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今週のヘッドライン: 2016年05月 4週号

熊本地震/経営再建支援に全力 ―― NOSAI熊本(1面)【2016年5月4週号】

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 「ピンチをチャンスに変えたいが、再建に向けてどうすればいいのか」と唇をかむ上野康博さん(67)。熊本県菊池市旭志で息子夫妻と肥育牛約310頭を飼養する。4月16日午前1時25分に熊本県を襲った最大震度7の「熊本地震」で被災した。牛舎7棟のうち2棟が倒壊し、おがくずを貯蔵する小屋が傾く被害が出た。夜明けとともに懸命の救出活動を行ったものの3頭が圧死、2頭が起立不能となった。生き延びた牛も、ストレスで餌の摂取量が減るなど、経営への影響が懸念される。NOSAI熊本(熊本県農業共済組合)は、職員も被災する中、被害発生直後から現地確認・損害評価に全力を挙げて取り組んでいる。被害申告を受けた牛の共済金は、5月26日に支払いを完了した。

(1面)

〈写真:「牛はストレスを感じている。食べる量が戻らない」と上野さん〉

家畜共済/畜産経営に加入は不可欠(5面・NOSAI)【2016年5月4週号】

 熊本地震では畜舎倒壊による家畜の圧死などの被害があった。NOSAIの家畜共済は、家畜の死亡や廃用のほか、疾病などによる損害を補てんする。NOSAIが設置・運営する家畜診療所では、獣医師が診療や損害防止活動で畜産農家の経営を支える。家畜共済の仕組みについて共子さんが済太郎くんに聞いた。

(5面・NOSAI)

大麦/多彩な用途に脚光 ―― 福井県福井市・福井大麦倶楽部(6面・特集)【2016年5月4週号】

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 大麦は、ビールや焼酎、みそ、麦茶の原料に使われているほか、近年は精白米の約20倍という豊富な食物繊維が注目され、健康増進に麦ご飯も人気だ。冬季の水田利用としても重要な作物で、全国の農村では今まさに麦秋を迎えている。意外と知られていない大麦の魅力を紹介する。

(6面・特集)

〈写真:多彩な加工品を開発した弘美さん〉

への字ハウス―急斜面でも安全、省力的に設置(16面・資材)【2016年5月4週号】

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 愛媛県農林水産研究所・果樹研究センター(松山市)が開発した「片屋根(への字)ハウス」は、傾斜15度以上の急斜面でも安全で省力的に設置できる雨よけハウスとして普及が進んでいる。傾斜の山側の屋根を短く改良し、被覆材を傾斜に対して横方向(等高線状)に展張することで、上に登らずに一人でもフィルム(農PO)張りができる。屋根の一部が開閉できる構造のため、天候に合わせて灌水(かんすい)や室温の管理などにも利用が可能だ。県内では、特産のかんきつでの利用が広がっていて、他の灌水技術などと組み合わせた早期成園化が期待されている。

(16面・資材)

〈写真:堀江地区の実証圃では、傾斜地での新技術を組み合わせて導入している〉

ナシ「幸水」 20年経過したジョイント栽培樹/収量・品質が慣行と同等(17面・営農技術)【2016年5月4週号】

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 果樹のジョイント仕立ては、主枝を横一列に並べる樹形のため人の作業動線が直線上になり、結果位置が低く、栽培管理の大幅な省力・簡易化を実現する技術として注目されている。また3年目には成園化でき、低収益期間が短縮できるなどメリットも多い。仕立て方法が異なる幅広い樹種に適応され、特にナシでの普及が進んでいる。その一方で生育・収量の推移や経済樹齢が明らかでない課題があった。20日に神奈川県農業技術センター(平塚市)が開いた試験研究成果発表会では、樹齢20年を経過した「幸水」のジョイント栽培樹でも慣行と同等の収量や品質を維持できることが報告された。同発表会から最新技術を紹介する。

(17面・営農技術)

〈写真:ジョイント栽培樹の安定生産性を説明する柴田主任研究員〉

今夏は猛暑の可能性高く 熱中症対策の徹底を(2面・総合)【2016年5月4週号】

 気象庁は25日、今夏(6~8月)の平均気温は、北・東日本で平年並みか高く、西日本は高くなるとの見通しと発表した。夏に発生すると日本は高温傾向になるラニーニャ現象などの影響を踏まえた。すでに、5月下旬に北海道で真夏日を観測するなど全国的に気温が高い状況となっており、今後も農作物の適正管理とともに、農作業時の熱中症対策の徹底が重要となる。なお、降水量は、南から暖かく湿った空気が流れ込みやすく、北・東・西日本で平年並みか多い見通し。

(2面・総合)

