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今週のヘッドライン: 2016年12月 1週号

食肉処理施設を運営 捕獲鳥獣をジビエに ―― 鹿児島県・阿久根市有害鳥獣捕獲協会(1面)【2016年12月1週号】

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 鹿児島県阿久根市鶴川内の一般社団法人阿久根市有害鳥獣捕獲協会は、捕獲した鳥獣をジビエ(野生鳥獣肉)として有効活用しようと、食肉処理施設「いかくら阿久根」を運営。昨年度のイノシシとシカの捕獲頭数は1184頭と、施設利用前と比べ2倍以上に増加し、捕獲鳥獣の9割以上が搬入されている。法人が施工費を全額負担する一方、施設を利用すると、市が1頭当たり2万9千円を支援する仕組みを確立。食肉利用の意識が高まり、わな猟が96%を占め、餌のサツマイモは法人が無償で提供する。成果主義ともいえる手法が捕獲隊員のやる気を高め、農作物被害の減少につながっている。

(1面)

〈写真上:施設に持ち込まれた鳥獣は、専任者が解体処理する〉
〈写真下:かんきつの園地で箱わなを仕掛ける荒木さん〉

NOSAI事業推進大会開く 機能発揮へ新たな決意(1面)【2016年12月1週号】

 NOSAI全国(全国農業共済協会、髙橋博会長)は11月21日、東京都文京区で「NOSAI事業推進大会」を開催した。自然災害の多発傾向を受け、共済金の早期支払いを通じた被災農家への経営再開支援はもとより、損害防止活動などを通じて地域農業の発展に一層貢献していくことなどを確認。政府・与党が収入保険制度の導入とNOSAI(農業共済)制度の見直しを検討する中、(1)収入保険制度の実施主体になるべく全国組織を創設する(2)NOSAI制度のセーフティーネット機能が十全に発揮できるよう農家のNOSAIへの結集に万全を期す――とした特別決議も採択した。大会に出席した礒崎陽輔農林水産副大臣は、「『備えあれば憂いなし』の農業生産体制を構築していくために、両制度の加入を促進していく」と強調した。

(1面)

TPP漂流決定的に トランプ氏、脱退を明言(2面・総合)【2016年12月1週号】

 米次期大統領のトランプ氏は11月21日、ビデオ声明で環太平洋連携協定(TPP)からの脱退を明言した。米国の承認は発効条件であり、TPPの漂流は確実な情勢となった。ただ、TPPを成長戦略の柱にする安倍政権は、「トランプ氏に翻意を促す」「保護主義の台頭に対抗する」などとして今臨時国会での批准方針に固執。多くの国民に疑問・不信が広がる。さらに、トランプ氏が2国間での貿易交渉への転換を掲げる中、自由貿易推進の重要性のみを強調し続ける日本政府の姿勢は、日米自由貿易協定(FTA)交渉の呼び水になると懸念する声も上がる。TPPの現状を直視し、国民の暮らしを守り、農業・農村の持続可能性が確保できる通商戦略の立て直しが求められる。

(2面・総合)

収入保険制度等の有識者会議 正確な情報提供求める声(2面・総合)【2016年12月1週号】

 農林水産省は11月22日、「収入保険制度の検討等に関する有識者会議」の第3回会合を開き、収入保険制度の導入とNOSAI制度の見直しにかかる論点整理案について意見交換を行った。収入保険制度は、1年分の青色申告実績で加入を認める仕組みを評価する声が上がり、農家が制度内容を十分理解した上で選択できるよう正確な情報提供の必要性を強調する意見が出た。同省は、関連法案を来年の通常国会に提出し、2019年産(加入申請は18年秋)からの実施を目指す方針で、詳細な制度設計を急ぐ。

(2面・総合)

