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今週のヘッドライン: 2016年11月 1週号

小規模圃場や日中のサル、シカ対策 高齢者が中軸担う ―― 滋賀県甲賀市宮尻集落(1面)【2016年11月1週号】

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 滋賀県甲賀市信楽町の中山間地にある宮尻集落では、70~80代の高齢者で組織する老人クラブのメンバーが獣害対策に活躍する。恒久柵が設置できず対策から漏れていた小規模圃場で、簡易柵を導入するなど被害防止に努めている。集落では市街地に働きに出る住民が多い中、不在時に老人クラブのメンバーが草刈りやサルの追い払いなど日常的な作業を担い、獣害防止の下支えとなっている。被害抑制の成功が、取り組む高齢者にとっても新たな対策や営農継続の意欲につながり、集落に活気を生み出している。

(1面)

〈写真:試し掘りで「ようできてる」と喜ぶ大谷さん(中)ら老人クラブのメンバー〉

NOSAI団体が農相に提言 災害対策の機能・役割 継続発揮できる見直しを(2面・総合)【2016年11月1週号】

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 NOSAI団体は10月24日、収入保険制度の導入に併せて検討されているNOSAI制度の見直しにかかる提言と、2017年度NOSAI関係予算の必要額確保を求める要請書を、山本有二農相に手渡した。提言では、NOSAI制度は幾多の農業災害に対して共済金の支払いなどを通して農家の経営安定に大きな役割を果たしてきたと強調。今後とも国の農業災害対策の基幹として重要な機能・役割が十全に果たせるよう、(1)農家の多様な保険ニーズへの的確な対応(2)事務処理の効率化による農家負担の軽減(3)安定的な事業運営に資するNOSIA団体の弾力的な組織体制と財務基盤の強化――などの実現を強く求めた。

(2面・総合)


〈写真:山本農相に提言書などを手渡す髙橋会長(中央)。右から、鈴木直常務、山本農相、髙橋会長、天野副会長、小八重副会長〉

小学生向けの宿泊体験20年など これからもチャレンジ精神で ―― 島根県浜田市・扇原茶園 佐々木京子さん(3面・暮らし)【2016年11月1週号】

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 「チャレンジしたいと思うことをやらせてくれる家族と、茶園がつつがなく経営できていることに感謝、感謝です」。島根県浜田市田橋町の扇原(せんばら)茶園(代表取締役会長=佐々木玲慈さん、59歳)の取締役・佐々木京子さん(60)は、しまね女性農業経営者ネットワーク(3Cの会)の2代目会長として同会に貢献するほか、ふるさと島根定住財団評議員などを務め、地域を超えた活動を長年にわたって続けている。小学生向け宿泊体験プログラムを約20年続ける中、今年5月にはカフェ「Tea drops」を開業。「大変といえば大変だけれど、毎日が楽しい」と笑顔を見せる。

(3面・暮らし)

〈写真:「いつも笑顔を絶やさずに」を率先する京子さん〉

広域化で重要性増す基礎組織 集落の実情に精通 ―― 愛媛県・NOSAIえひめ(5面・NOSAI)【2016年11月1週号】

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 NOSAIの組合等は組織体制強化などを目指し、県単位の広域合併を進めている。現在、23都府県が1県1組合となった。区域が広域化する中、地域のまとめ役であるNOSAI部長(共済部長)や損害評価員などとの協力体制の構築は事業運営上、ますます重要性を増している。2015年4月、1県1組合となったNOSAIえひめ(愛媛県農業共済組合)では地域農業を熟知し、集落の実情に通じた共済部長と職員が連携し、円滑な事業運営と加入推進を展開する。

(5面・NOSAI)

〈写真上:園芸用に栽培するユーカリの圃場で乗松さん。「農業はこれからが面白い。工夫すれば十分な所得を上げられる」〉
〈写真下:職員から説明を受ける信宮さん(右)。「台風でハウスが倒壊したときは、園芸施設共済に加入していて助かりました」と話す〉

おにぎり、カレーなど用途に合わせて 自家産米を最適にブレンド ―― 福島県本宮市・御稲プライマル(6面・流通)【2016年11月1週号】

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 NOSAI全国(全国農業共済協会、髙橋博会長)は19日、東京都内で第41回任意共済全国研修会を開き、連合会・組合等の任意共済担当者約200人が出席し、事業推進事例などが発表された。また、京都産業大学法学部の吉澤卓哉教授は「共済募集・共済金支払におけるトラブル事例研究」と題し、加入者とのトラブル発生時の法的視点からの対応について講演した。

(6面・流通)

〈写真:コシヒカリの生育を確認する正人専務。「データ分析に基づいて特徴を出しているので何年先でも同じ状態の米を提供できる」と話す〉

水稲湛水直播に「べんモリ被覆」安価で手間いらず(9面・営農技術)【2016年11月1週号】

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 水稲湛水(たんすい)直播栽培の新しい種子被覆法として、低コストで被覆作業の手間が掛からない「べんモリ(べんがらモリブデン)」が注目されている。農研機構・九州沖縄農業研究センターが開発した技術で、モリブデンが苗立ち不良の原因となる硫化物イオンの生成を抑制。土中に播種しても苗立ちが安定する。今年から資材が販売され、宮城県の69ヘクタールをはじめ全国で普及している。実証試験を含め2012年から導入する佐賀県上峰町の上峰町直播研究会第2直播機械利用組合を取材し、べんモリ直播のポイントを聞いた。

