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今週のヘッドライン: 2016年09月 2週号

収入保険の検討 本格化へ/農水省 有識者会議を設置(1面)【2016年9月2週号】

 農林水産省は7日、「収入保険制度の検討等に関する有識者会議」を設置すると発表した。政府・与党が検討を進める収入保険制度の導入とNOSAI制度の見直しについて、有識者や農家などから意見を聞く。月内にも初会合を開き、収入保険制度の事業化調査結果などを元に検討を深める予定だ。

(1面)

台風の猛威/実り奪う ―― 北海道北見市端野町・西川哲平さん(1面)【2016年9月2週号】

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 「今年はタマネギの生育が順調で収穫目前だった。経費をかけた中での被害はこたえる」と北海道北見市端野町2区の西川哲平さん(33)は肩を落とす。北海道に相次いで上陸した台風が日本一のタマネギ産地を襲い、西川さんは10ヘクタールの被害を受けた。NOSAIオホーツク(オホーツク農業共済組合、佐々木環組合長)管内では、畑作物共済加入率が97%と高く早期の共済金支払いに全力を挙げる。ただ、表土が流されるなど復旧に時間を要しそうな農地も多く、来年の作付けを憂慮する被災農家も多い。

(1面)

〈写真:河川の氾濫で泥がかぶさったタマネギを手に西川さん。圃場には石が多く転がり、表土が流されて起伏ができている〉

NOSAI制度見直しで団体が方針 災害対策として機能強化を(2面・総合)【2016年9月2週号】

 NOSAI全国(全国農業共済協会、髙橋博会長)は7日、全国会長等会議を開き、収入保険制度の導入に併せて行われるNOSAI制度の見直しに係る要請と、2017年度NOSAI関係予算要請の運動方針を決めた。制度見直しでは、農業者全般を対象とした国の農業災害対策の基幹として、今後とも機能・役割が十全に果たせるよう、(1)農家の多様な保険ニーズへの的確な対応(2)事務処理の効率化による農家負担の軽減(3)安定的な事業運営に資するNOSAI団体の弾力的な組織体制と財務基盤の強化――などを求めていく。また、収入保険制度の検討では、農家・法人の意思反映を要請し、生産現場の生産・被害状況に精通したNOSAI団体が実施主体になるべきと強調した。

(2面・総合)

水稲共済 台風、豪雨などが発生/被害申告確実に(5面・NOSAI)【2016年9月2週号】

 日本列島を相次いで襲った台風は、豪雨や強風をもたらし、各地で農地の冠水や損壊などの被害が発生した。これから本格的な水稲の収穫期を迎えるが、台風や局地的な豪雨など引き続き天候の動向に注意が必要だ。NOSAIは、農家からの被害申告により損害評価を行う。共済金算定には現地での損害評価が欠かせないため、被害が発生したら、すぐにNOSAIの組合等に連絡することが大切だ。

(5面・NOSAI)

ミズナ/鮮度・外観を重視 棚持ち向上 ―― 広島県広島市・宮脇農園(8面・流通)【2016年9月2週号】

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 ミズナを中心に葉物野菜4品目を約33アール(ハウス11棟)で栽培する広島市安佐南区の宮脇農園では、鮮度と外観を第一に考え、収穫後の出荷・調整作業のほか、収穫から出荷までの予冷による鮮度保持を徹底する。暑さに弱く品質が落ちやすい夏場でも、高品質のミズナを安定供給し、昨年は2400万円を売り上げた。生産出荷組合「@land(あっとらんど)」を立ち上げて大手企業と契約出荷するほか、茎が鮮やかな赤紫色になる「パープル水菜」の栽培にも取り組み、同市のブランド野菜にしようと力を入れる。

(8面・流通)

