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今週のヘッドライン: 2016年09月 1週号

台風10号/北海道・岩手に深刻な被害(1面)【2016年9月1週号】

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 過去最強クラスといわれる台風10号の通過に伴い、記録的な大雨や河川の氾濫などによって、農地の冠水や果樹の倒木・落果、園芸施設の浸水や損壊などが発生した。特に北海道と岩手県で被害は深刻な状況となった。台風7号、11号、9号と相次ぎ襲われた矢先に、再び台風10号による豪雨に見舞われた北海道では、十勝、上川地方で畑作物などに被害が拡大している。被災した各地では、被害調査や復旧作業などが進められており、NOSAI団体は、早期の共済金支払いに向けて迅速な損害評価に全力を挙げている。

(1面)

〈写真上:倒木に押しつぶされたハウス(北海道北斗市、8月31日撮影、提供=北海道NOSAI)〉
〈写真下:強風で倒壊したホップ棚(岩手県軽米町、9月1日撮影、提供=NOSAI岩手)〉

FOEAS導入し高度利用 ―― 京都府京丹後市・誠農海部株式会社(1面)【2016年9月1週号】

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 京都府京丹後市久美浜町品田(ほんで)の誠農海部(せいのうかいべ)株式会社は、集落内農家全戸が出資する農業法人、近隣4集落分の水田38ヘクタールで水稲や豆類、野菜を作付けている。畑作物を経営の中心に位置付け、日本海側の天候不順な冬季でも野菜を安定生産するため、地下水位制御システム「FOEAS(フォアス)」を3ヘクタールで施工。10アール当たりの年間売上高50万円を目標とし、エダマメの後作にはダイコンやキャベツを栽培する。ハウスでは九条ネギ50アールを周年栽培し、通年で換金できる作付け体系を組む。

(1面)

〈写真:エダマメの脱莢作業をする關代表〉

農水省 17年度予算概算要求2兆6350億円 農業の成長産業化後押し(2面・総合)【2016年9月1週号】

 農林水産省は8月31日、2017年度予算概算要求を財務省に提出した。総額は16年度当初予算比14.1%増の2兆6350億円で、農業の成長産業化に向け、担い手への農地集積・集約化や強い農林水産業のための基盤づくりなどが柱。農業農村整備事業の増額をはじめ、既存事業の継続・拡充を中心とし、焦点の収入保険制度の導入など政府が今秋に具体化する環太平洋連携協定(TPP)の中期対策に係る経費は「17年度予算編成過程で検討する」とした。年末の政府予算案決定に向け、編成作業が本格化する。

(2面・総合)

女性目線で農の魅力伝える ―― 千葉県流山市・矢口優子さん(3面・暮らし)【2016年9月1週号】

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 千葉県流山市の矢口優子さん(40)は、野菜や果樹を生産・販売する農園「カナルファーム」を運営しながら、健康や暮らしに関する消費者向けの体験講座「やさいとくらしの学校」を開催する。築70年の母屋で料理教室や縫い物講座などを企画し、優子さん手作りの野菜料理や果実ジュースなどを提供。取れたての野菜や農園の自然環境など、農家ならではのもてなしが女性や子供連れに人気だ。消費者との交流を通して農家の暮らしぶりを伝え、農業に興味を持つきっかけにしたいという。

(3面・暮らし)

〈写真:「お客さんに喜んでもらえるイベントをたくさん企画していきたい」と優子さん〉

地元の事情に精通/職員と連係プレーで ―― 福島県・NOSAI福島(5面・NOSAI)【2016年9月1週号】

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 忙しい農作業の合間を縫い、さまざまな職務を担うNOSAI部長。NOSAI制度の円滑な運営のため、NOSAIの組合等にはなくてはならないパートナーだ。1県1組合化など組合が広域化する中、地域の事情に精通するNOSAI部長の役割は、以前にも増して高まっている。加入の推進から損害評価まで、NOSAI制度の根幹を担う、NOSAI福島(福島県農業共済組合)のベテランNOSAI部長(共済部長)を取材した。

(5面・NOSAI)

