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今週のヘッドライン: 2017年09月 3週号

若者が創る果樹経営(1面、8面)【2017年9月3週号】

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味わう、見る、分け合う 暮らしに果実を 直販拡大へ"楽しさ"提案
―― 福島県伊達市・佐藤佑樹さん(1面)


かんきつ多品種 個人販売に照準 イメージ戦略が奏功
―― 愛媛県宇和島市・二宮新治さん(8面)

 食が多様化する中、若者の「果物離れ」が顕著という。「近い将来は大幅な需要減か?」との懸念が果樹農家に広がる。今、産地では若手農家の先進的な販売促進への取り組みが、若い消費者を引き戻せるのかが注目されている。落葉果樹と常緑果樹の2事例を紹介する。

 「果物のある暮らし」を経営のコンセプトに掲げ、サクランボ、モモ、リンゴなどを栽培する福島県伊達市の伊達水蜜園。代表の佐藤佑樹さん(33)は、同園のプロモーションビデオ(PV)を制作してホームページで公開するほか、自らフォトコンテストなどを実施し、若い世代にも果物に興味を持ってもらおうとPRに力を入れている。東日本大震災をきっかけに百貨店との契約が打ち切られたことから、個人向けの販売に重点を置くようになった。味わうだけでなく、「見る楽しさ」や、独自のパッケージによる「分け合う楽しさ」を提案しながら直販拡大を狙う。

(1面、8面)

〈写真上:リンゴの生育を見る佐藤さん。「紅玉」「グラニースミス」などを手掛ける(1面)〉
〈写真下:出荷用段ボールと販売カタログは統一感をもたせた。柑橘ソムリエ愛媛ブランドのカタログとジュース用ラベルは濃い緑色を採用(8面)〉

[全共]高校生も腕競う 和牛産地の誇り高く(1面)【2017年9月3週号】

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 第11回全国和牛能力共進会(全国和牛登録協会主催)が7~11日、宮城県内の2会場で開催され、種牛330頭と肉牛183頭が改良の成果を競った。最高賞となる名誉賞(内閣総理大臣賞)には、「種牛の部」は第4区(系統雌牛群)の大分県の豊肥和牛育種組合、「肉牛の部」は第8区(若雄後代検定牛群)の宮崎県の出品牛が選ばれた。また、参加39道府県が上位入賞の得点で競う「出品団体表彰」は、全9審査区分で四つの優等賞1席を獲得した鹿児島県が首席となった。

(1面)

〈写真:高校の部で日本一に輝いた岐阜県立飛騨高山高校の生徒と出品牛「ともみさと」〉

ノーサイくんが応援 来場者に笑顔お届け(1面)【2017年9月3週号】

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 大会初日には、「ゆるキャラ®グランプリ2017」にエントリーしているNOSAI団体のマスコット「ノーサイくん」が会場に登場。おどけたポーズを取りながら練り歩き、来場者との写真撮影や握手をするなどして笑顔を届けた。特に子どもたちに人気で、チラシを配るなどして投票を呼び掛けていた。「高校生の部」の取り組み発表を見守るなどして大きな拍手を送っていた。

(1面)

〈写真:駆け寄ってきた子どもにチラシを渡すノーサイくん〉

49歳以下の新規就農者 3年連続で2万人超(2面・総合)【2017年9月3週号】

 農林水産省は8日、2016年の新規就農者数は前年比7.5%減の6万150人となったと発表した。3年ぶりに前年を下回ったものの、15年に続き6万人を上回り、特に49歳以下は2万2050人と3年連続で2万人を超えた。また、就農形態別では、新規雇用就農者が前年比2.4%増の1万680人となり、07年以降の最多を更新した。農家の高齢化や担い手不足が深刻化する中、持続可能な農業・農村の実現には人材の育成・確保が欠かせない。都市部に広がる"田園回帰"の流れなども追い風に、新規就農者の増加・定着を後押しする環境づくりを加速させる必要がある。

(2面・総合)

地場産食材でおもてなし 農家レストランを運営 まだ来すた(岩手県奥州市)(3面・暮らし)【2017年9月3週号】

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 岩手県奥州市胆沢区の農事組合法人「まだ来すた」は、築100年以上の古民家を改装した農家レストランを運営し、地元の魅力を県内外の人々に発信する場として親しまれている。切り盛りするのは代表を務める千田(ちだ)由美さん(50)ら地域に暮らす50~60代の農家女性たち。「ひとめぼれ」をぬか釜で炊いたご飯をはじめ、胆沢産食材を使った料理で訪れる人をもてなしている。

(3面・暮らし)

〈写真:豆太郎セットを手に千田代表。「地域農業の活性化に貢献できれば」と話す〉

中山間地で大豆 日当たり良い圃場を団地化 合理性追求し所得増 ―― 生育を確認する高野代表(右)と理事の岡田正行さん(67)(9面・営農技術)【2017年9月3週号】

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 中山間地域で大豆「サチユタカ」3ヘクタールを栽培する山口県周南市莇地〈あどうじ〉の農事組合法人「あどうじ」は、小区画の圃場できめ細かい管理を徹底し、2016年産は10アール当たり収量205キロ(県平均103キロ)、上位等級比率82.9%(県平均49.9%)を確保している。アップカットロータリーを利用した耕うん同時畝立て播種技術を導入して出芽を安定させる。カメムシなどの病害虫防除は、薬剤が莢〈さや〉や葉の裏面にもかかるよう、つり下げノズルを使って3回行い、着色粒の発生を防ぐ。収量と品質に直結する管理は手間を惜しまず、収穫や乾燥調製は作業委託して農機の過剰投資を避け、収益性を高めている。

