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今週のヘッドライン: 2017年10月 1週号

農場HACCP 畜産物の安全性を担保(1面)【2017年10月1週号】

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 畜産物の安全性確保のため、HACCP(危害分析・重要管理点)の手法を農場経営に取り入れる畜産農家が増えている。各工程ごとに微生物による汚染や異物混入などの危害要因を分析し、危害防止につながる特に重要な工程を継続的に監視・記録する衛生管理システムだ。農場HACCP認証の取得数は9月26日現在、129農場となっている。従業員の意識向上や適切な飼養衛生管理を励行することで、事故低減にもつながる。ただ、書類作成など農家の負担も大きく、第三者のアドバイスは欠かせない。一方、山形県では、NOSAI山形(山形県農業共済組合)の獣医師20人が農場指導員となり、損害防止事業としてHACCP導入を支援している。

(1面)

〈写真:牛の健康状態を確認し、管理簿に記帳する布川場長〉

2017年産水稲作況 100の「平年並み」(1面)【2017年10月1週号】

 農林水産省は9月30日、2017年産米の全国の作況指数(9月15日現在)は100の「平年並み」と発表した。特に7月下旬から8月にかけて東北の太平洋側や関東を中心に日照不足などの影響が心配されたが、田植え期から7月までの好天で全もみ数が「平年並み」か「多い」となったことなどから4県を除き「平年並み」か「やや良」となった。また、3年連続で超過作付けが解消される見込みで、18年6月末の民間在庫量は直近10年で最少の水準となる見通し。需給は引き締まり傾向が強まると予想される。

(1面)

ため池機能の回復急務 豪雨対策の不足が判明(2面・総合)【2017年10月1週号】

 農林水産省は9月22日、決壊時に下流に大きな被害を及ぼす恐れのある「防災重点ため池」のうち、2016年度に調査したため池の約4割で豪雨対策が必要と判明し、その半数は対策が完了していないとの調査結果を発表した。耐震も調査対象の約半数が不足状態にあることが分かった。ため池は営農に不可欠な農業用水の確保はもとより、降雨時の洪水・土砂流出の防止・抑制などの機能を担っている。一方、近年の記録的な豪雨や大規模地震などでは、ため池が被災し大きな被害となった例も相次いでいる。万が一に備えた、ため池の防災機能の維持・強化を急ぐ必要がある。

(2面・総合)

伝統野菜を守り継ぐ 東京の山間地に息づく「白岩ウリ」 ―― 鈴木留次郎さん(東京都檜原村)(3面・暮らし)【2017年10月1週号】

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 村の総面積約105平方キロのうち、約93%を山林が占め、畑地は1%にも満たない――。東京都西部にあり、山に囲まれた檜原村には、在来種の野菜が村人の手で守り伝えられている。同村の鈴木留次郎さん(71)は「むかしのキュウリ」と呼ばれ親しまれてきた半白系のキュウリを地区名にちなんで「白岩(しらや)ウリ」と名付け、0.5アールの畑地で栽培する。「調査を進めていくと、郷土史にまでつながるスケールの大きさに驚いた。村を元気づける起爆剤になると自信がついた」と話す。この白岩ウリを、45品目登録されている「江戸東京野菜」に認められ、村の特産品に育てようと、安定生産に努めている。

(3面・暮らし)

〈写真:「今年は採種ができ、来年につながる」と白岩ウリを収穫する鈴木さん〉

生産者厳選のブレンド米 ―― つちや農園(福島県猪苗代町)(6面・流通)【2017年10月1週号】

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 水稲18ヘクタールを作付ける福島県猪苗代町のつちや農園(土屋孝彦代表、63歳)では、自ら栽培した品種を独自の割合でブレンドした「バンダイマウンテンブレンド」を直売している。考案したのは土屋代表の息子2人で、兄の睦彦さん(37)と弟の直史さん(33)。「コシヒカリ」「ミルキークイーン」「五百川」を組み合わせて、粘りと甘みのバランスに優れた濃厚な味に仕上げた。インターネットなどで直売し、売れ行きは好調だ。つちや農園の米をより楽しみながら味わってほしいと励んでいる。

(6面・流通)