農薬/2014年度の事故は29件 ―― 「注意喚起マーク」に従って保護具を適正に着用(3面・暮らし)【2016年5月4週号】

 夏を間近に控え、いよいよ防除作業が本格化する。暑いからといってマスクや適切な着衣を身に付けずに農薬散布をしていないだろうか。「いつもの作業だから」という安易な油断が思わぬ事故を引き起こす原因にもなりかねない。農林水産省によると、2014年度は農薬の使用に伴う死亡・中毒事故が29件発生した。農薬危害防止運動が6月から始まるなど、農薬の安全で適正な使用の呼び掛けも盛んだ。農薬工業会発行のリーフレットを元に、保護具の選び方や農薬使用時の注意点をまとめる。

(3面・暮らし)

手軽さが魅力の「お布団農法」【新潟県・5月4週号】

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 【新潟支局】障害者支援や高齢者の生きがいづくりを通じて地域活性化などに取り組む長岡市の地域活動支援センター「UNE(ウネ)」(家老洋代表理事=58歳)が、「お布団農法」による田植えを行った。この農法での田植えは今年で3年目となる。
 UNEが取り入れている「お布団農法」とは、種籾(たねもみ)を入れた幅約1メートル、厚さ5ミリほどの綿シートをローラーに巻き、水田に直接敷くという栽培方法だ。区画が小さな水田でも田植機を使用せずに簡単に田植えを行えるなど、栽培の手間を削減できるという利点がある。
 綿シートを敷くことで雑草の成長を抑えられるため、除草剤の使用を控えることができる。
 また、綿シートは保水効果があることから、水田に水を入れる時期をずらすことも可能だ。最終的には分解され土に戻るため、環境にもやさしい。
 家老理事は「作業条件の厳しい里山・棚田稲作に最適な方法です。広く普及すれば、高齢化で担い手の確保が難しい中山間地でも、水稲栽培を続けることができると思います」と話す。

〈写真:綿シートを水田に敷くメンバー〉

小学校の廃校舎利用した宿泊施設【広島県・5月4週号】

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 【広島支局】2011年3月に閉校になった世羅町立東小学校は、14年4月、宿泊施設「世羅の宿ひがし」に生まれ変わった。同施設の運営に携わる福光督雄さん(66歳、世羅町別迫)は、施設への宿泊や農業体験、田舎ならではの自然を満喫できるイベントを通して、町内外の人々に同町の魅力をPRする。
 東小学校の廃校が決まった時に「地区が今後もにぎわい続けるよう、農業体験や宿泊施設をやってみたい」と、地域住民らが発起。世羅町にかけあい、校舎を活用した取り組みが動き出した。
 教室を寝泊まり部屋へ、家庭科室を食堂「山のキッチン里ごころ」へ改装し、風呂も整備した。同校の卒業生でもある福光さんは「小学校の面影が残る施設で懐かしさを感じてほしい」と話す。
 6部屋30人が宿泊可能で、地元の同窓会やスポーツクラブなど団体の研修に使われたり、県外から旅行客が訪れたりと、2年間で約千人が利用した。
 「地元の人たちの協力体制をさらに強化して、県内外の方に泊まっていただき農業体験をしてもらいたい。世羅の魅力を感じてもらえたら」と福光さんは話している。

〈写真:宿泊施設に改装した東小学校の校舎〉

白ナス「美~ナス」 全国区へ仲間と努力【徳島県・5月4週号】

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 【徳島支局】就農して今年で8年目になる阿波市阿波町の田中俊充さん(39)。約40アールの畑で主に白ナス、ポップコーン用のトウモロコシ、オクラなど5種類の野菜を周年栽培している。
 現在は、田中さんが所属する、「GOTTSO(ごっつぉ)阿波」(同市の魅力を農産物でPRする若手農業者団体)が手がけている「美~ナス」と名付けられた白ナスの定植時期。美~ナスは、素揚げや焼きナスなどで熱を通すと、果肉がとろけるような口当たりになるのが特徴だ。
 同地域で栽培を始めて4年目。県内の産直や京阪神に出荷されているが、他産地の有名なナスのように、全国的な知名度を目指しているという。
 今後は「自分の目標に向かって、じっくりと取り組んでいきたいです」と話してくれた。