〈写真上:モモの状態を確認する菱沼さん。「共済部長の活動を通じて、地域の様子も分かるし勉強になる」〉
〈写真下:金澤課長補佐(右)から説明を受ける下重さん。個人情報が含まれる書類の扱いには気を使っている〉

クッキングトマト/調理用で販路開拓 ―― 岩手県奥州市・農事組合法人上小田代(9面・流通)【2016年9月1週号】

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 生食用とも加工業務用とも異なる「第三のトマト」で付加価値を追求する岩手県奥州市江刺区の農事組合法人上小田代。加熱しても色や風味が優れるクッキングトマト(調理用トマト)を栽培し、主に国産原料が少ないピューレに加工し、レストランへの販売で収穫のほとんどを売り切る。消費者や販売先に価値を理解してもらうため、ペーストをスープに使ったラーメンなど加工品の開発・販売にも取り組む。

(9面・流通)

〈写真:「味の良さが伝われば十分に売れる商品だ」と伊藤代表〉

水稲作況 8月15日現在 早場「平年並み」か「やや良」も/台風の影響で悪化の懸念(2面・総合)【2016年9月1週号】

 農林水産省は8月30日、2016年産水稲の作柄概況(8月15日現在)を発表した。早場地帯では、北海道や北陸などを中心に9道県が作況指数102~105相当の「やや良」となり、その他10県は99~101相当の「平年並み」と見込んだ。田植え期以降は好天で、全もみ数が平年以上に確保され、登熟もおおむね順調に推移している。ただ、8月中旬以降の相次ぐ台風襲来の影響で、作柄が悪化する可能性もある。

(2面・総合)

大豆 連作年数ごとに緻密な管理で多収 ―― 秋田県大仙市・小貫集落営農組合(11面・営農技術)【2016年9月1週号】

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 大豆「リュウホウ」を21.2ヘクタールの水田転換畑で栽培する秋田県大仙市大曲小貫の小貫集落営農組合では、連作年数に合わせた栽培管理を徹底し、10アール当たり収量242キロ(県平均124キロ)を達成した。水稲からの転換1年目は、播種前に額縁明渠(めいきょ)を施工し、畦畔(けいはん)も除去して排水性を高める。一方、6年以上連作する圃場は、開花期以降に尿素を2週間ごとに3回、葉面散布して生育向上につなげる。

(11面・営農技術)

〈写真:農研機構・東北農業研究センターが尿素の葉面散布などを実証試験する圃場で高橋組合長は「枯れ上がりが遅くなり、大豆の生育が良くなる」と利点を話す〉

果樹園地に電気柵 アライグマの侵入防ぎ被害ゼロ【埼玉県・9月1週号】

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 【埼玉支局】白岡市荒井新田で果樹などを栽培している中村孝さん(31)は、昨年アライグマによる獣害を受け、今年7月から電気柵「楽落くん」を設置している。
 中村さんは獣害対策のために狩猟免許を取得していて、柵の外にはアライグマ捕獲用として餌の入った箱わなを設置している。電気柵を設置するに当たり、トリカルネットなど各種資材の準備に難航したが、設置してからの被害は今のところ無い。今後は、獣害がある他の園地にも電気柵を設置したいと考えだ。「これから出てくるであろう問題点をじっくり解決していくとともに、被害を受けている近隣の方に良いアドバイスができれば」と話している。

〈写真:電気柵を設置する中村さん〉

山形県で「加賀野菜」を栽培【山形県・9月1週号】

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 【山形支局】「新しいものに挑戦し、攻めの農業を展開したい」と話す酒田市広岡新田の佐藤政博さん(43)は、水稲2.5ヘクタールに加え、ビニールハウス20棟と露地畑60アールで多品目の野菜を生産する専業農家。地元では珍しい野菜「金時草(きんじそう)」の栽培や、袖浦地区の庄内砂丘地で育てたサツマイモの加工品を製造するなど、付加価値の高い農業に取り組む。
 視点を変えた新しい試みに手応えを感じている佐藤さん。「農業は自然相手で難しいが、常に変わらない良品を提供していきたい」とさらなる挑戦を模索する。

