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今週のヘッドライン: 2017年10月 3週号

香酸かんきつ「へべす」 全国区へ本気で ―― 宮崎県日向市・成合 利浩さん(1面)【2017年10月3週号】

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 宮崎県日向地域特産の香酸かんきつ「へべす」。薄い皮と果汁の多さが特徴で、スダチやカボスに追いつこうとブランド確立を目指した官民一体の対策が取り組まれている。日向市塩見の成合(なりあい)利浩さん(53)は、へべすを専業で手掛け、無農薬・無化学肥料で栽培。有機JASの認証を取得し、インターネットを通じた直販などで全国に顧客をつかんでいる。首都圏を中心に飲食店との取引も多く、品質の高さや希少性でファンを増やしてきた。産地振興へ「今、生産者が本気にならなければいけないとき」と話し、規模拡大やPRに力を注ぐ。

(1面)

〈写真:へべすを収穫する成合さん。有機JAS認証を取得して栽培する〉

農水省 所有者不明な農地問題で活用策の検討を加速化(2面・総合)【2017年10月3週号】

 農林水産省は、農地流動化の障害とされる所有者が不明な"相続未登記農地"の有効活用に向けた具体策の検討を本格化している。13日には農家や自治体、法学者などによる2回目の意見交換会を開催。現場での対応状況や課題などを話し合った。同省は、長期間の納税実績などを条件に管理者の判断で農地の賃借を可能とする仕組みの創設などを念頭に具体策をまとめ、来年の通常国会への関連法案提出を目指す。すでに相続未登記農地は全農地の2割を占め、特に担い手への農地集積・集約化などの阻害要因の一つとなっている。地域営農の維持・発展の基盤として農地が確実に活用できるよう、現場の実態を踏まえた新たな制度づくりを急ぐ必要がある。

(2面・総合)

農水省 収入保険の利点 事例を挙げて紹介(2面・総合)【2017年10月3週号】

 収入保険の仕組みを多くの農業者に周知するため、農林水産省はホームページで、現場の具体的な実例に基づく加入メリットを紹介している。取り上げた事例は①集落営農でオペレーターを確保したい②規模拡大して、販路や品目を多角化したい③輸出や新規品目の導入に取り組みたい――の三つ。現場の不安に答える形で制度内容を解説し、収入保険への加入により、これら新たな経営展開に安心して取り組めると強調している。

(2面・総合)

旬の野菜をセットにして直接販売 畑から笑顔をお届け ―― 茨城県常陸大宮市・古東篤さん(3面・暮らし)【2017年10月3週号】

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 「おいしいだけでなく、わくわくしてもらえるレパートリーにしたい。笑顔のひとつのきっかけになれば」――。茨城県常陸大宮市の古東(ことう)篤さん(39歳、キャベツ、キュウリ、インゲンなど1.9ヘクタール)は、旬の野菜7~10品目をセットにして個人や飲食店に直接販売している。食卓の笑顔を作りたいとの思いから、時にはカラージャガイモやカリフローレなど珍しい野菜も入れる。自身の畑でイベントも開催するなど、人とのつながりを重視した農業に力を注ぐ。

(3面・暮らし)

〈写真:「直接販売では顧客からダイレクトに反応をもらえるため、やりがいも大きい」と古東さん〉

料理を彩る西洋野菜「ビーツ」 見栄え重視し集客狙う ―― 群馬県高山村・キミドリファーム&キッチン(8面・流通)【2017年10月3週号】

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 若い女性層を中心に色や形に特長がある珍しい野菜への関心が高まっているという。会員制交流サイト(SNS)では、人の目を引く風景や料理などを「SNS映え」「インスタ映え」と称して写真投稿するのが人気だ。この流れを集客手段として取り入れる飲食店もある。群馬県高山村中山の「Kimidori Farm&Kitchen(キミドリファーム&キッチン)」では、西洋野菜のビーツ(テーブルビート)を栽培する。ビーツは鮮やかな色とほのかな甘味が特長の根菜類。料理に彩りを添えられるとここ数年、引き合いが強まっている。宅配会社に出荷するほか、個人客や直売所でも販売。気軽に楽しんでもらいたいと加工品開発にも力を入れるなど、知名度の向上を図りながら売り上げを伸ばしている。

(8面・流通)

