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今週のヘッドライン: 2017年04月 4週号

米ゲル 農産加工の新戦力に ―― 千葉県睦沢町・澤田農産(1面)【2017年4月4週号】

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 主食用米の消費量が低迷する中、パンや麺などの主原料である小麦粉の代替として米粉の普及・促進が図られている。しかし近年、米粉に次ぐ新たな米の加工技術として、農研機構(茨城県つくば市)が開発した「米ゲル」に注目が集まっている。米ゲルを使ったシフォンケーキやフィナンシェなどの菓子を次々と開発し、「お米のジュレーゼ」と名付けて販売する千葉県睦沢町の澤田農産を取材し、普及が進みつつある米ゲルの可能性を探った。

(1面)

〈写真:米ゲルを原料に使ったあられを手に田邊代表〉

日米経済対話スタート "協力"は「聖域」確保が前提(2面・総合)【2017年4月4週号】

 麻生太郎副総理兼財務相とペンス米副大統領を議長とする日米経済対話が18日、東京都内で始まった。初会合では、貿易・投資のルールと課題に関する共通戦略をはじめ、3分野を柱に議論を進め、年内に次回会合を開くことを確認。焦点の農産物関税の扱いは議題に上がらなかったものの、貿易について「2国間の枠組み」を議論することで一致した。さらにペンス副大統領は会見で「環太平洋連携協定(TPP)は過去のもの」と言い切り、将来的な日米自由貿易協定(FTA)交渉開始の可能性に言及した。今後、農産物の市場開放を求めて対日圧力を強めてくるのは時間の問題とみられる。ただ、仮に大幅譲歩となれば、国内農業への打撃は避けられず、農村の崩壊すら招きかねない。政府は毅然(きぜん)とした対応に徹する必要がある。

(2面・総合)

麦共済 収穫前に被害申告を(5面・NOSAI)【2017年4月4週号】

 西南暖地などでは麦の出穂期を迎えている。麦は天候の影響を受けやすく、収穫直前に降雨が続くと、赤かび病や穂発芽などの被害が多発することもあり、最後まで気が抜けない。麦共済では四つの加入方式があり、収穫量の減少だけでなく品質低下も補償する「災害収入共済方式」の加入が8割を超える。被害の発生を確認したら、必ず収穫前に被害申告をしてほしい。麦共済の仕組みについて、共子さんが済太郎くんに聞いた。

(5面・NOSAI)

日本農業遺産 登録地域の活動事例(11面・特集)【2017年4月4週号】

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 美しい田園風景や古くからの農法・文化が残る農村に、農業を未来へ存続させる鍵がある――。農林水産省は19日、将来に受け継がれるべき日本各地の伝統的な農法・生活様式などを評価する「日本農業遺産」の初の認定式を行った。全国8地域が認定され、その内の徳島県「にし阿波地域」など3地域は国際的な認定「世界農業遺産」への登録を目指す。認定地域では、生態系保全や防災などの機能を持つ伝統的な農業の継承を促す一方、インバウンド(外国人の訪日)の受け入れなど新たな活動も取り入れた地域活性化が期待されている。

(11面・特集)

〈写真:「過疎が進んでもむらの景観は荒らしたくない」と小泉さん。耕作放棄地には200本のウメを植栽している〉

無人航空機による防除を適切に(12面・資材)【2017年4月4週号】

 2015年12月に改正航空法が施行されたことに伴い、産業用無人ヘリコプターを含む無人航空機については、定められた空域以外の飛行や落下物を伴う運用の場合、国土交通大臣の許可・承認を得なければならなくなった。これにより、産業用無人ヘリやマルチローター式小型無人航空機(ドローン)の薬剤散布についても同様の手続きが求められている。産業用無人ヘリ防除は今や基幹防除手法として一般化されてきたが、12年度から15年度まで4年連続で事故が増加し、死亡事故も発生している。今後の防除シーズンを前に、改めて安全運航の重要性を確認する必要がありそうだ。

(12面・資材)

大規模麦作 排水性向上し省力化 ―― 福岡県福津市・麻生正雄さん(13面・営農技術)【2017年4月4週号】

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 麦32ヘクタールなどを栽培する福岡県福津市生家の麻生正雄さん(61)は、大豆の湿害対策で開発された「部分浅耕播種技術」を麦作でも活用し、播種前の非選択性除草剤散布と組み合わせることで難防除雑草の初期発生を抑えている。ロータリーのなた爪の一部を短いカルチ爪に付け替え、播種部分だけ2~3センチと浅く耕す。耕盤層に段差ができ、排水性が向上する上、地中深くの雑草種子を休眠から覚醒させず、中期除草剤散布が慣行では2~3回のところ1回で済む。麦・大豆中心の大規模個人経営で省力化を追求しながら、排水対策など基本技術も励行し、収益を高めている。

(13面・営農技術)

〈写真:大麦の圃場で麻生さん。2017年産麦も天候不順の影響で、平年は年末に終わる播種が1月20日までかかったという〉

種子法廃止が決定 政府は附帯決議の順守を(2面・総合)【2017年4月4週号】

 都道府県に稲・麦・大豆の種子生産・普及を義務付ける主要農作物種子法の廃止法案は14日、参院本会議で与党と日本維新の会の賛成多数で可決され、廃止が決定した。民間参入の拡大による種子開発の活性化などが目的。ただ、国会審議は衆参両院合わせて約13時間にとどまり、生産現場では依然、都道府県が担ってきた種子の開発・普及への影響懸念が強く、都道府県が持つ種子の"知見"の海外流失を心配する声も上がっている。政府には、現場の懸念を踏まえて採択された参院農林水産委員会の附帯決議に基づく万全の対応が求められる。

