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今週のヘッドライン: 2016年08月 4週号

イチゴ栽培に新風 種子繁殖型イチゴ「よつぼし」普及へ ―― 香川県土庄町・藤原正善さん(1面)【2016年8月4週号】

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育苗が大幅に省略化 病害虫のリスク減少
 種子から育てるイチゴ新品種「よつぼし」のセル苗供給が今年から始まった。今冬にも市場に出回る予定だ。慣行では、親株からランナー(子苗)を切り取って株分け増殖されるが、増殖効率が悪く、親株から子株に伝染する病害虫やウイルスが課題だった。三重県と香川県、千葉県、農研機構が育種したよつぼしは、育苗期間が短縮される上、購入したセル苗を本圃に直接定植すれば、育苗施設が不要で大幅な省力化につながる。果実の外観や食味も良好だ。新規参入や規模拡大が容易となり、産地では新たな選択肢として注目されている。

(1面)

〈写真:定着した苗を管理する藤原さん〉

相次ぐ台風 農業に大きな被害(1面)【2016年8月4週号】

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 相次いで日本列島を襲った台風7号、11号、9号は、北・東日本を中心に強風や豪雨をもたらし、各地で農地の冠水や園芸施設の損壊など農業関係にも甚大な被害が発生した。特に三つの台風が全て上陸した北海道では、記録的な大雨や河川の氾濫などにより大きな打撃を受けた。

(1面)

〈写真:大量の石などが流れ込んだ大豆畑(北海道剣淵町、8月24日撮影、提供=北海道NOSAI)〉

第2次補正決定 農林水産関係5739億円/TPP対策と土地改良に重点(2面・総合)【2016年8月4週号】

畜産クラスターには685億円
 政府は24日、2016年度第2次補正予算案を閣議決定した。農林水産分野の総額は5739億円で、前年度の補正予算を43%上回った。特に環太平洋連携協定(TPP)関連対策は11%増の3453億円、農業農村整備関連事業は77%増の1752億円と大幅な増額を計上した。政府は補正予算案を9月に招集する臨時国会に提出し、早期成立を目指す。

(2面・総合)

二人三脚で果実園のファン増やす ―― 奈良県五條市・堀内果実園(3面・暮らし)【2016年8月4週号】

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 「堀内果実園が好きだというお客さまを一人でも増やしたい」と話す、奈良県五條市西吉野町で堀内果実園を経営する6代目の堀内俊孝さん(44)。柿5ヘクタールを主体に、ウメやスモモなど5品目を延べ8ヘクタールで栽培するほか、生食用柿の価格が低迷する中で、あんぽ柿をはじめとした加工品の開発・販売にも力を入れる。同町の新しい特産品にしようと、ブルーベリーを30アールで栽培し、農家仲間とともに「五條市西吉野ブルーベリーヒルズ」を立ち上げてブランド化にも取り組む。「しあわせくだもの」を経営理念に掲げ、直営フルーツショップの開業を視野に入れながら妻の奈穂子さん(38)と協力して農作業に汗を流している。

(3面・暮らし)

〈写真:「自分の子供のように大切に育てている。徹底甘やかし栽培です」と笑顔で話す俊孝さん〉

果樹共済 加入方式を確認し忘れずに被害申告/収穫共済17方式と樹体共済(5面・NOSAI)【2016年8月4週号】

幅広い自然大害を補償
 8月は複数の台風が立て続けに接近・上陸した影響により各地で強風や豪雨に見舞われ、農地や農作物などへの被害が発生した。自然災害はいつ発生するか分からず、引き続き警戒が必要だ。収穫期を迎えた果樹は栽培期間が長く、自然災害を受けやすい作物だ。NOSAIが実施する果樹共済では、自然災害による減収などを補償している。果樹共済の仕組みを共子さんが済太郎くんに聞いた。

(5面・NOSAI)

持続可能な未来を目指すドイツ農業(9面・特集)【2016年8月4週号】

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 ドイツは、穀類をはじめ、牛肉、豚肉、チーズなどを自給する農業大国だ。農地の集積、規模拡大など効率化を進めてきた。また、有機農産物の生産や、農村での再生可能エネルギーの生産など、特徴ある取り組みも盛んだ。ドイツ農業のあらましを紹介する。近著に「現代ドイツの家族農業経営」(筑波書房)がある、愛媛大学アカデミックアドバイザー・九州大学名誉教授の村田武さんに、ドイツ農業の特徴や成立の経緯を解説してもらった。

(9面・特集)

〈写真:ネッセルヴァンガーの牧草地45ヘクタールで乳牛65頭を飼養する、家族経営の酪農家。敷地内にビールとチーズの加工場を持ち、併設する宿泊施設やレストランで提供する〉

