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今週のヘッドライン: 2016年10月 1週号

収入保険 「青申」基本に設計/自民党PTで議論の土台を提示 農水省 NOSAIに主体的関わり(1面)【2016年10月1週号】

 自民党は9月30日、農業基本政策検討プロジェクトチーム(PT、座長=宮腰光寛衆院議員)を開き、農業経営全体の収入に着目した新たなセーフティーネットとして導入する収入保険制度の具体化に向けた本格的な検討を開始した。今後、農家の意見なども聞きながら、NOSAI制度をはじめ関係する他制度との調整も含めて議論し、11月にも骨格をまとめる。

(1面)

養蚕文化を紡ぐ 展示会を開催 ワークショップも/東京シルクの会(1面)【2016年10月1週号】

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 東京都多摩地域に残る養蚕農家7戸や流通関係者ら有志53人と三つのJAで構成する、東京シルクの会(事務局長=内海康治さん、60歳)では、特殊品種の蚕「青熟(あおじゅく)」「小石丸」といった日本独自の古来種や原種を手掛け、蚕の飼育から製品化まで純国産の絹製品の魅力を伝えている。繭生産量は年間約400キロ。「生繰(なまぐ)り法」で取った絹糸は「東京シルク」の名でブランド化し、群馬県繭品質評価協議会から最高の5A評価を得ている。独特の風合いに、工芸家などから引き合いが強い。

(1面)

〈写真上:幼蚕に桑の葉を与える小谷田さん〉
〈写真下:右から小谷田さん、妻の洋子さん(86)、境さんらと給餌の合間にお茶休憩〉

バター4千トン追加輸入 年度計は過去最高に/国内酪農の現状を直視して(2面・総合)【2016年10月1週号】

 農林水産省は9月27日、新たにバター4千トン(生乳換算4万9360トン)を追加輸入すると発表した。年末の需要期の必要量は確保される見込みだが、西日本の猛暑や8月中旬以降の相次ぐ台風襲来などによる生乳生産への影響などを考慮し、安定供給に万全を期すため。ただ、2016年度の追加輸入は今回が2回目で、カレントアクセス(最低輸入機会=CA)を含めた総輸入量は過去最大の1万7千トンとなる。国産を軸とした牛乳・乳製品の安定供給の確立に向け、生乳生産基盤の立て直しに全力を挙げる必要がある。

(2面・総合)

損害評価員なども兼務/県内農業状況を把握 ―― 熊本県・NOSAI熊本(5面・NOSAI)【2016年10月1週号】

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 NOSAI熊本(熊本県農業共済組合)の管内では、4月の熊本地震から数カ月が経過し、台風など想定外の自然災害が懸念される中、共済部長(NOSAI部長)が損害評価員なども兼務してNOSAI制度を支える。高齢化などにより農家戸数が減少する現在、水田の作業受託など集約化や規模拡大が進む。担当地区の農業情勢だけでなく、町内・県内など広い視野で農業の状況を把握することが求められるなど、地域を支える共済部長の重要性が増している。

(5面・NOSAI)

〈写真上:「今年は作柄も順調」とヒノヒカリの生育を確かめる池尻さん〉
〈写真下:「管理する水田が増えてきた」と吉住さん〉

施設トマト/最適な二酸化炭素施用で2割増収 長期・長時間放出し光合成促進 ―― 岐阜県岐阜市・岐阜県農業技術センター(9面・営農技術)【2016年10月1週号】

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 岐阜県農業技術センター(岐阜市)は、トマト養液栽培の一種「トマト独立ポット耕」で収量を伸ばすための、最適な二酸化炭素施用技術を開発した。施設園芸での二酸化炭素施用は、午前中だけ施用するのが一般的だが、大気より濃度がやや高い程度の二酸化炭素を日中、施用する。細かい霧状の水を噴霧する「ミスト噴霧」と併せて利用すると、光合成がより促進され、2割程度の収量が増加した。

(9面・営農技術)

〈写真:液化二酸化炭素のボンベ〉

材料の栽培から製造まで一貫 家族で守る伝統の松本箒/両親からの継承技術を磨く地域と協力して生産拡大 ―― 長野県塩尻市・米沢ほうき工房(3面・暮らし)【2016年10月1週号】

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 「松本箒(ほうき)の特長は柔らかさ。日本文化を見直す動きもあり、多くの注文をもらっている」――。長野県塩尻市広丘で米澤ほうき工房を営む米澤資修(もとなお)(41)さんは、材料となるホウキモロコシ(30アール)を栽培し、伝統の松本箒を製造・販売する。祖父の代から続く技術を受け継いで5年目。140センチの「長ぼうき」のほか、女性でも使いやすい一回り小さくした120センチの「中ぼうき」など新製品の開発も行う。「インテリアとして部屋に飾りながら手軽に使えるほうき」を目標に、父親の勝義さん(74)、母親の純子さん(69)と、150年以上続く松本箒を守っている。

(3面・暮らし)

〈写真:引き抜くようにホウキモロコシを収穫する資修さん(左)と純子さん。雨に当たると穂が変色するため、天気に気を使いながらの作業だ〉

16年産水稲の作況指数は103/超過作付け解消で在庫は圧縮(2面・総合)【2016年10月1週号】

 農林水産省は9月30日、2016年産米の全国の作況指数(9月15日現在)は103の「やや良」と発表した。全国的におおむね天候に恵まれ、新潟が108の「良」となるなど大半の都道府県で100を上回った。ただ、2年連続の超過作付けの解消により、17年6月末の民間在庫量は圧縮が見込まれる。

(2面・総合)

