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今週のヘッドライン: 2016年07月 1週号

コマツナ核に夫婦で役割分担 ―― 富山県射水市・葉っぴ~Farm(1面)【2016年7月1週号】

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 「私たちの目標は、県産コマツナを普及推進すること。野菜産出額最下位・富山の汚名を返上したい」とは、富山県射水市円池(つぶらいけ)のコマツナ専業農場「葉っぴ~Farm」を営む荒木龍憲さん(64)、真理子さん(58)夫妻だ。ハウス21棟で3~4品種のコマツナを栽培するとともに、カフェ&ギャラリー「葉っぴ~カフェtutti(トゥッティ)」を経営する。龍憲さんが生産したコマツナを食材に、真理子さんが作った料理を振る舞う。家族経営協定を締結し、生産から加工、料理の提供など互いの得意分野を生かす「家庭内分業」だ。夫婦二人で手を取り合って、消費者との交流を楽しみながら産地を盛り上げている。

(1面)

〈写真上:「収穫までの日数が少なく、早期収入化につながる」と栽培の利点を話す龍憲さん〉 〈写真下:来店者に料理を説明する真理子さん(右)。「tutti」という店名はイタリアの音楽用語で「全部」という意味だという〉

6次産業化総合調査 ―― 販売金額増も事業体数減(2面・総合)【2016年7月1週号】

 農林水産省は6月28日、2014年度の6次産業化総合調査結果を公表した。農産物加工や直売所、農家民宿など農業生産関連事業による年間総販売金額は前年度比2.7%増の1兆8672億円となり、1事業体当たりの販売金額や雇用者数も増加傾向にある。ただ、高齢化の進展などにより小規模経営のリタイアが拡大傾向にあり、事業体数は約1割減の6万400に落ち込んだ。農業者による6次産業化の取り組みは、農産物生産・出荷だけでなく、加工・販売などの分野にも進出することで、営農意欲の向上や農村の振興にも貢献している。事業拡大や売り上げ向上への支援のみならず、経営を持続するための柔軟なサポート体制の強化も求められる。

(2面・総合)

九州中心に記録的大雨 農作物や施設に打撃(2面・総合)【2016年7月1週号】

NOSAI 全力で損害評価
 6月20日からの梅雨前線に伴う大雨の影響で、特に九州を中心に一部地域で記録的な大雨となり、各地で農作物などへの被害が発生した。
 本紙が被害県のNOSAI団体に聞き取り調査(6月29日現在)したところ、水田や園芸施設の冠水や土砂流入などの被害が11県で確認されている。20日からの総雨量が一部地域で700ミリを超えた熊本県では、園芸施設148棟などの被害が報告されている。

(2面・総合)

NOSAI部長と損害評価員を兼務/制度運営支える ―― 神奈川県・NOSAI神奈川(5面・NOSAI)【2016年7月1週号】

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 NOSAI神奈川(神奈川県農業共済組合)管内の共済部長(NOSAI部長)は、地域の災害状況などを理解し、周辺農家へのNOSAI制度への理解も進める。JAの生産組合長などとの兼務で、農家同士の集まりでは、自然災害や農機具の盗難などへの注意を呼び掛けると共に、加入の重要性を伝えている。神奈川県平塚市の市街化調整区域で長年農地を管理し続け、今年から共済部長を務める2人に、地域の状況や補償への期待を聞いた。

(5面・NOSAI)

〈写真上:「大切な農機具なので、盗難などに十分注意してもらっている」と黒部さん〉
〈写真下:「去年の台風では、大雨で20センチほどの水位になった」と説明する二宮さん〉

農家が直営店をオープン/生産と販売が一緒になった経営 ―― 山口県長門市・LaLaフラン(9面・流通)【2016年7月1週号】

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 「地元でキュウリが取れているのに、地元のスーパーには他県地のキュウリが並ぶ。何とかしたいと思った」。山口県長門市西深川の有限会社「長門アグリスト」の末永裕治代表は養鶏業を営む傍ら、サトウキビ15アールを栽培。地元農産物や加工品の地産地消を促進するため、仲間の農家らと別組織として株式会社「63Dnet(ろくさんでぃーねっと)」を設立。スーパーの元青果仕入れ担当者が、近隣農家を回って野菜などを集荷し、スーパーや道の駅に卸す仕組みを確立した。農業者4戸とレストラン1軒で構成する。長門市駅近くのスーパーに地元の農産物専門店「LaLa(らら)フラン」を10日、フルオープンし、販売チャンネルを充実させる。

