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今週のヘッドライン: 2016年04月 2週号

TPP審議本格化/国民目線で熟議を(1面)【2016年4月2週号】

 環太平洋連携協定(TPP)の承認案と関連法案の審議が衆院本会議で5日、始まった。政府・与党は、TPPを「アベノミクスの成長戦略の切り札」と位置付け、6月1日の会期末までの成立を目指す。一方、野党は衆・参農林水産委員会決議との整合性をはじめ、情報開示や国内対策のあり方、政府が発表した影響試算などについて政府の姿勢を問う方針だ。
 TPP発効となれば、かつてない高いレベルでの農産物の市場開放となることから、生産現場の不安・懸念は根強い。結論ありきの対応ではなく、国民目線からの熟議の徹底が求められる。

(1面)

暮らし支える移動販売車 清川ふるさと物産館夢市場 ―― 大分県豊後大野市(1面)【2016年4月2週号】

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 大分県豊後大野市清川町の道の駅きよかわで、農産物直売所を運営する有限会社清川ふるさと物産館夢市場は、買い物が困難な高齢者向けに移動販売車を平日運行し、食料品などの生活必需品を届けている。生協と連携して日持ちしない肉や魚の品ぞろえも充実させ、町内でルートを決めて1カ所に週2回訪れる。買い物に顔を見せなかった高齢者宅に声掛けも行う。直売所出荷者の平均年齢が80歳間近に達する中、生協との共同出資で農業法人を設立。県立農業大学校の卒業生を雇用し、担い手の育成にも乗り出した。直売所が地域住民の暮らしと営農を支える拠点となっている。

(1面)

〈写真:利用者のニーズに応じて、多種類をそろえている。欲しいものは事前注文もできる〉

16年度の収入保険調査事業 NOSAI全国が受託(1面)【2016年4月2週号】

 農林水産省は5日までに、2016年度の「収入保険制度検討調査事業」の委託先が入札の結果、「個人経営体向け調査」「法人経営体向け調査」ともにNOSAI全国(全国農業共済協会)に決まったと公表した。NOSAI全国の受託は、個人経営体向け調査が14年度の事業開始以降3年連続で、法人経営体向け調査は14年度以来、2年ぶり。

(1面)

茶共済/凍霜害や冷害など幅広く自然災害を補償(5面・NOSAI)【2016年4月2週号】

一度の降霜害が命取り
 茶産地の多くで、間もなく一番茶の収穫時期を迎える。近年、寒暖の差が大きくなり、思わぬ時期の降霜などで大きな被害を受けるケースが報告されている。産地では防霜ファンの設置が進んでいるが完全には防ぎきれず、一度の降霜被害が茶農家経営に大きな痛手を与えることもある。茶共済では凍霜害をはじめ、鳥獣害や風水害、火山の降灰による被害など、幅広い自然災害を補償する。2015年産からは、一定の要件を満たす自園自製農家も災害収入共済方式に加入できるよう要件緩和された。茶共済の仕組みを共子さんが済太郎くんに聞いた。

(5面・NOSAI)

自家米と加工品が強み ―― 滋賀県長浜市・百匠屋(10面・流通)【2016年4月2週号】

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 「米そのものでは、なかなか売れない。販売方法や加工品作りなどの〝種まき〟に力を入れ、米の魅力をPRしたい」と話す清水大輔さん(39)。滋賀県長浜市三田町で、妻の多枝子さん(37)と百匠(ひゃくしょう)屋を営む。「コシヒカリ」6ヘクタールを中心に13ヘクタールを作付け、県内の飲食業者や個人にほぼ全量を直販。注文を受けてから精米するほか、小分け袋やお試しセットも販売し、新規顧客の獲得につなげる。ポン菓子や雑穀米など新商品を開発し、地元イベントや県内外の催事にも出店。米を軸にした加工品の魅力を伝える販売戦略で売り上げ増を図っている。

(10面・流通)

〈写真:30キロの米袋を抱える清水さん。「おいしい米を食卓に届けることが基本。加工品販売を米の売り上げに結びつけたい」〉

乾土効果で麦作り ―― 福岡県嘉麻市・福澤農園(13面・営農技術)【2016年4月2週号】

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 福岡県嘉麻市牛隈の福澤農園株式会社は、小麦「チクゴイズミ」13.3ヘクタールと二条大麦「はるしずく」7.7ヘクタールを栽培。粘土質の土壌で、本暗渠〈ほんあんきょ〉を自ら施工し、弾丸暗渠と組み合わせて排水効果を高め、2015年産小麦は10アール当たり368キロ(県平均304キロ)の高収量を上げ、品質も全量1等を確保する。麦踏み6回と土入れ4回を適期に実施し、自走式麦踏機を自作したほか、ロータリーカルチに土をほぐして軟らかくする爪を取り付け、作業効率を上げる。土地利用型経営で、麦が粗収益の42%を占める主力作物となっている。

(13面・営農技術)

