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今週のヘッドライン: 2017年07月 2週号

日EU・EPA大枠合意 国内農業への打撃懸念(1面)【2017年7月2週号】

 安倍晋三首相は6日、ベルギー・ブリュッセルで欧州連合(EU)のドナルド・トゥスク大統領らと会談し、日本とEUとの経済連携協定(EPA)交渉が大枠合意に至ったと発表した。焦点の物品の自由化交渉では、EU側は自動車の関税を発効8年目で撤廃する一方、日本はソフト系チーズで環太平洋連携協定(TPP)でも譲らなかった輸入枠の新設を認めるなど、一部でTPPの水準を上回る譲歩に踏み切った。酪農を中心に国内農業への打撃は避けられず、十分な情報開示・説明もないままに市場開放を容認したことに、生産現場からは工業製品の輸出のためにまたもや農業が犠牲になったと不満・反発も広がっている。

(1面)

九州北部中心に記録的豪雨 農業にも甚大な被害(1面)【2017年7月2週号】

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 九州・中国・東海および北陸地方などに激しい雨を降らせた台風3号が通過した後も、西日本に停滞する梅雨前線によって、福岡県や大分県に大雨特別警報が発表され、福岡県朝倉市で総降水量536ミリの記録的大雨に見舞われるなど、九州北部地方を中心に豪雨に伴う災害が襲った。

(1面)

〈写真:河川の氾濫による激流で園芸用ハウスが倒壊(7日、福岡県朝倉市多々連)〉

2017年農業構造動態調査 農業経営体は130万割れ(2面・総合)【2017年7月2週号】

 農林水産省は6月30日、2017年の農業構造動態調査(2月1日現在)を発表した。全国の農業経営体数は前年比4.6%減の125万8千となり、130万を割り込んだ。一方、組織経営体数は2.6%増の3万4900と増加傾向が続いており、うち農産物の生産を行う法人組織経営体は4.8%増の2万1800に拡大した。

(2面・総合)

鳥獣被害対策調査 捕獲頭数の確認徹底へ(2面・総合)【2017年7月2週号】

 農林水産省は6月30日、鳥獣被害防止総合対策交付金(鳥獣被害防止緊急捕獲等活動支援事業)における捕獲確認方法などに関する調査結果を発表した。回答した929協議会等(2015年度と16年度に事業を実施)のうち、140協議会等(15%)では写真や証拠物(野生鳥獣の部位)で確認しているものの、確認方法などが不十分であることが分かった。同省は、虚偽申請の防止強化へ、捕獲確認方法の全国統一化など必要な改善策を講じる方針だ。

(2面・総合)

建物共済の仕組みを順次改善 自然災害への補償を拡充(5面・NOSAI)【2017年7月2週号】

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 NOSAIの建物共済では、近年多発する地震などの自然災害に対する補償を拡充させるため、地震の補償割合を従来の30%から50%への引き上げや建物総合共済の加入限度額を2千万円から4千万円に引き上げるなど仕組み(給付)改善を全国のNOSAIで7月から順次、実施する。農家のニーズに応えて、より手厚い補償を提供する。特約を充実するなど見直された建物共済の仕組みについて、共子さんが済太郎くんに聞いた。

(5面・NOSAI)

快適性重視し乳質向上 ―― 駒場牧場(宇都宮市)(9面・営農技術)【2017年7月2週号】

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 栃木県宇都宮市古賀志町の駒場牧場(駒場久代表=66歳、経産牛64頭、育成牛48頭)では、敷料を毎日交換・補充するなど牛の快適性(カウコンフォート)を重視した飼養方法によって生産性向上を図っている。敷料には家畜糞(ふん)堆肥にもみ殻とそば殻を加え、清潔で乾燥した牛床を確保しながら乳房炎の発生リスクを防ぐ。夏の高温期には、屋根に水を散布し、牛舎内温度を下げるなどの暑熱対策を講じ、快適な環境づくりに取り組む。1頭当たりの年間搾乳量は1万キロを超え、体細胞数も10万個未満を維持するなど高い成績を収めている。

(9面・営農技術)

〈写真:「常に清潔な状態を保つことを心掛けています」と駒場靖史さん〉

園芸用資材を使って牛舎温度が8度低下【香川県・7月2週号】

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 【香川支局】「屋根散水と噴霧装置の併用で、畜舎の気温が最大8度低下しました」と、牛舎の冷却効果を実感している藤目展弘さん(観音寺市柞田町、74歳、繁殖和牛25頭)。2014年から、園芸用資材を転用した散水装置と噴霧装置を併用する。これらの装置は香川県西讃農業改良普及センターが、検討会で畜産農家と協力して実証を進めたものだ。

