ヘッドライン一覧 購読申込&お問い合わせ 農業共済新聞とは? 情報提供&ご意見・ご感想 コラム防風林

今週のヘッドライン: 2017年09月 4週号

伝統のブランド増産へ 在来大豆「小八豆」から「大鰐温泉もやし」(青森県大鰐町)(1面)【2017年9月4週号】

170927_1.jpg

 津軽伝統野菜の一つ「大鰐温泉もやし」を軸にした、青森県大鰐町の町おこしが注目を集めている。大鰐温泉もやしは、温泉熱と温泉水を利用した土耕栽培が特徴で、350年以上の歴史がある。独特の食感と味わいで、地元だけでなく都内の百貨店や県のアンテナショップでも人気が高いという。昨年9月には大鰐温泉もやし増産推進委員会が発足。国の地方創生事業を利用し、ブランド力向上と増産を進めている。この取り組みの拠点となっている、地域交流センター「鰐come〈ワニカム〉」と、生産者の八木橋順さん(44)、八木橋祐也さん(29)を取材した。

(1面)

〈写真上:サワから大鰐温泉もやしを取り出し、栽培方法について説明する祐也さん〉

台風18号 全国各地に大きな被害(1面)【2017年9月4週号】

170927_2.jpg

 鹿児島県南九州市付近に17日に上陸した台風18号は、広い暴風域を伴ったまま日本列島に沿って北上し、18日夜に温帯低気圧に変わった。九州・四国・本州・北海道の4島すべてに上陸した台風は観測史上初めてで、活発な前線の影響も加わって全国各地で激しい暴風雨に襲われ、水稲や果樹、園芸施設など農業関係分野にも大きな被害が発生した。
 農林水産省によると21日午前10時現在、38道府県から被害の報告があり、農作物等は30道府県で1万1931ヘクタールに及んでいる。農業用ハウス等は27道府県で2134件、果樹の樹体は10道県で184ヘクタールとなっているほか、農地・農業用施設などへの被害も確認されている。なお、被害状況の確認を進めている地域もあり、被害の規模はさらに拡大する見通しだ。
 被災地域のNOSAI団体は、早期の共済金支払いに向けて被害状況の確認や迅速な損害評価の実施に全力を挙げている。

(1面)

〈写真:水田に土砂が流れ込んで稲が埋没した(18日、大分県臼杵市野津田町田野、写真提供:NOSAIおおいた)〉

卸売市場法の見直し議論開始へ(2面・総合)【2017年9月4週号】

 政府の規制改革推進会議は20日、農林ワーキング・グループ(WG、座長=飯田泰之明治大学政治経済学部准教授)の初会合を開き、今期の主な審議事項を決めた。当面の焦点は「卸売市場法の抜本的見直し」で、政府は年内に結論を得る方針を示しており、11月にも提言をまとめる。ただ、同会議はこれまで急進的な改革案を次々に提示して生産現場の不安・混乱を招いていることから、検討の行方には懸念も漂う。卸売市場の改革は、農家経営はもとより、消費者や流通業者などにも大きな影響を与える。結論ありきの拙速な検討ではなく、卸売市場が果たしている役割や機能を正しく認識・評価した上で、検討を進める必要がある。

(2面・総合)

〈果樹共済〉台風18号が列島縦断 忘れず被害申告を(5面・NOSAI)【2017年9月4週号】

170927_3.jpg

 台風18号が日本列島を縦断し、水稲や園芸施設に大きな被害をもたらした。今年の夏は豪雨を伴う台風が頻発したが、今後も台風シーズンが続くため、予断を許さない状況といえる。NOSAIが実施する果樹共済はさまざまな自然災害による減収を補償する制度。果樹共済の仕組みについて共子さんが済太郎くんに聞いた。

(5面・NOSAI)

〈写真:強風で落果したナシ(18日、山形県酒田市、写真提供=NOSAI山形)〉

濃厚飼料自給化へ トウモロコシ生産の幕開け(7面・特集)【2017年9月4週号】

170927_4.jpg

 国産の飼料用トウモロコシは、子実とともに茎葉を含めたホールクロップサイレージ(WCS)を牛に粗飼料として給与するのが一般的だ。濃厚飼料として利用する圧ぺんトウモロコシは輸入に依存する。だが近年は、雌穂(しすい)を利用したイアコーンサイレージの生産が北海道で普及するほか、水田作で乾燥子実を生産し給与するなど、濃厚飼料の自給も進んでいる。飼料自給率(2016年度)は、粗飼料が78%に対して、濃厚飼料は14%にすぎない。濃厚飼料の国内自給に向けたトウモロコシ生産の動向などを紹介する。

