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今週のヘッドライン: 2016年04月 4週号

平成28年熊本地震/激震続発 農業にも被害(1面)【2016年4月4週号】

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 熊本県熊本地方を中心に大きな地震が多発し、農業分野にも甚大な被害が発生している。政府によると14日の発生以降、22日(午後5時30分現在)までに48人の死亡が確認され、負傷者は1100人を超えている。一部損壊を含め住宅の被害も4千件に上り、数万人が避難生活を強いられている。農業関連でも揺れの大きかった地域で農地・農業用施設の損壊や牛舎の倒壊などが発生し、営農に深刻な影響が出ている。発生から1週間が過ぎ、被災地ではインフラなどの復旧作業が進みつつあるものの、今後も余震などへの警戒が必要で、非常に厳しい状況が続く。国を挙げた支援を進めたい。

(1面)

〈写真:激しい揺れにより倒壊した畜舎(大津町、16日撮影)=写真提供:NOSAI熊本〉

口蹄疫対策の徹底を 訪日外国人の増加で侵入リスク高く(2面・総合)【2016年4月4週号】

 人や物の往来が活発化する大型連休を前に、農林水産省は21日、全国家畜衛生主任者会議を開き、都道府県の担当者に防疫対策の強化を呼びかけた。特に訪日外国人が急増する中、韓国では今年1月以降、口蹄疫が続発。中国や台湾など近隣諸国でも断続的に発生しており、生産現場に飼養衛生管理基準の順守徹底を求めている。30万頭もの牛・豚が犠牲になった宮崎県での口蹄疫発生から6年。農家の高齢化などで畜産・酪農生産基盤の脆弱(ぜいじゃく)化が進んでいる現在、万が一にも口蹄疫の侵入・まん延を許せば、経営維持も難しい事態になりかねない。国全体で家畜伝染病への危機意識を共有し、適切な防疫対策を着実に続けていく必要がある。

(2面・総合)

強風で園芸施設1600棟に被害 ―― NOSAI秋田(2面・総合)【2016年4月4週号】

共済金早期支払いへ全力
 低気圧が発達しながら日本海を北東に進んだ影響で17日、全国的に強い風が吹く荒れた天候となった。各地の園芸施設などに被害が発生している。
 秋田県では、水稲育苗用ハウスを中心に、被覆材やスパンが破損するなど被害が発生。大仙市で400棟、横手市で350棟など全県で1600棟の被害が確認されている(20日現在)。
 NOSAI秋田では被害把握に努めており、適正な損害評価と迅速な共済金の支払いに全力を挙げている。

(2面・総合)

和歌山県/梅の幼果を直撃 降ひょう被害へ迅速対応 ―― NOSAI和歌山南部(5面・NOSAI)【2016年4月4週号】

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 「一つのウメ果実にいくつも傷が付いている。無傷のものを見つけるのが難しいくらいだ」と、ウメ4ヘクタールを栽培する和歌山県みなべ町晩稲の田中弘さん(59)は肩を落とす。日本有数のウメ産地であるみなべ町と田辺市、白浜町で3月27日にひょうが降り、約1千ヘクタールの園地で幼果に傷が付く大きな被害が出た。NOSAI和歌山南部(和歌山南部農業共済組合、鈴木恒雄組合長)では、園地の被害状況を確認し、適正で迅速な共済金支払いに向けた体制を整えている。

(5面・NOSAI)

〈写真:「みなべ・田辺地域が世界農業遺産に認定され、今年はウメの消費拡大や価格低迷からの脱却を期待していた」と、傷果を見て落胆する田中さん〉

粉炭で土壌改善 ―― 連作障害回避に期待(12面・資材)【2016年4月4週号】

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 連作障害の回避や施肥効果を向上させる資材として従来から、「炭」が活用されている。しかし、一般的な炭では施用法や輸送コストの面で課題も多かった。最近、間伐材や食品残さを粉砕し炭化させた「粉炭」を土壌改良資材として利用する農家も増えつつある。粉状にすることにより作業が楽になり、土壌混和することで偏りなく施用できるなどが特徴だ。特に、野菜などの年間の作付け回数が多い品目での、連作障害回避や地力維持に効果が期待されている。

(12面・資材)

〈写真:「土壌の力を生かすことが大切」と真庭さん(手前)。後ろは山本代表〉

リン酸/定植前のネギ苗の施肥量を削減 農研機構・東北農業研究センターが手引書(13面・営農技術)【2016年4月4週号】

 肥料の国際的な需要が増加する中、資源の枯渇や価格高騰など安定供給への影響が懸念されている。特に、リン酸肥料や化成肥料の主要成分原料であるリン鉱石は、全てを輸入に依存しているのが現状だ。一方で、国内農地土壌のリンやカリウムの過剰蓄積が顕在化。必要以上の施肥は、コスト面だけでなく、環境への負荷も大きいことから、適切な施肥設計をあらためて意識したい。農研機構・東北農業研究センターはこのほど、「定植前リン酸苗施用によるネギのリン酸減肥栽培」の手引を発行した。定植前のネギ苗にリン酸を施用することで、畑へのリン酸施肥量を50%以上削減できるとともに増収効果があるとする。手引をもとにあらためてリン酸減肥技術をまとめる。