(9面・流通)

〈写真:集荷した野菜の状態を確認する末永代表〉

2015年度全国豆類経営改善共励会 大臣賞の経営(11面・営農技術)【2016年7月1週号】

 豆類の生産振興を図る2015年度全国豆類経営改善共励会(JA全中ほか主催)の表彰式が6月29日、東京都内で開かれ、全国から出品された143点から栽培技術や生産コスト低減などに優れた11点が表彰された。大豆で農林水産大臣賞を受賞した3法人の経営概要を紹介する。

(11面・営農技術)

緑化用コケ 都市部に売り込め【山形県・7月1週号】

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 【山形支局】都市部のヒートアイランド現象の緩和や、断熱効果によるエネルギー消費の節約が期待される緑化資材としては国内で唯一、コケの種苗・栽培から加工・販売まで手掛けているのは、山形市の株式会社モス山形・代表取締役社長の山本正幸さん(64)。コケビジネスの先駆者としてコケの可能性を追求し、耕作放棄地や不作付け耕地の解消にも一役買っている。
 98年に販売を開始した山本さんは、その後も研究・改良を重ね、ポリプロピレン製の栽培マットに種苗を植えつける方法や、生育期間を短縮させる手法を考案。開発から10年以上をかけ、コケの安定生産を可能にした。
 栽培マットで成長させたコケは、改良した畳用の大型ミシンを使い、別の素材に1メートル幅で縫い付けて固定する。屋根用で発泡スチロールにコケを縫い付け一体化させた「コケボード」、ビルの屋上や壁面用で不織布に縫製された「コケマット」が同社の主力商品だ。これまで全国の工場やビルなど、700カ所以上に納入したという。
 「地方最大の資源である農地を活用し生産したものを都市部に売り込まなくてはならない」と、コケ事業を各地に普及させる活動も行っている山本さんは、コケにより地方が再生することを期待しつつ挑戦を続ける。

〈写真:成長させたコケを「コケボード」に加工する山本さん〉

マンゴーボックス栽培 独自に技術を研究【群馬県・7月1週号】

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 【群馬支局】県内で唯一、マンゴーを栽培している太田市東今泉町の柳田皓治さん(29)。7アールの栽培面積で、糖度の高いアップルマンゴーやキーツマンゴーをボックス栽培(根圏制限栽培)で千個ほど栽培している。
 「宇都宮の果樹農家に弟子入りし、独立してから1人で試行錯誤しながらも、2年目から販売することができた」と柳田さん。近隣で作り手がいない中、剪定(せんてい)頻度や肥培管理をネットで情報収集しては検証してみるなど、独自に研究を行っている。
 昨年は原因不明の感染症で100本以上の枝が使用不能になったが、自身が所属する全国ボックス栽培研究会から情報を収集。工夫と研究を重ねた結果、今年は無事に収穫を迎えることができた。
 柳田さんは「岩手から鹿児島まで口コミで注文があり、お客さまから『おいしい』と喜んでもらえることが何よりうれしい」と笑顔で話してくれた。

〈写真:マンゴーハウスで柳田さん〉

土佐あかうし より適した餌の配合へ【高知県・7月1週号】

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 【高知支局】「あっさりとしていて、赤身にしっかり味があるところが『あかうし』の魅力ですね」と話す越知町の松田卓士さん(33)。父の年史さん(58)と従業員の3人で肥育牛約100頭を飼養し、約4割が「土佐あかうし」だ。
 おとなしく飼育しやすい反面、出荷時の体重が黒毛より平均30キロほど少なく、等級にばらつきが出やすいため、「経営効率では黒毛に劣るが、よそにはない、高知のブランド牛だから」と、あかうしを育てる松田さん。経営する直営の精肉店でも若い世代を中心にニーズは高い。
 「店でお客さんに肉を直接手渡すので、絶対に手は抜けない」と、配合飼料は使わず、フスマ、麦、トウモロコシなどを自家配合する。今年1月に経営委譲されたばかりで、「今は父の経験に頼っていますが、あかうしに合う独自の配合も研究したい」と意欲を話す。