(7面・特集)

〈写真:専用キットを取り付けた汎用コンバインで史実とうもろこしを収穫する〉
〈表:飼料用トウモロコシの種類〉

ハウス10アールで大玉トマト低段密植 良食味を年2作12トン ―― 前田良章さん・石川県加賀市(13面・営農技術)【2017年9月4週号】

170927_5.jpg

 石川県加賀市弓波町のパイプハウス10アールで直売所向けに高糖度の大玉トマトをメインに栽培する前田良章さん(57)は、6から7段まで収穫する低段密植栽培を行い4千株を植え、限られた面積を有効活用する。就農5年目ながら市内の直売所など20カ所へ年間12トンを出荷し、販路拡大と農園のブランド化に成功している。養液栽培で苗の植え替えがしやすいD型の栽培ポットを使うことで、作を切り替える際の労力を大幅に軽減。生育が遅れやすい冬作は、購入苗を1カ所に集めて暖房し初期生育を早める2次育苗をする工夫で、需要が高い春出荷に対応している。

(13面・営農技術)

〈写真:「簡単に抜き取りができ、根の生育が確認できるのも利点」と前田さん〉

2016年温暖化レポート 高温影響が顕著に(2面・総合)【2017年9月4週号】

 農林水産省は20日、高温障害など農畜産物の影響や適応策などをまとめた「2016年地球温暖化影響調査レポート」を公表した。16年は北日本の秋を除き、年間を通して全国的に高温傾向で推移した。水稲は西日本を中心に白未熟粒の発生などを確認。果樹はブドウやリンゴで着色不良・遅延が発生した。乳用牛は乳量・乳成分の低下などの被害が確認された。

(2面・総合)

NOSAIにお任せください(28) 自走式大型防除機を貸し出し ―― NOSAI高知 幡多支所(5面・NOSAI)【2017年9月4週号】

170927_6.jpg

 高知県のNOSAI高知(高知県農業共済組合)幡多支所では、損害防止事業の一環として、約30年にわたって共同防除に使う自走式大型防除機(スーパースパウタ)と小型動力噴霧機などを管内の農作物共済加入者に貸し出し、効率的な病害虫防除作業に貢献している。本田移植後の防除は同NOSAIの共同防除を頼りにしている組合員や営農組織が多く、「これからも続けてほしい」と継続を求める声が多い。

(5面・NOSAI)

〈写真:西事業課長(右)と稔実を確認する山崎さん〉

パソコン用簿記ソフトで経営管理を簡単・便利に(12面・資材)【2017年9月4週号】

 経営の大規模化や多角化が進む中、パソコン用の簿記ソフトを経営管理に生かす農家も増えている。設定された項目に数字を入力するだけで、手書きや表計算ソフトでは手間が掛かる複数の計算や書類作成などができるほか、品目ごとの収支など経営分析の機能を持つ製品もある。さらに最近は、農産物の売り上げや農業資材の購入実績などから農家のパソコンへ自動的に金額を記録できたり、普及センターや会計事務所へ入力情報を送付して相談できたりするなどデータ連係機能を備えるものも見られる。青色申告を実施している農家も、これから挑戦する農家も、市販ソフトの有効活用で日常の記帳を省力化してはどうだろう。

(12面・資材)

リンゴ生産を効率化、剪定枝や摘果で加工品【青森県・9月4週号】

170927_7.jpg

 【青森支局】リンゴ園10ヘクタールで20品種を栽培する弘前市樹木の「もりやま園株式会社」(森山聡彦社長、社員6人)は、リンゴ生産のプロセスを可視化するためのシステム「ADAM(アダム)」を2015年に開発。リンゴ樹すべてにツリータグを付け、作業員が持ち歩くスマートフォンで作業記録を蓄積した。16年には、一年を通した生産プロセスデータを集めて仕事の価値を解析。手間を省く栽培方法や捨てられる剪定枝や摘果などの無駄をなくし、低コストで加工品を生産できる斬新な理論を考案している。剪定で出る36トンの枝をチップにしてキクラゲ栽培に活用。廃菌床はリンゴ園の堆肥として戻す。二番摘果を使ってシードルを醸造し、搾汁かすも捨てずにキクラゲ栽培に活用している。

