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今週のヘッドライン: 2017年08月 4週号

地域住民と学生たちが棚田で連携 ―― せんがまち棚田倶楽部(静岡県菊川市)(1面)【2017年8月4週号】

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 大学のサークル活動として農作業や地域づくりに取り組む学生たちを、過疎化が進む農村が受け入れ、人材確保や新事業の展開などに生かす事例が増えている。棚田保全に活動する静岡県菊川市上倉沢のNPO法人せんがまち棚田倶楽部〈くらぶ〉は、静岡大学の農業サークルと連携。農作業だけでなく、人を呼び込むイベント企画や情報発信、交流など、若手が多様な活躍をして地域住民の意欲向上にも貢献している。学生たちは卒業後も定期的に農作業に集まり、卒業生の一人が移住してNPO法人の運営に加わるなど、長期的な活動の発展につながっている。

(1面)

〈写真:生き物調査では住民と共に学生たちも説明する〉

収入保険は531億円計上 2018年度農林水産関係予算概算要求案(2面・総合)【2017年8月4週号】

 農林水産省は25日、自民党農林関係合同会義に2018年度予算概算要求案を示した。月末に正式に決定する。総額は17年度当初予算比15.0%増の2兆6525億円で、焦点の収入保険制度の導入には531億円を計上した。また、18年産からの米政策改革実施後も主食用米の需給と価格の安定が図られるよう、飼料用米など戦略作物への転換を支援する水田活用の直接支払交付金を拡充。農業農村整備事業など公共事業費も大幅に増額要求した。このほか、農地中間管理機構による農地集積・集約化や農林水産物などの輸出拡大などに重点配分した。深刻化する鳥獣被害の防止では、ジビエ(野生鳥獣肉)利活用の促進も強化する。

(2面・総合)

〈明日のNOSAI 私の期待(17)〉加入は必要不可欠 ―― 鈴木淳さん(北海道北見市)(5面・NOSAI)【2017年8月4週号】

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 北海道に三つの台風が相次いで上陸して北見市を流れる常呂川が氾濫し、タマネギやテンサイなどに大きな被害を出した水害から1年がたった。多くの圃場は復旧工事を終え、今年も畑作物を作付けしている。タマネギ15ヘクタールとテンサイ5ヘクタールなどを栽培する北見市常呂町日吉の鈴木淳さん(46)は昨年、ほとんどの圃場で水害と病害を受け、畑作物共済への加入で3000万円程度の共済金を受け取った。2カ月にわたるタマネギの収穫期を迎える中、今年こそ自然災害で支障を来さない無事な収穫を願っている。2019年産から導入される収入保険や農業共済制度などについて意見を聞いた。

(5面・NOSAI)

〈写真:常呂川沿いで栽培するタマネギの生育を確認する鈴木さん〉

NOSAIにお任せください(27) 水稲の病害虫発生予察調査 ―― NOSAI下越(新潟県)(5面・NOSAI)【2017年8月4週号】

 新潟県のNOSAI下越(下越農業共済組合)は管内の水稲病害虫発生状況を的確に把握し、地域・品種などによって異なる病害虫の発生動向にもきめ細かく対応することを目指して、発生予察調査を実施している。市町村やJAの担当者、水稲共済に加入する組合員から選出される農家調査員と協力して管内の圃場で害虫の採取や病気の発生状況を確認。その結果を県病害虫防除所に報告し、地域ごとの防除に役立てている。

(5面・NOSAI)

業務用米 期待高まる(9面・特集)【2017年8月4週号】

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 家庭で米を消費する割合が減少する中、中食・外食など業務用の割合は伸びている。業務用米に向く品種には、実需側の業態や提供するメニューに適した特性が求められる。しかし、実際に生産される品種と実需ニーズのミスマッチが課題とされている。農研機構などの研究・開発機関では、多収や良食味、病虫害への抵抗、白飯やおにぎりなどの用途別に優れた品種などを育成している。2018年産から米政策の大幅な見直しを控える中で、継続可能な水田営農を確立するため、業務用に向いた品種を栽培品種に加えるのも選択肢の一つだ。ブランド品種一辺倒からの脱却を目指して、新品種の栽培に踏み切った産地の取り組みや、中食・外食に向いた水稲品種などの話題を集めてみた。

