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今週のヘッドライン: 2017年08月 2週号

"働きやすさ" が定着の要 パート従業員を通年雇用 ―― 大分県豊後高田市・赤野農園(1面)【2017年8月2週号】

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 「勤務時間などに融通が利いて、福利厚生も整っているので働きやすい」――イチゴ「さがほのか」1.1ヘクタールを柱に、ソバの乾燥調製などの作業も請け負う大分県豊後高田市の赤野農園(赤野誠一郎代表=42歳、役員3人、社員3人)に勤める女性パート従業員は、働きやすさを口にする。13人いるパートの平均年齢は30代半ばで、小学校低学年ぐらいの子を持つ親世代が中心だ。学童保育費用を助成するなど充実した福利厚生が魅力となり、定着率は7割強を維持。「長く勤めてもらえると作業の精度、質ともに向上が見込まれ、経営のプラスとなる」と赤野代表は話す。

(1面)

〈写真:「自分たちで考えて動ける現場なので、口を出すところがない」と話す赤野代表(左)。イチゴの育苗管理に使う道具を作るパート従業員とともに〉

齋藤健氏が新農相に 安倍第3次内閣改造(1面)【2017年8月2週号】

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 第3次安倍第3次改造内閣が3日発足し、農相には齋藤健農林水産副大臣が就任した。安倍晋三首相は同日の記者会見で「構造改革こそがアベノミクスの最大の武器」と強調し、「時代のニーズに応える改革を断行する」との決意を表明。農政改革については、自民党の農林部会長や農林水産副大臣として環太平洋連携協定(TPP)交渉や農協改革など攻めの農政を主導してきた齋藤新農相に託すとした。

(1面)

〈写真:就任会見に臨む齋藤新農相〉

米価上昇に期待感 需給は引き締まり傾向へ(2面・総合)【2017年8月2週号】

 農林水産省は7月31日、食料・農業・農村政策審議会食糧部会を開き、2017年産米の生産数量目標が達成となれば、18年6月末民間在庫量は17年同期に比べ17万トン減の182万トンとなるとの見通しを示した。12年以来6年ぶりの低水準で、天候の動向など生産量は未確定な部分も多いが、早期米産地のJAでは概算金が引き上げられるなど、生産現場では米価上昇への期待感が高まる。一方、流通・実需側からは、米消費の減退に歯止めがかからない中、価格上昇となれば業務用を中心に消費減退が一層深刻化するとの懸念もある。さらに18年産からは米政策の大幅な見直しが控えている。持続可能な水田営農の確立には米の需給と価格の安定が欠かせない。その実現に向け、官民挙げた取り組み強化が求められる。

(2面・総合)

野菜を擬人化 キャラクターで地域農業をPR ―― 千葉県銚子市・ウッド村ファーム(3面・暮らし)【2017年8月2週号】

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 アニメ好きの農家が、仕事と趣味の相乗効果で地元を盛り上げる――。千葉県銚子市で「ウッド村ファーム」を経営する木村宏之さん(34)・晃子さん(36)夫妻は、トマトやキャベツなど農園で育つ作物を擬人化したオリジナルのキャラクターを前面に出し、加工品やイベントで銚子の農業をPRしている。今月19、20日には、アニメやゲームのファンを対象にしたイベント「銚子フェスティバル」を主催。行政や地元企業と交渉して後援・協力を取り付け、今年で2度目の開催となる。自分たちも楽しみながら「外から人を呼び込むことで、銚子を元気にしたい」と意気込む。

(3面・暮らし)

〈写真:木村さん夫妻とトマトのキャラクター「リコ」。東京で開かれた物産展でカレーを販売した〉

確実に再建へ 強風で園芸施設が倒壊 ―― 熊本県(5面・NOSAI)【2017年8月2週号】

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 7月に入って以降、全国的に台風や局地的豪雨による被害が相次いでいる。7月4日の台風3号に続き、九州北部地方を中心に大きな被害が発生、被災地域のNOSAI団体では、現在も迅速で適正な共済金支払いに向けて全力を挙げている。熊本県では台風3号の強風により、水稲や果樹、園芸施設などに大きな被害が発生した。復旧に向けて尽力する施設園芸農家2人を取材、職人不足によって、来年秋までハウス再建にめどがたたない現状を目のあたりにした。

(5面・NOSAI)


〈写真上:「3作を栽培できないのは非常に厳しい」と話す田代さん〉
〈写真下:倒壊したハウスの状況を説明する今田さん〉

集落営農を株式会社化 柔軟な経営が可能に ―― 兵庫県たつの市・ささ営農(9面・営農技術)【2017年8月2週号】

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 集落営農組織の法人化が進む中、株式会社化により独自の事業に取り組む法人も増え始めている。主流の農事組合法人に比べ、企業として収益確保が不可欠となる一方、農業関連だけでなく食品製造や小売業など地域のニーズに応じて幅広く事業を展開できる。先進的に株式会社化した兵庫県たつの市新宮町の株式会社ささ営農は、地域の水田農業を担うほか、地元産バジルをペースト加工して売り上げを確保し、経営安定を図る。高齢化や政策転換の中で、地域の実情に合った法人形態を選ぶことが重要となる。

(9面・営農技術)

