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今週のヘッドライン: 2017年02月 2週号

よりどり500品種栽培 女性は地域の主役へ ―― 三重県鈴鹿市・近藤啓子さん(1面)【2017年2月2週号】

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 三重県鈴鹿市伊船町の近藤啓子さん(57)は、農家女性で構成する「近藤けいこNatural Vegetable(ナチュラル ベジタブル)」の代表として、年間500品種以上の季節野菜を栽培する。近藤代表とともに汗を流すのは野菜作りに魅了された女性たち。子育てや高齢者介護などそれぞれの家庭の都合を尊重し合いながら、ゆとりをもって働ける環境を整えてきた。品種ごとに最適な調理方法をみんなで考案するなど、女性ならではの感性を生かした工夫を実践。形や大きさ、色など細かい注文にも丁寧に対応して飲食店のシェフから信頼を集めている。女性のチームワークを強みに、支え合いながら営農に励んでいる。

(1面)

〈写真:笑い声でいっぱいの洗い場。収穫した野菜を洗いながらも、みんな笑顔だ〉

2015年の農作業死亡事故件数は338件 65歳以上の発生が8割超(2面・総合)【2017年2月2週号】

 農林水産省は6日、2015年の農作業死亡事故は前年比12件減の338件となったと発表した。3年ぶりに微減となった。ただ、建設業など他産業に比べて発生率は格段に高く、65歳以上の発生割合が8割を超え、農業機械作業にかかる事故が6割強を占めるなど事故の傾向も改善が見られない。同省は3~5月を重点期間に春の農作業安全確認運動を実施する。死亡事故ゼロへ、"声かけ"をキーワードに注意喚起を促す予定だ。ひとたび事故が起これば、本人だけでなく、家族を悲しませ、営農継続にも大きな影響を与える可能性がある。安全対策の確認・徹底を基本に、農家はもとより関係機関が連携し、事故発生を防ぐ実効性のある取り組みを強化する必要がある。

(2面・総合)

直近5年で420件発生 照明器具の火災を防ごう(3面・暮らし)【2017年2月2週号】

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 私たちの暮らしに欠かせない照明器具が原因となる火災が増えている。2〜3月は全国的に空気が乾燥しやすく、強風が吹きやすい時期。何気なく使っている照明器具の過熱などが火元となって、自宅やその周辺を巻き込む大規模火災につながることはあってはならない。春作業に向けた農業機械などの点検に併せて、住宅や倉庫の照明器具を確認し「思わぬところのまさかの火災」を未然に防ぎたい。独立行政法人製品評価技術基盤機構(NITE〈ナイト〉)製品安全センターの吉津兼人さんに、照明器具の使用時に気を付けるポイントを解説してもらった。

(3面・暮らし)

〈図:製品別・年度別火災事故件数〉

明日のNOSAI私の期待(14) 災害への備えは必須 ―― 北海道今金町・末藤春義さん(5面・NOSAI)【2017年2月2週号】

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 米や畑作物の生産が盛んな北海道今金町。農事組合法人「ぴりかファーム」は従業員など11人を通年雇用し、水稲28ヘクタール、畑作物92ヘクタールなどを作付ける。高齢化が進む地域の農地を担うぴりかファームの末藤春義代表(67)に、政府が導入を予定する収入保険制度やNOSAI制度などについて意見を聞いた。

(5面・NOSAI)

〈写真:台風で倒壊したハウスの骨材を直す末藤代表〉

大玉・中玉トマトの糖度異なる4商品 栽培分け多様なニーズに対応 ―― 新潟市・株式会社曽我農園(8面・流通)【2017年2月2週号】

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 「ターゲットとなる消費者を明確にした販売が重要」と曽我新一さん(38)。ハウストマト68アールを手掛ける新潟市北区木崎の株式会社曽我農園代表を務める。看板商品は糖度を9~10度に仕上げた「金筋トマト」。ファースト系の大玉品種を使い、贈答向けに1.2キロ入り3千円で自営の直売所で販売する。一方、同じ品種で糖度を6~7度に抑えた「恋玉」も栽培し、試食を通して好みの味を選んでもらう。中玉トマトも高糖度品を「蜜星」として直販、糖度を6度に抑えたものは量販店に卸す。ブランド名は商標登録している。高級品と大衆品を作り分けて販売し、多様なニーズに応えている。

