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今週のヘッドライン: 2017年06月 4週号

水稲作業請負 託され守る中山間地 ―― 福井市・有限会社HJK(1面)【2017年6月4週号】

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 「蛍の舞う郷〈さと〉」と呼ばれる、自然豊かな中山間地・福井市美山地区で、水稲耕作を請け負う有限会社HJK(同市野波町、7人、半原定男代表取締役=69歳)は、国道158号線沿いの圃場を中心に借り受け、水稲60ヘクタール(「コシヒカリ」20ヘクタール、「ハナエチゼン」30ヘクタールなど)のほか、転換作物としてソバ10ヘクタールを作付ける。地域農家の高齢化が進む中、農作業の全面委託が年々増加しているという。HJK産のもち米を利用する加工部「米工房ほ・た・る」(杉田久美子代表、パート14人)では、かきもちを製造。販路を百貨店や高級スーパーに絞ることで、ブランドを確立した。「可能な限り地域の要望に応えたい。組織の若返りを図りつつ、農地が農地であり続けられるよう最大限努めたい」と半原代表は決意を新たにする。

(1面)

〈写真:5月18日に田植えを終えた、育苗ハウス横の圃場を見回る半原代表〉

通常国会が閉会 農政関連8法は全て成立(1面)【2017年6月4週号】

 第193回通常国会は18日、閉会した。収入保険の創設と農業共済の見直しを規定した改正農業災害補償法をはじめ、農業競争力強化支援法や主要農作物種子法の廃止、改正畜産経営安定法など政府提出の農政改革関連8法はいずれも成立した。政府は今後、政省令などを速やかに整備し、農政改革を加速化させる方針だ。ただ、各法の国会審議では生産現場への影響などを懸念する指摘も上がり、衆院農林水産委員会で3法案に、参院農林水産委員会では6法案に附帯〈ふたい〉決議が付された。政府には、各法の内容に関する生産現場への説明の徹底と、農家の理解・支持を基本にした丁寧な施策の展開が求められよう。

(1面)

自民党が日EU・EPA交渉で政府申し入れ(2面・総合)【2017年6月4週号】

 日本と欧州連合(EU)との経済連携協定(EPA)交渉が7月上旬にも大枠合意する可能性が高まる中、自民党は23日、同交渉に関する政府申し入れをまとめた。EUへの輸出や投資を促進する上で早期妥結の重要性を強調する一方、農林水産物については、特に重要品目の再生産が引き続き可能となるよう、必要な国境措置の確保を求めた。交渉をめぐっては、EU側の自動車や電化製品など物品の関税が撤廃されれば大きな経済効果が得られるといったメリット部分が強調され、政府は農林水産物の輸出促進にもつながるなどとするが、実効性は不透明だ。農産物輸出国を含むEUに対し、農産物関税で安易な譲歩に踏み切れば、国内農業への打撃は必至。農業を犠牲にする拙速な合意は認められない。

(2面・総合)

NOSAI全国・髙橋会長 農相に加入促進の決意(2面・総合)【2017年6月4週号】

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 改正農業災害補償法の成立を受け、NOSAI全国(全国農業共済協会)の髙橋博会長は19日、山本有二農相に面会し、農業共済団体を挙げて農業共済または収入保険への加入促進に取り組む決意を改めて伝えた。改正法成立の御礼文書を手渡し、今後決定される政省令なども踏まえ、改正法の内容などについて農業者にわかりやすい説明を徹底する方針を強調するとともに、円滑かつ適切な事業実施へ指導・支援を要請した。

(2面・総合)

〈写真:御礼文書を山本農相(右)に手渡す髙橋会長(中央)。左はNOSAI全国の鈴木直常務〉

改正農災法の概要 収入保険と農業共済の両輪で盤石な「安全網」(6面・特集)【2017年6月4週号】

 改正農業災害補償法が16日に成立した。法律名を「農業保険法」に改め、品目の枠にとらわれずに農業者ごとの農産物の販売収入全体を対象とする農業経営収入保険事業(収入保険)を創設するとともに、現行の農業共済事業について農家の負担軽減などの観点から見直し、両事業を両輪とした新たな農業保険制度を確立する。団体は農業保険制度の機能が十分に発揮され、これまで以上に農家の経営安定が図られるよう、制度内容に関する丁寧な説明を基本に、農業共済または収入保険への加入推進に全力を挙げる。改正法の概要を紹介する。

(6面・特集)