〈写真:「集落の農地を守るため、野菜などで収益を高めていく」と八木代表〉

豪雨の被害軽減 ため池が貢献(2面・総合)【2017年8月2週号】

 農研機構・農村工学研究部門は2日、九州北部豪雨で被災した福岡県朝倉市のため池の調査結果を公表し、土石流や流木をせき止めて下流の被害軽減に貢献した事例が複数あると報告した。
 九州農政局、福岡県と合同で市内13カ所を調査した。杷木地区の梅ヶ谷ため池は、上流から大量に流れ込んだ土石流や流木を受け止め、下流の住宅などへの被害を大きく軽減した。山田地区の鎌塚ため池は、決壊した他のため池の土砂も流入したが、洪水時に増水を安全に下流に流す洪水吐(こうずいばけ)の性能が高く、決壊を免れた。一時的にとどまった土砂や流木が、下流への氾濫を遅らせたとみられている。

(2面・総合)

水稲防除 ドローンが活躍【香川県・8月2週号】

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 【香川支局】規模拡大に向けた労力の省力化を考えると、採算は合うと思いました」。水稲11ヘクタール、麦11ヘクタール、ブロッコリー60アールを経営するさぬき市鴨部の梶原大介(かじはらだいすけ)さん(30)は、2017年7月に産業用小型無人航空機「液体散布用マルチローター」(ドローン)を導入した。自作地だけでなく、近隣耕地の防除も請け負うなど、ドローンの出番は増えている。

〈写真:「作業受託も増やしていきたい」と梶原さん。ドローン本体は約250万円〉

休耕田で農閑期にコケ栽培【島根県・8月2週号】

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 【島根支局】江津市桜江町の「有限会社スプラウト島根」(安原和男取締役=68歳、社員10人)では、休耕田を活用したコケ栽培に着手した。昨年秋から冬にかけてコケの採取を行い、16.1アールの圃場で栽培。約10カ月経過し、出荷を目前に控え、利益向上に期待を寄せている。

〈写真:「スナゴケやスギゴケなどの栽培にも取り組みたい」と成長を確認する社員〉

ハウス展張簡易留め具を開発【岡山県・8月2週号】

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 【岡山支局】ブドウ「ピオーネ」約15アールを栽培する三浦慎平さん(63歳、岡山市在住)は、ハウスを展張する際の簡易留め具「三浦バンド」を開発。実家がある高梁市成羽町のブドウ園に通い、作業の省力化・効率化を図っている。

〈写真:三浦バンドでフィルムを固定する三浦さん〉

収集したデータ基に米作り【宮崎県・8月2週号】

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 【宮崎支局】「データを積み上げながらうまい米を作りたい」と話すのは、えびの市下大河平で水稲6ヘクタールを栽培する勘場孝次(かんばこうじ)さん(65)。昔ながらの経験や勘に頼らず、自ら収集したデータを基に研究・実践を積み、安定した米作りを目指す。

〈写真:計測機の横で勘場さん〉

電気柵、通路、パトロール/女性パワーで獣害ゼロ【福井県・8月2週号】

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 【福井支局】「イノシシから里の農地を守ろう」と勝山市鹿谷町西光寺では、中川まつ子さん(67)ら女性3人が中心となって、集落背面の里山に電気柵と点検用通路を整備し、当番を決めてパトロールを行っている。中川さんたちの思いが住民に伝わり、2016年は獣害ゼロとなった。

〈写真:柵の電圧をチェック(左から斉藤チヨ子さん、松浦安子さん、中川さん)〉

薬用植物の栽培を推進【大分県・8月2週号】

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 【大分支局】杵築市は新たな産業と雇用創出を目的に漢方薬などに使用される生薬の原料となる「薬用植物」の栽培を推進。2016年には公益社団法人東京生薬協会などと連携協定を結び、同市山香町の旧山香農業高校の農場跡地で試験栽培を行ってきた。

〈写真:圃場で作業する受講生〉

防風林「登録農薬の再評価はいいことだが慎重にすべき【2017年8月2週号】」

 ▼農林水産省は現場で使用される登録農薬の「再評価」導入など、農薬取締行政の改革方針について検討に入った。
 ▼登録時点に課せられた試験で得られなかった人体や動物への安全性や環境影響評価など、2021年から定期的に有効成分(現在580)ごとに、最新の科学的知見や暴露量も視野に入れ再評価する。使用頻度の多いものや毒性懸念があるものを優先、4段階に分類して順次行う。
 ▼また、農薬登録時の原体規格に合致すれば製造方法の変更も認める方針で、製造コスト低減により農薬価格の低下に結び付く可能性があるほか、ジェネリック農薬開発への機運が高まるのではとの見方もあり、再評価を含め農家側に異論はないはず。
 ▼ただ、再評価試験の企業費用負担が値上げや再登録取り下げに走るのではとの懸念も。特に希少作物用農薬の生産量は少量で、採算性から製造中止となれば営農への打撃は大きい。ポジティブリスト制度の暫定基準値を本基準値へ移行中だが、再評価により本基準値が変更になる可能性を農水省の担当官も認める。農家への告知は慎重を期して現場での混乱は避けてほしい。
 ▼農作物の品質・収量確保には、防除手段の中でも化学的手法抜きに語れない。過去の農取法改正では使用農家の罰則規定追加や特定農薬を認定しているものの、次亜塩素酸水を追加してもまだ4資材だけだ。IPM(総合的病害虫・雑草管理)の普及が遅々として進まない理由は、硬直化した農薬取締行政が一端かもしれない。

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