〈写真:摘果を活用したシードル「TEKIKAKA CIDRE」を手に森山社長〉

耕作放棄地を開墾 サツマイモ加工品開発、移動販売も【広島県・9月4週号】

170927_8.jpg

 【広島支局】「この辺りにはない『お芋屋』になって、サツマイモで江田島を元気にしたい」。江田島市大柿町の峰商事合同会社の社長・井上峰志さん(35)は、5年前から市内の耕作放棄地を開墾し、サツマイモの生産から商品開発、移動販売車でのイベント出店など、サツマイモの活用の幅を広げている。これまで、県内の企業に依頼し、焼酎やもみじ饅頭を商品化した。昨年導入した移動販売車では、芋あんの二重焼きやいもけんぴなどを販売。市内に整備した加工場では、サツマイモをペースト状にする作業や、茶にする葉の乾燥など新たな取り組みが進めている。

〈写真:耕作放棄地を開墾してサツマイモを生産すると井上さん(中央)。左は従業員の堀部直暉さん、右は緒方愛さん〉

野菜・果実の移動販売を17年 農家カフェも開店【福井県・9月4週号】

170927_9a.jpg

 【福井支局】「安全・安心な食べ物があふれる社会にしたい」と話す坂井市三国町の川合久利子さん(51)は、減農薬で栽培した農産物の移動販売に取り組む。17年間、週3回、近隣の住宅街に自家産・地場産の野菜や果実を届け続けてきた。さらに今年、念願の農家カフェ「KAWAI NOUEN+cafe」をオープン。「健康であるには食べ物が大切。移動販売と農家カフェの両立で、この思いを広めていきたい」と張り切っている。

〈写真:笑顔で接客する久利子さん(左)。利用者からは「スーパーでは買えない新鮮な野菜がある」との声が〉

暑熱対策に園芸用ノズル 少ない経費で効果実感【長崎県・9月4週号】

170927_10.jpg

 【長崎支局】「園芸用のノズル付きホースで霧状の水をまくことで、体感温度が3度ほど低く感じます」と話すのは、対馬市豊玉町で繁殖和牛10頭を飼育する平間利一さん(75)。地元のホームセンターで芝生などに霧状の水をまくノズル付きのホースを発見し、千円ほどで購入した。ホースを蛇口に取り付け、先端のノズルから散水。水の粒子が細かいので、牛舎の床も水浸しにならず掃除もしやすいという。

〈写真:扇風機と併用すれば広範囲に散水できる〉

「日本のサンショウを世界に」 加工品生産、欧州への輸出も【和歌山県・9月4週号】

170927_11.jpg

 【和歌山支局】サンショウの使い方を広めるために、さまざまな加工品を生産する傍ら、有田川町宮川で山椒カフェ「かんじゃ」を経営する永岡冬樹さん(60)。「最近、サンショウが新しいスパイスとして海外からも注目されている」と話す。永岡さんのサンショウには海外からの問い合わせも多く、視察に訪れるバイヤーもいて、現在はヨーロッパを中心に輸出が増えている。

〈写真:サンショウのつくだ煮や香味油、ジャムなどを生産する永岡さん〉

防風林「東北でライフラインを守る知人にエール【2017年9月4週号】」

 ▼東北地方に住む古い知人から、「誕生月で職場の定年を迎えた。再雇用となり同じ業務を継続することになった」とのメール連絡が届いた。
 ▼彼は小学生時代、夏休みの自由研究で大量のマッチ棒の細長い軸をボンドで一本一本接着して客船を製作した。中学生のころから電気に興味を持ち、エナメル線をぐるぐる巻いたコイル付きラジオを作ったのを契機に、将来の方向性を決めたという。
 ▼普通高校から大学進学を勧める教師の助言に反し、電子系の学科が唯一ある県立の工業高校に進学。卒業後は東北地方の電力会社に就職し、通信技師として福島や仙台などの事業所を転々とする。真冬には、通信ケーブル切断事故を想定した緊急対応訓練にも参加。〝かんじき〟を初めて足に着け、雪の山道を数キロ離れた鉄塔までを歩いた。
 ▼「鉄塔の先端に登り配線するのは俺〈おれ〉じゃない。電気工事する技術者は、命がけの仕事に送電の命脈を守るという意識が強いんだ」と彼は仲間が誇りだった。固く信じたのは「日本経済や生活を支えた原子力発電はこれからも続く」。しかし、そんな話題が東日本大震災以降、彼の口からは聞くことがなくなった。
 ▼福島勤務が長く知人も多かった彼には、電力会社の社員に向けられる刺すような視線を感じた。震災そして原発事故から6年以上が経過した今も、帰村を躊躇〈ちゅうちょ〉する被災者の多い現実に、やるせない思いを抱き続けている。「電気は人間の生命線(ライフライン)。その命脈を守り続けよ」と返信した。

» ヘッドラインバックナンバー 月別一覧へ戻る