(13面・営農技術)

研磨機を無償で貸し出し ―― NOSAIえひめ(5面・NOSAI)【2016年4月4週号】

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 NOSAIえひめ(愛媛県農業共済組合、喜安晃組合長)の西条支所では、損害防止事業の一環として、希望者に刈払機の回転刃(チップソー)を無償で研磨する支援を実施。年間60回ほどの依頼を受けている。農家の身近な要望に対応することで、組合員との信頼関係やNOSAIへの認知にもつなげている。

(5面・NOSAI)

〈写真:研磨機を設置しているNOSAI職員〉

「機能性」農産物/表示制度でこう変わる(6面・特集)【2016年4月4週号】

 食事を通じた健康維持に需要が高まる中、食品に含まれる成分の健康効果を表示できる「機能性表示制度」が導入され、味や形以外の魅力として健康機能性が野菜や果物など農産物の付加価値化に期待されている。2015年9月に、静岡県浜松市で栽培される「三ケ日みかん」などが生鮮食品では初の機能性表示食品として届出が受理された。専門家に現状を聞くとともに、攻めの姿勢で価値創造に取り組む産地と、研究の最新情勢を追った。

(6面・特集)

ニーズ把握した高品質マッシュルーム【山形県・4月4週号】

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 【山形支局】直径10センチにもなるジャンボマッシュルームで知られる舟形町の「有限会社舟形マッシュルーム」(長澤光芳代表取締役=62歳)では、消費者ニーズを的確にとらえながら、徹底した品質管理と独自の栽培技術の開発により生産量を増やしている。
 今年は62棟の栽培舎で1200トンの生産量を見込む長澤さん。さらに収穫後の廃菌床を有機資材として再利用するなど、有機資源循環型の生産活動にも取り組んでいる。
 1985年に2棟のハウスで始めたマッシュルーム栽培。年間を通した安定供給のニーズの高まりを受け2001年に同社を設立し、140平方メートルの栽培舎12棟で通年栽培への取り組みを始めた。消費者ニーズを踏まえた商品開発や培地の自社生産、栽培周期の短縮化や農薬を使わない栽培技術の確立など、独自のアイデアで生産量を拡大してきた。
 生産工程における品質・衛生管理についても高いレベルを目指し、JGAP認証やJAS認証を取得している。「基準に沿った管理を徹底し、安全で高品質なものを生産するため」と話す長澤さん。

〈写真:「多くの人に食べてもらいたい」と長澤さん〉

酪農 家族とともに 一生掛けて【岐阜県・4月4週号】

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 【岐阜支局】「物心ついたときには牛舎にいた」と話すのは、海津市平田町の伊藤昌子さん(36)。家業を継ぎ、現在、母親と夫の3人で酪農を営み、50頭の搾乳は昌子さんが担当する。
 やらなければとがむしゃらに進み、男性と同等に仕事がしたい、会話についていけるよう知識を身につけたいと周囲に協力してもらいながら、人の3倍は働く気持ちで努力した。「『だいぶ良くなったね』と認められた時はうれしかった」と話す。今は自身の出産で現場を離れた時の経験から、夫とも相談し搾乳の自動離脱の機械を導入したいという新しい目標もできた。
 休みがなく、体力的にも大変だが、この仕事は嫌ではないという。「一生を掛けて自分で形づくっていける仕事だからかな。家族が一緒に考え、協力してくれるからやっていける。感謝しています」と話す昌子さん。「今後は和牛の繁殖や肥育もやってみたい」と意欲的だ。

〈写真:「大変なことも、それを笑顔にエネルギーに代えていきます」と昌子さん〉

ハウスワラビ 端境期出荷で高収入【奈良県・4月4週号】

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 【奈良支局】吉野町の岩本義正さん(79)は、吉野の名物として古くから出荷しているワラビを栽培し、地域の活性化を図る。岩本さんは9人が所属する吉野町わらび出荷組合の組合長を務め、ビニールハウス内でワラビ7アールの栽培に取り組む。
 露地栽培のワラビと比較すると食感は柔らかく、珍しいと消費者からの評価も高い。ハウス内の温度を調整することで、本来よりも出荷時期を早めることが可能だ。250グラム当たり千~3千円と市場価格が高くなる1月中旬~4月中旬に、京都市の中央卸売市場へ出荷している。
 岩本さんは今後について「現状を維持しながら、今後の存続のために後継者を育成したいです」と話す。

