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今週のヘッドライン: 2017年03月 4週号

都市農業継続へ 消費者をファンに/食育や景観向上へ貢献 ―― 東京都三鷹市・冨澤 剛さん(1面)【2017年3月4週号】

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 東京都三鷹市――都会の住宅街約1ヘクタールでキュウリやトマト、江戸時代から作り続けられてきた「江戸・東京野菜」の一つ「のらぼう菜」などの野菜約40品目を通年出荷する冨澤剛さん(43)は、都市農業が長期にわたって継続されるよう、地域の消費者と積極的に接点を持つことでファンづくりに努めている。公共の利益を優先し、都市計画に基づく道路収用に応じて農地の一部が削られることも真摯(しんし)に受け入れた。事業承継時に発生する相続税が高額になりがちなことを憂慮しつつも、生活が便利な代わりに営農には条件が良いとは限らない環境で前向きに取り組んでいる。

(1面)

〈写真:マンションなどに囲まれた畑でのらぼう菜を収穫する冨澤さん〉

日・EUのEPA交渉 早期の大枠合意を確認(2面・総合)【2017年3月4週号】

 安倍晋三首相は19~21日、訪問先の欧州でトゥスク欧州連合(EU)大統領などと会談し、日本とEUの経済連携協定(EPA)交渉の早期大枠合意を目指す方針を確認した。4月に東京で交渉会合を開く。「米国第一主義」を掲げるトランプ政権の誕生など、いわゆる保護主義の台頭が指摘される中、自由貿易推進の姿勢を示すとともに、日本政府にはトランプ政権を揺さぶって環太平洋連携協定(TPP)離脱方針を翻意させたいとの思惑が透ける。ただ、4月には日米のハイレベル経済対話も始まる見通し。反保護主義を掲げ、自由貿易の"旗振り役"を自称する安倍政権が、農業分野などで欧米からの厳しい要求をはねつけられるのか、不安も広がる。通商交渉をめぐる状況を話し合った。

(2面・総合)

明日のNOSAI 私の期待/収入保険〝経営全体〟が魅力 積み立て方式との併用にメリット感 ―― 広島県東広島市・吉弘 昌昭さん(5面・NOSAI)【2017年3月4週号】

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 広島県東広島市の中山間地にある小田地区。住民が「小さな農協」と呼ぶ農事組合法人「ファーム・おだ」と、「小さな役場」の集落自治組織「共和の郷(さと)・おだ」が柱となり、地域を支えている。小学校や保育所、診療所が廃止され、耕作放棄地が増加するなど危機にひんした集落を、住民主導で再生した。畦畔(けいはん)が管理され、活気の戻った集落にU・Iターンする子育て世代も多い。集落内には米粉パンを製造・販売する「パン&(と)マイム」を設け、雇用の場となっている。ファーム・おだの吉弘昌昭組合長(78)に、政府が導入を予定する収入保険や農業共済制度などについて意見を聞いた。

(5面・NOSAI)

〈写真:ファーム・おだの作付け計画を説明する吉弘組合長〉

加入者対象に土壌診断「健全な土づくり」を支援 ―― 岡山県・NOSAI岡山(5面・NOSAI)【2017年3月4週号】

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 NOSAI岡山(岡山県農業共済組合連合会、山野通彦会長)では果樹共済と園芸施設共済、畑作物共済の加入者を対象に圃場の土壌診断を行っている。EC(電気伝導度)や硝酸態窒素など9項目を分析し、土壌診断書にまとめて農家に配布。30年以上継続しているサービスで、2016年度には1094件(16日現在)を診断した。結果を参考にして施肥設計を立てる農家も多く、営農の下支えをするサービスとして好評を得ている。

(5面・NOSAI)