(9面・特集)

〈写真:新潟県十日町市の株式会社千手ではコシヒカリを主軸に「あきだわら」を導入する〉

自脱型コンバイン、乾燥機 異品種混入を防ごう(16面・資材)【2017年8月4週号】

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 早いところでは収穫期を迎えているこの時期、自脱型コンバインと穀物乾燥機などがフル稼働。近年、飼料用米の作付け増加や多品種栽培も多く見られることから、機体内部の適時適切なコンタミ(米の異品種混入)防止は最も重要な作業だ。農研機構・革新工学センターの土地利用型システム研究領域収穫・乾燥調製システムユニットの日髙靖之ユニット長は「他品種の混入が発生すると、経営的な損失につながり信用も傷つけかねない。出荷まで気を抜かず、予防に努めてほしい」と注意を呼び掛ける。

(16面・資材)

〈写真:「直交している部分には、もみが残留しやすい」と日髙ユニット長〉

親子の対話を考える 全国畜産縦断いきいきネットが大会(2面・総合)【2017年8月4週号】

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 畜種を超えた畜産農家女性で構成する「全国畜産縦断いきいきネットワーク」(事務局・中央畜産会)は22日、東京都中野区で「聞かせてよ! 若いみんなの声~親世代と子世代(後継者)の対話」をテーマに2017年度大会を開いた。会員や関係団体など全国から130人が参加。経済のグローバル化が進展する中で一致団結することを確認し、国産畜産物の信頼維持、消費拡大に努めるなどの大会宣言を採択した。

(2面・総合)

〈写真:会場からは積極的に質問・意見が出された〉

都市型酪農 臭気対策を徹底 ―― 柿澤牧場(神奈川県茅ヶ崎市)(17面・営農技術)【2017年8月4週号】

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 住宅や保育園に囲まれた神奈川県茅ヶ崎市甘沼の柿澤牧場は、その立地から牛舎のこまめな清掃を基本に、ふん尿の固液分離を確実に行うなどし、完熟堆肥化と臭気対策を徹底。周辺環境に配慮した酪農経営に取り組んでいる。また、見学や体験を受け入れ、近隣住民や子供たちと積極的に交流。地域で親しまれる牧場を築いてきた。代表の柿澤博さん(52)は「都市部で酪農を営むには、地域の人とつながりを深め、牧場を知ってもらうことが大切」と話す。

(17面・営農技術)

〈写真:自動攪拌機付きの乾燥施設について説明する柿澤さん〉

酪農/気化熱利用した冷風システム【福岡県・8月4週号】

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 【福岡支局】「『冷風システム』の導入で、搾乳量増加につながりました」と話すのは、糸島市で酪農業を営む末崎信明さん(39)。3年前に気化熱を利用した冷風システムを導入し、搾乳量増加やコスト削減を実現した。システムの導入費用は、工事費を含め100万円ほど。「初期費用はかかりますが、導入後は牛舎の扇風機の稼働を17台から8台に減らせたので、電気代は大幅に下がりました」と末崎さんは話す。

〈写真:「冷風システムのおかげで作業負担も減りました」と末崎さん〉

エノキタケ/菌床内の空気循環で培養期間を短縮【新潟県・8月4週号】

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 【新潟支局】父親から受け継いだキノコ栽培に取り組んで約30年になる南魚沼市枝吉の上村政樹さん(53)は、エノキタケの栽培瓶を大口径に変更し、菌床の空気穴を1カ所から5カ所に増やした。菌床内の空気が循環することで培養期間が短縮。約30日かかっていたものが約23日で培養できるようになり、植菌から出荷までの回数も6回転に増えた。