〈写真:磐梯山に見守られながら稲の生育を確認する睦彦さん(左)と直史さん〉

"サシ重視"から脱却 黒毛和牛一貫経営 ―― 木下牧場(滋賀県近江八幡市)(9面・営農技術)【2017年10月1週号】

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 家族4人で黒毛和牛200頭(母牛80頭)規模の繁殖・肥育一貫経営をする滋賀県近江八幡市大中町の木下牧場では、レストランの料理人などの要望を踏まえながらサシの多さにこだわらず、脂身と赤身のバランスを重視した自家配合飼料を給与し、食い込み量が多く健康的な牛づくりを心掛ける。従来、脂肪交雑のために行う肥育中期のビタミンA給与量の制限をせず、食欲を低下させずに十分に生育させる。肥育の前中後期で飼料を大きく変えず、一頭一頭の体格や発育を観察しながら手で濃厚飼料など給与量の微調整を行う。粗飼料や濃厚飼料の国産割合を高めるなど、銘柄牛産地ながら牧場独自のブランドを構築している。

(9面・営農技術)

〈写真:「配合を調整するには普段の観察が欠かせない」と木下さん〉

日頃の会話から制度内容を伝える〈奈良県:中和NOSAI〉(5面・NOSAI)【2017年10月1週号】

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 NOSAI部長は、水稲共済・任意共済事業の加入申込書や被害申告書、広報紙の配布や取りまとめなどを実施し、NOSAIの運営になくてはならない存在だ。奈良県の大和盆地の中西部に位置する地域を管内とする中和NOSAI(中和農業共済組合)で、地域のまとめ役として活動し、地域農業を盛り上げるNOSAI部長2人を取材した。

(5面・NOSAI)

〈写真:「損害評価では研修で確認したことをしっかり生かしたい」と西口さん〉
〈写真:中和NOSAIの上村啓貴職員と話す杉本さん(左)〉

取り外しできるコンバインの屋根を自作【山口県・10月1週号】

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 【山口支局】「稲刈りを始めるのは残暑厳しい盆明けで、コンバインに屋根があったらいいなと思ったのがきっかけ。日焼けも防げるし、何より日差しが直接当たらんから疲れが違う」と話すのは、水稲8.5ヘクタールを耕作する山口市の原田憲治さん(69)。原田さんが作ったコンバインの屋根は、パイプハウスの資材とアングルなどを溶接し、天井には育苗シートを使った。屋根を山型にして雨水がたまらないようにしたり、屋根内側の中央に支柱を入れ、強風が吹いても対応できるようにしたりと工夫した。最大のポイントは、屋根の取り外しができることだ。

〈写真:「自分のためにと思うと、どんどんアイデアが浮かぶ」と原田さん〉

はしごをかけて圃場への出入りをスムーズに【長崎県・10月1週号】

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 【長崎支局】イノシシ侵入防止のワイヤメッシュを開閉する手間を省くために、平戸市生月町の高田久三さん(64)は、自作の木製はしごを踏み台に圃場へ出入りしている。以前は、ワイヤメッシュの留め具を何カ所も取り外して圃場に入り、圃場から出る時に元に戻していた。「牛の世話などやるべきことがあり、限られた時間で圃場の管理に来ているのに、出入りに要する時間があまりにも多く、肝心の管理にさける時間が少なく困っていました」と高田さん。現在は、管理する全ての圃場に同じようにはしごを設置し、活用しているという。

〈写真:「圃場に出入りする時間が大幅に短縮できます」と高田さん〉

マリーゴールドでダイコンの天敵退治【広島県・10月1週号】

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 【広島支局】「マリーゴールドの効果は抜群」と話すのは、庄原市高野町のダイコン農家(約2ヘクタール)・中村紀洋志さん(52)。マリーゴールドを畑にすき込むことで、ダイコンに黒い斑点を付ける線虫を寄せ付けず、さらに緑肥としても有効で、経費削減・減農薬につなげている。5月中旬から、自家採取した種で苗作りに取り掛かり、6月ごろに移植。マリーゴールドは根が浅いため、ロータリーに絡まらずすき込むことができる。開花した8月下旬ごろから4回程度、花や茎を肥料などと一緒にすき込む。

