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今週のヘッドライン: 2017年03月 3週号

離島を担える人材育成 通信制の大学が鹿児島県沖永良部島に(1面)【2017年3月3週号】

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 離島で生まれた若者が島を去る要因の一つに進学先がないことが挙げられる。島内で大学に通えて、しかも地元の社会・環境を教材に教育が受けられれば、定着率も高まるのではないか――。鹿児島県の沖永良部島では4月から、通信制の星槎(せいさ)大学が「サテライトカレッジ」を開校。島の若手農家らが大学に進学できるようになる。テレビ電話システムなどで、全国の講師と島を結び、授業を受ける。カリキュラムには、島独自の実習も組み入れ、島の未来を担う人材の育成を目指す。これまで、大学進学には、多額の生活費や学費をかけて島外に移り住む必要があった。若年層の人口流出のくい止め効果や、生涯学習の場としても期待されている。

(1面)

〈写真:願書を提出した竿さん(右)の美容院で話す石田塾長〉

農水省検討会 転用期待抑制に農地の売却益を徴収(2面・総合)【2017年3月3週号】

 農林水産省の「農地流動化の促進の観点からの転用規制のあり方に関する検討会」(委員長・高橋寿一横浜国大大学院教授)は14日、中間とりまとめを行った。転用期待を抑制し、担い手への農地集積・集約化を後押しするとして、商業用地や宅地などに転用した場合に利益(売却益)の一部を徴収し、地域の農業振興施策の財源に充てる制度の創設を打ち出した。ただ、制度導入は、憲法で保障されている財産権の制約につながる可能性があり、徴収体制の整備など課題も多い。同省は今後、具体的な制度設計に着手するが、現場の実情を踏まえ慎重に仕組みづくりを進める必要がある。

(2面・総合)

2015年度農作物の鳥獣被害176億円 3年連続減も依然高水準(2面・総合)【2017年3月3週号】

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 農林水産省は14日、2015年度の野生鳥獣による全国の農作物被害金額は前年度比14億8500万円(8.4%)減の176億4900万円となったと発表した。減少は3年連続で、08年以降最小を更新した。侵入防止柵の設置などの対策が一定の効果を上げているためとみられる。ただ依然、被害額は高水準で、被害が深刻化している地域もある。引き続き官民を挙げた鳥獣被害防止対策の充実・強化が求められる。

(2面・総合)

〈図:野生鳥獣による農作物被害金額の推移〉

伝統野菜「山田ねずみ大根」を栽培 地域の宝復活へ ―― 滋賀県草津市・青地野こんこん会(3面・暮らし)【2017年3月3週号】

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 滋賀県草津市北山地区を中心に古くから伝わる伝統野菜「山田ねずみ大根」。かつては盛んに栽培され、漬物などにして親しまれてきた――を復活させようと取り組むのは、同市青地町の地域交流グループ「青地野こんこん会」だ。メンバーは平均年齢72歳の男性6人。定年退職後の余暇を仲間と一緒に楽しもうと栽培に汗を流している。14日にはJA草津市が運営する直売所で山田ねずみ大根を使った漬物「こんこん漬け」の販売が始まった。高齢化による離農や急速な宅地化が進む中で、伝統野菜を多くの人に伝えようと力を合わせて活動する。

(3面・暮らし)

〈写真上:山田ねずみ大根の生育を確認する青地代表(左)らメンバー。会の名前の「こんこん」は地元でたくあんを意味する〉

地理的表示(GI)登録28産品に 模倣品からの保護にも効果(4面・流通)【2017年3月3週号】

 地域の特性を生かした特産品の品質などに、国が公的にお墨付きを与える「地理的表示(GI)」は3日、登録に3産品が追加され28産品となった。各地がブランド戦略に組み込み産地継続や輸出促進などに活用。当初の登録産品の需要が増えるなど効果が現れ始めている。一方、長期的な産地振興には、制度自体の知名度向上が課題とされる。登録は21道県で地域が偏っているため、「1県1産品」の目標に向けて登録数増と産地間の協力によるPR強化が求められる。

(4面・流通)

乳肉複合で安定経営 ―― 岐阜県富加町・生駒一成さん(9面・営農技術)【2017年3月3週号】

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 ホルスタイン種経産牛66頭を飼養する岐阜県富加町高畑の生駒一成さん(55)は、和牛繁殖10頭も手掛ける乳肉複合で経営安定を図っている。和牛の受精卵は、優良血統の確保やコスト低減につなげるため自家採卵したものを使う。乳用の後継牛を確保しながら、和牛の受精卵移植(ET)や交雑牛生産に力を入れ、子牛の販売収入は経営全体の13%を占めるほどだ。土台となる酪農経営も良質粗飼料の確保や、畜舎内に扇風機を3頭に1台の割合で設置するなど夏季の暑熱対策を徹底し、経産牛1頭当たり年間乳量は9519キロを確保する。

(9面・営農技術)