(9面・営農技術)

〈写真:生育を確認する高野代表(右)と理事の岡田正行さん(67)〉

改正農業災害補償制度の政省令案 補償限度額の選択肢など規定(2面・総合)【2017年9月3週号】

 農林水産省は12日、先の通常国会で成立した改正農業災害補償法(農業保険法)に基づく政省令案を公表した。2019年産から導入する収入保険については、農家が選択できる補償限度額や支払率などを定めるほか、加入申請時に1年分の青色申告の実績があれば加入できる旨などを規定。農業共済の見直しについては、「一筆半損特例」や「地域インデックス方式」の創設などを盛り込む。30日間の意見公募を経て、公布する。

(2面・総合)

福島県産のナシ ベトナムに初輸出【福島県・9月3週号】

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 【福島支局】JA福島さくらいわき梨部会(草野富夫部会長=70歳・部会員77人)は、特産のナシを初めてベトナムに輸出した。原発事故後は海外輸出ができなくなっていただけに、関係者は風評被害の払拭と消費拡大に大きな期待を寄せている。日本産ナシ生果実のベトナムへの輸出は、農林水産省とベトナムの植物検疫当局との間で輸出植物検疫条件に今年1月合意、解禁となった。

〈写真上:輸出梨出発式のテープカット(8月17日)〉

〈写真下:自身の園地でナシの生育を確認する草野部会長〉

桑茶・桑茶パウダー・桑うどん 積極的に販路拡大【岩手県・9月4週号】

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 【岩手支局】農家民宿「観樂樓」を営む一関市藤沢町の佐藤静雄さん(73)は、自ら栽培する桑葉を原料にした「桑茶」などの加工品を販売している。東京にある岩手県アンテナショップ「いわて銀河プラザ」での試験販売や首都圏の消費者と交流を重ね、インターネットを活用して情報を発信するなど、販路拡大に積極的に取り組む。

〈写真:桑葉の加工品。桑茶、桑茶パウダー、桑うどん〉

大きくて高糖度 「じゅんちゃんの三豊ナス」【香川県・9月3週号】

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 【香川支局】「安定した価格で販売できるようになりました」と話すのは、「三豊ナス」を栽培する三豊市財田町の菅原順三さん(64)。2013年11月に「じゅんちゃんの三豊ナス」で商標登録し、販路拡大に取り組んでいる。菅原さんのナスは平均400グラムあり、一般的な三豊ナスに比べ50グラムほど大きく、糖度も8度と高い。

〈写真:「楽しみにしてくれている人がいるのが励み」と菅原さん・夕紀子さん(67)夫妻〉

バイオマス発電の廃熱活用 高糖度トマトを通年栽培【青森県・9月3週号】

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 【青森支局】平川市中佐渡の農地所有適格法人株式会社津軽エネベジ(奈良進代表取締役社長・63歳)は、系列会社が運営しているバイオマス発電事業で生じた熱エネルギーを活用し、高糖度トマトの通年栽培を行っている。現在は温室2棟(28アール)で高糖度トマト「アイコ」「フルティカ」「オレンジ千果」の3品種、約1万6千株を栽培。利用している温水は、発電所から生じた廃熱を活用しているため、暖房コストが抑えられる。

〈写真:「土地が確保できればほかの作物も栽培していきたい」と奈良代表〉

カレーと相性ピッタリ 香り米「鳥系香122号」【鳥取県・9月3週号】

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 【鳥取支局】カレールーとの相性が良い長粒で低アミロースの香り米「鳥系香(とりけいかおり)122号」の育成に鳥取県農業試験場が成功した。鳥系香122号は、普通のうるち米よりよく粘り、つやつやして柔らかく、ポップコーンのような香りがするのが特徴。2年前から行われている試食では「カレーによく合う、おいしい」「続けて使用したい」と好評を得ている。

〈写真:「ぜひこの米でカレーを食べてほしい」と芦澤さん〉

防風林「自国民の窮地を救えず軍事化は亡国だ【2017年9月3週号】」

 ▼大陸間弾道ミサイルの打ち上げや水爆実験を実施した北朝鮮に対し、国際的な制裁の連携が模索されている。これがさらなる妄動の引き金とならぬよう慎重さが求められる。
 ▼中国の後漢末、三国時代を勝ち抜いた魏。覇者・曹操の6男、曹植(そうしょく)は武よりも文才に秀でていたが、これを嫌う兄の曹丕(そうひ)(後の文帝)は「7歩の間に一篇の詩を詠め。出来なければ切って捨てる」と曹植に迫った。
 ▼曹植は緊張に震えながら「豆を煮るに/豆の殻を焼く/豆は釜中に在って泣く/これ同根より出づるものなり」と詠む。意訳すると、近親者同士や同族、そして人間同士の戦乱は醜いもの。曹丕は弟の文才を知り許したとされる「七歩の詩」の場面。
 ▼絶対的権力を維持する行為を煮豆と例えれば、これを作る過程で周辺国を威嚇し不安に陥れて、自国民の窮乏を顧みない政権はまさに、殻を火に投じているかのよう。中国昔話と現在の情勢が重なって見え、強力な軍事力を持つことで同根の民草が火中で泣いていては亡国への道だ。
 ▼わが国も明治維新後、「富国強兵」を旗印に軍事力を増強して大陸進出を画策した。だが同じころ、鉄鋼業を育成し鉄道網の整備など社会インフラの整備を急ぎ、農作物の品種改良を推進したほか養蚕、畜産・酪農を含めた農業近代化を図ったのも事実だ。北朝鮮の国民が貧困から立ち直った情報はない。ミサイルや水爆の開発に投じる費用で、農業振興が図られるはずだが。

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