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今週のヘッドライン: 2017年08月 3週号

20代夫婦が第三者継承 放牧酪農の夢かなう ―― 北海道浜頓別町・杉山 彰さん、愛美さん(1面)【2017年8月3週号】

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 後継者のいない農業者が自らの農地や機械、施設、栽培技術、販路などを新規就農希望者に有償で丸ごと譲渡する「第三者継承」。継承者は専業経営で生計が立てられる規模の経営資産をまとめて確保できる利点がある一方で、互いの信頼関係が構築できずに失敗に終わる事例も多く見られる。北海道浜頓別町茂宇津内の杉山彰さん(25)、愛美さん(26)夫妻は今年1月、1年半の研修を経て第三者継承で放牧酪農を開始した。
放牧地10ヘクタールと採草地40ヘクタールを確保し、経産牛35頭と育成牛23頭を飼養する。天候不順で1番草の収穫適期の判断を迷うなどまだまだ手探りだが、経営を軌道に乗せようと奮闘している。

(1面)

〈写真:「草地を最大限に活用し、健康に牛を育てたい」。放牧酪農の夢を実現して笑顔で話す杉山さん夫妻〉

2016年のカロリーベース食料自給率 過去2番目の低水準に(2面・総合)【2017年8月3週号】

 農林水産省は9日、2016年度の食料自給率を発表した。カロリー(供給熱量)ベースの自給率は1ポイント減の38%と、統計開始(1960年)以来、米が大冷害に見舞われた93年に次いで2番目に低くなった。米の消費減退に歯止めがかからないことに加え、北海道での大雨被害などにより小麦やテンサイなどの生産量が大きく落ち込んだことが要因。一方、生産額ベースの自給率は、野菜や果実で輸入額が減少して国内生産額が増えたことなどから2ポイント増の68%と2年連続で増加した。政府は2025年までにカロリーベースで45%に引き上げる目標を掲げているが、依然達成の見通しは立たない。生産基盤の立て直しと国産農産物の消費拡大に向け、実効性ある対策を総投入する必要がある。

(2面・総合)

2018年度予算概算要求の主要事項 成長産業化へ7本柱(2面・総合)【2017年8月3週号】

 農林水産省は10日、自民党の農林関係合同会議に2018年度の農林水産関係予算概算要求の主要事項案を示した。農林水産業の成長産業化に向けた農政改革を着実に実行するとし、(1)担い手への農地集積・集約化等による構造改革の推進(2)水田フル活用と経営所得安定対策の着実な実施(3)強い農林水産業のための基盤づくり(4)輸出力強化と高付加価値化――など7項目を柱に掲げた。

(2面・総合)

真夏の農作業では紫外線から肌をガード(3面・暮らし)【2017年8月3週号】

 強い日差しは、男女を問わず肌の大敵。一年を通じて紫外線量を定点観測している気象庁によると、おおよそ5月から観測値が大きく上昇し、7~8月にかけてピークを迎える。8月後半の今も、多量の紫外線が連日降り注いでいる。特に屋外での作業が多い農家女性は、厳しい日差しにさらされがち。疲れがたまった肌を回復させ、これから先のダメージを予防することが大切だ。化粧品を手掛けるコーセーの商品開発部スキンケア商品開発課・チーフプロダクトクリエーターの佐藤みどりさんに、日やけ予防と肌ケアを教えてもらった。

(3面・暮らし)

ナスを主役に差別化 用途の少なさ逆手にとって ―― 群馬県前橋市・ワタナベファーム(5面・流通)【2017年8月3週号】

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 群馬県前橋市粕川町のワタナベファーム(渡邉初夫代表)では、自家栽培したナスを主原料に使った加工品の開発・販売に力を入れる。担当するのは妻の博美さん(63)。紫色の野菜や果物に含まれるポルフェノールの機能性に着目して作ったオリジナルジュース「紫のおもてなし」は、その独創性から女性客を中心に人気が高い。県内外で開かれる催事やイベントに出向くなどして利用客に商品の魅力を伝える。ナスの新たな可能性を広げながら知名度と売り上げ向上を図っている。

(5面・流通)

〈写真:足を止めた買い物客に試飲を勧める博美さん〉

九条ネギと青ネギを周年栽培 露地のリスク 技術で緩和 ―― 京都府・株式会社京都知七(9面・営農技術)【2017年8月3週号】

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 外食産業などでは、国産の刻みネギ需要が依然高い。飲食店などへの契約栽培は安定価格で取引できる一方、露地栽培での安定生産による信頼確保には、夏の高温や台風などを乗り切ることが重要となる。九条ネギの産地である京都府で、九条ネギと青ネギ計12ヘクタールの周年栽培に特化して経営する株式会社京都知七(ともひち)では、生育不良や病害虫を避けるため、冷涼な山手の農地も借りて収量や品質の向上に努める。台風の対策には、収穫間際のネギが倒伏しないよう草丈を調節し、接近時には茶摘機で葉の先端を刈り取って低くするなど対策を重ねている。重義幸代表(39)は就農9年目ながら年商1億6千万円を実現。「従業員と共に、さらに生産性を高めて農業の日本代表になりたい」と話す。

