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今週のヘッドライン: 2016年10月 2週号

若者8人が耕作放棄地を再生へ 仕事・暮らし 自ら創る ―― 山口県宇部市・NPO法人 学生耕作隊(1面)【2016年10月2週号】

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 山口県宇部市今富では、20~30代の若者8人が共同生活をしながら耕作放棄地の再生に取り組んでいる。活動拠点を「楠(くすのき)クリーン村」と名付け、自給的な生活を基本に自ら住居や電力などを確保し、地元農家から地域資源を活用した田舎暮らしを学ぶ。米や茶を生産・販売するほか、東京の企業や海外の農家と連携して加工品を開発するなど収益確保を図る。農村の価値を再認識し自然や風土と共存しつつ、若者のアイデアで地域に働く場を生みだし、都市部よりも安定して暮らせる環境づくりを目指す。

(1面)

〈写真:茶畑で今後の商品開発について話し合うメンバー〉

超過作付け2年連続解消 豊作基調も在庫減(2面・総合)【2016年10月2週号】

 農林水産省は9月30日、2016年産主食用米の全国の作付面積(9月15日現在)は138万1千ヘクタールで、生産数量目標の面積換算値を2万2千ヘクタール下回ったと発表した。超過作付け解消は2年連続で、民間在庫量を深掘りする「自主的取組参考値」の面積換算値も初めて下回った。結果、全国的に豊作基調で推移しているものの、17年6月末民間流通在庫量は、米価安定の一つの指標とされる200万トンを5年ぶりに下回る見通しだ。農家の高齢化や担い手不足が深刻化する中、持続可能な水田農業の確立には、再生産可能な米価水準の安定確保が欠かせない。超過作付けの解消は、飼料用米への転換など生産現場の需給改善努力の成果であり、米の流通・販売業界には、米価の安定確保につなげる責務がある。

(2面・総合)

収入保険有識者会議/制度導入に期待の声 青色申告の推進を(2面・総合)【2016年10月2週号】

 農林水産省は7日、「収入保険制度の検討等に関する有識者会議」の初会合を開き、収入保険制度の具体化に向け、農家や法人の代表、保険学の専門家など10人の委員から意見を聞いた。制度導入に期待する声が上がる一方、青色申告の5年間実施を加入要件の基本とする方針に対し、若手農家向けに要件緩和や青色申告の普及支援などを求める意見が出た。

(2面・総合)

大豆共済/天候不順、相次ぐ台風 まずは「被害申告」を(5面・NOSAI)【2016年10月2週号】

 大豆の産地で収穫時期を迎える。大豆は天候不順による湿潤害などの被害を受けやすい作物だ。今年は相次ぐ台風で北海道や九州地方などの産地が被害を受けたほか、ハスモンヨトウによる被害も各地で報告されている。大豆栽培は規模拡大が進み、一度の被害が経営に与えるダメージも大きい。大豆共済の「全相殺方式」は、平年の収穫量の9割までを補償する。被災農家から被害申告を受けると、NOSAIの組合等は適正な損害評価を行い、迅速に共済金を支払う。大豆共済の仕組みを共子さんが済太郎くんに聞いた。

(5面・NOSAI)

レンコン/安心のブランドが信頼築く ―― 徳島県鳴門市・有限会社 酒井農園(8面・流通)【2016年10月2週号】

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 農林水産省が定めた特別栽培ガイドラインに従ったレンコンを中心に4ヘクタール栽培する、徳島県鳴門市の有限会社酒井農園(酒井建記〈たけのり〉代表、38歳)は、飲食店やスーパー約20軒との契約栽培で「こだわりの理〈さと〉りれんこん」のブランド名で出荷、残りを市場に卸す。直販と市場出荷が全収穫量の約8割。残り2割はパウダー加工や加工業者に販売するなどして無駄なく商品にしている。ホームページや交流サイトのフェイスブックを活用して積極的に情報発信するなど、取引先や消費者との信頼関係を築き、長く維持できる姿勢を守っている。

(8面・流通)

〈写真:レンコンを洗浄する建記さん。使う井戸水は、保健所の検査を定期的に受けている〉

特別栽培米「あきたこまち」/大豆、米ぬかの有機肥料 肥効が最大限に ―― 秋田県大仙市・絹川仁三郎さん(11面・営農技術)【2016年10月2週号】

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 水稲19ヘクタールなどを手掛ける秋田県大仙市南外本宿の絹川仁三郎さん(64)は、化学肥料不使用の特別栽培「あきたこまち」4ヘクタールを生産。元肥には、くず大豆や無洗米製造時に出る米ぬかなどを含む有機肥料(5―1・2―1)を10アール当たり90キロを全層施肥し、追肥は行わない。耕起から2週間後に代かきすることで有機肥料を発酵促進、養分吸収を促し、初期生育を向上させる。今秋からは、ノビエ対策に石灰窒素を導入する。稲わらの上に散布して秋耕起しなくても、翌春にノビエが一斉に出芽し、春耕起で土中埋没により十分な抑草効果が得られたためだ。資材を使いこなし、良食味米生産に努めている。

(11面・営農技術)