(8面・流通)

〈写真:自営の直売所でトマトを陳列する曽我代表〉

ミニトマト 計測データに基づき生産管理 ―― 愛知県豊橋市・あまえぎみ研究会(9面・営農技術)【2017年2月2週号】

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 高糖度なミニトマトを養液栽培する愛知県豊橋市野依町のJA豊橋ミニトマト部会「あまえぎみ研究会」は、データに基づく生産管理により"勘に頼る農業からの脱却"を目指す。部会員29人全員が園芸施設にセンサーを設置し、毎日の室温や日射量などを記録。月1回の圃場巡回で生育を確認し、数値と照らし合わせて課題を共有する。毎回の出荷前は糖度を記帳し、週1回は出荷前に品種ごとの色みを確認して品質の安定を図る。部会員の半数は、設定数値に合わせて自動で天窓・側窓の開閉や暖房装置の起動などを行う環境制御システムも導入。最適な肥培管理を徹底し、高品質を維持しつつ増収を図る。

(9面・営農技術)

〈写真:「こまめに記録を取り、分析していくことがポイント」と金子さん〉

韓国で口蹄疫発生 防疫対策の徹底呼び掛け(2面・総合)【2017年2月2週号】

 韓国で約10カ月ぶりに口蹄疫(O型)の発生が確認されたことを受け、農林水産省は国内の畜産農家など関係者に最大限に警戒するよう呼び掛けている。
 韓国の農林畜産食品部は5日、忠清北道報恩郡の乳用牛飼育農場(195頭、O型)で口蹄疫の感染を確認。6日には全羅北道井邑市の牛農場(49頭、O型)が、8日には京畿道漣川郡の牛農場(100頭、A型)でそれぞれ感染例が見つかった。

(2面・総合)

県産果物と日本酒のセット通販が好評【秋田県・2月2週号】

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 【秋田支局】「同じ土地の土と水で育まれた果物と日本酒は互いを引き立たせ合うことができる」と話す横手市の「秋田ことづくり」社長・矢野智美さん(33)=美郷町在住。昨年起業し、県産果物と日本酒のセット定期通信販売「フルートリート」を手掛けている。
 「秋田産は取引単位が小さいため東京では手に入りづらい。低く流通している市場価値を高めたい」との思いで果物をテーマに、相性の良い日本酒との食べ合わせを楽しむセットを提案した。矢野さんは、「ギフト展開に力を入れ、秋田の人にとって誇れる贈り物のポジションを確立したい」と先を見据えている。

〈写真上:「フルートリート」を考案した矢野さん〉
〈写真中:月ごとに旬の果物と日本酒を提供する。12月分のナシ〉
〈写真下:10月のブドウ〉

セダム1万株 多肉植物広めたい【岐阜県・2月2週号】

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 【岐阜支局】「気付いたら多肉植物の魅力にどっぷりはまっていた」と話す佐伯有朋さん(39)。昨年6月から恵那市長島町のハウス2棟を借りて多肉植物セダムの栽培を始めた。
 ハウスでは、温度調節をせずに育てるよう心掛けている。「今まで以上に多肉植物が認知されるようになってほしい。その一端を担えれば」と佐伯さん。20~30品種のセダム約1万株を栽培し、約90%は研修先の会社へ契約販売しているが、将来はネット販売も検討している。

〈写真上:「いずれは100品種近くまで増やしたい」と佐伯さん〉
〈写真下:セダム〉

豚舎敷料に竹チップ【山口県・2月2週号】

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 【山口支局】「山口県東部、周防地区では竹林が多く良質な孟宗竹(もうそうちく)がとれ、最適の場所と考え豚の飼育を始めました」と話す、周防大島町の「Bamboo Ranch」の高井良守(たかいら・まもる)代表(54)。
 現在、「中ヨークシャー」を20頭飼養する。「飼料は、源麹(げんこうじ)研究所が開発した未利用有機残さを黒麹で発酵分解した液体飼料を与えています。また、孟宗竹チップを敷料として活用し、孟宗竹チップを好きなだけ食べさせています」と高井良代表は話す。