〈写真:土佐あかうしと松田さん〉

シカ対策用柵 住民総出で設置【大分県・7月1週号】

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 【大分支局】日田市前津江町の内後原(ないごばる)集落(14戸)では、10年前から集落全体に鉄線柵を設置。主にイノシシによる被害防止に努め、今年からは、シカ対策として、集落内の水田約2ヘクタールを囲む、高さ2メートルの鉄線柵を新たに設置した。
 設置費用は昨年度の日田市の補助事業(約150万円)を利用。今年1月から2カ月間、集落の住民全員で設置作業を行い、もともとあったイノシシ用柵の内側に、長さ千メートルにわたって鉄線柵を設置した。鉄線柵の設置ができない県道沿いには、電気牧柵での対策を行っている。
 「冬の寒い時期の作業で、雪の残る場所もあり大変でしたが、被害は目に見えて減りました。また、作業を通じて集落の結束も強まりました」と佐藤さんは話す。
 今後の鉄線柵の維持管理や水稲の共同防除など、集落ぐるみで活動していく計画だ。

〈写真:柵の前で佐藤さん(右)と事務局の平岡敏彦さん〉

自家産バラをジャムで提供【鳥取県・7月1週号】

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 【鳥取支局】鳥取市青谷町河原の長谷川哲夫さんは、バラの花びらでジャムを作り、珍しさとおいしさで好評を得ている。
 ハウスと露地、鉢で80種類、約300本のバラを栽培。ジャムに適した品種を見極めたり、一年を通してバラの花を供給するため、さまざまな書物やデータを集め勉強したという長谷川さん。「バラジャムを作り上げるまでには大変な苦労があった」と話す。
 バラの花びらを食用に使用することから農薬散布することはできないという。そのため、ショウガやニンニク、トウガラシなどを漬け込んだ独自の液を使い害虫を忌避しているが、「毎日の手入れで、害虫を採取することが一番早い。とげに刺さりながら悪戦苦闘している」と笑う。
 「ジャムは甘味と酸味、硬さが大切」と長谷川さん。メロンやホウレンソウなど30種類のジャムを季節ごとに手掛ける。「新しく『アロニア』のジャム作りに取り掛かる予定」と意欲を燃やす。

〈写真:色、味、香りのよいバラジャム(confiture)〉

防風林「今後の気象、突然の豹変に備えが必要【2016年7月1週号】」

 ▼気象庁は、ペルー沖海水温が上昇することで異常気象となりやすい「エルニーニョ現象」が終息し、「ラニーニャ現象」に転じたとした。エルニーニョとは逆に、貿易風が赤道付近の海水温を低下させ西に吹く気流が弱まることで、「短い梅雨、暑い夏」の傾向になる。先日発表の3カ月予報も夏は高温との予想だ。
 ▼エルニーニョが発生した場合、「夏に低温、長雨」になるとされるが、ここ数年を見ると確かに、集中豪雨による河川の氾濫や土砂崩れなどの自然災害が多かった気がする。一方、猛暑により水稲など農作物の生理障害や、肥切れによる登熟不良などの品質低下も多く見られたようだ。
 ▼さて、ラニーニャ現象に転じたとされる気象だが、先日は九州地方に大豪雨をもたらし、一部地域では生育期途中の水田や畑に、雨水の流入や冠水被害に遭った圃場も多いよう。短い梅雨の割には爪の傷跡は深い。
 ▼スペイン語ではエルニーニョは男児を、ラニーニャは女児を意味する。「ニーニョくん」と「ニーニャちゃん」と性格の異なる男女の双子の兄妹だ。乳幼児と考えると、「夜泣き」「夜中の高熱」「いやいや」「かんしゃく」「わがまま」は当然。落ち着いたと思ったら「反抗期」で口も聞かずに手が付けられない時期も来る。
 ▼「油断大敵」の言葉があるように、子育てだけでなく天候も、突然の豹変(ひょうへん)は世の常。2014年2月の関東豪雪のようにあり得ないことはない。不測事態に備えること、それが肝要だ。

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