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今週のヘッドライン: 2017年07月 3週号

茶に加工・販売 ドクダミを中山間地域の資源に ―― 奥本幸正さん(兵庫県上郡町)(1面)【2017年7月3週号】

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 高齢者が働く場づくりへつなげようと、野草のドクダミを中山間地域の資源として着目し栽培体系を確立するのは、兵庫県上郡町高田台の奥本幸正さん(68)。「農業で、老いも若きも健康に暮らせる社会を実現したい」と話す。薬草としての健康機能性への期待も踏まえ、茶に加工して10アール当たり20万~30万円の売り上げを得る。力作業が少なく、収穫は刈払機でできるなど初期投資も抑えられ、条件不利地でもよく生育するので農地の有効活用にもつながる。独自に栽培体系を確立して16アール栽培するだけでなく、苗を県内や近県へ出荷し産地化を図っている。

(1面)

〈写真:「荒れた農地を救って、お年寄りも健康に働ける」と奥本さん〉

農水省が農薬取締行政で見直し方針 再評価制度を導入(2面・総合)【2017年7月3週号】

 農林水産省は13日、農業資材審議会農薬分科会(分科会長・山本廣基大学入試センター理事長)を開き、農薬取締行政を抜本的に見直す方針を示した。農薬登録後も、最新の科学的知見に照らして有効成分ごとに安全性を再評価する制度(再評価制度)を2021年度から導入することなどが柱。農薬規制の国際調和を図り、効果が高く安全な農薬の開発・供給を促進するのがねらいで、農産物や農薬の海外輸出も後押しする。ただ、分科会では、再評価にかかる費用増により、農薬価格の上昇や新薬の開発後退など影響を懸念する意見も出された。農薬は食料の安定生産に大きな役割を果たしている。常に新たな科学的知見に基づく安全性確保に向けた充実・強化は大切だ。だが、生産現場での誤解や混乱などが生じないよう丁寧な対応が求められる。

(2面・総合)

農業の体質強化が柱 日EUのEPAで政府が基本方針(2面・総合)【2017年7月3週号】

 日本と欧州連合(EU)との経済連携協定(EPA)交渉が大枠合意したことを受け、政府は14日、「TPP(環太平洋連携協定)等総合対策本部」(本部長・安倍晋三首相)の初会合を開き、国内対策の基本方針を決めた。今秋をめどに農林水産業の体質強化策を柱とする総合的な対策をまとめる。特に打撃が懸念される畜産・酪農分野では、国産チーズの低コスト化・ブランド化や、畜産経営安定対策(牛・豚マルキン)の拡充などを盛り込んだ。

(2面・総合)

直売・宅配メインのメロン作り つながる喜び原動力に ―― 青木弥市さん(神奈川県寒川町)(3面・暮らし)【2017年7月3週号】

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 「このメロンの味を、求めている人に届けたい」と話す、大都市近郊で地域特有のメロンを40年以上栽培している神奈川県寒川町宮山の青木弥市さん(76)。大正時代から地種で作り続けてきた純系のアールスメロンを「寒川メロン」のブランド名で販売する。香りの良さと肉質の柔らかさが特徴だ。販売期間中は毎日のように顧客が農場を訪れ、会話を楽しみながら栽培管理に取り組んでいる。

(3面・暮らし)

〈写真:「今年もお客さんに会うのが楽しみ」と話す青木さん〉

GAP認証の関心高まる 「食の安全・信頼シンポジウム」から(8面・流通)【2017年7月3週号】

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 農業生産現場において、食品安全や環境保全、労働安全など順守するべき点検項目を定め、実施・記録・点検・評価し、継続的に管理・改善する「GAP」(農業生産工程管理)への取り組みが注目されている。欧州を中心に普及する国際的な認証「グローバルGAP」や日本発の「JGAP」などがあり、2020年に開かれる東京オリンピック・パラリンピック競技大会の食材調達基準の要件になっていることから高い関心が寄せられるためだ。その一方で、生産・事業者、消費者の理解や知名度不足、産地間での意識格差などの懸念が指摘されている。日本GAP協会と食品安全マネジメント協会が11日に開いた「食の安全・信頼シンポジウム」から取り組み状況や導入事例などを紹介する。

(8面・流通)

〈写真:JGAPの費用対効果なども話し合ったトークセッション〉

水稲11品種で作期分散 特性生かし収益確保 ―― あぐり三和(新潟県上越市)(9面・営農技術)【2017年7月3週号】

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 水稲中心に約60ヘクタールを作付ける新潟県上越市三和区越柳の株式会社あぐり三和は、早晩性が異なる水稲11品種を組み合わせて、9月上旬から10月下旬までの長期収穫を実現している。需要が高い業務用米の生産にも力を入れ、今年は農研機構が育成した早生の多収品種「つきあかり」を新たに導入した。米卸4社や個人客と全量取引する。育苗ハウスでブドウ「藤稔」「シャインマスカット」のアーチ栽培にも取り組み、水稲よりも早い8月中旬に収穫するなど、労力や農機、設備を最大限に活用し、農業所得を高めている。

(9面・営農技術)

