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今週のヘッドライン: 2017年03月 2週号

東日本大震災から6年 再興への確かな歩み/津波被災地で独立就農 多くの支え背に一歩 ―― 宮城県仙台市若林区・平松希望さん(1面)【2017年3月2週号】

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 東日本大震災で津波被害を受けた仙台市若林区の沿岸部で、若手女性農業者が誕生する。平松希望さん(24)は東北大学農学部を卒業後、2年間の農業研修を経て、4月に独立就農する。学生時代のボランティア活動などで築いた人脈も生かし、荒浜地区などで露地野菜を栽培する畑55アールを確保した。ただ、復旧工事が済んでいるにもかかわらず、作土層には多くの石が混じっているため、4日にボランティア12人が駆けつけて石拾いした。多くの人に支えられ、新たな一歩を踏み出す。被災地では、集落コミュニティー再生や営農継続に向けて、若い担い手の確保が喫緊の課題だ。(3面では福島県二本松市東和地区での新規就農者支援も紹介する)

(1面)

〈写真:荒浜地区の畑で、平松さん(右)のほか駆けつけた人たちで畑地に混じった石を丁寧に拾う〉

NOSAI制度70周年記念キャッチフレーズが決定/「備えの種をまこう。」(1面)【2017年3月2週号】

 「備えの種をまこう。」――。NOSAI全国(全国農業共済協会、髙橋博会長)はこのほど、NOSAI制度が今年12月に70周年を迎えるにあたり、NOSAIを広くアピールするキャッチフレーズを決定した。公募で寄せられた3200点の作品から審査し、最優秀賞には城戸彩香さん(東京都豊島区)が考案した「備えの種をまこう。」が選ばれた。

(1面)

東日本大震災から6年 農地復旧・風評対策ともに道半ば(2面・総合)【2017年3月2週号】

 東日本大震災・原発事故から6年を迎えた。農林水産省が発表した農林水産業の復興状況によると、津波被災農地の復旧率は1月末時点で、前年同期比4ポイント増の83%となった。ただ、県別では宮城県が96%となる一方、岩手県は77%で、原発事故に伴う避難指示区域が残る福島県は46%にとどまる。また、2016年度の農畜産物の放射性物質検査で基準値超過例はないものの、福島県産の市場評価は原発事故前に戻っていない。時間の経過とともに震災の風化を懸念する声もあるが、被災地は依然多くの課題を抱えている。すべての被災地が復興を実感できるまで、国全体でサポートを続けていくことが重要だ。

(2面・総合)

東日本大震災から6年 再興への確かな歩み/人と地域つないで支える ―― 福島県二本松市・大野達弘さん(3面・暮らし)【2017年3月2週号】

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 移住・就農希望者の支援活動を約20年続けている、福島県二本松市東和町のNPO法人「ゆうきの里東和ふるさとづくり協議会」で理事を務める大野達弘さん(62)は、「希望者から『思っていたのと違う』と言われないよう、相談会などでの説明を丁寧にしている」と、参入者と地元とのマッチングを大切にしている。これまでに30人以上と関わり、95%近くが定住にこぎつけた。集落みんなでサポートする先頭に立ち、温かな人間関係の中で生活できる環境づくりに努めている。

(3面・暮らし)

〈写真:「農機具の導入を考えてるんです」という塚越さん(左)の相談を受ける大野さん〉

農作物共済と収入保険 農家の選択制を見直し(5面・NOSAI)【2017年3月2週号】

 政府は10日、農業災害補償法の一部改正案を閣議決定した。今後、国会で審議され、政府・与党は、今国会での成立を目指す。農業収入の減少に伴う農業経営の影響を緩和する「農業経営収入保険事業」が創設され、併せて農業共済制度の見直しも行われる。現時点で予定されている農作物共済の見直し内容を、共子さんが済太郎くんに聞いた。

(5面・NOSAI)

モモ 独自の「返し枝」で樹体の日焼け防止、長期栽培可能に ―― 香川県丸亀市・建石照夫さん(11面・営農技術)【2017年3月2週号】

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 モモ75アールを栽培する香川県丸亀市飯山町の建石照夫さん(73)は、枝を誘引して日陰をつくる「返し枝」で樹体の日焼けを防止するなど独自の工夫を組み合わせることで、樹齢を長期化させている。苗木の定植前に客土や暗渠〈あんきょ〉敷設などを行い、根傷みを防ぐ。樹木ごとの特徴を観察し、生産が不安定な樹木は成木となる5年以内に更新している。小まめな管理を行いながら、優れた個体を選抜し、長期的に良質果を安定生産している。

(11面・営農技術)

〈写真:返し枝を示す建石さん。「視察に来た農家にも、よく注目される」と話す〉

改正農災法、閣議決定 山本農相・収入保険の導入で「成果上げる」(2面・総合)【2017年3月2週号】

 政府は10日、農業災害補償法の一部改正案を閣議決定し、国会に提出した。農業収入の減少が農業経営に及ぼす影響を緩和する「農業経営収入保険事業」(収入保険)を創設するとともに、農家負担の軽減などの観点から農業共済事業の見直し・改善を図る。

(2面・総合)

求められる春・夏野菜は何? 消費トレンドから探る(8面・流通)【2017年3月2週号】

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 3月も半ばに入り、春・夏作に向けた本格的な野菜作りが始まる。ライフスタイルや嗜好(しこう)の変化による食の多様化により、スーパーなどの棚に並ぶ野菜も変化している。野菜の仕入れを担当するバイヤーは、消費者動向に注視して「売れる商材」を常に求めている。そこで、大手総合スーパーなどと取引する東京都中央卸売市場関係者に取材し、消費の現場でどのような商材が求められているのかを探った。