〈写真:「11月の気温が高く、例年と比べて生育が10日ほど早い」と大麦の圃場で福澤さん(右)と古賀さん〉

規制改革WGの「指定生乳団体」廃止提言受け 自民党が月内に対応方針(2面・総合)【2016年4月2週号】

 自民党の畜産・酪農対策小委員会(委員長・坂本哲志衆院議員)は6日の会合で、月内までに指定生乳生産者団体(指定団体)制度の見直しにかかる提言をまとめる方針を決めた。バター不足などを契機に、政府の規制改革会議農業ワーキンググループ(WG)が「現行の指定団体制度の廃止」を柱とする提言を発表したことを受けたもの。指定団体による生乳の一元集荷・多元販売は、牛乳・乳製品の需給安定の基盤であり、現行制度の機能が失われれば、生乳需給の混乱は必至。生産現場はもとより、消費者にも悪影響を及ぼしかねない。生乳の特性や生産・流通の現状を踏まえた慎重な議論・検討が求められる。

(2面・総合)

マダニ対策しっかりと(3面・暮らし)【2016年4月2週号】

 農作業など野外活動が増えるこれからの時期は、マダニによる感染症に注意が必要だ。マダニが媒介する感染症の一つ「重症熱性血小板減少症候群(SFTS)」は、3年前に国内で初めて確認され、死亡者も発生している。マダニは春から秋にかけて活動が活発になり、山林だけでなく、田畑やあぜ道にも生息する。国立感染症研究所などでは感染症の予防として、肌の露出を少なくするなどマダニにかまれない工夫をするよう呼びかけている。マダニから身を守るポイントをまとめた。

(3面・暮らし)

第40回「新・日本の農村」写真コンテスト(6面・特集)【2016年4月2週号】

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(6面・特集)

〈写真:最優秀賞「我が舞台」 木村陽一さん(京都府木津川市)〉

ヤギミルクでビジネスモデル確立へ【高知支局・2016年4月2週号】

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 【高知支局】川添ヤギ牧場は、南国市関地区にある高知県唯一のヤギ牧場。川添建太郎さん(36)と母の和嘉さんの2人で経営している。ヤギミルクの搾乳量は乳牛の約10分の1だが、さまざまな売り方で流通させようと日々奮闘している。
 子ヤギを含め約70頭を飼育。2年目に搾乳をスタートさせ、ヤギミルクとヨーグルトを作り始めた。3年目にはジェラートの販売が始まり、現在、老舗菓子屋や農園レストランなど県内でも加工品に使用される。東京のレストランなどからも注文があり、プリンやチーズに加工されている。
 同牧場は同市に本社を置く「ひまわり乳業株式会社」と提携。京阪神に店舗を持つ「いかりスーパー」で4月中旬から、ヤギミルクが飲料用として販売される。将来は加工品を牧場で販売することを目標に自家製チーズの試作にも取り組んでいる川添さん。「今後はヤギのいろいろな可能性を考えながら新しいビジネスモデルを確立し、今までにない消費者へのサービスを提供していきたい」と話してくれた。

〈写真上:ヤギに自家産の飼料を与える川添さん〉
〈写真下:ヤギミルクは1本千円で販売予定〉

冬場にブドウ「デラウェア」 早期出荷で収益増へ【山形支局・2016年4月2週号】

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 【山形支局】高畠町の塩森(しおのもり)地区で農業を営む佐藤泰彦さん(48)は、水稲6ヘクタール、リンゴ1ヘクタール、西洋ナシ30アール、露地ブドウ50アールの栽培に加え、冬場の仕事として加温ハウス2棟(10アール)でブドウ「デラウェア」を栽培。周年農業で、安定経営を目指している。
 佐藤さんは12月に剪定(せんてい)を行う。1月いっぱい樹(き)を休ませ休眠状態にして発芽と成長を促進させる。4月には十分な灌水(かんすい)が欠かせない。「6月上旬まで樹上で成熟させる」と佐藤さん。糖度が十分に上がってきたものを地元の直売所に出荷する。
 加温ハウスではストーブ付近から徐々に成長していくため、生育に合わせて作業を進めることができるという。「妻と二人でも対応できているので、加温ハウスを延長して栽培面積を広げ、収益増を目指したい」と話している。

〈写真:「ハウス栽培は降雪が続いても作業ができる」と話す佐藤さん〉

獣害対策に補助者制度 捕獲個体数が増加【石川支局・2016年4月2週号】

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 【石川支局】金沢市は、イノシシなどによる農作物被害に地域ぐるみでの対応を強化しようと、2015年度から「補助者制度」を導入。捕獲個体数の増加などの成果が上がっている。
 講習会を受講し登録された補助者は、わな猟免許を持つ捕獲隊員と連携して、わなの見回りや餌の設置、通報を行う。金沢市内全体で15年度は117人の捕獲隊員と112人の補助員が活動。おり設置数は190基(14年度対比78基増)、捕獲個体数は522頭(同416頭増)となった(15年12月末現在)。
 市内山間部の23地域を担当する捕獲隊員の杉本秀夫さんは、担当地域で15年度に199頭駆除したという。竹又町地区は杉本さんに加え補助者4人が4基のおりを管理。2日に1度見回り、餌の補充などを行い、おりの設置場所などの情報を共有し検討する。「こまめな管理で被害発生から捕獲までが迅速に行える。有志の補助員の熱心な取り組みが心強い」話す。