〈写真:昨年秋に石灰窒素を散布した試験圃場で絹川さん。ノビエが多発していたが、今年はほとんど見られない〉

酒米「亀の尾」から人気の「亀味」【秋田県・10月2週号】

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 【秋田支局】白い芒(のぎ)を持つ穂と稈(かん)の長さが特徴的な水稲品種「亀の尾」。横手市平鹿町上吉田の公地祥一さん(79)が所属するJA秋田ふるさと平鹿町酒米研究会では1997年から栽培し、同町の「浅舞酒造」と全量出荷契約を結んでいる。亀の尾は明治時代に山形県の篤農家・阿部亀治氏が作出した戦前の代表的品種で「コシヒカリ」や「あきたこまち」の先祖。80年代に試験場や個人が保管していた種もみからの復活で栽培が再開された。

〈写真左:亀の尾を栽培する公地さん〉
〈写真右:亀の尾で仕込んだ酒は人気が高い〉

熱効率良い薪ストーブ考案【北海道・10月2週号】

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 【北海道支局】函館市で施設園芸42アール(トマト)を営む若松健二さん(68)は、昨年12月に「若松式薪(まき)ストーブ及び温水供給装置」を考案し、特許を取得。熱効率が良く廃材も燃料として活用できる経済性が評判を呼んでいる。一度薪を入れると8時間から10時間燃焼し続けるので、寝る前に薪を足せば朝まで継ぎ足しは不要だ。

〈写真:特許を取得した若松式薪ストーブを紹介する若松さん〉

水稲プランター栽培で老人ホームと交流【新潟県・10月2週号】

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 【新潟支局】「発泡スチロールに肥やし袋を敷き、畑の土を使用する以外は、通常の米作りと同じです」と話す、村上市牛屋の石田清作さん(51)。勤務先の関川村特別養護老人ホーム「垂水の里」で「コシヒカリ」のプランター栽培を始めて6年目になる。石田さんが休みの日には利用者や同僚の介護士が水やりをしてくれるなど共に世話をする。

〈写真:プランター栽培のコシヒカリを収穫する石田さん〉

「花男子」――バラの魅力届けたい【愛知県・10月2週号】

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 【愛知支局】日本一の花の生産地、愛知県東三河。その東に位置する豊川市で、天野真光さん(35)は、切りバラ農園の2代目として、そして「花男子」の一員として、バラの魅力を人々に届けている。花男子とは、「男性から大切な女性へ花を贈る文化を、日本一花をつくる町から育てていきたい」と、5年前から活動を続けているプロジェクトだ。

〈写真:バラの花束を手に天野さん〉

インゲンマメ「銀不老」を特産に【高知県・10月2週号】

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 【高知支局】「『銀不老(ぎんぶろう)』(インゲンマメの一種)を全国区にするには、もっと生産量を増やさなければならない」と話すのは、銀不老生産組合の上池如夫組合長(55)。古くから大豊町だけで栽培されてきた銀不老は、ほとんどが自家消費用で市場に流通しなかった幻の豆だ。

〈写真:銀不老の加工品〉

マーマレードで甘夏・橙を身近に【千葉県・10月2週号】

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 【千葉支局】「『甘夏』や『橙(だいだい)』がもっと皆さんの身近な食べ物になってほしい」とマーマレードを作る鴨川市粟斗(あわと)の長谷川敏子さん(77)。栽培する甘夏のうち、小さく出荷できない果実を使ったマーマレードを4年前から販売している。

〈写真:マーマレード〉

防風林「変化する天候に天の恵みを得る苦労【2016年10月2週号】」

 ▼キンモクセイの花がほのかな甘い香りを放つ10月に入っても、台風が猛威を振るいながら日本列島を北上する近年まれにみる気象。しかも30度近い猛暑日もあり、秋の装いではじっとり汗がにじむ異様さだ。
 ▼「野ざらしを 心に風の しむ身かな」(松尾芭蕉)。秋の物悲しさを誘う句だが、さすがの芭蕉もこの天候の下に吹く風では、わびさびを感じるどころではない。今月12日には芭蕉忌を迎え、各地で催される句会の参加者はさぞかし汗を拭きながら...との光景が見られるやもしれない。
 ▼冷夏や暖冬の予想は農作業暦に影響をおよぼしやすいことから話題になるが、「暖秋」は夏と冬の谷間にあるためかなぜか影が薄い。調べるとここ数年は暖秋傾向が続いていて、鍋物シーズンにハクサイなど秋を彩る野菜の消費低迷が心配されている。
 ▼二十四節気でいうと今は「霜降り」、七十二侯では「菊花開く」だ。近年の気象状況に合う事象にしようとの意見も多い。俳句に詠み込む季語も適切となり、なにより歳時記をもとにした農作業も風雅ではないか。
 ▼農林水産省は4月以降、気象庁の気象情報をもとにした技術指導を多く通知した。夏前の高温に続き大雨、後に高温や渇水、9月末の日照不足と猫の目のように変化した。今年産水稲の作況指数(9月15日現在)は全国平均で103、作柄は「平年並み」ないし「多い」と見込んだ。農家が自然からの恵みを得るためには、あまりにも過酷な災禍を人知で乗り越えなければならない。

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