(2面・総合)

イチゴ・主要作業を見える化して効率アップ【宮城県・4月4週号】

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 【宮城支局】山元町でイチゴを生産する「株式会社一苺一笑〈いちごいちえ〉(佐藤拓実代表取締役・34歳、従業員10人)」は、収穫・選果・出荷実績を可視化する出荷管理支援システムを導入した。生産から販売までの主要作業を迅速に把握してロスを無くし、蓄積データの活用で生産性の向上を目指す。

〈写真:選果の内容をモニターで確認できる〉

鳥獣被害対策に若手農家らが団結【和歌山県・4月4週号】

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 【和歌山支局】野生鳥獣による農作物被害を食い止め地域を守ろうと、田辺市上芳養日向〈ひなた〉地区の若手農家らが「チームひなた(岡本和宜代表、38歳)」を結成。捕獲に取り組むとともに、地域活性化に向けた活動を始めている。

〈写真:「チームひなた」のメンバー〉

蜂蜜の魅力を伝えたい【山口県・4月4週号】

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 【山口支局】美容と健康のために、ぜひ蜂蜜を食べてほしいです」と話す岩国市周東町の大迫繭美〈まゆみ〉さん(49)は、「ハチミツ食を考えるお店」と銘打った有限会社「ビ庵」の代表取締役として、明治時代から続く養蜂業を継承する夫の亮介さん(46)と二人三脚で蜂蜜食品を提供している。

〈写真:明治時代から続く養蜂業を継いだ亮介さん〉

電気ドリル利用してイチゴ株の抜き取り作業具【長崎県・4月4週号】

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 【長崎支局】収穫後のイチゴの株の抜き取りはかなりの手間だ。西海市西彼町で自動車、農機具の修理、板金、塗装業を営む松富勝博さん(56)は、電気ドリルを利用してイチゴ株を簡単に抜き取る器具を製造し、高設栽培の農家から好評だ。

〈写真:電気ドリルのスイッチを押しながら筒を土に押し込む〉

アルストロメリア20品種栽培【岐阜県・4月4週号】

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 【岐阜支局】「信頼・信用のある生産者でいたい」と話す神戸〈ごうど〉町の髙田和裕さん(39)は、温室6棟(30アール)でアルストロメリア20品種を手掛ける。「他にも産地がある中で、自分の花を選んで買ってもらえることがありがたい」と笑顔を見せ、「信用を落とさないようにやっていきたい」と話す髙田さんだ。

〈写真:出荷作業をする髙田さん〉

一年中果物狩りでリピーター獲得【愛媛県・4月4週号】

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 【愛媛支局】10ヘクタールで果樹13種類を栽培する内子町大瀬東の有限会社エコファームうちこは、観光農園の運営にも力を入れていて、イチゴ、ブドウ、モモ、ブルーベリーで年間通して果物狩りを行っている。中でもイチゴ狩りハウスは、高設栽培システムを採用して通路を広くし、「紅ほっぺ」「あまおとめ」「おいCベリー」など9品種を植え付ける。専務取締役・明智司さん(62)は「年に数回来場してくださる方や、リピーターの方が年々増え、昨年の来場者数は延べ1万1千人以上となった」と話している。

〈写真:イチゴハウスで明智さん〉

防風林「農村の多角的機能は農家の暮らしから派生する【2017年4月4週号】」

 ▼埼玉県秩父地方には、春の訪れとともに白やピンクの色鮮やかなシバザクラが咲き丘陵全体を覆う公園がある。春先のこの時期は多くの見物客が詰めかけ、駐車場から花園までの小道には、農家の庭先で野菜や加工品などが売られちょっとした露店街。
 ▼シバザクラは繁殖力が旺盛な地覆植物で雑草の抑制に効果があることから、最近は水田や畑の傾斜地や畦道〈あぜみち〉に植えられている風景をよく目にする。花色も多彩で混植することで景観植物として心を和ませてくれる。
 ▼中国地方のある水稲農家は、養蜂家と蜜源レンゲ契約で水田に赤い花を咲かせ癒やされたのを記憶する。「蜜源収入とチッ窒補給、土壌改良と一石数丁」と言う。畦道にはリュウノヒゲを植え、機械進入口や土の露出部に泥とモルタルを混ぜて固め、土留めや雑草を抑制する行動は損得勘定ではない、土地への愛着からだ。
 ▼山形の山深い町では、山と水田の際や屋敷塀と道の境界を仕切るように住民共同で花を咲かす。伝統的住宅と風景が溶け込んで、かつて連載した「快適農村」の取材で、人間の協働が創〈つく〉る景観の美しさに感動した。
 ▼農水省のある幹部が「農村の多面的機能」を否定する発言をしたという。環境保全を目的に野良仕事する農家はいない。代々暮らし子を育て、作物や家畜を生産する営みがあるから取り組める。その永続があって多面的機能につながる。美しい農村風景は、農家のそんな営みからの「おこぼれ」と思う。

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