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今週のヘッドライン: 2016年12月 2週号

新たな「農業改革方針」 向上するか農業所得(1面)【2016年12月2週号】

 政府は11月29日、新たな農業改革方針「農業競争力強化プログラム」を正式に決定した。JA全農改革を含む生産資材価格の引き下げや流通・加工の構造改革など、環太平洋連携協定(TPP)発効を念頭に検討してきた中期対策に、指定生乳生産者団体制度の見直しを柱とする生乳の改革を加えた計13項目について、今後の展開方向を示したもの。「収入保険制度の導入」も重要項目として盛り込まれた。政府は来年度予算編成に反映するとともに、関連法案を来年の通常国会に提出する方針だ。国内農業生産基盤の立て直しが急務となる中、生産現場の理解・納得を大前提に農家が展望を持てる環境づくりを丁寧・確実に進めていく必要がある。

(1面)

2017年産米の生産数量目標は735万トン(2面・総合)【2016年12月2週号】

 農林水産省は11月28日、2017年産米の全国の生産数量目標を16年産比8万トン減の735万トンに設定した。毎年8万トン程度需要量が減少している状況を踏まえた。「自主的取組参考値」は、さらに2万トン深掘りした733万トンとし、ともに都道府県別に配分した。米の需給は、15年産から2年連続で主食用米の超過作付けが解消されたことから、一定の改善が図られている。ただ、米価上昇に伴う消費減退も懸念されており、官民挙げた消費拡大策の強化が求められる。また、国による生産数量目標の配分は17年産が最後となる。18年産から始まる生産者・生産者団体主導での需給調整体制に円滑に移行できる環境整備を急ぐ必要がある。

(2面・総合)

畑作物の直払単価改定 大豆2割下げ(2面・総合)【2016年12月2週号】

 農林水産省は11月28日、畑作物の直接支払交付金(ゲタ対策)の数量単価を改定した。適用期間は2017年産から3年間で、平均交付単価は表の通り。特に大豆は現行に比べ、60キロ当たり2620円安の9040円となった。販売価格の上昇などを踏まえたものだが、2割を超える単価引き下げに、一部からは17年産以降の生産への影響を心配する声もある。

(2面・総合)

家畜共済・一層の経営安定に向けて/制度見直しを検討(5面・NOSAI)【2016年12月2週号】

 地域の畜産・酪農経営を支える家畜共済。家畜の死廃事故の際に共済金を支払うだけでなく、NOSAI獣医師は日々、家畜飼養農家を訪ね、家畜の治療や、病気を未然に防ぐ損害防止活動などに汗をかいている。また、政府・与党は、収入保険制度の導入に併せて、NOSAI制度の見直しも予定する。家畜共済の仕組みや、検討される制度見直しの内容を共子さんが済太郎くんに聞いた。

(5面・NOSAI)

バラとハーブ/無料の庭園に年間3万人 ローズウォーターなど人気 ―― 鹿児島県鹿屋市・ダマスクの風(8面・流通)【2016年12月2週号】

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 「女性を集客できる店作りを心掛けています。スタッフにも、なるべくおしゃれをするようにと言っています」と門倉美博さん(68)。鹿児島県鹿屋市小薄町で「香りの女王」といわれるバラ「ダマスクローズ」や100種類以上のハーブを育てる庭園やカフェ「ダマスクの風」を開設し、園長を務める。園内では生のハーブを使ったハーブティーや、ローズを使ったソフトクリームを来園者に提供する。手で摘み取ったバラを蒸留抽出する「ローズウォーター」も作り、化粧品などの原材料として販売する。一年を通してさまざまな花が咲く庭園は、無料で開放。年間3万人以上が訪れ、花々を楽しんでいる。

(8面・流通)

〈写真:バラ園に立つ「ダマスクの風」のメンバー。左から有馬さん、門倉さん、西尾取締役)〉

里山ならではの米作り+養鶏 地域資源を生かす ―― 富山県富山市・有限会社土遊野(11面・営農技術)【2016年12月2週号】

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 富山市土〈ど〉の中山間地域を中心に水稲18ヘクタールと養鶏千羽の複合経営を行う有限会社土遊野〈どゆうの〉は、地域資源を土作りに生かした営農を行い、輸入資材などに依存しない持続的な農業経営を図る。90枚の棚田計9ヘクタールで栽培する主食用米は市販の肥料や土壌改良材を使わず、自社製の鶏ふん、地域で発生する規格外の大豆や米ぬかを配合した自家製ペレット肥料を利用して費用削減にもなっている。採卵鶏の餌も自社産の飼料用米や地元で購入する規格外の大豆・麦などが主体。中山間地域の環境や資源を活用した農業の意義を販売先に伝え、付加価値にもつなげる。

(11面・営農技術)

〈写真上:自家製ペレット肥料〉
〈写真下:「豊かな自然を育む中山間地域だからこそ、できる農業がある」と河上代表〉

和牛繁殖 より良い牛飼いへ努力【宮崎県・12月2週号】

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 【宮崎支局】熊本市内の大学を卒業後、名古屋市の航空宇宙分野の設計開発などを手掛ける会社勤務を経て、2014年に新規就農した小林市堤の新田泰佑さん(30)。就農当初の苦労を、持ち前の探求心と向上心で乗り越え、より良い牛飼いになるために努力する毎日だ。
 黒毛和種繁殖牛24頭を一人で飼養する新田さんは「胸腺スコア」に着目。子牛の頸部(けいぶ)胸腺の大きさから、おおよその免疫力を0~3に数値化したもので、数値が大きいほど免疫力が高いといわれている。測定当初1だった数値が、現在では3になり、子牛の病気が目に見えて減少している。