(9面・営農技術)

〈写真:べんモリ直播したヒヨクモチの圃場で、吉富さん(左)と組合員の後藤道夫さん(66)。生育は上々だ〉

18年産以降の生産調整見直しで意見交換会 米の展望開く仕組み急げ(2面・総合)【2016年11月1週号】

 2018年産からの米の生産調整の見直しを控え、生産者や生産者団体主導で米の需給調整を実現する環境整備が大きな課題となる中、JA全中は10月27日、東京都内で与党の米政策責任者らとの意見交換会を開いた。JAグループからは、需要に応じた生産への強化方針とともに、需給安定を担保する政策的な支援の充実などを要望した。米の需給は、2年連続の超過作付け解消で安定傾向に向かっている。ただ、生産現場では18年産からは「生産調整廃止」との誤解もあり、先行き不安が根強い。持続可能な水田農業の確立は、農村社会の維持・発展に欠かせない。中山間地域を含め、農家が安心して経営継続できる体制づくりを急ぐ必要がある。

(2面・総合)

地域一丸でサル対策 大型捕獲おり設置【広島県・11月1週号】

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 【広島支局】サルの農作物被害を防ごうと、広島市佐伯区湯来町では今年3月、下(しも)地区と白砂(しらさご)地区にサル用の大型捕獲おりを設置した。防護柵や、ロケット花火・煙火による山への追い上げに加えた対策として、有効性を検証しつつ総合的なサル対策を進める地域の取り組みを聞いた。

〈写真:「これから冬にかけてもみんなで対策を続けるぞ」と左から林勝利さん、加藤さん、大前和志さん、上田穂積さん〉

メロン養液ポット耕栽培 省力化に手応え【静岡県・11月1週号】

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 【静岡支局】「今までの土耕栽培よりは省力化であることを伝えたい」と話すのは、2015年5月から(株)大和コンピューター、地元企業、JA、行政などの協力を得てポット耕によるメロン養液栽培を始めた袋井市の近藤稔さん(74)。

〈写真:メロンを手に養液栽培の説明をする近藤さん〉

「ほしキラリ」などで7種類の干し芋【新潟県・11月1週号】

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 【新潟支局】家業の農業を継ぐため、2010年に就農した南魚沼市大木六の荒川治美さん(31)。「ほしキラリ」など7種類を自家栽培し、秋から冬にかけて、干し芋作りに取り組み、販売している。

〈写真:収穫したサツマイモと治美さん〉

ギョウジャニンニクを若者にPR【群馬県・11月1週号】

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 【群馬支局】希少価値があり"幻の山菜"といわれているギョウジャニンニクを栽培する、中之条町上沢渡の山本晶久(てるひさ)さん(81)。45アールで栽培し、道の駅やJAなどに出荷している。

〈写真:ギョウシャニンニクを栽培している山本さん〉

地場産米でおかゆ 米の甘味生かして【福井県・11月1週号】

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 【福井支局】地場産米でおかゆを製造・販売する大野市森政領家の上田瑠衣(るい)さん(31)は、「水とお米だけで作った白がゆは、米の甘味だけで何も入れなくてもおいしいです」と話す。

〈写真:上田さんが手掛ける加工品〉

シソをもっと食卓に【宮城県・11月1週号】

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 【宮城支局】自家産シソの加工品を手掛ける美里町小牛田の「スカイラーク・アワノ(粟野敏夫代表・38歳)」では今春、シソを乾燥させた「大葉茶」を発売。シソ本来の色や香りが手軽に楽しめ、さまざまな料理に用いることができると人気を得ている。

〈写真:大葉茶などの加工品〉

防風林「作出した品種を自由に栽培できる権利【2016年11月1週号】」

 ▼果樹農家の園地を訪ねると、果樹の枝に何本ものリボンが結ばれているのを目にする。他品種や変わり枝を接いだ目印。そんな個人育種家が努力を重ねても、新規品種が作出できるのはごくわずか。
 ▼2015年度に品種登録された作目のうち個人での育種は27%で、種苗会社の53%に次ぐ。果樹のみでは個人の出願登録が42%と約半数。水稲は企業育成の「みつひかり」の作付けが増えているが、国や都道府県による登録が8割以上だ。
 ▼政府の規制改革推進会議は、資材価格引き下げに向けた施策の基本方向の一つとして、主要農作物種子法の廃止を挙げた。同法により国・県の開発品種が産地品種銘柄で優先される傾向が強く、民間の品種開発意欲を阻害しているとした。農産物検査法改正で選択銘柄が追加されたものの、銘柄指定されない品種は検査を受けても特定が不能のため、品種名を表示し販売できず導入の壁となっている。
 ▼祖先が育成した酒米品種が何十年も前に栽培が途絶え、それを地元で復活させた農家はこの壁によって、再指定されるまで酒瓶に品種名を表示できなかった。「品種は栽培されることで名が残り、それが誇りだ」とある育種家。「その他の品種」では開発意欲もでまい。
 ▼農家の栽培作物の品種選択は権利であり生命線のはず。特に小規模経営でも特徴ある品種を栽培することで生き残りにつながる可能性もある。そこに規制があっては農家や地域の活力は失われる。

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