〈写真上:土壌診断採土袋をNOSAI職員に手渡す板野さん(左)〉

ジェネリック農薬 農薬取締法を見直し 登録負担軽減/選択肢広がるも信頼性が鍵(12面・資材)【2017年3月4週号】

 農林水産省は4月から農薬取締法の運用を見直し、特許の保護期間が過ぎた「ジェネリック農薬(特許切れ農薬)」の登録にかかる業者側の負担を軽減する。安価な資材として農家の選択肢に加わることで農薬全体の価格抑制につながるとされ、昨年11月に政府・与党が決めた農業競争力強化プログラムで推進されている。他業界からの参入障壁が低くなる一方、国内の農薬業界からは海外からの粗悪品の流入などを懸念する声もある。安定した効能を発揮する製品の製造・流通に、農業現場での判断力や管理体制も求められる。

(12面・資材)

電柵管理で被害激減/クマ対策 住民意識の強化に大学などと連携 ―― 岩手県盛岡市猪去地区(15面・営農技術)【2017年3月4週号】

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 盛岡市猪去地区では住民と市、岩手大学、猟友会などとが連携し、捕獲だけに頼らないツキノワグマ対策を講じたことで、農作物被害の減少に成功した。山際のリンゴ園地の周囲に恒久電気柵を地面から20センチ、20センチ、30センチ、30センチの間隔で3~4段張る。年3回の一斉除草作業を実施し、電気柵に沿って50メートル幅の緩衝帯を整備した。沢にも通電させたチェーンをすだれ状に垂らし、人里への侵入防止を徹底する。除草作業に駆けつける大学生には、地区の祭りや運動会への参加を呼び掛け、交流を深めることが住民のやる気につながり、獣害対策を10年間継続できている要因になっている。

(15面・営農技術)

〈写真:リンゴ園地に設置した恒久電気柵を確認する山口さん。冬季はワイヤを緩めている〉

ブラジルの食肉 安全性に問題発覚 21施設からの輸入を保留(2面・総合)【2017年3月4週号】

 ブラジルの食肉加工業者が衛生基準を満たしていない食品・食肉加工品を出荷・販売していた問題を受け、政府は21日、問題の業者からの食肉輸入手続きを「保留」する措置をとった。ブラジルは世界有数の食肉輸出大国だが、食肉加工業者が検査官を買収して賞味期限切れの肉や発がん性物質を含む肉など問題のある食肉を国内外に販売していたとして摘発され、欧州連合(EU)や中国、メキシコなどが輸入規制を発表するなど影響が広がっている。
 日本は、2015年度にブラジルから43万7千トンの食肉・食肉製品を輸入。うち鶏肉は42万1千トンで、日本が輸入している鶏肉の8割弱を占める。

(2面・総合)

多様な担い手の結婚のあり方 「農村の婚活」事情/農業・農村に憧れる女性たち 魅力をアピールする男性たち(7面・特集)【2017年3月4週号】

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 「農業女子」や「I(U)ターン就農」など将来、農業を担う若者は多様化してきている。一方で、農村に暮らす独身男性農家の高齢化も問題になっているのも事実。現在、市町村などの自治体や農業団体でも積極的に都市部の女性とのお見合いを仲介するケースも増加している。いわゆる「婚活」をどのように成功させるか......。男性側も女性側も、農村イメージや農家像の意識改革が必要なよう。現在の農村における婚活事情を調べてみた。

(7面・特集)

〈写真:GENIXY株式会社 工藤 正広社長〉

養液土耕栽培でセロリを高品質に【香川県・3月4週号】

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 【香川支局】全国で唯一、セロリ栽培に養液土耕栽培システムを導入している観音寺セロリ出荷部会(部員21人、面積10ヘクタール)。部会長を務める観音寺市八幡町の安藤啓介(あんどうけいすけ)さん(セロリ43アール、49歳)は「省力化され、作業効率も良くなります。さらに安定した高品質を保てるようになり、市場の評価が高まりました」と話す。