〈写真:「自分の目標に向かって取り組みたい」と白ナスを定植する田中さん〉

青年農業者らが壱岐島に映画館を開設【長崎県・5月4週号】

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 【長崎支局】壱岐地区青年農業者連絡協議会(壱岐4Hクラブ、中尾拓也会長)は昨年の5月から、映画館のない壱岐島に映画館を開設する「しまの映画館」というプロジェクトを行っている。
 計画当初、野外上映を企画していたが、機材の問題などもあり定期的に屋内で上映することに。著作権などは業者に委託し、会場は映画上映に必要な機材がそろっている施設を借用。毎月第2土曜に上映し、入場料無料で開館している。
 農業と映画を組み合わせるために、来場者にポップコーンや、会員の野菜を使った壱岐の郷土料理をアレンジしたものなどを提供。多くの来場者があり、活動を通して多くの人から支援を得ることができ、今年の夏に念願の屋外上映を行うことになった。
 中尾会長は「映画上映と農業後継者は共通点が考えにくい組み合わせですが、考え方や発想次第でどんなことも可能になります。『面白そう!』を『まず、やってみよう!』へ、今後もこの姿勢を貫き、素晴らしい屋外映画館にしていきたい」と話してくれた。

〈写真:映画を見に来た人にポップコーンなどを提供している〉

地鶏をビニールハウスで平飼い【山形県・5月4週号】

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 【山形支局】「伸び伸びと、自然のままの飼い方で地鶏を育てています」と話す紺野喜一さん(57)。白鷹町畔藤で水稲3.4ヘクタール、葉タバコ20アールを栽培しながら、「やまがた地鶏」400羽を飼育、販売する。
 朝に給餌と給水を行い、昼、夕は水を切らさないように管理する。湿気を抑えるため、地面にもみ殻をまく。また、ハウス内の暑さを抑えようと天井に黒い遮光幕を張った。ハウス上部の空気が温められ、天窓から外に流れ出ることで、側面から涼風が入り、鶏がいる空間は涼しくなるよう工夫を重ねた。
 同町のふるさと納税の返礼品に採用され、喜ばれているという。「付加価値をつけて販路拡大していきたい」と紺野さんは話している。

〈写真:「鳴き声が静かでにおいも少ない」と紺野さん〉

自社産米を奇麗にラッピングし提供【三重県・5月4週号】

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 【三重支局】6次産業の新たな取り組みで、東員町の有限会社アグリベース辻(辻英治代表=53歳、水稲40ヘクタールなど)は、直売ブランド「アグリエンジェル」を立ち上げ、収穫した米を結婚式の引き出物や出産の内祝いにするなど、結婚式用ギフトとして多くの人に親しまれている。
 日頃食べている米だからこそ「生まれ育った地元の味で、すてきな意味のあるお米を食べて幸せになってほしい」という思いから贈答用の製作が進められてきた。本年度から結婚式場のカタログギフトとして店頭に置かれている。
 「コシヒカリ」1合を真空パックにし、ラベルや不織布でラッピング。用途に合わせた箱に入れて販売する。商品は一つ一つ手作り。奇麗に仕上げることを心掛けている。
 「より良いものが作れるよう改良しながら新しい商品開発、販路拡大を目指したい」と辻代表は力強く話す。

〈写真:結婚式用ギフト〉

防風林「農産物輸出は国内需要喚起も含め戦略的に【2016年5月4週号】」

 ▼世界最強と呼び声の高かった帝政ロシア・バルチック艦隊に対し、アジアの小国・日本は、東郷平八郎司令長官率いる連合艦隊で日本海対馬沖に待ち受けて撃破。その日が111年前の1905年5月27日。
 ▼「敵艦見ゆとの警報に接し連合艦隊は直ちに出動、撃滅せんとす 本日、天気晴朗なれど波高し」との打電から、世界戦史に残る日本海海戦の幕が切って落とされた。「Z旗」がはためく旗艦・三笠から、各艦船の搭乗員に「皇国の興廃この一戦にあり 各員一層の奮励努力せよ」との鼓舞、熾烈(しれつ)極まる砲・雷撃を応酬し敵艦隊は壊滅、一方的な大勝だった。
 ▼そして現在、政府はTPP(環太平洋連携協定)合意を受け、関税撤廃が日本の農林水産物や食品を世界に売り込むチャンスだとして、農林水産業の輸出力強化戦略を決定した。2020年までに輸出額1兆円の前倒し達成を目標としたこの戦略は、主役である農家や食品業者の挑戦・創意工夫などの意欲的な取り組みに対して、政府が「側面支援」する。
 ▼日露戦争は日清戦争後の三国干渉への屈辱を糧に、政府が用意周到に外交・財政・軍事を強化する総力で立ち向かった。関税撤廃の恩恵は相手国も同じ。今、世界的な日本食ブームだが、価格競争だけ見ても国内産地の打撃は大きい。輸出力強化のほか国内需要を喚起する食料供給体制が大事だ。「農国の興廃この一戦にあり」の心境で、官民挙げ「Z旗」を揚げるときでは。

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