの転作が進む一方で、農地維持のために稲作も重要な役割を担っている。書類の取りまとめや広報紙の配布だけでなく、地元で増加する自然災害への相談や住民との交流も担い地域を支えている。

広報紙の配布や書類を取りまとめ
 「高齢化が進んで農家も少なくなっている。地元に信頼されるよう役職を務めながら地域を支えたい」と大山町塩津の高見達雄さん(68)。水稲21アール、水田転作でブロッコリー4ヘクタールなどを栽培する。

メリット説明し建物共済を推進
 大山町加茂の真島国博さん(73)は、地域で豊富な地下水など水資源を生かし、稲作や野菜作に取り組む。もち米を15アール栽培し、全量を地元の直売所で販売する。転作として55アールでホウレンソウなどを作付けている。

(5面・NOSAI)

〈写真上:高見さんは「後継者が入っていける環境づくりが必要」と話す〉
〈写真下:天井から支柱を降ろし「大雪などにも備える」と説明する真島さん〉

交雑牛肥育から精肉販売まで/一頭丸ごと直販 ―― 愛知県南知多町・知多牛工房 牛小屋(6面・流通)【2016年4月1週号】

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 「朝夕は牧場、昼は加工所の二刀流で、笑顔を食卓に届けたい」と話す愛知県南知多町内海の大岩智さん(50)。交雑種50頭を飼養する傍ら、家畜市場に出荷した牛を一頭丸ごと買い戻し、経営する精肉店「知多牛工房 牛小屋」で直販する。店舗販売のほか、移動販売車で直売所や観光施設に出向き、地元ブランド牛の魅力を伝えながら精肉や総菜を販売。「育てた農家が自信を持って販売してくれるから安心」と喜ばれている。肥育から肉の加工・販売までを一貫して行うことで、素牛〈もとうし〉価格の高騰が続く中でも安定経営につなげている。

(6面・流通)

〈写真:トウガラシと呼ばれる部位を切り分ける大岩さん。「牛ごとにさし具合や筋肉量が違う。自分でさばいてみて初めて分かったことも多い」〉

天日干しの効果を解明 ―― 八戸工業大学・青木秀敏客員教授(9面・営農技術)【2016年4月1週号】

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 "お天道様"の力を借りて食品をおいしくする天日干し。含まれるうま味成分や機能性成分が増大するといわれ、米や野菜、水産物など、さまざまな食材の加工技術として伝統的に活用されてきた。天日干しを研究する八戸工業大学(青森県八戸市)の青木秀敏客員教授は、太陽光線に含まれる紫外線の中でも、波長が長い「UV(ユーブイ)―A(エー)」がうま味成分増加などに寄与していると突き止めた。人工的にUV―Aを照射することで、天日干しを上回る食味向上が可能な乾燥法を開発し、特許を取得。6次産業化など、付加価値の高い食品加工への応用が期待される。青木客員教授を取材した。

(9面・営農技術)

〈写真:分析装置で食品成分を解析する青木客員教授〉

ドローンの安全対策追加/空中散布の無人機利用指導指針(2面・総合)【2016年4月1週号】

 農林水産省は3月31日、「空中散布等における無人航空機利用技術指導指針」(指導指針)を改定し通知した。改正航空法によりマルチローター式の小型無人航空機(通称ドローン)による農薬散布などが許可・承認制になったことを受け、必要な安全対策について3月に公表の「暫定運行基準」を踏まえ追加した。

(2面・総合)

ドレッシングで大豆の魅力発信【宮城県・4月1週号】

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 【宮城支局】「豆本来のおいしさを感じてほしい」と話す、大崎市古川の集落営農組合「桜ノ目アグリサービス」の佐々木精子さん(55)。組合の大豆を原料としたドレッシングを製造・販売し、好評を得ている。
 佐々木さんは、大豆を使った商品開発に取り組むため、6次産業化のセミナーを受講。みそやしょうゆ以外の加工品は少なく、「大豆のおいしさを知ってほしい」との思いから豆乳ドレッシングを開発した。
 商品は「ミヤギシロメの豆乳ドレッシング焙煎(ばいせん)大豆」と「ピリ辛」の2種類。焙煎大豆味は、豆乳や菜種油、米酢の他にジャガイモを入れてとろみを出す工夫をする。また、いった大豆を粉砕して加えることで、風味が増し、食感のアクセントにもなっている。
 ピリ辛味は、ごま油とニンニクの風味にトウガラシでパンチを効かせる。サラダだけでなく、万能調味料として油淋鶏(ユーリンチー)のタレや、酸辣湯(サンラータン)スープなどにも使うことができ、特に男性に人気だ。
 佐々木さんは「これからは大豆粉を使った商品の開発を進めていきたい」と抱負を話す。

