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今週のヘッドライン: 2016年04月 3週号

地方の宝 掘り起こし全国へ/ふるさと納税 追い風に ―― 鹿児島県大崎町・かごしま黒豚小野ファーム(1面)【2016年4月3週号】

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 「地道にいい仕事をしている生産者に、光を当てることができた」と、鹿児島県大崎町企画調整課の竹原静史(しずと)さん。同町は「ふるさと納税」を推進し2015年度、県内の自治体1位となる27億2千万円の寄付を集めた。寄付者への謝礼品となる黒豚肉を生産する同町井俣の小野ファーム(代表=小野ユウ子さん、60歳)には注文が殺到。「生産が追いつかず、3カ月ほど待ってもらっている状況」とうれしい悲鳴を上げる。知名度アップにつながり、直販店を訪れる人も増える効果が出ている。

(1面)

〈写真:「健康な豚づくりを心掛けています」と小野美里さん〉

熊本で震度7/NOSAI団体 被害状況把握急ぐ(1面)【2016年4月3週号】

 14日午後9時26分、熊本県地方を震源とするマグニチュード6.5の非常に強い地震が発生し、益城町で震度7、玉名市と熊本市で震度6などを観測した。大きな揺れによる家屋の倒壊や多くの死傷者がでる被害となった。
 気象庁は15日、「平成28年(2016年)熊本地震」と命名。内閣府は地震非常災害現地対策本部を設置、また農林水産省は緊急自然災害対策本部の会合を開き対応策を協議した。なお、NOSAIでは地震による迅速な被害把握と早期の共済金の支払いに全力を挙げている。(15日現在)

(1面)

TPP特別委員会再開も審議の行方は不透明(2面・総合)【2016年4月3週号】

 環太平洋連携協定(TPP)の承認案と関連法案を審議する衆院特別委員会は15日、1週間ぶりに再開したものの、14日夜に発生した熊本地震への対応を優先し、質疑は行わず散会した。政府は今国会での成立を目指しているが、情報開示に後ろ向きな姿勢に民進党が強く反発しており、会期末まで審議日程の確保が厳しさを増す中で、法案の成立先送り案などが浮上。今夏に参院選挙を控え、審議の先行きは不透明感が増している。TPPは農業への打撃はもとより、国民生活に幅広い影響を及ぼすとの懸念・不安が根強く、丁寧に議論すべき課題は多い。政府は最大限の情報開示に努めるとともに、国会は早期の承認ではなく、国民が十分に理解・納得できる審議を優先すべきだ。

(2面・総合)

宅配弁当で健康を応援 ―― 栃木県下野市・企業組合「らんどまあむ」(3面・暮らし)【2016年4月3週号】

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 農村地域に住む女性10人で構成する栃木県下野市笹原の企業組合「らんどまあむ」は、地元産の食材を使った弁当や総菜を製造・宅配している。弁当は、カロリーや塩分を計算し、健康に配慮したメニューを心がけている。市内なら一つから宅配し、栄養バランスが偏りがちな勤め人や高齢者に人気だ。市から配食サービス事業を委託され、高齢者宅へは週3日ほど宅配。体調や安否確認など見守り役も担っている。「地域の人たちから頼りにされる場にしたい」と代表の大越歌子さん(61)。顧客や組合員との交流を楽しみながら、菓子製造などの事業拡大も視野に入れている。

(3面・暮らし)

〈写真:「お弁当お待たせ。いつもありがとう」と手渡す歌子さん(左)〉

夏場に向けた消費者が好む野菜選択(8面・流通)【2016年4月3週号】

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 気候も日増しに暖かくなり、本格的な夏野菜づくりが幕を開ける。消費者もライフスタイルが多様化して食に対する志向も変化し、作目や品種の選定に迷うところだ。JAなど直売所や道の駅などで販売する人も多くなってきた。そこで、一般消費者が、生産地や農家に求める野菜の状況について、市場の立場から大手卸・東京青果株式会社の加藤宏一さんに話を聞いた。なお、本紙連載記事「あんな野菜 こんな果物」を、今号から担当していただく。

(8面・流通)

〈写真:高糖度トマトは高価だが、節水管理が重要なポイントで栽培は難しい〉

ハウスキュウリ 反収37トンを確保/光合成を最大限促進 ―― 佐賀県佐賀市(9面・営農技術)【2016年4月3週号】

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 ハウスキュウリ34アールを家族5人で栽培する佐賀市川副町小々森の坂田和史さん(47)は、日射量が少ない冬季に二酸化炭素(炭酸ガス)の施用法と温湿度管理を工夫。高い秀品率と安定収量を確保し、10アール当たり年間収量は37トンに上る。半促成と抑制の年2作型で摘心栽培する。二酸化炭素は日中、外気よりも濃度が下がるたびに施用。日の出までに約20度に上げて光合成を促し、夕方は光合成産物を果実に転流させるため、一気に温度を下げる。光合成を最大限に生かした環境管理を徹底し、10アール当たり販売金額は1200万円を達成する。