〈写真:エノキタケ栽培に情熱を燃やす上村さん〉


畜舎のカラス対策にロープすだれ【長崎県・8月4週号】

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 【長崎支局】平戸市大島村で繁殖和牛80頭を飼育する田口増巳さん(52)は、牧草の梱包用ロープを再利用し、カラスの牛舎への侵入を防いでいる。「以前は100羽ほどのカラスが牛舎に侵入していたが、この方法でカラスの侵入はゼロになった」と効果を実感している。ロープは、毎年張り替えを行っている。所要時間は2人で作業して2日間程度だという。

〈写真:ロープの間のクモの巣を掃除する田口さん〉

珍しい種類の野菜、売り方も工夫【鳥取県・8月4週号】

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 【鳥取支局】「今年の新作は、UFO型のズッキーニ」。倉吉市の米田規人さん(60)は、昨年の丸型ズッキーニに続き、珍しい種類の野菜を育て、売り方も工夫している。昨年から直売所へ出品する 丸型ズッキーニは、手に取ってもらえるようレシピカードを添え、観光客の多い道の駅にも販路を広げた。道の駅にある直売所の担当者は「珍しさと、きれいにラッピングされたかわいらしい見た目が好評で、若いお客さまを中心に手に取られます」と反応は上々。

〈写真:レシピカードを添えて販売〉

スイカ/シートのテープ貼りを立ったままで【秋田県・8月4週号】

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 【秋田支局】横手市雄物川町今宿の遠藤亮一さん(74)は、スイカ畑のマルチシート張りに、廃材を利用してテープを貼り付ける道具を開発し、労力の軽減につなげた。角材の先端部分に殺虫剤の空き容器を、手前に茶筒を取り付けて、ビニールテープを設置。角材を握り先端を押し付けるように歩くことで、立ったままでもテープを貼っていくことができる。

〈写真:先端に殺虫剤の容器、手前に茶筒を取り付けた〉


自家産米で納得の米パン【青森県・8月4週号】

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 【青森支局】自家産米粉を使った米パンを提供する五所川原市金山の高橋小百合さん(31)は、「米パンのおいしさを地元の人たちに知ってほしい」と話す。米粉用「ひとめぼれ」は、農業を営む両親の力を借り、減農薬で栽培(水田23アール)したものを使っている。「お客さんの『おいしい』が励み。今後は地域特産の果物や野菜をどんどん活用した米パン作りに挑戦したい」と話す。

〈写真:米パンを並べる高橋さん〉

防風林「食料自給率の低下で問われる国民意識【2017年8月4週号】」

 ▼2016年度の食料自給率が公表され、供給熱量(カロリー)ベースで38%となり10年度から維持してきた39%を1ポイント下げ、生産額ベースが68%となり昨年度と比較し2ポイント上昇した。供給熱量ベースが低下したのは、小麦やテンサイなどの単位当たり収穫量の低下が要因だ。
 ▼釈迦に説法だが、熱量の多い穀類などの作付けから転換して、野菜や果実、花き類などの生産や消費を増加させると熱量ベースの自給率は低下、価格の高いものほど生産額ベース自給率の向上に貢献する。ということは自給率自体が農業現場の盛衰と結び付くわけではないらしい。
 ▼特にここ数年、飼料用米奨励もあり米の生産調整目標数量に対してマイナスに転じている。さらに米価低迷の中、換金性の高い野菜類など園芸作物への作付けへとシフトすることで、供給熱量ベース自給率は今後も低下傾向を示すことが予想される。
 ▼明治期の軍隊で脚気が流行、白米に偏った糧食が原因とみた海軍では、麦を混ぜた献立で患者は減少した。「白米で満腹になれる」と兵役志願者が増えた時代だ。今や、肥満防止に炭水化物を摂取しない食事を勧める医師もいるらしい。これでは米消費量は低下し続け供給熱量ベース自給率の向上は夢のまた夢。
 ▼農家が高収益な作物を選ぶのは当然だ。問題は、40%を切る自給率でも将来の食料安定供給に不安を抱かず、体の外見だけに重きを置く国民意識の広がりだ。年々低下する米需要量に、この国全体の熱量低下が気になってくる。

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