〈写真:マリーゴールドをすき込む中村さん〉

コゴミ、山ウド、ナス、糸ウリ...... 山の幸を東京直送35年【新潟県・10月1週号】

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 【新潟支局】棚田が広がる十日町市浦田地区の山林約2ヘクタールと畑約30アールで、山菜と少量多品目の露地野菜を栽培する「松之山みどりの会(竹内茂俊代表=68歳)」。35年前に東京・御徒町駅前のスーパーへの販路を確保し、5月から10月までの間、松之山の山の幸を週3回、安定的に出荷している。5、6月に、山ウドやワラビ、コゴミなどの山菜、7月から9月はナス、キュウリなどの夏野菜、9、10月にカボチャ、サトイモ、糸ウリなどの秋野菜と途切れなく出荷が続く。

〈写真:出荷作業をする竹内さん夫妻。出荷日は毎週火、木、土曜〉

柔らかく、辛味少なくほのかに甘い 能登白ねぎを関東にも【石川県・10月1週号】

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 【石川支局】能登野菜の一つ「能登白ねぎ」を32.3アールで栽培する七尾市松百町の竹田満雄さん(72)は、能登白ねぎの産地育成が始まった1994年から栽培・振興に携わる。「作るだけではなく、売れるようアピールする必要がある」と普及にも力を注ぐ。収穫時期は7月下旬から12月上旬で、7月から9月上旬に収穫する夏ネギの多くが関西方面への出荷だ。最近では関東方面への出荷も視野に入れ、都市部からの観光視察にも対応している。

〈写真:お勧めの食べ方はえんとつ煮。「とろりとした食感。ネギから出るうま味たっぷりのスープがおいしい」と竹田さん〉

小学生のアイデア「キュウリのジャム」【福島県・10月1週号】

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 【福島支局】田村市立都路小学校(平塚裕二校長・児童数57人)の児童らが、総合的な学習の時間に、地元産キュウリを使用したジャムを開発し、瓶のラベルやパンフレット、キュウリをイメージした着ぐるみなどを児童が手作りしてPRに励んでいる。9月9日に田村市陸上競技場で開かれた「地方発信型野外音楽イベント」では、キュウリジャムを使ったパフェを販売し、「角切りのキュウリの食感がいい。さっぱりしていてとてもおいしい」と好評だった。

〈写真:児童の思いが詰まったジャム「都路キュウリマン」〉

防風林「卸売市場の改革 効率性ばかりでは誰のためになるのか【2017年10月1週号】」

 ▼政府の規制改革推進会議で今後、卸売市場法の見直しについて審議される。大手外食店や大規模量販店の進出により、市場を経由しない相対取引の割合が増え、せりによる価格決定の役割や、市場に搬入せねばならない「商物一致」の原則が時代に合わないとの指摘は多かった。
 ▼「昔はさ、せり人はみんな独自の値頃感の尺度を持ってて、指し値に買参人が応えた。それが信頼ってんだね」。東京・築地、青果物の「やっちゃば」で、長年せり人として携わった大手卸の役員に聞いた時がある。季節や出荷量などで大まかな卸価格は決まる。現役時代に値頃感の尺度としたのは「缶飲料」だったという。
 ▼値動きが少なく手頃な価格の商品を基準に、天候や荷動き、経験も含めて値決めする「感ピューター」が、仲卸や小売りも納得する値に落ち着いた。だが今、天候不順で取れない野菜が、腰を抜かすほどの安さで量販店に並ぶ不可解さは何だろう。
 ▼大手量販店は直営や契約農場を増やし、大口相対で生産者を寡占化し大量に集荷する。赤字覚悟の目玉商品をそろえ誘客し、他商品の売り上げで利益を補う。小売店の客足を奪い閑散とした商店街ばかりの道筋だ。
 ▼市場は公平・公正な価格決定の機能がある。物流を牛耳る強者が高騰・暴落も思いのままでは、時代劇の「〇〇屋、お主も悪よのう」の偏った流通だ。折々の値頃感を示すことは、消費者や小売業者だけでなく農家にも益があるはず。効率性を理由に〇〇屋だけがニンマリする改革だけは避けたいものだ。

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