〈写真:「高級食材ですが、一般の人にも食べてほしいです」と作業する岩本さん〉

イチゴ農家が育種した「カムイ乙女」【北海道・4月4週号】

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 【北海道支局】旭川市でイチゴ22アールを栽培する竹澤守さん(68)は、自ら交配したイチゴの品種「カムイ乙女」を商標登録して販売している。
 カムイ乙女は一季成りのイチゴで、酸味と甘味のバランスがほどよく、大粒で収量が安定しているのが特徴。
 交配作業は既存品種などの特性の良い品種同士を掛け合わせ、実ったイチゴの表面の種を丁寧に取り出し播き付ける。その中から生育の良い100株ほどを選び、3~4カ月間観察して自分の理想に近い株を厳選していく。カムイ乙女は3世代の交配で、7年かけて完成させた。ネーミングは旭川にちなみ「カムイ」を入れた。
 「カムイ乙女はまだまだ自分の思い通りの品種ではなく、道半ば。今後もお客さんに喜ばれ、認めてもらえる品種を作り続けていきたい」と情熱を燃やす。

〈写真:ハウスで竹澤さん〉

ナシの育苗施設が始動 2年物の大苗販売【千葉県・4月4週号】

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 【千葉支局】白井市梨業組合(秋本享志組合長)では、苗木を効率よく育成し、将来にわたり生産量を確保することを目的に、白井市の補助を受け「しろいの梨育苗センター」をオープンさせた。
 この施設で同組合が一定の大きさまで苗木を育成し、「2年物の大苗」として市内のナシ農家に販売する。収入減少や育苗の労力の負担を軽減し、改植を促すのが狙いだ。センターの面積は2327平方メートルで、最大1600本の苗を育てることができる。
 近年、ナシの木と木をつないで栽培する「ジョイント栽培」での植え替えが進んでいて、2年物のポット植え苗木は植え替えに有利に働くとして期待されている。品種は「幸水」「豊水」「あきづき」の3種類で、販売開始は今年11月ごろの見込みだ。ポット植え苗木(2年)を1本当たり2500円で販売する。

〈写真:始動した育苗センター(写真提供=白井市)〉

イノシシ対策 住民一丸で柵の設置【宮城県・4月4週号】

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 【宮城支局】イノシシの生息が広域化する中、名取市高舘地区では防護柵で侵入を防ぐ集落ぐるみでの対策に取り組んでいる。
 同地区では、2013年ごろからイノシシによる農作物被害が増加。個人対策では限界があると考え、4集落で「高舘第14区獣害対策協議会」を設立した。同協議会は市に対して対策の必要性を主張し、集落を囲む総延長19キロのワイヤメッシュの資材提供を受けた。
 防護柵の効果で被害は大幅に減ったが、突破された場所も多い。「柵があれば大丈夫と考えていたが甘かった」と加藤会長。「どこが、なぜ、破られたのかを研究して対策しないといけない。年齢的にも管理が大変になってくるが、地区として取り組んでいきたい」と獣害に立ち向かう。

〈写真:状況を説明する加藤さん〉

自家産野菜を乾燥加工【富山県・4月4週号】

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 【富山支局】富山市婦中町の原やす子さん(61)、千沙子さん(32)親子は自家産野菜を使用した干し野菜「原さんちの乾燥野菜」を作っている。
 自社農園で生産した野菜を活用したいと、最初はネギで作り始めた。乾燥加工をする際、野菜の状態で出来上がりに差が出るため乾燥時間や温度の調整が難しいという。
 「私は主婦なので、料理をするときに便利なものを作りたい一心で試行錯誤を重ねた」とやす子さん。今ではダイコン、ニンジン、トマトと種類を増やし、季節限定品も出している。

〈写真:販売している干し野菜〉

防風林「被災地の避難所にはプライバシー確保を【2016年4月4週号】」

 ▼熊本県から大分県にかけ、最大震度7を本震とした巨大な地震が余震を伴い頻発している。東日本大震災からの復興は道半ば、今度は九州での災禍だ。
 ▼幼児を抱く女性がインタビューで「ほかの被災した方に迷惑がかかるため、避難所でなく車で一夜を過ごした」と話す。家屋が倒壊し自ら被災者なのに、周囲の人々へ配慮し、炊き出しや飲料水の配給に手を貸す姿もある。先の震災で世界を驚嘆させた日本人の心がここでも見られた。
 ▼一方、保育所不足で待機児童数が全国上位にある都市で、住民の反対運動に抗しきれず保育所の新設を断念したとの報道。静かな環境を保てないことが住民側の理由だ。子育てを終えた世帯には「喉元過ぎれば」の問題で、これもまたわが国の現実。
 ▼震災犠牲者の多くが高齢者。体力の衰えによる逃げ遅れや、耐震性の低い古い家屋に住む割合が高いのも要因か。避難所生活では、お年寄り以外でも車や体育館で、長時間にわたり同じ姿勢を維持すると、発症の恐れがある「エコノミークラス症候群」への注意が呼びかけられている。
 ▼専門家の間では今、避難所における女性のプライバシー確保や防犯対策などが重要との指摘が多いという。周囲に気兼ねなく乳児への授乳や着替えができるよう、避難所内に他人の視線を遮ることのできるエリア設定などだ。互いの小さな心遣いが、被災者の心労を癒やせ高齢者や女性、子供、誰もが笑顔でいられる環境をつくるのかも。

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