岐阜県・NOSAI岐阜中央、NOSAI西濃 ―― 損害評価員や地域の役など兼務 信頼と責任を背に(5面・NOSAI)【2016年12月1週号】

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 共済部長(NOSAI部長)は、NOSAI制度の円滑な運営と地域農業を支える役割を担っている。損害評価員を兼務することも多く、共済金の早期支払いに向けて努力する。農家の高齢化などによって、担い手への農地集約化や規模拡大が進む一方で、農地の宅地化など農業を取り巻く環境は変化している。このような状況下で、地域農業を支える責任と、組合員からの信頼を背負いながらNOSAI制度の加入推進を図る岐阜県内の二つのNOSAI組合で活躍する共済部長を取材した。

(5面・NOSAI)

〈写真上:NOSAI職員から広報紙を受け取る椙下さん(左)〉
〈写真下:NOSAI職員と生育状況などを話し合う渡邉さん(右)〉

2016年度 全国優良畜産経営管理技術発表会 足腰強い経営を実践(9面・営農技術)【2016年12月1週号】

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 中央畜産会は22日、東京都港区で2016年度「全国優良畜産経営管理技術発表会」を開いた。全国の先進事例から選考した8事例を発表し、最優秀賞4事例、優秀賞4事例が決まった。最優秀賞を受賞した酪農と肉用牛繁殖の経営概要を紹介する。

(9面・営農技術)

〈写真右:千葉県いすみ市の髙秀牧場・髙橋代表〉
〈写真左:鹿児島県霧島市の玉牧場・久留須代表〉

2世代で家族経営協定を締結/仕事も休みも充実 ―― 大分県豊後高田市・和泉農園(3面・暮らし)【2016年12月1週号】

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 大分県豊後高田市呉崎でブドウ1.8ヘクタールなどを栽培する「和泉農園」の和泉宮之さん(73)・やす子さん(67)夫妻と次男夫妻は、2世代で家族経営協定を締結。労働時間や毎月の給与などについて取り決め、余裕を持って働ける環境を整える。後継者への円滑な経営移譲にもつながり、経営から手が離れた夫妻は農家民宿での食育などに本格的に取り組むなど活動をさらに充実させている。

(3面・暮らし)

〈写真:子育てや私生活とも両立させながら、親子2世帯で営農する和泉さん一家(左から宮之さん、やす子さん、陣さん。右端が朋子さん)〉

「市場」と「直販」通じ全量出荷 良品を即発送信頼勝ち取る ―― 千葉県旭市・渡辺マッシュルームハウス(6面・流通)【2016年12月1週号】

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 千葉県旭市の渡辺マッシュルームハウス(渡辺俊之代表、52歳)では、延べ約40坪分の菌床を育てられる菌舎(8棟)でホワイトマッシュルームを通年で40作し、年間約1億円を売り上げる。近隣の同業農家3戸と構成する水郷マッシュルーム組合を通じて総出荷量の9割を市場に出荷。残り1割は独自に地元の道の駅や東京都内のレストランに直販する。受注後の素早い発送や品質が高い評価を受け、顧客から新たな取引先を紹介されるなど販路を拡大。現在は菌舎を3棟建設中で、切れ間のない市場出荷と直販量増で売り上げ2割増を目指している。

(6面・流通)

〈写真:マッシュルームの成長を確認する渡辺さん〉

こんにゃくを若者や世界に発信【群馬県・12月1週号】

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 【群馬支局】「一番大切にしているのは、手作りだからこそ出せる食感です」と話すのは、沼田市東原新町の遠藤春奈さん。自家産のコンニャクイモを使って手作業でさまざまなこんにゃくを製造し、デザートなど新たな食べ方を研究している。

〈写真:こんにゃく加工場。手作業で製造する〉

コチョウラン 独自品種に思い込め【愛知県・12月1週号】

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 【愛知支局】「他にないやり方を追求していきたい」と話す森田佳行さん(40)は、豊橋市で洋ランの一種・コチョウランを生産している。他の農家とは異なり、すべてオリジナル品種。定番のものに加え、新たに交配したものなど、毎年20種類以上の品種を栽培、販売している。