土地改良長期計画決定/高収益作物への転換や水田大区画化を推進(2面・総合)【2016年8月4週号】

 政府は24日、2016年度から5年間を期間とする新たな土地改良長期計画を閣議決定した。政策課題の一つに「豊かで競争力ある農業」を掲げ、水田の汎用(はんよう)化(事業量=約15.9万ヘクタール)や畑の区画整理・排水改良(同約3.1万ヘクタール)などを通じて、高収益作物への転換を後押しする方針を打ち出した。担い手の米の生産コスト大幅削減に向け、水田の大区画化(同約8.3万ヘクタール)も推進する。

(2面・総合)

連載:NOSAIにお任せください(16) ―― 石川県・NOSAI石川(5面・NOSAI)【2016年8月4週号】

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「クロップナビ」導入 高品質米生産の支えに
 NOSAI石川(石川県農業共済組合)では、管内農家の損害防止や高品質米生産支持を目的に、いもち病予察・作物栽培支援装置「クロップナビ」を導入、県内の水稲圃場20カ所に設置し気温や降水量、土壌水分などのデータを計測している。期間は苗を本田移植した後の5月から収穫直前の9月下旬までで、同NOSAIホームページでデータを公開。だれでも閲覧・利用することができる。

(5面・NOSAI)

〈写真:クロップナビを前に、山田課長(右)と意見を交換する三納さん〉

水稲有機栽培 中耕除草機などを開発 ―― 富山県富山市・長岡功さん(16面・資材)【2016年8月4週号】

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故障リスク抑える簡素な構造
 有機JAS認証を取得し、「コシヒカリ」16ヘクタールを栽培する、富山市八尾町の長岡功さん(50)は、CAD(キャド)=コンピューター利用設計システム=などの知識を生かして独自に中耕除草機を開発したほか、田植機を使いやすく改良するなど、アイデアを形にして作業能率を向上させている。「農業も農機具の開発も、すべてチャレンジ。でも自分のためだけじゃない。農機具を希望する人に安価で譲ることで、各地域の耕作放棄地を減らせるようにすることもできる」と話す。

(16面・資材)

〈写真:除草後、転車に絡み付いた草を取り除く長岡さん。全パーツは特別な工具を使わず着脱可能なので圃場で洗浄やメンテナンスができる〉

「シャインマスカット」の早・遅出技術/出荷期ずらし高収益へ (17面・営農技術)【2016年8月4週号】

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加温で5〜7月前進化
 全国で生産量が急増するブドウ品種「シャインマスカット」の高収益化に向け、出荷時期の前倒し・延長の技術開発が各産地で進む。8〜10月出荷が全体の8割強を占める中、加温栽培による盆前出荷や、圃場での遮光や収穫後の温度・湿度管理による年末出荷で付加価値化を図る。宮城県でこのほど開かれた実証研究の成果伝達会から報告する。

(17面・営農技術)

〈グラフ:4大市場における入荷量および単価の推移〉

大玉スモモ「貴陽」 甘味に手応え【秋田県・8月4週号】

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 【秋田支局】「JA秋田ふるさと日本すもも栽培研究会」の会長を務める、横手市平鹿町醍醐の国安孝夫さん(61)は、スモモを栽培して16年目になる。主力品種「貴陽(きよう)」の出来に確かな手応えを感じながら、鳥害対策にも熱心に取り組む。
 同研究会が主に取り組む貴陽は200グラムにもなる大玉品種で、糖度は15度以上と強い甘味が特長だ。会員は同市内農家8人から構成され、この品種を栽培するのは県内でも同研究会だけとなっている。「贈答用に今年も注文がたくさん来て手応えを感じている。販売が増え、リンゴ農家の夏季の所得向上につながると考えられる」と話す。

〈写真:大玉スモモ「貴陽」を栽培する研究会の国安さん〉

赤ワインを観光資材に【高知県・8月4週号】

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 【高知支局】石灰を原料に、全国のブドウ栽培の約9割で使用されている、有機JAS法に適応した農薬「ICボルドー」などを販売する南国市稲生の井上石灰工業株式会社(井上孝志社長)。3年前から、ワイン用のブドウを栽培し、県産ワインを造る取り組みを始めた。来年から宿泊施設や飲食店を中心に本格的に提供を開始する。
 同社の沢村譲二本部長(62)は「高知においしいワインがあれば、県外から泊まりに来てくれるかも。観光客を呼び込んで地元に貢献したいと思った」と話す。