消費者の目を引くデザイン 独自の米袋で差別化/素材から選択・完全オリジナル商品も(6面・流通)【2016年10月1週号】

 各地で米の収穫が終盤を迎え、新米が出回る季節となった。近年は、JAや卸売業者への一般流通だけでなく、直売所やインターネットなどで農家が直接、消費者へ販売する形態が増えている。米を直販するにあたり、他生産者との差別化や付加価値付けに重要なアイテムの一つが米袋だ。幅広いデザインや機能性を持つ米袋の中から選択して販売戦略に生かしたり、独自の米袋を自らデザインするなど、目に見える形でのPRに力を入れる農家も多い。米袋を提供する業者への取材から、米袋をめぐる現状などをまとめた。

(6面・流通)

自家農産物を福祉施設へ【秋田県・10月1週号】

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 【秋田支局】中山間地域に住む高齢農家らが生産、収穫した農産物を福祉施設へ納入する取り組みが行われている。横手市山内三又の高橋幸村さん(68)は「生きがい食材納入組合」の組合長を務め、近隣農家らと声を掛け合いながら新鮮な地場産農産物を施設の給食用食材として提供している。

〈写真:生きがい食材納入組合の高橋組合長(左)と高橋昇さん〉

父の代に購入した耕うん機を今も愛用【福岡県・10月1週号】

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 【福岡支局】上毛町垂水で水稲、麦など約1ヘクタールを栽培している石川光男さん(80)は、60年前、父の代に購入した耕うん機を今でも愛用。田起こしや代かきの時期に活用している。「60年たった今でもエンジンの調子も良く、とにかく丈夫です。機能的にも満足している」と言う。

〈写真:「初めて使った時は感動しました」と石川さん〉

農具を修復、製造も 使い勝手が評判に【徳島県・10月1週号】

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 【徳島支局】つるぎ町一宇明谷(いちうみょうだに)の大森豊春さん(75)は、県内でも数少ない農具のかじ職人。農業の傍ら農具の修復や製造を手掛け、使いやすさと丁寧な仕事が評判となり、注文が年々増えている。

〈写真:三つくまでを修理中の大森さん〉


青パパイア栽培 ヒット商品目指し挑戦【群馬県・10月1週号】

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 【群馬支局】関東地方では珍しい青パパイアを4年前から栽培している板倉町の小野田儀一(おのだぎいち)さん(77)。「これからも珍しい作物に挑戦し、ヒット商品を生みだしていきたい」と話す。

〈写真:パパイアの前で小野田さん夫妻〉

仲間とポロシャツ 作業着をおしゃれに【鹿児島県・10月1週号】

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 【鹿児島支局】志布志市有明町で繁殖牛27頭を飼育する新留優子(にいどめゆうこ)さん。地域の牛飼い女性6人でオリジナルポロシャツを製作した。「農業をおしゃれなイメージにしていきたい」と話している。

〈写真:ポロシャツを製作した6人。「産地をPRしていきたいですね」と話す〉

生ごみや牛ふんで堆肥 資源循環へ地域力合わせて【福井県・10月1週号】

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 【福井支局】池田町は、地元の牛ふんともみ殻、町内の家庭から出る生ごみを使って高品質の堆肥を製造し、町内の農家などに販売している。生ごみの回収を行う住民ボランティア「NPO法人環境Uフレンズ」は、農家だけでなく主婦や若者など100人が所属する。

〈写真:堆肥「土魂壌」を手に前野局長〉

地場産のもち米で特産品作り【鳥取県・10月1週号】

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 【鳥取支局】鳥取市河原町小河内集落の女性グループ「小河内マドンナ隊」(谷口千代江代表=63歳)では、小河内で栽培されたもち米「満月」を使用して、カラフルな「やわらか姫もち」を開発。新たな特産品として地域活性化の一役を担っている。

〈写真:もち米「満月」で作ったやわらか姫もち〉

防風林「農書から続く"農の術" AI農業に人は育つか?【2016年10月1週号】」

 ▼わが国で最初の農業指導書は、福岡藩士・宮崎安貞が1697年に著した『農業全書』(全10巻)とされる。「わが村里に住することすでに40年、自ら心力をつくして、手足を労し農事を営み」とあり、老農からの見聞や精農家としての経験と知識を凝集、執筆に専念したに違いない。
 ▼「農術に詳しくなければ五穀少なく人民の生を養うことなし」と農耕の重要さを説いた。農業全書の巻末には「農人たる者、特に稲と麦の栽培に術をつくし、力をもちうべし。農民が天道を尊ぶ道にして、命を保ち福を受ける術なり」だとしている。
 ▼米を食べてつきるころ、麦が収穫を迎え人々の食糧になる。加えてアワやキビ・ソバ・豆類など穀物の作付けで稲麦の不足を補えるとも。江戸期の封建時代、士農工商と階層社会の中にあり年貢や土地に縛られる農民に、「農術」向上で生命維持と幸福を導けることを農業全書で諭した。
 ▼安貞の精神を受け継いだのは、『農具便利論』『農稼肥培論』『広益国産考』などを著した大蔵永常(豊後国生まれ)。特に農具便利論は、鍬(くわ)や鋤(すき)、唐箕(とうみ)、灌漑(かんがい)用具などを普及すべきとし、構造を細部まで解説・紹介、農業の省力化や効率化を促した。
 ▼今や「手足を労して」耕作に臨む農家は少なく、手足の補助たる農具は高性能農業機械に変化した。将来は、頭脳の代替というべき「AI(人工知能)」導入という。安貞のいう「農業の術」が育つとはどうも考えられないのだ。

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