〈写真:「豆の持つおいしさを味わってください」と佐々木さん〉

いももちを佐渡の土産に育てたい【新潟県・4月1週号】

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 【新潟支局】農閑期の10月ごろからサツマイモを原材料として作る菓子「いももち」の製造、販売を行っている、佐渡市小木大浦にある「工房あそび」の金子睦子さん(59)。夫と二人三脚で、手作りの懐かしい味を提供している。
 いももちは、サツマイモを原料とする佐渡の伝統食で小木地区の特産品だ。金子さんは約30アールの畑で、「紅あずま」「紅はやと」「きんとき」など、加工用に約4千本のサツマイモを栽培している。
 サツマイモ本来の色を生かしたいももちは紫、黄色、オレンジと見た目が鮮やか。購入した人からは「色がきれいで、食感がもちもちしていてとてもおいしい。食べ出したら止まらない」といった声が寄せられるという。
 金子さんは「今後、いももちが佐渡のお土産品として定着していってほしいですね」と笑顔で話す。

〈写真:「ぜひ食べてください」とPRする金子さん〉

素材と手間惜しまず【香川県・4月1週号】

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 【香川支局】「自家産レモンの無添加マーマレードは、穏やかな酸味が特徴。皮も柔らかくお召し上がりいただけます」と紹介する曽根克子(そねかつこ)さん(三豊市仁尾町、68歳)。2015年5月に発売し、今年も3月上旬から出荷している。
 栽培では、肥料や酵素に工夫を凝らし、かんきつ類2ヘクタールのうちレモンは7アール植栽。収穫したレモンを、直売所に併設された加工場でマーマレードに加工する。「品質を重視するため加工量は少なめですが、喜んでくれるお客さんのために素材も手間も惜しみなく使っています」
 購入者からは「レモンがごろごろ入ってぜいたくな食感。ハチミツレモンや料理の隠し味として安心して使えます」と好評だ。
 毎日、気軽に使ってもらえるようにと、高品質と低価格を両立させた曽根さん。「購入者のほとんどがリピーターになってくれます。直売所でお客さんとの距離が近いため、声の一つ一つが励みになります」とほほ笑む。

〈写真:商品を手に「旬のかんきつとブレンドした『レモンスペシャル』もどうぞ」と曽根さん〉

捕獲したシカで加工品作り【鳥取県・4月1週号】

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 【鳥取支局】八頭町東でペンションフォレスト姫宮を経営する北本頼隆さん(68)は、鶏ふんだけで土作りをした圃場で栽培する米(1ヘクタール)と野菜(25アール)の他、自身が捕獲したシカをジビエ(野生鳥獣肉)として提供する。今年2月に第三者機関の検査証を取得。「鹿肉の佃煮(つくだに)」と「鹿肉しぐれ」の加工品を道の駅で販売する。佃煮はご飯と一緒に、しぐれはパスタや丼物などさまざまな使い方ができるという。
 北本さんは「道の駅で販売するために、地方独立行政法人鳥取県産業技術センターと何度も相談しながら製品化しました」と苦労を話す。
 原料のシカ肉は、北本さん所有の裏山にわなを仕掛けて捕獲。解体から加工まで行うことができる施設も自身の手で造り上げた。
 北本さんは「今後は地元の素材を生かした乾物作りに挑戦したい」と話している。

〈写真:鹿肉の佃煮と鹿肉しぐれを手に北本さん〉

放置竹林をイノシシ対策に活用【群馬県・4月1週号】

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 【群馬支局】「イノシシ対策として、放置竹林から伐採した竹を有効活用しよう」と、NPOふるさと再生ネットワーク(金澤文雄代表・65歳、会員40人)では先ごろ、竹イノシシおりを作るための講習会を開催した。
 農林水産省アドバイザーで竹おり考案者の成瀬勇夫さんを講師に迎え、金澤代表の呼びかけで近隣住民約30人が参加。「増大する竹林と鳥獣被害の対策として、竹おり作りを学ぼう」と、1日かけておりを製作した。
 高崎市吉井町上奥平地域は、かつて養蚕やシイタケ栽培の盛んな地域だった。しかし、後継者不足や安価な外国製品の輸入増で地域農業は衰退。放置竹林や鳥獣被害が増大してしまい、深刻な課題となっている。
 「竹イノシシおりが幅広く活用されるようになれば、農作物被害の減少とともに農村の環境問題も改善される」と金澤代表は話す。