〈写真:直腸検査を行う保木獣医師(右)と見守る生駒さん〉

日本農業遺産に8地域を初認定(2面・総合)【2017年3月3週号】

 農林水産省は14日、宮城県大崎地域の「『大崎耕土』の巧みな水管理による水田農業システム」をはじめ、3地域を「世界農業遺産」に申請すると発表した。世界農業遺産は、世界で重要かつ伝統的な農林水産業を営む地域を国連食糧農業機関(FAO)が認定する制度で、2017年度中に審査される見通し。なお、国内ではこれまでに8地域が認定を受けている。
 日本農業遺産の認定地域は次の通り(なお、★は世界農業遺産にも申請する地域)。
 ★宮城県大崎地域「大崎耕土」の巧みな水管理による水田農業システム▽埼玉県武蔵野地域「武蔵野の落ち葉堆肥農法」▽山梨県峡東地域「盆地に適応した山梨の複合的果樹システム」★静岡県わさび栽培地域「静岡水わさびの伝統栽培(発祥の地が伝える人とわさびの歴史)」▽新潟県中越地域「雪の恵みを活かした稲作・養鯉システム」▽三重県鳥羽・志摩地域「鳥羽・志摩の海女漁業と真珠養殖業―持続的漁業を実現する里海システム―」▽三重県尾鷲市、紀北町「急峻な地形と日本有数の多雨が生み出す尾鷲ヒノキ林業」★徳島県にし阿波地域「にし阿波の傾斜地農耕システム」

(2面・総合)

高校生が高齢者と水耕栽培で心通わす【秋田県・3月3週号】

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 【秋田支局】高校生がレタスの水耕栽培を通して、高齢者との交流を創出する取り組みが行われている。県立増田高等学校(髙橋保子校長)の農業科学科野菜専攻班が2年前から始めたもので、高齢者宅に簡易の栽培装置を設置。生育確認のため訪問しながら交流を深め、高齢者を見守る仕組みだ。

〈写真:市内スーパーでの交流会の様子。利用者が栽培装置に関心をよせていた〉

伝統民芸品「猫ちぐら」 編む楽しさに没頭【新潟県・3月3週号】

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 【新潟支局】「地元の伝統民芸品『猫ちぐら』を受け継いでいきたいです」と話す、関川村上土沢の小島大地さん(27)。実家で水稲約2.5ヘクタールを耕作する傍ら、昨年2月から「猫ちぐらの会」に所属し、制作の技術を磨いている。

〈写真:猫ちぐらを編む小島さん〉

北海道興部町の農家らが作業着のファッションショー【北海道・3月3週号】

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 【北海道支局】興部町の酪農家が中心となり作業着のファッションショー「TSUNAGI★繋COLLECTION 興部2016」を開催。会場となった同町の総合センターには300人近い来場者が訪れた。

〈写真:ランウエーを歩く親子〉

牛飼い小学生 ジョッキー全国大会優勝【鹿児島県・3月3週号】

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 【鹿児島支局】母と共にポニーと繁殖牛を飼養する、薩摩川内市東郷町の上薄龍旺(かみすきりお)くん(12)は、昨年東京都の東京競馬場で行われた第8回ジョッキーベイビーズ全国大会で優勝を果たした。

〈写真:レース中の上薄くん〉

ハウスを憩いの場に改装【福岡県・3月3週号】

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 【福岡支局】「仲間たちとまきストーブを囲んで話をする時間が今の楽しみです」と話す、飯塚市の松熊久憲さん(71)。自家用野菜を2アールほど栽培している。

〈写真:「仲間と集まるきっかけになった」と笑顔の松熊さん〉

新たな特産品にイチゴサイダー【福島県・3月3週号】

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 【福島支局】原発事故に伴う風評を払拭(ふっしょく)したいと、伊達市霊山町山戸田でイチゴ農園を営む「農業生産法人松葉園(大橋松太郎社長)」は、自社産イチゴを使ったサイダー「ストロベリースマイル」を完成させた。

〈写真:イチゴのサイダー〉

シカ肉の燻製で町を知ってほしい【福島県・3月3週号】

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 【愛媛支局】松野町の「NPO法人森の息吹」では、同町で捕獲されたシカを精肉に加工し販売。その他、燻製(くんせい)肉の製造も行っている。

〈写真:販売している燻製製品〉

防風林「ドローン防除の黎明期、適正運用が重要な鍵握る【2017年3月3週号】」

 ▼一昨年の改正航空法の施行により、産業用無人ヘリコプターや小型無人航空機「ドローン」の飛行が規制されたことで、農薬散布など物を落下する行為は、国交大臣の申請・認可が必要になった。
 ▼農林水産省の改正技術指針は、薬剤散布の際に航空法順守はもとより、農林水産航空協会が適合機と認定した機体を使用し、適切に防除するよう指導する。今、空の産業革命とさえ期待されるドローンだが、農薬散布に限ってはまだ黎明(れいめい)期。
 ▼農水省の2016年度散布実績(1月末の速報値)では、産業用無人ヘリ100万ヘクタール(水稲86万ヘクタール)に対して、ドローンは543ヘクタール(同492ヘクタール)とごくわずか。ドローンの積載量や駆動時間では大区画圃場での効率性は望めなさそう。小区画水田に加え樹園地、共同防除が進まない山間地での活用を見いだすべきだろう。
 ▼農業分野での用途は、防除だけでなく小型カメラやセンサーを搭載すれば農作物の生育調査や自然災害による被害確認など無限に広がる。将来の農業を変えられるアイテムだからこそ、大切に育てていきたいもの。
 ▼航空法改正の発端は、首相官邸と観光地での無謀な飛行だった。今後の防除において、指導指針を無視した散布や、自分の操縦技術を過信したアクロバット的な飛行による大事故などが発生すれば、無人航空機全体の農業利用に対して厳しい規制が加わりかねない。黎明期ゆえに慎重な運用が望まれよう。

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