広範囲、多様化する被害 農機具盗難を防ごう(16面・資材)【2017年6月4週号】

 春作業が一段落し、気持ちにもちょっとした余裕が生まれるころ。代かきや田植えなどで使用したトラクターや、秋に使うコンバインなどの農機具の保守管理は万全だろうか。NOSAI全国(全国農業共済協会、髙橋博会長)はこのほど、農機具共済における2016年度の農機具盗難事故の調査結果をまとめた。農機具共済を実施する40都府県合計で90台(支払共済金9104万円)の被害が発生。ピーク時と比べ盗難件数は減少しているものの、トラクターを中心に依然として被害が多く、引き続き警戒が必要だ。近年ではポンプなどを動力にする小型エンジンや自走式草刈機など比較的小さな農機具の被害も目立つ。盗難被害によって予定していた農作業などに支障が出る恐れもある。調査結果を踏まえ、盗難防止の対策を紹介する。

(16面・資材)

園芸施設共済 台風シーズンに備えて(5面・NOSAI)【2017年6月4週号】

 今年も台風シーズンがやって来る。日本に接近しなかったとはいえ、既に4月と6月に、一つずつ発生している(気象庁速報値・6月13日現在)。昨年は台風の接近・上陸が相次ぎ、集中豪雨や強風により北海道・東北地方でも農作物や農業施設の被害が相次いだことから、これまで台風などの被害が少なかった地域も決して楽観できない。施設園芸ではハウスの補強対策などと併せて、園芸施設共済への加入など早めに万全の備えをしておきたい。共子さんが園芸施設共済の仕組みを済太郎くんに聞いた。

(5面・NOSAI)

NOSAIにお任せください(25)無人ヘリで水稲いもち病防除 ―― NOSAI山梨富士支所(5面・NOSAI)【2017年6月4週号】

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 NOSAI山梨(山梨県農業共済組合)では、損害防止事業の一環として、北部支所管内と富士支所管内で産業用無人ヘリコプターによる水稲いもち病の一斉防除を実施している。事業のスタート以来、いもち病の発生は大幅に減少。継続して利用する農家が多く、「労力軽減にもつながる」と喜ばれている。散布本番を控え、無人ヘリの練習会を開いた富士支所を取材した。

(5面・NOSAI)

〈写真:練習会で無人ヘリを操縦するNOSAI職員(右)〉

和牛繁殖 豆腐かす中心のエコフィードで飼料費削減 ―― 長崎県南島原市・花房牧場(17面・営農技術)【2017年6月4週号】

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 繁殖和牛97頭を飼養する長崎県南島原市加津佐町の農事組合法人花房牧場は、主に豆腐かすを活用したエコフィードを給与することで、飼料費を削減している。豆腐かすはキロ5円で購入し、トウモロコシや麦、ふすまなどを組み合わせて自家配合して袋に詰め、屋外で1カ月ほど発酵させて製造。繁殖牛の維持期には1日2キロを給与するほか、能力の落ちた個体の再肥育にも活用する。分娩〈ぶんべん〉3日後には子牛と離す超早期離乳を導入し、1カ月間放牧して子宮の回復を早めることで、分娩間隔は367日だ。耕畜連携で稲わらを確保するなど地域資源を有効活用し、経営向上を図っている。

(17面・営農技術)

〈写真:自家配合したエコフィードを給与する綾部代表。嗜好(しこう)性は良好だ〉

メロン栽培に赤色レーザーセンサー【高知県・6月4週号】

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 【高知支局】香南市夜須町で、糖度が高いブランドメロン「エメラルドメロン」の栽培に取り組む西内厚さん(61)は、赤色レーザーセンサーを導入して、効率的な水やりを行い、質の高いメロンを生産する。
 葉にレーザーを当てて、パソコンで葉の状態を確認する仕様。「出荷直前に実の割れを防ぐには、水の管理が一番大事。人間の目では、1センチから3センチ葉がしおれていても確認することは極めて難しい」と話す西内さんだ。

〈写真:赤色レーザーセンサーと西内さん〉

水稲早生品種「ちほみのり」を試験栽培【新潟県・6月4週号】

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 【新潟支局】水稲品種「ちほみのり」の試験作付けを始めた関川村上野新の大島毅彦さん(43歳、有限会社上野新農業センター代表取締役)は、作業効率や食味の結果次第では、作付面積の拡大も視野に入れているという。
 県内では初の栽培となるちほみのりは、東北地方での直播栽培に適し、10アール当たり収量が約800キロと多収性に優れた品種だ。

〈写真:ちほみのりの圃場で大島さん〉


豪雨災害乗り越え 全集落が水稲作付け【島根県・6月4週号】

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 【島根支局】2013年7月28日、猛烈な雨に見舞われた島根・山口両県では、後に激甚災害に指定された「津和野豪雨災害」が発生した。県境の津和野町名賀〈なよし〉地区では、地区内を流れる名賀川が氾濫し、道路の寸断による孤立状態の発生や農地の冠水、土砂流入・流出などの大災害となった。
 あれから4年。復旧が進み、同地区の全集落で、災害前と同じ規模で17年産水稲を中心に作付けが完了した。