〈写真:「竹には成長ホルモンの分泌を促す酵素が多く含まれているため、免疫力が高い豚になります」と高井良代表〉

ビニールハウスに個別ハッチ 子牛の病気減 【千葉県・2月2週号】

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 【千葉支局】八街市八街の池田義宣さん(77歳、成乳牛107頭)は昨年8月、子牛・育成牛用のビニールハウスを建設した。
 今までは一頭が発症すると他の子牛が病気の子牛の鼻をなめたり、下痢便に触れたりして感染が拡大してしまっていたという。そこでビニールハウスを建設し中に個別のハッチ18頭分を設置することに。「子牛の病気が減ったため増体も良くなり、導入先でとても喜ばれている」と池田さんは話す。

〈写真:「敷料もたくさん入れるようにした」と池田さん〉

甘くてさっぱり津和地島のタマネギ【愛媛県・2月2週号】

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 【愛媛支局】「冬の津和地島は、タマネギでぎっしりよ。この島でタマネギを作っていない農家はおらんな」と笑顔で話す松山市津和地の共済部長・高橋邦昭さん(64)。退職してから農業を始め、タマネギ20アール、温州ミカン、「伊予かん」「せとか」などのかんきつ類1ヘクタールを栽培している。
 津和地島のタマネギは非常に甘くさっぱりした味わいだ。おいしさの秘密は島の土地柄にある。水はけの良い砂地でタマネギにはぴったりだという。

〈写真:収穫されたタマネギ。大地の恵みが詰まっている〉

放棄竹林を利用 砕いて堆肥・肥料に【兵庫県・2月2週号】

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 【兵庫支局】「ニーズに合わせて竹を活用し、共生を図りたい」と話す、県立篠山東雲(しののめ)高校(篠山市)の菊川裕幸教諭(27)。同校では2015年から専門分野「ふるさと特産類型」を学ぶ生徒が、「市内の放棄竹林の農業活用」を研究している。
 竹の消臭効果に着目し、臭いが強い下水汚泥に竹チップを混ぜて、堆肥を製造した。黒豆栽培などに使用したが、臭いも少なく従来の肥料と同様に育ち、コスト削減にもつながった。

〈写真:竹粉砕機を活用する生徒〉

防風林「物語性を科学的に立証し新たな規格に【2017年2月2週号】」

 ▼ホウレンソウを栽培中に「寒締め」することで、抗酸化能の高い機能性農作物がきるという。根雪の下で一冬過ごす雪下ニンジンなどの野菜、雪室保管した米の食味が向上するとされるが、科学的な裏付けがあれば新たな商品価値の創出につながるかも。
 ▼「水車で精米した米は本当にうまいのか?」。そんな問いを投げかけられ研究機関に取材した時がある。「根拠はないが、機械精米と異なってゆっくり搗(つ)くので温度上昇がなく、アミロースなどの含有成分を変質させないからでは」との回答だった。
 ▼2020年に開催予定の東京オリンピックで、世界的に安全性が保証された食材が供給可能かと指摘されている。過去2大会の選手村には、「グローバルGAP(適正農業規範)」の認証を取得した生産者の食材が使われ、次回東京大会では十分な量が確保できそうもないとの懸念だ。
 ▼外国人旅行者の増加や海外での日本食ブームを受け政府は、国産農作物の戦略的な輸出増を目指す。それには国際的に通用する認証を取得した農家を増やす必要がある。国産農作物に寒締めや水車米など「物語性」を科学的に立証し日本農林規格(JAS)の新基準に入れてはどうか。
 ▼今、人工知能など限られた農家や企業しか享受できそうもない先端技術が注目されている。日本には、伝統的な栽培法や発酵法、保管法があり、機能面に優れる食材も多い。和食への再評価と、何より農家が生産と加工に前向きになれる目標になると思うのだ。

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