〈写真:発芽した苗の入ったフラスコを手に佳行さん〉

レンコン 獣害逆手にネーミング【茨城県・12月1週号】

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 【茨城支局】行方市で両親、祖母と共にレンコンを約4ヘクタール栽培する高橋勇希さん(26)。近年、レンコン産地ではカルガモなどによる鳥害が問題となっている。高橋さん方で作るレンコンは、「カルガモレンコン」として出荷。「カルガモも食べるおいしさ」という問題を逆手にとったユニークなネーミングを中卸業者の社長が考えてくれたという。

〈写真:「おいしいレンコン作りを追求したい」と話す高橋さん〉

リンゴ園内にカフェ 旬を伝える場に【岩手県・12月1週号】

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 【岩手支局】自家産の果物を使用したメニューや、リンゴ畑から一望できる壮大な眺めが人気の「mi cafe(ミ カフェ)」を経営する盛岡市黒川の松本正勝(まつもとまさかつ)さん(57)、直子(なおこ)さん(54)夫妻。規格外のリンゴを有効に活用するだけでなく、時期に合わせてメニューに使用する品種を変えるなど「農産物の『旬』」を消費者に伝えている。

〈写真:店の看板の下で松本さん夫妻〉

牛舎にカメラ設置 分娩時の監視が楽に【山口県・12月1週号】

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 【山形支局】岩国市美和町の末廣定(すえひろさざめ)さん(80)は、牛舎にカメラを取り付け、分娩(ぶんべん)の様子が自宅でも確認できるようになり、分娩時の事故を未然に防いでいる。

〈写真:カメラの付いた牛舎で末廣さん。「息子のおかげですね」と話す〉

採卵鶏に飼料用米を給餌【大分県・12月1週号】

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 【大分支局】成鶏約15万羽を飼養する日出町の有限会社鈴木養鶏場では、トウモロコシの代替として飼料用米を与えている。代表取締役会長の鈴木明久さん(72)は、「飼料米の方が鶏の嗜好(しこう)性がよい」と話す。

〈写真:「鶏の食い込みも良好」と鈴木さん〉

防風林「地に根づく野菜は活性化の原動力になる【2016年12月1週号】」

 ▼山陰地方の海岸沿いの地域では、浜辺で自生するハマダイコン(浜大根)を地元特産野菜としてブランド化に力を入れているという。このハマダイコンが東京の中心部、しかも皇居外苑の堀端、桜田門から半蔵門にかけての街路樹下周辺に自生しているという。本紙の「ズバリ直言」筆者で、江戸・東京野菜に詳しい大竹道茂さんから教えていただいた。
 ▼徳川家康が江戸を拠点にしたころの約400年前、大手門や日比谷門から現在の銀座や日本橋方面は、見渡す限りの海原だった。埋め立てによって武家屋敷や町屋を形成。潮の香りのする浜辺が自生地だったよう。
 ▼交通の往来が激しい現在のこの場所でなぜ種を継承できたのか? 桜田濠の両岸は石垣ではなく土塁。種子が定着し風に運ばれ根付いたのでは...と大竹さんは考える。外苑地区は環境省で植物の採取を禁止しているため禁断の野菜といえるかも。
 ▼ハマダイコンは広範囲な地域の海岸で自生し、4~6月に薄紫色の花を付け、果実を調理し食すほか根茎はそばなどの辛味に用いられる。一般的には、昔の栽培種のダイコンが野生化したとされてきたものの、近年の遺伝子比較から、海外原産の野生種がはるか大昔に何らかの伝播経路を経て、渡来し根付いたとの説も。
 ▼神奈川県鎌倉市には疫病を地大根で多くの住民が救われたとの伝承が残る。自生するハマダイコンだったのでは...と、特産化に向け始動した。物語性に満ちた野菜種は住民活性化の原動力につながる。

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