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今週のヘッドライン: 2016年08月 1週号

会津伝統野菜の再興へ 農業指導書『会津農書』の技術をアレンジ ―― 福島県会津若松市 長谷川純一さん【2016年8月1週号】

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 福島県会津地方で400年ほど前から栽培される在来野菜を「会津伝統野菜」という。その種子を後世に残すため活動するのは、会津若松市門田町飯寺の長谷川純一さん(46)だ。70アールで「余蒔胡瓜(よまききゅうり)」「会津小菊南瓜(かぼちゃ)」など8種類を栽培する。江戸時代の栽培法を参考にして土作りや自家採種を実践。農家や飲食店などが参画する任意組織「人と種をつなぐ会津伝統野菜」の会長を務め、イベントに出店するなど魅力をPRする。2014年からは県立会津農林高校でも栽培が始まり、高校生が小中学生に伝統野菜の魅力を伝える。まいた種が実を結び、着実に輪が広がっている。

(1面)

〈写真:余蒔胡瓜を収穫する長谷川さん。収穫時期は6月下旬~9月上旬だ〉

2015センサス 経営継承の危機深刻化(2面・総合)【2016年8月1週号】

 農林水産政策研究所は7月28日、2015年農林業センサス(確定値)に基づく農業構造変動の特徴と地域性の分析結果をまとめた。法人経営体数の増加や農地集積による規模拡大が進む一方、農産物販売金額の伸びが緩慢なことなどを指摘。販売農家で後継者がいる割合が急減し、不在地主の拡大で農地所有世帯数も減少するなど、農業・農村の厳しい現状も改めて示した。政府は、環太平洋連携協定(TPP)発効をにらみ、中長期的な農業対策を検討している。ただ、対策は輸出拡大や最先端技術を活用した生産性向上などが柱とみられ、現場ニーズとの乖離(かいり)を指摘する声もある。"攻め"だけでなく、農村を下支えする多様な農家の営農継続を支援する施策の強化・拡充も求められる。

(2面・総合)

普段の暮らしから食中毒を予防しよう(3面・暮らし)【2016年8月1週号】

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 気温と湿度が高い夏場は食中毒に注意が必要だ。8月は食中毒の防止と衛生管理の向上を図る「食品衛生月間」となっている。厚生労働省によると、昨年の食中毒患者数は2万2718人だった。体力が落ちたり抵抗力が弱い子供や高齢者などが発症すると重篤化する可能性もある。最近、東京都の研究機関の調査で、植物工場で育ったいわゆる「洗わなくても良い野菜」にも生菌が検出された事例がある。家庭でできる食中毒の予防法を、農林水産省などが公表する資料からまとめた。

(3面・暮らし)


〈表:家庭でできる食中毒予防の6つのポイント〉

8割を超える畑作物共済の加入率 農家と組合を橋渡し ―― 北海道・十勝NOSAI(5面・NOSAI)【2016年8月1週号】

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 北海道の十勝NOSAI(十勝農業共済組合、岡田恒博組合長)では、管内のNOSAI部長と協力して加入推進に努め、ジャガイモや大豆、テンサイなどの畑作物共済で、8割を超える高い加入率を達成している。営農の安定化を図るため、いつ起こるか分からない災害や天候不順などの備えにNOSAIへの期待は大きい。地域の役職を兼任するなど組合員のまとめ役として活躍するベテランと、若い力で地域農業を引っ張る担い手を取材した。

(5面・NOSAI)

〈写真上:「10年先のことはわからないから今できることを一生懸命しないとね」とNOSAI職員と談笑する宮本さん(左)〉
〈写真下:北西部事業所の職員から広報紙を受け取る田守さん(左)〉

エダマメ/在来の20種で長期出荷を実現 ―― 山形県酒田市 渡部正規さん(6面・流通)【2016年8月1週号】

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 自家採種の茶豆系エダマメを合計10ヘクタールで栽培する山形県酒田市吉田の渡部正規さん(39)。収穫時期の異なる在来種20種類を組み合わせることで、収穫適期の日数が短いエダマメを70日間途切れさせずに出荷する。「納得できる味の茶豆を長期間出荷できるのが強み」と話す。播種直後に、時期ごとの収量を推定した生産計画を立て、都内の百貨店などへ事前に出荷予定量を伝えることで、安定した販売量を確保している。

(6面・流通)