〈写真:「ワイン造りは社員もみんな生き生きと取り組んでくれている」と沢村本部長〉

伝統野菜「雲仙こぶ高菜」を植物工場で試験栽培【長崎県・8月4週号】

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 【長崎支局】長崎県立諫早農業高校生物工学部(34人)では、雲仙市吾妻町で栽培される長崎県の伝統野菜「雲仙こぶ高菜」を植物工場で栽培し生産拡大や通年栽培を目指す取り組みが行われている。
 部員たちは「植物工場で栽培した雲仙こぶ高菜を販売することが目標。県民の方から、長崎の伝統野菜といえば雲仙こぶ高菜と言ってもらえるぐらい知名度を上げたい」と意気込んでいる。

〈写真:試験栽培に励む生物工学部の生徒たち〉

冷凍甲子柿 時間で変化する食感【岩手県・8月4週号】

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 【岩手支局】釜石市甲子地区活性化協議会(藤井サヱ子会長=71歳)では、釜石の地場産品である「甲子柿」を使ったデザート「冷凍甲子柿」と「甲子柿じぇらーと」を5月から販売開始。取扱店での売れ行きは好調で品薄状態が続いていて、新たな特産品として話題を集めている。
 藤井会長は「甲子柿は明治から生産が続く歴史ある一品。この伝統を残していくために甲子柿を広める活動を続けていきたい」と今後の意気込みを話してくれた。

〈写真:冷凍甲子柿(右)と甲子柿じぇらーと〉

冷凍みきゃん 生果のような味わい【愛媛県・8月4週号】

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 【愛媛支局】西予市明浜町渡江地区の住民で構成する「渡江(とのえ)から一歩を踏み出す会」(浜木由規雄会長=61歳)は、最新の急速冷凍技術を活用し、地元産の温州ミカンやポンカンを使った冷凍ミカンを製造・販売している。
 マイナス25〜60度に冷やしたエタノール水溶液にかんきつを漬け、細胞を壊すことなく冷凍できる急速冷凍機械「リキッドフリーザー」を導入し、製造している。「解凍後も、まるで生果のような新鮮な味わいが楽しめると好評を得ています」と浜木会長は話す。

〈写真:愛媛県のキャラクター「みきゃん」をパッケージに使用した「冷凍みきゃん」〉

野菜粉末でクレヨン 特産品のPRも【青森県・8月4週号】

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 【青森支局】「青森は野菜の宝庫」と話す、青森市新町の「mizuiro株式会社」の木村尚子代表(37)は2013年、地元農家の協力を得て、規格外の野菜粉末を使い「おやさいクレヨン」を開発。6月からは5シリーズ目となる10色の定番セットを販売している。
 クレヨンに入れる野菜の粉末は規格外のものを利用していて、現在5、6戸の県内農家から提供を受けている。新シリーズの野菜はリンゴや雪ニンジン、ゴボウの皮などを活用。木村さんは「野菜を大切にできるし、特産品のPRにもなる」と話す。

〈写真:好評のおやさいクレヨン〉

防風林「台風の暴風雨による川の氾濫 居住地の地形や歴史を知ろう【2016年8月4週号】」

 ▼日本列島に上陸する台風の発生が記録的に遅れた今夏、台風7号をはじめとする複数の台風が相次いで東日本太平洋沿岸地方から北海道に来襲し、まるでバケツの水をひっくり返したような豪雨と強風をもたらした。特に北海道の水稲・畑作地帯の被害は深刻な状況だ。
 ▼筆者が住む埼玉県西部の市でも記録的短時間大雨情報が120ミリを記録。市の調査(26日現在)で床上浸水約50棟、床下浸水約180棟、茶や露地野菜などの農作物被害は約1ヘクタールという。荒川水系の入間川支流・霞川と、不老川の氾濫が主な要因だ。
 ▼河岸段丘の高台で被害から免れたが、緩い坂道を数百メートル下った隣接地区は膝上まで漬かる被害。普段意識しないわずかな立地条件が明暗を分ける。両河川流域の住民に避難勧告が出されたが、普段は瀬が浅く場所により底が見える川だけに、避難勧告は住民の多くがあわてふためいた。
 ▼不老川は幅が狭く、場所によって車で通過すると見逃してしまうほど。氾濫場所の一カ所は、橋を境に狭まる場所で以前も大雨であふれたため住民の要望で改修工事をしたばかり。想定を上回る水量が押し寄せた。
 ▼地名に「久保」の字が使われる住宅地では、坂の上から集中した雨水が溜(た)まり下水が追いつけず、床上浸水した家もあった。久保がつく地はかつて「窪み」がある(った)場所が多いといい、居住地の地形や歴史を把握することが大切。今後も大型台風の来襲が予想され、危険個所の点検や土嚢の準備も怠れない。

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