〈写真:「後に続く新規就農者の手本になるように、もっと成果をあげたい」と話す宮脇代表〉

果樹 盛土式根圏制御栽培/収益と作業性を両立 ―― 栃木県鹿沼市・麦倉秀明さん(9面・営農技術)【2016年9月2週号】

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 ポットなどを使わず遮根シート上に木枠で土を盛って定植する「盛土式根圏制御栽培法」は、果樹の早期成園化や管理技術の簡易化を実現し、各地で普及し始めている。主にナシで導入が進み、農家が販売形態や作業に合わせ、植栽密度や剪定(せんてい)などに工夫を加えている。試験場では本年度、モモや柿、リンゴなど他品目でも結実を確認。初期投資の回収や技術習得、耕作適地の確保が難しいとされる果樹経営で、新規参入の促進に期待されている。

(9面・営農技術)

〈写真:「収穫しやすいよう、腰より上の位置に花芽をつける」と麦倉さん〉

明日のNOSAI私の期待(12) ―― 岩手県二戸市・五日市亮一さん(1面)【2016年9月2週号】

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 農業経営の安定に寄与するNOSAI制度への期待や意見などを農業者に聞く。(不定期連載)

(1面)

49歳以下の新規就農者数が過去最高に/雇用就農が大幅増(2面・総合)【2016年9月2週号】

 農林水産省は8日、2015年の49歳以下の新規就農者数は前年比5.4%増の2万3030人となり、統計開始(07年)以降、最多となったと発表した。特に雇用就農者数が大きく増加した。全体の新規就農者数も12.8%増の6万5030人と、09年以来6年ぶりに6万人を超えた。  就農形態別では、農家世帯員が就農する新規自営就農者は全体で10.1%増の5万1020人となった。ただ、49歳以下は5.4%減の1万2530人だった。

(2面・総合)

知っておきたい お墓参りのマナー(3面・暮らし)【2016年9月2週号】

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 そろそろお彼岸の時期。核家族が多くなり、家族そろってお墓参りをする機会が減っている今、手順や作法に戸惑う人もいるかもしれない。仏壇・仏具や墓石を販売する株式会社はせがわの聖石部設計チーム、鈴木章裕さんに、お墓参りのマナーやお墓の掃除の仕方、メンテナンスチェックなどの話を聞いた。

(3面・暮らし)

〈写真:(株)はせがわ 聖石部設計チーム 鈴木章裕さんに聞く〉

食用ホオズキ「鬼あかり」を町の顔に【愛媛県・9月2週号】

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 【愛媛支局】全国で唯一「鬼」が付く町、鬼北町。その住民グループ「鬼北発掘隊」の代表を務める上甲民治さん(47)は、法人化までの歩みを「一人では何もできなかった。集まる力はすごいと実感する」と話す。
 取り組みのきっかけは、メンバーの一人、田中明美さん(61)の発案だ。漢字で「鬼灯」と書くホオズキの"鬼"つながりに着目し、食用ホオズキを3年前から栽培。「作りやすさ・希少性・味」にほれ込み、特産品として販売できないかと提案した。

〈写真上:ホオズキの手入れをする上甲代表〉
〈写真下:田中さんは、ホオズキの母とも呼ばれている〉

サル害対策徹底し効果【島根県・9月2週号】

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 【島根支局】昨年から集落ぐるみでサル被害対策に取り組む江津市波積町上北集落(16戸、38人)。根気よく被害防止に取り組む体制をつくり、徹底した対策が効果を上げている。
 主な対策は、女性3人を含む10人を中心に行うロケット花火での徹底的な追い払いだ。サルを目撃すると周辺住民へ連絡し、協力して追い払いを行う。新聞に住民提供のサル出没情報を折り込み、さまざまな媒体で情報を提供。被害発生箇所や出没箇所を地図に落とし、集落全体での把握にも努める。

〈写真:自作のホルダーでロケット花火を扱う壱岐さん〉

津波被災地区に大型園芸ハウス 再生の拠点に【福島県・9月2週号】

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 【福島支局】南相馬市では、東日本大震災の津波で壊滅的な被害を受けた同市鹿島区南海老地区に、復興事業として大型園芸ハウスを建設。同地区などの農家で構成する株式会社ひばり菜園(鎌田俊勝社長・51歳)が、小ネギとカキチシャ(サンチュ)の水耕栽培に取り組んでいる。「一日でも早く会社を軌道に乗せ、安定生産・販売をしたい」と鎌田社長は意欲的だ。
 「南相馬市大型園芸施設整備事業」は年内に、育苗や集出荷作業用を含めたアーチ型の鉄骨ハウス7棟(約2.5ヘクタール)がすべて完成する予定だ。