〈写真:わなにかかったイノシシを駆除する竹又町班〉

産直にスタンプラリー 集客増へ手応え【岩手支局・2016年4月2週号】

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 【岩手支局】産直の知名度を上げ、利用促進を図ろうと、花巻市産地直売連絡協議会(伊藤忠宏会長)は3月から「花巻の産直スタンプラリー」を開催。花巻市内の産直10店舗で買い物をするとクーポン券がもらえるイベントで、今後の利用促進に関係者の期待は高まる。
 各店舗で500円以上の買い物をして台紙にスタンプを押してもらい、全店舗のスタンプを集めると、台紙と引き換えで500円分のクーポン券がもらえる。6店舗以上のスタンプでも300円分のクーポン券がもらえ、何度でも参加可能だ。スタンプ10個を集めた台紙は同市の特産品が当たる応募券にもなる。
 伊藤会長は「各店舗でいろいろな工夫やサービスをしているので、産直の面白さを再発見してほしい」と意欲的だ。スタンプラリーで来客数は増えていて、手応えを感じている。

〈写真:スタンプラリーをPRする伊藤会長〉

直売所グループが学校給食で交流【秋田支局・2016年4月2週号】

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 【秋田支局】「農業に関心をもつ子供たちが少しでも増えてくれたら」――鹿角市のみどりの食材連絡会(会員120人、松田誠子会長)は学校給食に地場産野菜を提供する。また、小学校に出向いての食育授業や、フキ刈り体験などで農業の魅力を伝えている。
 同会は鹿角市内に数カ所ある直売所グループで組織。提供する品目や数量は直売所ごとに割り振られ、納入作業も各直売所が、それぞれの給食センターに搬入する。「その直売所にない品目を他のグループから融通してもらっている」と松田会長。35品目を安定供給している。
 2カ月に1回、地場農産物をふんだんに使用した給食を食べる「たらふくかづのの日」に合わせ、食育の授業や、児童と給食を食べて交流を深める活動を年2回行う。「種播きから収穫までの作業を一緒に行い、栽培の大変さや難しさを教えてみたい」と話している。

〈写真:食育の出前授業を行う会員〉

黒にんにく入りのリキュール【青森支局・2016年4月2週号】

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 【青森支局】田子町にんにく国際交流協会は、今年3月に黒にんにく入りのリキュール「クロシュ」を新発売した。
 クロシュは赤ワインに田子町産の黒にんにくペーストをブレンドしたリキュール。甘い口当たりと、ほのかに黒にんにくの香りのするフルーティーな酒に仕上がっている。
 「甘めのお酒はいかがでしょうか。黒にんにくとワインのたっぷりポリフェノールで、肌の老化を防ぐ抗酸化作用も期待できます」と同交流協会の佐藤恵子総務課長。「皆さまから末永く愛される商品になってほしいです」とクロシュに期待を寄せている。

〈写真:「女性へのプレゼントにいかがですか」とクロシュを手に佐藤課長〉

防風林「歯車が変えた高能率化には研究者の苦悩が【2016年4月2週号】」

 ▼稲作農家が使う田植機の移植装置には、回転軸が1回転するたびに2株を植え付ける「ロータリー式」が採用されている。旧世代の田植機は、駆動するアームで1株ずつ移植する「クランク式」が主流だった。
 ▼現装置により、作業能率の向上と同時に、速度を上げても振動が少なく欠株率が大幅に低減することができた。「高速田植機」として農業機械化研究所(現・農研機構・革新工学センター)が開発。農機各社から発売される新型田植機には瞬く間に、ロータリー式が採用されたのだ。
 ▼この先進的技術が大規模稲作への適応技術として着目されたわけだが、「偏心歯車」という新機構の開発がなければ、現在の田植機の作業能率は従来のまま、稲作の移植体系さえ見直されていたかもしれない。
 ▼着想は、1本の棒を中心点で1回転させると両端を接地できることだ。だが、通常の歯車では苗を直立させられる爪の楕円(だえん)軌跡は描けない。開発担当者は悩み抜いた。ひらめいたのが、歯車の中心点をずらした偏心歯車の組み合わせ列によって、苗株を直立させることができる理想的な円孤を描いてみせたのだ。
 ▼開発を担当した山影征男さんは、高速田植機の市販化を見届けてはいない。論文さえ書き残す間もなく急逝したためだ。同時期に開発された汎用(はんよう)型コンバインとともに、大規模水田営農の扉を開く機械化体系の一翼を担う。歯車が作業を変えた歴史を語り継ぐ研究者は少なくなった。これも古参記者としての責務かもしれない。

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