〈写真:「草丈が小さく収穫は少ないが、甘みが強くなるよう育てる」と渡部さん〉

トマト/2列の袋培地で年4作 反収30トン、所得1.5倍(9面・営農技術)【2016年8月1週号】

 福岡県農林業総合試験場(筑紫野市)は、軒高2メートルハウスで10アール当たり収量30トンを実現するトマトの新たな栽培法を開発した。2列に並べた袋培地で相互に2回ずつ、生育期と収穫期をずらして年4回収穫する作型だ。隣り合った列の株でも光競合を避けることができ、土耕栽培と同等品質のトマトを収穫できる。比較的低コストで導入が可能で、トマト農家の収益確保につながると期待される。

(9面・営農技術)

生乳生産 都府県で大幅減の見込み 暑熱対策のさらなる徹底を(2面・総合)【2016年8月1週号】

 Jミルクは7月22日、2016年度の生乳・牛乳乳製品の需給見通しを更新した。全国の生乳生産量は前年度比0.9%減の734万1千トンで、北海道は1.1%増の393万9千トンとなる一方、都府県は3.1%減の340万3千トンと落ち込むと見込んだ。さらに今夏は猛暑が予想されており、Jミルクでは「暑熱対策の一層の徹底で、生乳生産量の減少を食い止める必要がある」としている。

(2面・総合)

キャベツ 収穫・出荷を一部委託【広島県・8月1週号】

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 【広島支局】世羅町の水野誠さん(34)は、キャベツ4ヘクタール、水稲10ヘクタールなどを栽培している。今年から県の「県域生産連携促進事業」を活用し、キャベツの収穫・出荷作業の一部を業者へ委託。「キャベツは収穫に労力がいる。水稲が忙しい時期などに、自分だけで作る以上の量を出荷できる」とメリットを話す。
 一つ一つ手作業で行う収穫の人手の確保は、安定供給、面積拡大するにあたり、最大の課題となる。「植え付けや防除は機械化しているので、面積を増やしても管理は同じ」と水野さんは話し、作業委託が軌道に乗れば、来年はさらに規模を拡大するという。JA全農ひろしま園芸・資材部園芸課では「作業受委託は、労働力で悩まれている生産者が面積拡大を行える鍵となる事業だ。生産意欲の高い生産者への支援体制の構築を進めていきたい」と話す。

〈写真:箱詰めの仕方を指導する水野さん(右)〉

草刈機を安全に運搬 軽トラ用固定台を考案【群馬県・8月1週号】

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 【群馬支局】荷台に載せた草刈機を固定して安全に運ぶため、自作の「固定台」を製作したのは、2010年度からNOSAI部長として活躍している渋川市の竹村和夫さん(66)。考案したアイデア道具は地域の人から好評を得ている。
 竹村さんが考案した固定台は、軽トラックに草刈機を積んで移動する際、カーブなどでバランスを崩して機械が傷つくことを防ぐことが可能だ。「安定しているので安心して運転できる」と使用者は声をそろえる。竹村さんは「よく数えてないけど、おおむね150個ぐらい作った」と笑顔で話す。

〈写真:竹村さんが考案した草刈機の固定台〉

津波被災地に待望の乾燥施設【福島県・8月1週号】

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 【福島支局】相馬市飯豊(いいとよ)地区で大豆、麦、水稲を栽培する合同会社飯豊ファーム(代表・竹澤一敏さん=52歳)は、今年、待望の乾燥施設を国の「東日本大震災農業生産対策交付金」を活用して完成させた。
 5月に完成した施設は総事業費1億4千万円、敷地面積2910平方メートル、乾燥施設が1棟床面積520平方メートル。中には乾燥機2機の他、調製機なども整っている。竹澤さんは「これで作業効率も特段に良くなります。これからも地域の担い手として貢献していきたい」と話す。

〈写真:完成した乾燥施設の前でメンバー〉

伝統野菜「畔藤きゅうり」 自家採種し守り続ける【山形県・8月1週号】

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 【山形支局】「『畔藤(くろふじ)きゅうり』は地区の歴史そのもの。名前を残すためにも誰かに育て続けてほしい」と話す、白鷹町畔藤の川井敬一さん(62)。地域に伝わる畔藤きゅうりの希少な種を採り続け、郷土の味を守り続けている。
 畔藤きゅうりは直径約3.5センチ、長さ30センチほどで、一般のキュウリと比べ、一回り大きく細長い形状で、黒いイボが特徴。しっかりとした甘味とうま味があり、漬物などに適している。