〈写真:今年12月の完成を目指して工事が進められている〉

玄米茶 米も茶も特別栽培で【三重県・9月2週号】

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 【三重支局】松阪市大津町の出口製茶(出口正司代表・64歳)では、自ら栽培した「コシヒカリ」を玄米茶に加工して販売している。
 2ヘクタールの田で栽培する米のうち40アールで、農薬の使用と化学肥料のチッ素成分量を制限する「特別栽培」を行い、米と茶葉の両方で実施。茶葉の栽培では10年にわたり農薬量などを調整して徐々に減らし、現在は年1回の使用に抑えることができるまでになった。

〈写真:「力を合わせてやっています」と話す出口さん夫妻〉

イノシシ革でバッグや財布【香川県・9月2週号】

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 【香川支局】イノシシ革を用いたバッグや財布などの革製品を考案し、新たな特産品作りを進める西尾和良さん(38)。イノシシ肉などを販売する「五色の里」(東かがわ市五名、木村薫代表)の研修生で、「害獣から利益を発生させ、里山を元気にしたかった」と話す。
 イノシシ革は、深い毛穴から独特の肌触りを誇り、軽さと硬さを併せ持つ。今までは捨てていたが、西尾さんが製品加工を発案し、「食」以外の「衣」の分野での活用を実現させた。

〈写真:「イノシシ革は魅力ある素材だ」とバッグを手に西尾さん〉

フクロウで〝福〟来たる【千葉県・9月2週号】

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 【千葉支局】銚子市長山町の床枝修さん(68歳、ダイコン2ヘクタール)方の庭先にある樹齢250年以上のシイの木に今年もフクロウ(アオバズク)が子育てにやってきた。フクロウは繁殖に成功すると翌年も同じ場所に来る習性があり、床枝さん方では今回で4回目だという。
 家の守り神として、旅行などの際にも、家族にフクロウのことを見ておいてくれと頼むほど床枝さんは大切に思っている。

 
 〈写真:巣穴の中のフクロウのひな〉

防風林「ICTやAIの農業利用、経営判断まで委ねてしまわないように【2016年9月2週号】」

 ▼「トントントン」――日本を代表する大手重電メーカーの研究所。装置から伸びた棒がスイカの表面を軽くたたき続ける。音の波形から、糖度や果肉の詰まりなどを選別する試作装置を視察したことがある。10年以上も前のことだ。
 ▼今でいう非破壊検査法の走りだった。プロ農家が果実の良しあしを、たたいた音で見極めるのを応用したのだった。耳で選定した果実の音の波形と、実際に糖度などを計測した値を照らし合わせ、最適なたたき方を再現することで果実を壊さずに選(よ)り分けられるのだ。
 ▼その数年後には、切ったり針を刺したりしなくてすむ、赤外線照射方式が開発・普及したため、打音を感知するアナログ装置はお蔵入りの運命だと思っていた。予冷・選果施設関連企業の人との会話で、トントン方式の糖度装置は以後、実用化されて産地で長らく使われていたと知る。
 ▼2016年度補正予算では、熟練農家のノウハウをICTや人工知能(AI)などの活用によって、農業の未経験者でも短期間に高度な栽培や飼育の知識を習得できるシステムの構築を目指すという。担い手農家確保が困難な中で、熟練技術の引き継ぎは重要な課題。
 ▼カーナビやAT車に慣れた運転者が、道路地図を読めずマニュアル車さえ運転できなくなるように、農業技術や経営の判断をすべて委ねてしまわないかと懸念する。果実をたたいた際に良質果実が発する音の仕組みや理由を知ることで、熟練者に近づく肥培管理のヒントにつながればいいのだ。それが、人材育成に向けた先進技術の使命ではないか。

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