(9面・営農技術)

〈写真:「従業員とともに生産性を高めていきたい」と重代表(右)〉

休耕田活用、栽培しやすく多収 カボチャで地域おこし【広島県・8月3週号】

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 【広島支局】カボチャの新たな利用法として、焼酎の商品化を実現した安芸太田町井仁地区の小笠原元治さん(72歳、水稲約80アール、野菜8アール)。昨年、自家栽培するカボチャ「バターナッツ」を使った「かぼちゃ焼酎井仁棚田」が完成した。焼酎をきっかけに、農地の活用など地域でのカボチャの振興を期待している。

〈写真:「地域の人たちにも休耕田でバターナッツを栽培してもらえれば」と小笠原さん〉

イチジク栽培に休耕田を活用【新潟県・8月3週号】

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 【新潟支局】「島の風に乗って来るミネラルを吸収した佐渡の良質なイチジクを全国へ届けたいです」と話すのは、佐渡市豊田の本間達雄さん(69)。佐渡の気候がイチジク栽培に適していることが分かり、休耕田13アールを活用しながら、現在100本近くの樹を管理している。

〈写真:イチジクの生育を確認する本間さん〉

小粒イチジクを増産【富山県・8月3週号】

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 【富山支局】射水市北高木の「農事組合法人大島北部営農組合(組合員42人、水稲23ヘクタール、大麦11ヘクタール)」は、小粒イチジク(1.5アール)の栽培を開始して3年目を迎えた。小粒イチジクは果樹の中では栽培が容易で、作業は軽労。農薬の散布も少なくて済む。また、植栽1年目から収穫が可能だ。

〈写真:「小粒イチジクの導入で組合員の複合経営への意識が高くなった」と横山さん〉

夜もイチゴ狩り楽しめます【宮崎県・8月3週号】

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 【宮崎支局】日南市北郷町で観光農園「南いちご農園」を営む南浩二さん(37)は、昼間だけでなく夜間にもイチゴ狩りを楽しめる「ストロベリーナイト」を開催。ハウス内で音楽ライブを楽しんでもらいながら、料理や酒も堪能できるイベント「ストロベリーナイトフィーバー」も催している。

〈写真:ハウスで酒や料理、音楽を楽しむ「ストロベリーナイトフィーバー」〉

採草地の獣害防止へ遊休農地に和牛放牧【岡山県・8月3週号】

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 【岡山支局】遊休農地約1.5ヘクタールに黒毛和種牛2頭を飼養することで、イノシシなどによる採草地の獣害を防止しているのは、高梁市巨瀬町の酪農家・鍋島公也さん(55)。今年5月に畑放牧組合(組合員4人)を設立し、主に鍋島さんが牛の体調管理や給餌を行う。

〈写真:「採草地の被害を減らしたい」と鍋島さん〉

圃場管理システム導入 生産管理を効率化【兵庫県・8月3週号】

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 【兵庫支局】「圃場管理システムの活用で、生産管理が楽になった」と話すのは、豊岡市但東町の「有限会社植田農園」の代表取締役を務める植田博成さん(36)。今年3月、「アグリノート」という圃場管理システムを導入した。

〈写真:管理システムを確認する植田さん〉

防風林「創意工夫は業者も農家も前向きだった【2017年8月3週号】」

 ▼むらの鍛冶屋から、農具製造業へと転業できた工場は数少なかったという。今や国内有数の作業機製造会社として存続できているのは、「急峻(きゅうしゅん)な山を持っていたから」と経営者から聞いたことがある。頑強な鋤部を打っても、畜力耕での推進力に耐えうる強い柄が求められたのだ。
 ▼真っすぐな木材から湾曲部を削りだした柄は弱く、土壌中の小石や礫との衝突で負荷がかかると折損が多発した。そこで、山の急傾斜面から力強く天に伸びる立木の湾曲部分を加工した柄は、柔軟にしなり衝撃を逃し折れにくくなり重宝された。耐久性重視の製品作りが農家に受けた。
 ▼脱穀も千歯扱きから足踏み脱穀機に移行し、動力脱穀方式が一般に普及したのは戦後以降だ。当時まだ高価だった発動機を耕うん機や脱穀機、籾(もみ)すり機など複数の手動機械に、Vベルトなどで連結し、使い回すことで軽労化と効率化を一気に実現させたのはそんなに昔のことではない。
 ▼大学などでの農業史講座では『農具便利論』(大蔵永常)を教えても、現代までの農業技術史は語られない。滋賀県長浜市にある発動機の歴史を伝える博物館を訪ねると、農業と動力の密接な関係性が理解できる。
 ▼20年も前に発行した『農作業の知恵袋』は、農機改造などで農作業をより快適にする事例を収録した。当時、生産調整の強化など世相は決して明るくはなかったが、創意工夫を楽しんで快適性を求める前向きな農家はたくさんいた。

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