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今週のヘッドライン: 2016年12月 3週号

台風10号で豪雨被害 畜産継続を諦めない ―― 岩手県岩泉町・合砂哲士さん(29)(1面)【2016年12月3週号】

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 「来年以降、牧草の確保が不安だ。いったん頭数を減らせば、元に戻すには時間がかかる。購入してでも頭数は維持したい」と、岩手県岩泉町安家〈あっか〉の和牛繁殖農家・合砂(あいしゃ)哲士さん(29)は話す。短角牛の生産や酪農が盛んな岩泉町を8月、台風10号に伴う豪雨が襲った。河川の氾濫による被害で、今も復旧作業が続く。牛舎や農地、農機に被害を受けた畜産農家も多く、来年以降の営農継続に不安が残る。基幹産業である畜産の再興には、継続的な支援が欠かせない。

(1面)

〈写真:土砂が流入した採草地で哲士さん。復旧のめどは立たない〉

国会がTPPを承認/発効見えず 熟議ないまま(1面)【2016年12月3週号】

 環太平洋連携協定(TPP)承認案と関連法案が9日、参院本会議で与党と日本維新の会などの賛成多数で可決、成立した。ただ、トランプ米次期大統領が脱退方針を明言し、発効が絶望的となる中、国会審議も十分に深まらないまま終了した。国民の疑問・懸念の払拭〈ふっしょく〉は依然、大きな課題となっている。

(1面)

畜産物価格決定へヤマ場 意欲喚起する水準を(2面・総合)【2016年12月3週号】

 2017年度畜産物政策価格の決定に向けた政府・自民党の議論がヤマ場を迎えている。焦点は、液状乳製品を含めた新たな算定方式の導入初年度となる加工原料乳生産者補給金の単価。離農の増加や飼養頭数の減少など酪農生産基盤の危機的な状況が続く中、酪農経営の実情を十分に反映し、営農意欲の向上につながる水準の確保が求められる。また、肉用牛は、子牛価格が過去最高水準にあり、肥育経営の収益性悪化が懸念され、乳用後継牛の確保にも影響を及ぼしている。世界人口の増加や新興国の経済発展に伴い、中国を中心に畜産物の消費・輸入の拡大が見込まれている。安全・安心な国産畜産物の安定供給を図るためにも、国内の生産基盤振興策を充実・強化する必要がある。

(2面・総合)

米作り、ヤマメ養殖、林道整備 農林漁3本柱で集落を守る ―― 鳥取県八頭町・農事組合法人麻生農園(3面・暮らし)【2016年12月3週号】

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 「集落を守らんといかん、ただその思いで組合員みんなが同じ方向へ動いている」と話す岡垣健児さん(71)は、豊かな緑に囲まれた鳥取県八頭町で、集落営農組織を立ち上げ、農事組合法人麻生農園の代表理事組合長を務め、地域内の放棄地発生防止や景観保持活動に取り組んでいる。地域内でヤマメを養殖する漁業生産組合の代表も担うほか、林道整備にも関わり、農・林・漁を地域資源とした地域づくりに力を入れている。

(3面・暮らし)

〈写真:地元小学生のもち米作りの場となった圃場で岡垣さん。「作るだけではなく、地域住民とつながる活動は大切だ」〉

富有柿発祥の地で担い手が「産地連携商品」 ―― 岐阜県瑞穂市・せっきーファーム(10面・流通)【2016年12月3週号】

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 甘柿の代表品種「富有(ふゆう)」発祥の地とされる岐阜県瑞穂市で、柿の生産・販売に取り組む「せっきーファーム」の関谷英樹代表(37)は、JA出荷のほか「ギフト専門観光農園」や「ハロウィン柿」、県内他産地とのコラボレーションなど、多彩なアイデアを展開して消費者とつながり、売り上げを伸ばしている。直接販売では、品質やサイズなどに応じた6商品をラインナップ。柿農家の高齢化が進む産地を盛り上げる担い手として活躍する。

(10面・流通)

〈写真:柿を模したかぶり物で「カッキーマン」に変身した関谷代表。「常識にとらわれない発想で発祥の地をPRしたい」〉

稲こうじ病 適期見極め薬剤散布を(11面・営農技術)【12月3週号】

 稲穂のもみに暗緑色の小さい塊ができる稲こうじ病。農産物検査では、病粒が一粒でも混入すると規格外となるため、多発すると農家の経済的損失は大きい。近年は全国的に発生が顕著で、4月には農林水産省が稲こうじ病菌を指定有害植物に指定し、発生予察調査の対象としている。稲こうじ病は土壌伝染性の病害で、土壌中の菌量が多かったり、出穂前30日間に降雨が続くと、発生リスクが高まる。出穂21~10日前の銅剤散布が効果的だが、防除適期が短いことも難点だ。特に多発圃場を抱える農家は来年産に備えて、今から薬剤の準備を進めてほしい。

(11面・営農技術)

16年産水稲の作況「103」で確定(2面・総合)【2016年12月3週号】

 農林水産省は2日、2016年産水稲の全国の作況指数は103の「やや良」で確定したと発表。全国的な好天で、茨城と沖縄を除く45都道府県で100以上となり、全国の10アール当たり収量は前年産比13キロ増の544キロとなった。

(2面・総合)

防風林「感染防止にさらなる注意が必要【2016年12月3週号】」

 ▼来年の干支〈えと〉が酉〈とり〉年という年の瀬に、高病原性鳥インフルエンザの感染が青森や新潟の飼育場で確認され、各県の防疫担当者らによる連日の畜舎消毒や約56万羽におよぶ殺処分作業が実施された。
 ▼韓国では以前から猛威にさらされ、国内に渡り鳥の飛来が増える冬期の警戒が叫ばれていた。空に壁を築けるわけもなく、養鶏農家などには、飼育舎の野鳥侵入防止の強化や衛生管理の徹底などが求められよう。
 ▼口蹄疫など過去に国内で発生した家畜伝染病の報道を通じて共通なのが、(1)二次感染防止に向け徹底した防疫体制(2)家畜飼育農家によるリスクマネジメント意識の重要性(3)行政や研究機関が行う詳細な感染ルートの解明(4)発生農場への風評被害防止の配慮――などだ。
 ▼感染症の専門家がかつて講演で「『あり得ないことはない』がリスク管理の出発点。情報を共有するリスクコミュニケーションが蔓延〈まんえん〉防止につながる」と強調した。日本人は渡り鳥の飛来を心待ちにして歌に詠んだり、江戸期には特徴ある在来鶏や鳴き声を楽しむ観賞用鶏の飼育がはやったりし、鶏と密接な関係だった。伝染病はそんな伝統的な種を絶やす恐れもあるため、用心に越したことはない。
 ▼クリスマスや正月など需要期前の報道で風評を招き、消費が低迷しないか心配。朝食の卵かけご飯や弁当の卵焼き、チョイ呑〈の〉み屋の串焼き、と現代人も朝から晩まで密接な人も多そう。消費拡大のため今夜も街に出動しようか。

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