(8面・流通)

〈写真:野菜のセリを行う東京・大田市場〉

需要つかむイタリア野菜【山形県・3月2週号】

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 【山形支局】「繊細な日本人の舌をうならせるようなイタリア野菜を生産していきたい」と話すのは、河北町溝延の牧野聡(さとし)さん(44)。水稲11ヘクタール、大豆4.5ヘクタール、サクランボ40アールに加え、イタリア野菜約60アールを栽培し、県内外のイタリアンレストランを中心に70軒以上出荷している。

 一方で、牧野さんは企業組合「かほくイタリア野菜研究会」の理事長も務める。同会では受注から集荷、出荷まで一括で行い、常時10品目以上を取りそろえ週2回出荷する。「売り込みを続ければ、この先も契約数は伸びる」と自信をのぞかせる。

〈写真:イタリア野菜のほか、リゾット専用の米なども栽培している牧野さん〉

自家産碾茶の茎粉末を原料に玉子煎餅【京都府・3月2週号】

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 【京都支局】八幡市の松田一男さん(60)は、自家栽培する碾茶(てんちゃ)の茎の粉末を原材料に使った玉子煎餅を2016年に開発。地元の名所を焼き印で描き、「やわためぐり」と名付け、販売している。

 茶の茎には葉に含まれるアミノ酸の一種でリラックス効果があるとされるテアニンも多く含まれ、「栄養を余すことなく体に取り込むことができる」と松田さんは話す。

〈写真:パッケージと焼き印が目を引く「やわためぐり」を手に松田さん〉

夢広がる女性ハンター【愛媛県・3月2週号】

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 【愛媛支局】久万高原町の田中侑香さん(26)は本年度、愛媛県の「有害鳥獣ハンター養成塾」を受講し、塾出身で初の女性ハンターとなった。

 地元の仕七川地区でも、イノシシなどの有害鳥獣の被害が増えているが、ハンターは少ない。「トリマーの資格はあるので、近々、動物看護士の資格も取るつもりです。地元でハンターもしながら、犬に携わる仕事をずっと続けていきたい」と田中さんの夢は広がる。

〈写真:狩猟犬と田中さん〉

小麦粉使わず米粉からあげ 軽トラ移動販売【北海道・3月2週号】

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 【北海道支局】就農して3年目になる砂川市の中道ファーム代表・中道盛之さん(35)は、昨年11月に「米粉からあげ」の移動販売を始めた。ぱりぱりとした食感が人気で、小麦粉にアレルギーを持つ人にも喜ばれている。また、農家の多くが所有する軽トラックを有効活用した移動販売では、滝川市で行われたランタンフェスティバルで盛況だったという。

〈写真:大きな看板が目を引く移動販売車と中道さん〉

豆しとぎ作り続けて【青森県・3月2週号】

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 【青森支局】十和田市太田地区の太田武志さん(70)は、妻のまさ子さん(68)とともに30年以上前から南部地方の郷土料理の豆しとぎを作り続け、市内のスーパーや市場に出荷している。

 豆しとぎは寒さが厳しい12月から3月までの4カ月間毎日作る。原料の大豆は全て自家産で、豆しとぎに最適な青大豆を使用する。まさ子さんは「懐かしいおばあさんの豆しとぎの味を継承していきたい」と話す。

〈写真:豆しとぎを切り分けるまさ子さん〉

寒さに負けずアサツキ収穫【秋田県・3月2週号】

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 【秋田支局】酢みそ和(あ)えや天ぷら、みそ汁にするとおいしいとされるアサツキ。鹿角市十和田錦木の松宮義彦さん(63)は、ハウス1棟と露地(5アール)で栽培している。

 9月ごろ、球根状態のものを定植し、ハウスものは12月に収穫。現在、露地ものの収穫に追われている。松宮さんは「手作業で雪を掘るのが大変。機械で除雪すると、アサツキに傷がついてしまうからね」と注意を払いながら作業を行う。

〈写真:アサツキを傷つけないように掘り進める〉

防風林「被災者の再起を丹念に息長く【2017年3月2週号】」

 ▼東日本大震災から6年。あの時、生まれたばかりの幼児は小学生に、中学校に進学した児童は高校を卒業する年齢か。だが晴れの姿を見られずに、亡き子を思い時間が止まったままの被災者も多いと聞く。記憶にとどめるべきことと、忘れるべきことの取捨選択は難しい。
 ▼「この時期だけ震災特集を組むマスコミは多い。私たちは、発生以降毎日、被災者と寄り添い今も継続中だ」とした東北圏域紙記者の講演が胸に突き刺さる。地震や津波、原発事故からの避難生活、復旧・営農再開。今年も特集を組んだ。農業紙記者として自問自答してきた。「読者の期待にこたえられているのか」と。
 ▼12年前、中越地震の発生直後、被災地・山古志に入るべく準備を進めたが激しい余震続き、地元NOSAIさえ立ち入りできない状況。取材とはいえ、断念せざるを得なかった。全国紙や放送などマスコミは、規制線を越え被災地での報道合戦。それを横目に言いようもない敗北感を味わった。
 ▼被災地に行ったのは数カ月たち、取材対象農家が仮設住宅に入居した数日後。父親から経営を移譲されてすぐに被災した若き和牛肥育農家。「飼育中の牛が圧死した後に、取材を受けても何も言えなかった。立ち直れた今がいい機会だ」。
 ▼刻々と変化する災害はマスメディアの速報性にはかなわない。だが被災者が再起する姿を丹念に報道することで、多くの人に記憶し続けてもらうことができる......自問の解答だ。

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