(9面・営農技術)

〈写真:キュウリの摘心と摘葉をする坂田さん〉

指定団体制度の廃止「受け入れられない」 自民党が政府に申し入れ(2面・総合)【2016年4月3週号】

 規制改革会議が唐突に指定生乳生産者団体制度の廃止を提言した問題で、自民党の農林関係合同会議は14日、「受け入れられない」との決議をまとめ、政府に申し入れを行った。

(2面・総合)

ヤマブドウで果汁原液作り【山形県・2016年4月3週号】

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 【山形支局】「ヤマブドウは糖度19度以上で『特A』ランクだが、わが家は通常でも22度、高いものは27度になる」と話すのは、鶴岡市下名川の渡部修一さん(56)。6次産業化に向けて加工所を建設し、甘く完熟したヤマブドウを使った加工品作りに励んでいる。
 渡部さんは、会社に勤めていたころからヤマブドウ栽培に関わり、現在は専業として、父と共に60アールの畑で、早生(わせ)と晩生品種を合わせて約200本を育てている。
 昨年の秋、念願の加工所(17平方メートル、2棟)を建設。そのままでも、焼酎などで割ってもおいしいという「山ぶどう原液」を柱にした加工品作りが始まった。その他、冷凍した果実で周年加工に取り組む「山ぶどうジャム」や、ヤマブドウの酵母菌を利用した自家製天然酵母入りパンなど、ヤマブドウを使った商品の開発に取り組んできた。
 渡部さんは「まだまだ勉強中。栽培と加工技術を磨き、おいしい商品を消費者に届けていきたい」と意気込みを話す。

〈写真:「山ぶどう原液」と「山ぶどうジャム」〉

もみ殻に土着菌 良質な土壌改良資材に【島根県・2016年4月3週号】

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 【島根支局】米を生産する際に発生するもみ殻を、土壌改良資材として活用する取り組みを始めた出雲市灘分町の農事組合法人まめなかファーム新田後(小村正代表理事=68歳、組合員43人、水稲・麦ほか約40ヘクタール)は、近隣の農家を集めて普及講習会を実施。地域全体での土作りと生産米の品質向上に尽力する。
 同組合は、生産過程で出る大量のもみ殻の処分について頭を悩ませていた。そんな中、小村代表は分解しにくいもみ殻を、土着菌の力を利用し短期間で発酵分解できる技術を知り、農業で重要な土作りへの活用を思い立った。
 もみ殻の分解技術を開発した広島市の企業・株式会社アイナ(安藤剛毅〈ごうき〉代表)が発売する「有機発酵促進液」を、米ぬかと合わせたもみ殻に混ぜれば、微生物の力で約2週間で柔らかい発酵もみ殻となる。それを土に混ぜることで、カルシウムなどのミネラル分が増加。ケイ酸が補給され、その効果で根の張りが良く健康な作物ができる。
 小村組合長は「地域全体の米の品質向上を目指すには、土作りにみんなで取り組むことが大切。もみ殻の堆肥化技術を広めたい」と地域農業の向上に活用を進める。

〈写真:「捨てていたものを活用に回せます」と小村代表理事〉

バナナの本格栽培に挑戦【鹿児島県・2016年4月3週号】

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 【鹿児島支局】「来園されるお客さんを喜ばせたい」と話すのは、鹿屋市大浦町で㈲南国フラワープランツ苗物産直農場を経営している大平順一さん(62)。大平さんは、同市内で初となるバナナの本格的な栽培に昨年から挑戦している。
 バナナは、登録がとれている農薬がないため、ハウス内の温度設定や水の管理には細心の注意が必要になる。「右も左も分からないまま、バナナの生産を始めたので戸惑うことの連続です。これからも試行錯誤を重ねていくしかないですね」と話す。
 現在は約40本の木を育てていて、収穫したバナナは販売を計画している。農場を訪れた人には試食を行い、「安心して食べられる」「今まで食べた中で一番おいしい」など反響の声があった。
 「今後も、より品質の良いバナナを作っていきたいです。また、町おこしの一つになればうれしいですね」と大平さんは目標を話す。