〈写真:「常に変わらない良品質なものを提供していきたい」と金時草の圃場で佐藤さん〉

姉妹が協力 アスパラガス【栃木県・9月1週号】

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 【栃木支局】姉妹でアスパラガスを栽培するために、2015年4月に就農した真岡市堀内の柳未来(みき)さん(24)、恭子さん(23)。「定植後、10年ほど収穫可能な点も決め手の一つです」と未来さん。現在、19アール6棟のハウスでアスパラガスを栽培している。
 二人は「農業は自分の頑張りで多くが決まる仕事だと思います。自分たちが作ったのもを『おいしい』と言ってもらえるのは何よりのやりがいです」と笑顔で話してくれた。

〈写真:「『おいしい』と言ってもらえるのがやりがいです」と未来さん(左)、恭子さん〉

低コストハウスで米ナス【高知県・9月1週号】

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 【高知支局】「低コストハウスの最大のメリットは、設置や撤去が比較的楽にできるため、連作障害の影響を受けない。施設栽培と露地栽培の良いとこどり」と話すのは、四万十市西土佐地区大宮で米ナス約15アールを栽培する篠田定亀さん(64)。
 篠田さんは、愛媛県農林水産研究所がキュウリの誘引用支柱を利用した簡易ハウス(低コストハウス)を開発したことを知り、農業公社や振興センターと協議して導入した。10アール当たりの設置費用は約90万円。作業効率を考えながら幅や高さを調節できる。

〈写真:米ナスのハウスで篠田さん〉

自家産野菜で弁当 一つ一つに真心込めて【福井県・9月1週号】

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 【福井支局】坂井市丸岡町の農家女性など12人で構成する「輪花菜(わかな)の会」は、住宅街にある加工施設兼直売所で、弁当や地場産野菜、漬物などを販売している。
 手作り弁当を毎日利用するという会社員は「旬の野菜が多く使われ、作った人の顔が見えるので安心です」と笑顔を見せる。

〈写真:「今日もありがとう」と手渡す山崎さん(左)〉

ポポーを広めたい【静岡県・9月1週号】

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 【静岡支局】「俺はポポーを広めるために生まれてきた」と冗談交じりに話す、静岡市清水区のファーム池の沢代表・望月史(もちづきちかし)さん(58)。塗装業を営む傍ら、50歳を機に30アールの農地とポポーの苗木約190本を購入し、栽培を始めた。
 また、望月さんはポポーの栽培を志す農家の見学も好意的に受け入れている。ポポーの他にもアーモンドやフェイジョアなど珍しい作物も試験的に栽培していて、訪ねる人は後を絶たない。

〈写真:ポポーを紹介する望月さん〉

防風林「改めて、先人の記録を紐解きを【2016年9月1週号】」

 ▼過去の自然災害記録を基に、危険を未然に察知し、適切な対策をとることで被害は最小限に止められるはず。だが、太古の天変地異を伝える古文書や碑(いしぶみ)忘れ去られている例が多い。
 ▼『天災から日本史を読みなおす―先人に学ぶ防災』(磯田道史著)は、だからこそ地層や古文書、碑文などの照合分析が重要という。1586年の天正大地震は近畿・東海・北陸に大被害をもたらした。研究ではM7.9と推測され大坂城や長浜城、大垣城などが倒壊。若狭湾に巨大津波が押し寄せたとの記録が残る。
 ▼太閤・豊臣秀吉は強大化する徳川家康を討伐する態勢を固めたその矢先、地震が発生し計画は頓挫する。歴史に「なら...」は無意味。地震予知できたなら、日本史は違う展開になっていたのではと、磯田氏はいう。
 ▼東日本大震災や熊本地震などの震災に対し、地震波形の変化や交通情報、被災者行動といったさまざまなビッグデータを分析する研究が進んでいる。これをどう防災行政に取り込み、住民の危険予知や避難行動に生かせるかが最も難しい課題だろう。
 ▼海岸沿いの松林を防波堤代わりに見直す風潮もある。その流木が住宅や橋などインフラ破壊につながる事例もあると磯田氏。北海道や東北では相次ぐ台風による傷痕を残した。地震・津波対策を含め、伝承される災害記録の紐(ひも)解きと、直面した被災状況を100年、千年後に伝えることが大切。防災の日(1日)を契機に、改めて先人の記録を真摯(しんし)に受け止めたい。

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