〈写真:「畔藤きゅうりは30センチ〜35センチの長さで、黄緑色で黒いイボが特徴」と川井さん〉

水稲・小麦の生育調査にドローン利用【埼玉県・8月1週号】

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 【埼玉支局】鴻巣市明用で水稲30ヘクタールと小麦30ヘクタール、大豆3ヘクタールを栽培する「小林ファーム」の小林洋一さん(59)と息子の紀之さん(29)は、水稲や小麦の生育状況を効率良く確認するため、マルチローター式の小型無人航空機(ドローン)を今年4月に導入した。
 洋一さんは「今までは道端から圃場を観察することがほとんどだが、ドローンは圃場内部まで見渡せる分、農薬や肥料などが足りていない場所を探し出すのに役立ってくれる。病害虫が発生してしまったポイントの特定や、経過観察をする際にも力を発揮してくれるはず」と期待を寄せる。

〈写真:ドローンを操縦する洋一さん〉

漢方資材を利用し「巨峰」を栽培【福岡県・8月1週号】

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 【福岡支局】「良品生産に力を入れたい」と話す岡垣町の長瀬峰治さん(50)は、長峰園を営み、50アールの園地で「漢方巨峰」をはじめ、5品種のブドウを栽培。漢方巨峰部会の部会長も務めている。
 漢方巨峰とは、漢方薬に使われる生薬を原料に発酵・熟成させた資材を使い栽培したものをいう。「この資材を使うことで、植物が本来持つ免疫力を高める効果があり、強く健康な樹体へ成長を促進させる。また、農薬の使用を軽減できる」としていて、長峰園では、肥料や消毒に使う。

〈写真:園地で長瀬さん〉

郷土料理に特産カボチャ練り込み商品化【岩手県・8月1週号】

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 【岩手支局】一関市の小野寺製麺(小野寺一郎代表取締役)は、同市の特産品「南部一郎かぼちゃ」と、地元の家庭料理として伝わる「はっと」を組み合わせた新商品「南部一郎かぼちゃHATTO(はっと)」の販売を開始した。
 果肉が赤黄色の南部一郎かぼちゃは果物に匹敵する甘さを持つ県産品種で、骨寺村荘園カボチャ研究会(佐藤弘征会長)が生産。同社ではカボチャの粉末を県産の小麦粉に練り込み、寝かせた生地を薄く手で延ばしてちぎり、はっとを製造している。

〈写真:カボチャの黄色が映える南部一郎かぼちゃHATTO〉

防風林「感情移入しやすいスポーツ、国家や企業に踊らされぬよう【2016年8月1週号】」

 ▼競技者によるドーピング違反に国家の関与が指摘されたロシアの選手団は、一部の競技を除きリオデジャネイロオリンピック(五輪)への出場が困難視され、平和の祭典に暗雲が立ち込める。五輪をスポーツへの意識高揚の場とするのはよしとして、国家主義へ扇動したり、まして不正は認め難い。
 ▼1936年のベルリン大会では、ナチス政権が五輪を人種差別主義と軍備拡大化へ導いた黒い歴史がある。現代でも、開催都市招致で国際オリンピック委員会委員への賄賂疑惑が報道される。国家の威信や商業主義的な思惑が絡んでは、崇高な五輪憲章も黒い霧でかすんでしまう。
 ▼2020年の東京大会での追加種目に、野球と空手といった日本が金メダルを確保できそうな競技を加え、サーフィンのほかスポーツクライミングも提案されている。この競技は、90度以上もの傾きのある人工壁に模擬石を取り付け、腕力と脚力を使って体重を移動しながら登る。
 ▼国内ではスポーツジムなどにしかないが、五輪候補となり徐々に増えている。体育施設に詳しい方によると、欧米では学校施設に人工壁が設置されているのが一般的、授業のほか休憩時間に競って挑戦しているという。
 ▼五輪競技は、世界への衛星中継やネット配信でいや応なしに人気が高まる。先の関係者は「追加種目に決定すれば、多くの学校に人工壁が設置されるのでは」と話す。スポーツには人の感情に訴える魔力が潜む。国家や企業の思惑には、踊らされないよう心掛けたい。

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