〈写真:「早生種の生育は順調」と、「つきあかり」の圃場で福原代表〉

ホタテガイ養殖の残渣を堆肥にタマネギ【青森県・7月3週号】

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 【青森支局】蓬田村では、蓬田たまねぎ生産組合、弘前大学、蓬田村の「産学官」が連携し、ホタテガイ養殖の残渣(ざんさ)を堆肥として使用した高品質のタマネギ栽培を行い、農業振興や地域活性化を図っている。
 弘前大学の報告書によると、残渣堆肥を使用した効果は明確に表れ、茎葉の生育の違いが遠くからでもはっきりと判別できるほどで、品質や収量でも効果が見られた。さらに地力アップや土壌改善などが見られ、残渣堆肥をタマネギ栽培に積極的に使用することが望ましいとした。

〈写真:蓬田村のタマネギ収穫〉

おいしい米作りに確かな手応え【岡山県・7月3週号】

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 【岡山支局】勝央町の神田宣生さん(63)が栽培した水稲「ミルキークイーン」が、「第18回米・食味分析鑑定コンクール:国際大会」の「都道府県代表お米選手権」で特別優秀賞に選ばれた。「品種にかかわらず、地元のおいしい米作りについて、農家の皆さんに認識を持ってもらえれば」と話す。現在は妻の裕子さん(62)、次男の昌洋さん(25)と、ミルキークイーンのほか「ひとめぼれ」「キヌヒカリ」「コシヒカリ」、飼料用米「ミズホチカラ」など7品種18.2ヘクタールの水稲、1.8ヘクタールの黒大豆(作州黒)を作付けている。

〈写真:作付けの流れや考え方について説明する神田さん〉

半世紀の牛飼いを人生を全う【山口県・7月3週号】

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 【山口支局】「長年牛飼いをしてきましたが、今月、最後の1頭の出荷をもって、牛飼いの人生に幕を閉じることになりました」と話す、山口市徳地の齊藤清隆さん(86歳・肥育牛1頭)。牛飼いを始めたのは50年前。「ここまで牛飼いをやってこられたのも、共に牛飼い人生を歩んでくれた妻(ハルエさん=78歳)のおかげ。妻に感謝したい」と齊藤さんは話している。

〈写真:「誰か牛を飼いたい人がいれば牛舎を提供したい」と話す齊藤さんと最後の1頭「ひらやす」(7月13日出荷)〉


豪雪地帯でマンゴーたわわに【新潟県・7月3週号】

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 【新潟支局】豪雪地帯で、南国フルーツのマンゴーを栽培している南魚沼市五郎丸の江口幸司さん(72)。誰もが想像もしなかった雪国でのマンゴー栽培を"男の意地"で見事に軌道に乗せた。
 徹底した温度管理とハウス内の環境整備に気を配り、雪国で糖度18度以上のマンゴー栽培に成功。現在、鉄骨ハウス4棟で、400本を栽培している。

〈写真:収穫前のマンゴーと江口さん〉


小ギクを露地で電照栽培 8月上旬安定出荷へ【山形県・7月3週号】

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 【山形支局】「8月の需要最盛期に合わせた小ギクの安定出荷を目指したい」と話す酒田市上野曽根の佐藤勲さん(72)。農事組合法人「一心きらきらファーム」(伊藤正明代表理事、構成員11人)で小ギクの栽培管理を担当している。同法人では小ギクの圃場(30アール)に電照栽培設備を導入。長日条件では花芽分化しにくい性質を利用し、150個の電球で人工的に光を当て開花時期を調整しながら、約4万本の露地栽培に取り組んでいる。

〈写真:夜間の電照栽培〉

メロンに絵柄や文字 贈答用に【福島県・7月3週号】

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 【福島支局】会津若松市北会津町舘でメロンなどを栽培する坂内和篤(ばんない・かずま)さん(28)は、メロンに絵柄や文字を浮かび上がらせる加工をして、結婚式の引き出物などの贈答品として好評を得ている。口コミや会員制交流サイトを通して広まり、今では年間100個ほど販売している。

〈写真:メッセージ入りメロン〉

防風林「自然災害報道、現場と東京の遠い距離【2017年7月3週号】」

 ▼事務所の窓から見える風景は、ギラつく太陽と抜けるような青空。なのに、九州北部では記録的な豪雨。テレビは山林からの流木が家屋や圃場を襲った光景を伝える。東京にいては実態は見えない。
 ▼九州へ農家ルポに出張中の本紙記者に、早めに福岡県入りし撮影するよう指示。被害が甚大な朝倉市周辺は大雨が降り続き、取材中の事故は絶対に避けたい。「危険箇所に立ち寄らない。土砂崩れの恐れがある傾斜地に近づかない。地元NOSAI職員の指示に従うこと」。そうメールで伝えたが一まつの不安がよぎる。
 ▼「撮影を終了し現場から離れた」と報告が入るまで、後悔の念に駆られる。深夜の降版締め切りまで時間は少ない。在京記者が聞き取った被害県の現況メモを元に記事を一気にまとめる。だが、農林水産省発表の被害状況のデータが前日のまま未更新だ。レイアウト時間を考慮すれば限界は間近。ひとまず、選んだ写真3枚と執筆途中の記事を入稿しておく。
 ▼午後5時過ぎ、農水省発表当日現在の更新情報を確認。記事修正しサーバーに入れ胸をなでおろす。だが、福岡と大分の被害数字はほとんど反映されていないのは、農業被害状況が調査中だから。現時点での最新"大本営"発表を掲載するしかない。
 ▼自然災害での経営的損失を補てんする団体が発行する農業紙。迅速な災害報道と被災農家の再起の足跡を報じるのが使命。夜10時過ぎ帰途につく。夜空には輝く月光、九州の被災地は大雨が降り続いていた。

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