〈写真:畜主の藤目さん(左)に噴霧装置の設置位置を説明する岸本副主幹〉

移動式コントラクターでもみ米サイレージ調製【宮崎県・7月2週号】

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 【宮崎支局】「株式会社ヤマシタアグテム(三股町・山下昇社長)」は、飼料用米生産農家を戸別訪問し、もみ米の破砕とサイレージ調製を行う「移動式コントラクター事業」に取り組んでいる。農家の初期投資を抑え、高品質のサイレージができる同事業では、2014年から全国の畜産試験場などと共同で給餌試験を行っている。

〈写真:起動式で行われた調製作業の実演〉

温州ミカンの摘果作業を省力化【和歌山県・7月2週号】

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 【和歌山支局】温州ミカンの摘果作業を省力化する「ふろしき樹冠上部摘果」技術を、JAながみねしもつ営農生活センターが開発した。アグリシート(防草シート)をミカンの木の樹冠上部に約10日間覆いかぶせ、被覆内の温度を30~40度の高温に保ち、遮光し、被覆内に結実している実の生理落果を助長させ、樹冠上部摘果を行ったのと同じ状態にする技術だ。

〈写真:ふろしき樹冠上部摘果技術を取り入れた石川さん〉

希少な西洋野菜を90種栽培【山梨県・7月2週号】

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 【山梨支局】「変わったものを作るのが楽しい」と話すのは、北杜市小淵沢町で水稲150アールと野菜100アールを栽培する石毛康高さん(36)。畑では希少価値の高い西洋野菜を90種、農薬・化学肥料を使わずに栽培している。

〈写真:ハーブやスパイスとしても使われる地中海沿岸の野菜「フェンネル」を示す石毛さん〉

稲わらを圧縮・成形、建築用資材に活用【福島県・7月2週号】

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 【福島支局】会津坂下町の長峯伸さん(42)=水稲2.6ヘクタール、メロンハウス5棟=は、自家産稲わらを圧縮・成形して建築用資材(ストローベイル)として活用し、自然に優しい建築物「ストローベイルハウス」造りにも取り組む。

〈写真:ストローベイルを抱える長峯さん。「乾燥後は10キロほどです」〉

農高生が「スギナうどん」を開発中【愛媛県・7月2週号】

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 【愛媛支局】西条農業高等学校(西条市)の生活デザイン科、食文化コースに所属する3年生12人のグループが、除草の難しいスギナを使用したオリジナルのうどんを開発中だ。

〈写真:スギナうどんを手に西条農高の生徒〉

防風林「イノベーションと産業論の狭間の農村社会とは?【2017年7月2週号】」

 ▼国内の農業経営体数が130万を切り125万8千となったことが、農林水産省の農業構造動態調査で分かった。減少する個人経営体に対し法人など組織経営体は増加傾向。
 ▼農地の8割を担い手に集中、資材・流通コスト削減を産業界の努力やAI(人工知能)・ロボット技術などイノベーション(技術革新)活用で高度化を図り、農産物輸出力を強化。「攻めの農林水産業」への政策シナリオは着々と前進する。
 ▼遡(さかのぼ)ること三十数年前の学生時代、国民経済研究協会理事長の叶芳和氏が発表した「農業・先進国型産業論」が物議をかもした時期が。「規模の拡大とイノベーション、人材力育成により、日本農業は先進国型産業に変化できる」との論調は明快。だが当時はまだ食管法時代、農地流動化は一向に進まず小規模農家層が多かった。しかも、イノベーションという言葉は、田舎出身の学生にとっても、現場感覚が希薄な実現の可能性が低い論調だと解釈した。
 ▼現在、この農業・先進国型産業論にならった農業改革が進められている気がするのだ。規制改革推進会議などでの提言が、多くの人に忘れられた同論が下敷きだったとしたら背筋が凍る。
 ▼囲碁などでAIとの対局は高段者が完膚なきまで敗北。農業でも無人農機が実用化され数年後に市販化される。まさに「イノベーション」「産業論」に基づいた農業施策が展開された国の集落や文化、多面的機能はどうなるのかとふと考えてしまう。

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