〈写真:バナナの確認をする大平さん〉

太陽光パネルの下で営農 作物と発電で収入【鳥取県・2016年4月3週号】

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 【鳥取支局】北栄町大谷の営農型太陽光発電所「北栄ソーラーファーム」を運営する同町の「株式会社エナテクスファーム」(磯江公博社長)。同社では、この太陽光パネルの下で、常緑キリンソウの苗を栽培している。
 この農地面積は1万7400平方メートルあり、農地転用許可を受けた施設としては国内最大級だ。太陽光パネルの下では常緑キリンソウの苗を、それ以外の部分ではシバを栽培している。
 常緑キリンソウとシバの出荷による販売収入に加え、年間発電量104万キロワット(291世帯分の年間消費電力量に相当)の売電収入を得ることになる。
 太陽光を共有する新しい形の農業は、高齢化や耕作放棄地の対策に加え、持続可能な安定した農業経営にもつながり、さらには、環境に優しい自然エネルギーとしても高く評価されている。
 「ソーラーシェアリングで農地の有効利用と持続可能な農業のモデルケースとして、鳥取から全国に発信したい」と磯江社長は意欲を示す。

〈写真:栽培する常緑キリンソウの苗を確認する礒江社長〉

若者にも好評の味噌漬け【新潟県・2016年4月3週号】

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 【新潟支局】「添加物を一切使わず、地元産の野菜で漬物を作っています」と話すのは、漬物加工品を製造・販売する阿賀町平堀の長谷川幸子さん(70)。自ら「自信作です」と胸を張るシソの実と野菜を混ぜ合わせた味噌(みそ)漬けは、若い人からも好評だ。
 「においが気になるため、添加物は使わない」と、素材そのものの風味を生かして作られる味噌漬けは絶品。材料のシソの実や野菜、山菜は自分の畑で栽培したものや、町内の農家から仕入れたものを使用している。味噌は同町津川産を、調味料は岡山県や北海道から取り寄せるなど、おいしさを追求している。
 「これからも大勢の方においしいと喜んでもらえる味噌漬けを作りたい」と長谷川さんは意欲を燃やしている。

〈写真:出荷準備をする長谷川さん〉

北海道でサツマイモ 焼き芋で提供【北海道・2016年4月3週号】

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 【北海道支局】「サツマイモ栽培は手間があまり掛かりません。虫もそんなに寄ってこないし、北海道では土壌の病気もほとんどありません」と話す滝川市の香西静江さんは、サツマイモを栽培し、焼き芋の販売に力を入れている
 昨年10月からは焼き芋作りにも取り組み始めた。月3回ほど、JAたきかわAコープ前やJR江部乙駅前、滝川市内のイベントなどで販売する。昨年11月、旭川市内にある菓子店でのイベントに出店し、売れ行きは好調だった。
 今年1月には、愛知県名古屋市で開催された北海道物産展にも出品。「北海道のサツマイモということで驚かれましたが、味については好評価をいただき、自信になりました」と話してくれた。

〈写真:焼き芋を手渡す香西さん〉

防風林「農業継続のための農道 命の道としての意識を【2016年4月3週号】」

 ▼原始社会の人間が初めて道を活用したのは、狩猟で動物を追う「獣道(けものみち)」、採取や農耕で通う「踏み分け道」とされ、これが今の農道の起源といえようか。
 ▼国内における農道の総延長距離(農水省2015年整備状況調査)は17万2400キロに及ぶ。地域差は大きいが全国平均の舗装率は36%、約56%は軽トラさえすれ違いが難しい1.8~4メートルの幅だ。交通を目的とした公道とは目的が異なり、営農そのものに支障がなければ問題はない。
 ▼とはいえ、農作業事故調査では毎年400人近い農家が死亡している現実がある。農機大型化とそれに伴う作業機幅の拡大が、農道の幅に合わなくなったとも考えられる。雑草管理が不十分な道路と法面(のりめん)との境界で脱輪・転落、木立や電柱に作業機をぶつけ転倒する事故事例もある。
 ▼農道の危険そうな箇所では、慎重な機械操作と標識などの適切な防止策を心掛けてほしい。取材時でも、渋滞回避なのか農道を猛スピードで走り抜ける車を見かける時がある。農家が作業中に軽トラックを停車していたら、突然「じゃまだ。どけろ」と怒る不届き運転者もいるという。
 ▼司馬遷の「桃李もの言わざれども下おのずから蹊(みち)を成す」との詩は、人徳のある者の周囲には自然に人が通う道が拓(ひら)かれる、との意味。桃李を農作物に替えて訳せば、営農者がいて作物が実る場所に自然と道ができる......となる。耕作放棄で草に覆われた農道を増やしてはならない。国民の食や生活をつなぐ命の道なのだから。

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