〈写真:竹イノシシおりの製作作業〉

牛舎の待機場天井にシャワー【岐阜県・4月1週号】

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 【岐阜支局】「牛の暑さ対策にはシャワーが一番良いと思っている」と話すのは、海津市平田町で酪農を営む森島牧場代表の森島広好(ひろよし)さん(50)。同牧場では20年以上前から夏場、牛の体を冷やすためのシャワーを設置。乳量の安定、真夏の事故低減などの効果を得ている。
 真夏には35度超えが当たり前となるこの地域は、ホルスタインを飼うには過酷な環境。森島牧場では暑熱対策の一つとして、シャワーを導入している。40平方メートルほどの待機場の天井一面にシャワーノズルを取り付け、搾乳を待つ間、水を浴びられるようにした。
 ノズルからは雨のように水が降り注ぎ、使用する水の量は1日2回の搾乳時で50立方メートルほどとなる。「牛は上からぬれても乳房まではベタベタにならないような体の仕組みになっている。衛生面から見ても悪くない」と森島さんは話す。
 その他に屋根に遮熱塗料を塗布するなどの暑熱対策を行っている。これらの対策により、1頭当たりの乳量が1日平均30キロを超える状態を年間通じて維持できるようになった。

〈写真:天井一面のシャワーからは雨のように水が降り注ぐ〉

耕作可能な農地維持に繁殖牛を放牧【大分県・4月1週号】

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 【大分支局】宇佐市で小ネギ2.8ヘクタール、水稲10ヘクタールなどを生産する株式会社ニシマキは、4~10月の間、耕作放棄地を利用して繁殖牛の放牧に取り組む。「牛が勝手に動き回って雑草を食べてくれるので農地はいつでも起こして使える状態を保てる」と代表取締役の安倍隆司さん(63)は話す。
 大分県では、農地や林地に繁殖牛を放牧し、耕作放棄地解消や獣害対策などに役立てようと「おおいた型放牧」を推進。県内254カ所、3688ヘクタール(2015年度末)で導入されている。
 子牛が生まれれば収入となる上、戦略作物助成(飼料作物)や耕畜連携助成(水田放牧)などを活用できる。「放牧は手間やコストがかからず人手不足の農村でも続けていける良い方法だ」と安倍さんは話す。

〈写真:「放牧であれば農地を守り生かし続けられる」と安倍さん〉

防風林「散るサクラを再び戦意高揚に使われぬよう【2016年4月1週号】」

 ▼卒業や入学、定年退職、就職、転勤など3月中旬から4月にかけて、人生の転機を迎える人や、アルバムを開き感傷にふけってみたくなる方もいよう。
 ▼気象庁が都内のサクラ開花日を発表して以降、花冷えが断続的に続き観賞期間が延びようやく満開。桜前線は順次北上し春が来る。サクラの代表「染井吉野(そめいよしの)」は満開後に風で散り、花吹雪は祝賀や別れの舞台を演出、人は風景に酔いまた涙するのだ。
 ▼東京・八王子の森林総合研究所・科学園には、早咲きの「寒桜(かんさくら)」や5月上旬まで咲く「深山桜(みやまざくら)」など約250種のサクラが植栽され、枝垂れ系や八重咲き系、花の色も多様で黄緑色した「御衣黄(ぎょいこう)」などもある。種類は400以上もあるといわれ、確かな数は把握できていないらしい。
 ▼わが国には、花が散る潔さを戦意高揚に駆りたてた過去を持つ。人間爆弾に「桜花」と命名したのはサクラも迷惑千万だったろう。開花予想用の標準木は靖国神社にあり、花も実もつけず戦火の銃弾に倒れた兵士に、哀悼の念を抱かずにいられない。
 ▼日本で一番古いとされる山梨県北杜市の「神代桜」は、落葉以降の冬期は生命の息吹を感じさせない老巨木だ。だが、春に枝の隅々まで着花し散ると同時に新緑を萌芽する生命力は、五十路半ばの身には感慨深く千数百年も続く生命の循環に神秘ささえ感じる。二度咲く「不断桜(ふだんざくら)」は人生の再出発を祝福する。サクラを二度と愚かな戦争に協力させる愚行があってはならない。わが国を代表する植物ならなおさらだ。

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