〈写真:畝に沿って張り巡らせた点滴灌水用のチューブを指さす安藤さん〉

東日本大震災から6年 復興へ担い手の力(1)【福島県・3月4週号】

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 【福島支局】田村市都路町の畜産農家5戸が中心となって構成する「MKF(ミヤコジキカイファーマーズ)カンパニー」(冨樫喜重郎代表=66歳)は、地区の遊休農地解消を目標に、発酵粗飼料(WCS)用稲を共同生産し、地域農業の復興・存続に取り組んでいる。

〈写真:除染後の水田でWCS用稲を共同生産している〉

東日本大震災から6年 復興へ担い手の力(2)【岩手県・3月4週号】

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 【岩手支局】東日本大震災で津波被害に遭った山田町織笠地区では農地復旧や除塩対策作業が進み、昨年までに18ヘクタール全ての水田が復旧。農業者の高齢化や後継者不足で営農再開が困難な中、同地区の小林隆広さん(47)は担い手として農地を積極的に借用し、水稲栽培に励んでいる。

〈写真:本年度も農作業に向け、準備に余念のない小林さん〉

農業だ~い好き【鳥取県・3月4週号】

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 【鳥取支局】「農業って楽しい。大好きです」と明るく話すのは、今年就農2年目の杉川藍月(あづき)さん(23歳・北栄町)。「農業は頑張ったことが目に見えます。スイカの苗の定植後、葉が増え成長する姿を見るのはうれしい」と定植後、つる巻き以外は向きを変えないよう成長を見守る。

〈写真:スイカの収穫を楽しみに成長を見守る藍月さん〉

雪下ニンジン 女性の力が支えに【新潟県・3月4週号】

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 【新潟支局】1メートル以上の雪が残る山あいの上越市牧区で、農事組合法人「あかり」による今季最後の雪下ニンジンの収穫作業が行われた。雪下ニンジンの栽培は、同法人が雪深い地域特有の自然環境を生かし、冬季の収入確保のため2年前から始めたもの。

〈写真:雪を掘ってニンジンを収穫するメンバー〉

子牛の防寒ジャケット 子ども服をリメーク【宮城県・3月4週号】

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 【宮城支局】子牛の寒さ対策に子ども用の服をリメークした防寒ジャケットを自作している、涌谷町の千葉たえ子さん(66歳・繁殖和牛9頭)。

〈写真:冬場はジャケットを着せて人工哺乳で飼養する〉

防風林「遺産を残す難しさは、今も地域で継続すること【2017年3月4週号】」

 ▽石油精製所や工場の夜景見学ツアーが盛況という。一方、廃坑や閉鎖工場、廃鉄路に魅力を感じる人も多く、近代産業の盛衰、両極の風景には共通点があるのかも。
 ▽長い年月放置され赤さびた鉄骨や機械の残骸に耳を傾けると、繁栄期の喧噪(けんそう)や工員らの声が蘇るようだ。『産業遺産を歩こう』(平井東幸ほか編著)は、産業活動の足跡である歴史的建造物や機械、跡地などを産業遺産として見直すべきという。
 ▽1872年に設立された官営富岡製糸場は世界文化遺産に登録以降、参観者が絶えないという。国内養蚕業の振興を背景に、絹糸の生産力と輸出競争力向上に先導的な役割を担った。石炭採掘場の廃坑や製鉄業の廃高炉なども、明治維新後の国家繁栄を築いた遺構だ。
 ▽産業遺産は「幕末から明治期以降、産業化や近代化に関係した遺跡や遺構など」が定義。農業分野では山居倉庫(山形)や安積疎水(福島)なども該当しようか。農業技術史からみれば納屋に眠る千歯や唐箕(とうみ)など古い農具類もあげられよう。
 ▽農水省は将来に受け継がれるべき「日本農業遺産」として、宮城県大崎地域や埼玉県武蔵野地域など8点を認定し、うち3点を「世界農業遺産」への登録に向け国連世界食糧機関に申請する。産業も農業も遺産を後世に伝え残すのは至難の業だ。特に農業遺産は近代化との狭間で、営農や文化が今に継承されていることが問われ、地元の協調なしでは永続は難しい。

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