〈写真:「牛が好きで好きで仕方ない」と新田さん〉

大浦ごぼう 成田山新勝寺へ奉納【千葉県・12月2週号】

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 【千葉支局】「先代が苦労を重ねて守り続けてきた『大浦ごぼう』を守り続け、後世に伝えていくのが役目だと思います」と話す匝瑳市大浦地区の椎名晴子さん(71)。息子の大輔さん(42)と共に、同地区に伝わる伝統野菜の大浦ごぼうを10アール栽培している。
 このゴボウを毎年1500本以上、成田山新勝寺へ奉納。精進料理の材料として利用される。

〈写真:「ねじれは良いけど、もう少し大きくならないと」と晴子さん〉

トンブリ 地元小学校で料理紹介【秋田県・12月2週号】

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 【秋田支局】トンブリを栽培する大館市比内町独鈷(とっこ)の株式会社秋田ハガイチオ(羽賀一雄代表取締役、64歳)。代表の羽賀さんは地元JAのトンブリ生産組合の組合長も務め、毎年、地元小学校を訪問しては、〝畑のキャビア〟として知られる伝統野菜を伝える活動も行う。
 同社では、トンブリ3ヘクタールの他、水稲1ヘクタールを作付けする。2013年からは羽賀さんの妻・みつ子さん(61)と共に、トンブリの面積拡大に乗り出し、当時1.5ヘクタールの作付けから2倍の規模に拡大した。

〈写真:面積拡大にも意欲的で、現在3ヘクタールに作付けしている〉

霊芝を露地栽培【鳥取県・12月2週号】

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 【鳥取支局】全国的にも珍しい霊芝(レイシ)の露地栽培に取り組んでいる米子市の山垣農園(山垣博之代表=47歳)。霊芝は原木での栽培方法は確立されているが、露地での栽培は非常に珍しい。山垣代表の友人・松本潤美さん(米子市)の、キノコの生育に最適な土壌条件を満たす堆肥作りで特許を取得した「茸の露地栽培方法」を用いている。

〈写真:霊芝を露地栽培する山垣代表〉

リンゴ、モモの加工品を良品生産【福島県・12月2週号】

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 【福島支局】果樹と水稲などの複合経営を行う白河市東上野出島の北條農園では、5年前から自家産リンゴとモモを使った飴(あめ)を製造・販売し、昨年は果汁100%のリンゴジュース4種類、モモジュース2種類の商品化に成功するなど、6次化商品の開発にも力が入る。
 代表の北條雄三(かずみ)さん(59)は、「試行錯誤して作ったリンゴのケーキやパイも、市内のカフェや観光施設、直売所、JA直売所で販売しています」とアピールする。

〈写真:商品を手に北條さん夫妻〉

一重の食用ギク 地域の食文化に【新潟県・12月2週号】

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 【新潟支局】新発田地域の在来作物である一重の食用ギクを地域の食文化にしようと、新発田市上三光の小柳繁さん(64)と同市中曽根町の池田華織さん(44)は、2013年に「一重菊@花嫁プロジェクト」を立ち上げた。
 一重菊は昔から同地域に咲いていたが、名前が付いていなかった。小柳さんらは、このキクが母から嫁ぐ娘へ代々伝えられてきたことと、新発田市出身の画家である蕗谷虹児(ふきやこうじ)の「花嫁御寮」から「花嫁」と名づけて商標登録した。

〈写真:一重の食用ギク「花嫁」〉

防風林「活水やその後の利用は長期展望をもって【2016年12月2週号】」

 ▼山梨県の甲府盆地を流れる釜無川はかつて、山間からの御勅使(みだい)川との合流点で激流が発生、たびたび氾濫し農地を押し流していた。領民救済のため堤防造りを指示したのが、戦国武将・武田信玄とされる。
 ▼強固な護岸堤防ではなく、御勅使川を分水したほか、合流点に巨石を置いて水勢を弱め下流に導く。杭(くい)を組んだ「聖牛」を何カ所にも設置して流れを包み込んで水勢を抑える方法も。現在でも、当時の技法を受け継いでいるのが有名な「信玄堤」だ。
 ▼四方が山の甲斐国は軽石土壌のやせた農地が多く、洪水による農作物の減収は国力にも影響するため深刻。加藤清正の熊本や豊臣秀吉の大坂、徳川家康の江戸は、川の流れを変え海を埋め城と都市を築く「治水」により、国土整備と繁栄をねらった。
 ▼江戸は川と堀が何本も走り、河岸や堀端は荷揚げ場として米・野菜・魚介類で満たされた。昭和初頭の築地移転後は「都民の台所」と親しまれ、高級料理屋からも「新鮮な江戸前や近郷物が手に入る」と重宝がられた。施設は老朽化し、干拓地・豊洲移転計画の決定は2001年のこと。
 ▼だが、予定地の土壌から有害物質が検出され移転は棚上げ。盛土で対応するはずが、計画にない空洞の底水から有害物質の再検出で暗礁にのる。治水で国土を築いた先人に対し、近代の干拓造成や利用には、諫早湾水門の対応を含め課題が多い。土木技術の向上と長期展望なき開発の裏で、豪雨の度に発生する水害さえ防げないのが現実だ。

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