〈写真:土砂が流入した農地は、きれいによみがえった〉

地すべりで警戒区域に設定 助け合いを原動力に【大分県・6月4週号】

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 【大分支局】今年5月、豊後大野市朝地町の綿田〈わただ〉地区で地すべりが発生し、地区内の水田約30ヘクタールのうち約13ヘクタールが、災害対策基本法に基づく警戒区域に設定されたため、地区内の農家8戸では苗の移植ができない状況となった。同地区で一番作付けの多い後藤啓文さん(68)は行き先が無くなった200枚ほどの苗があったが、「引き取りたい」と、竹田市古園でライスセンターを経営する長野幸生さん(67)が手を挙げ、NOSAIおおいた(大分県農業共済組合)が仲介した。
 後藤さんは「『災害はいつ起こるか分からない』とはよく言ったものだが、こんなことで落ち込んではいられない。長野さんは見舞いに来てくださり、大変ありがたいお話をもらえて感謝しています」と話す。

〈写真:立入制限区域に指定された田んぼを前に後藤さん〉

農具のグリップを握りやすく工夫【熊本県・6月4週号】

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 【熊本支局】八代市二見下大野町で有限会社福島刃物製作所を営む福嶋賢二さん(56)は、妻・聡子さん(50)、4代目後継者の潔さん(27)とくわや鎌などの柄に、「力が弱い高齢農業者でも楽に作業ができるように」と握りやすい工夫を施し、使用者から喜ばれている。
 賢二さんは刃物を作る傍ら、高齢の農業者のため、農作業が楽になる方法を模索していた。近所に住む聡子さんの両親(内尾末幸さん、安子さん)に試作品を何度も試してもらい、現在の柄(グリップ)を完成させたという。

〈写真:「作業が楽になった」と長年愛用する内尾さん夫妻〉

「北限のサル」の食害を電気柵で食い止め【青森県・6月4週号】

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 【青森支局】むつ市では、国の天然記念物である「北限のニホンザル」による農作物の食害対策の一環として、被害の多い農地を選定し電気柵を設置している。
 同市農林畜産振興課畜産鳥獣グループの兼平隆嗣主査は「対策の効果もあり2016年度の被害金額は10年前の6分の1程度まで減少した」と話す。市では、文化庁と県から許可を得て被害を及ぼすレベルの高い群れの個体の捕獲を行うほか、市の専門職員による追い払い、電気柵の設置を行っている。
 下北半島のサルは1985年ごろから個体数が増え食害が目立ち始めたという。現在は餌付けをしていないが、冬季の気温上昇で自然淘汰〈とうた〉されるサルが少なくなった影響などで個体数は増加の一途をたどる。

〈写真:太陽光で発電する電気柵のスイッチを入れる生産者〉


防風林「低コスト意識は自らの経営感覚で実践すべき【2017年6月4週号】」

 ▼早くも、農業競争力強化プログラムで示された「資材価格の低減」効果なのだろうか。JA全農が公表した平成29肥料年度秋肥価格は、主要品目の複合肥料が前期(28年春肥)より値上げとなったものの、前年同期比で5.8%低下、前期からの銘柄集約メリットを織り込むと17.2%の引き下げだ。
 ▼全農は次期春肥も国内要因のコストを削減し引き下げるという。肥料価格は船積み運賃や為替、輸送費などを勘案し、メーカーとの交渉で決まる。資材価格低下は大歓迎だが、メーカーへの過度な効率化要求は、安定供給の停滞や品質表示偽装などを招く懸念がある。
 ▼かつて、農業機械銀行方式や共同利用、実用機能に絞り低価格化を図った"シンプル農機"による低コスト化対策を実施した。だが、稼働期の集中化や低機能な農機の需要不足などが要因で長続きはしなかった。
 ▼全農は後継者団体や法人組織とともに、資材費低減への研究会を開いてきたという。将来を担う後継者に低コスト化への意識を浸透させる取り組みとして評価できる。規模に見合った施設・資機材導入、予察や土壌分析など情報に基づく肥料・農薬の施用など、利用面でのコスト低減は重要だ。
 ▼農業競争力強化に向けた生産資材価格引き下げや流通構造改革、輸出力強化は、産業界の農業という舞台に続く花道と見る向きも多い。農業者は踊らされるのではなく、自ら描く脚本で主役を演じたい。

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