〈写真:生育を確認する平形代表。「ブームではなく、食材として根付かせたい」と話す〉

大規模施設ピーマン 天敵資材を複数組み合わせて防除の労力軽減 ―― 愛知県稲沢市・近藤園芸株式会社(9面・営農技術)【2017年10月3週号】

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 施設ピーマン70アールを栽培する愛知県稲沢市祖父江町の近藤園芸株式会社は、時期ごとの害虫の発生状況に応じて市販の天敵資材(生物農薬)を5種類以上組み合わせて導入。化学合成農薬の散布を1圃場当たり年間5、6回程度まで抑え、労力軽減や害虫の薬剤抵抗性の回避につなげている。事前に薬剤でできる限り害虫密度を減らす「ゼロ放飼」を基本に、天敵を定着させ微小害虫を抑える。急激に増えるアブラムシ類には、ハウス全体を飛び回る寄生蜂を持続的に追加して予防しつつ、発生時期はテントウムシによる捕食で補う。温度管理や性フェロモン剤なども組み合わせた防除体系を構築し、大規模ながら労力負担が少ない経営を実践している。

(9面・営農技術)

〈写真:「天敵の導入前に害虫が抑えられているのか確認する」と近藤さん〉

サル捕獲檻を遠隔操作で閉鎖 侵入をメール通知、スマホで操作【島根県・10月3週号】

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 【島根支局】近年サル被害が増加している益田市二条地区の「二条里づくりの会」(品川勝典会長・77歳)では、市内の企業と連携して、サル捕獲檻(おり)を遠隔操作で閉める仕組みを開発。2017年9月から実証実験を始め、効果的な獣害対策となるのではと期待している。遠隔操作の仕組みは、①檻のそばにカメラを設置②サルが入るとセンサーが反応しメールで通知③スマートフォンアプリを用いてスイッチを押す④檻が作動し扉が閉まる――というものだ。カメラの映像はスマートフォン、タブレット、パソコンなどで確認でき、人が近寄らずに作動するので、大量捕獲も可能だ。

〈写真:「捕獲したサルは発信機をつけて放し、活動範囲を把握して対策に役立てていきたい」と話す品川会長(右)と竹田さん〉

歴史あるソバ産地へ転身 雑草は土壌改良に生かす【山形県・10月3週号】

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 【山形支局】「大切な人に贈りたい、自分へのごほうびに食べてみたい、そう思ってもらえるようなソバを作りたかった」と話すのは、米沢市太田町の千葉陽平さん(42)。5年前から、同市南原地区でソバ8ヘクタールを農薬や肥料を使わずに栽培している。「ソバ栽培は草との闘いだった」と試行錯誤を重ね、昨秋はコンバインで刈り取った後すぐに畑を耕して整地。この状態で冬を越し、春に伸びた草を刈り取り、播種直前にすき込んだ。発酵が促され、土壌改良にもつながったという。

〈写真:ソバ畑で「十割乾麺蕎麦」を手に千葉さん〉

竹チップを畑のマルチに、収穫後はすき込み土作り【広島県・10月3週号】

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 【広島支局】「うっそうとしていた竹林を伐採し竹チップにすれば、農業に活用できる」。福山市新市町の村田玉樹さん(67歳、水稲46アール、野菜20アール)は、竹チップを畑のマルチとして利用し、作物を収穫後にそのまますき込むことで、堆肥として土作りに生かしている。村田さんが住む花屋地区では、竹林が田畑に徐々に迫り、それに伴いイノシシによる農作物への被害が拡大していた。仲間と竹林整備を行う村田さんは、3年前に共同で木材粉砕機を購入。伐採後のかさばる竹を大幅に減らすことができた。

〈写真:1月末に粉砕した竹チップを手に村田さん。「畑にすき込むことで土中にミミズが多くなった」〉

青色申告で経営数値化、収益力が向上【香川県・10月3週号】

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 【香川支局】「作業時間、売り上げなどを分析し、次年度の営農計画に反映させることで、自分たちの身の丈に合った経営を続けています」と話すのは、「農事組合法人杉ノ上ファーム(まんのう町、組合員9人)」の代表理事を務める中浦優さん(69)。設立当時から青色申告に取り組み、今年で9年目を迎える。栽培面積が5ヘクタールと決して大規模ではない法人を、継続して黒字にするために、人・物・金・時間の管理を数値化し、効率良く作業を行う。

〈写真:「会計ソフト『ソリマチ』の導入で入力作業が楽になった」と杉上さん〉

高栄養価、雑草抑制も ムクナマメで商品開発【愛媛県・10月3週号】

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 【愛媛支局】「ムクナ豆商品開発プロジェクト」に昨年度から取り組んでいるのは、愛媛県立伊予農業高等学校の食品化学科2、3年生10人。ムクナマメ(八升豆)は、つる性のマメ科の植物で、近年、食事でしか摂取できない必須アミノ酸を多量に含むことが分かり、栄養価の高さが注目を集めている。同校では昨年、農家から提供されたムクナマメを粉末にして「ムクナボーロ」の製造・試食会を実施。本年度からは、実際にムクナマメの栽培試験を行い、栽培特性や収量などの調査中だ。

〈写真:栽培試験中のムクナマメ〉

かかしも"作業中"【福島県・10月3週号】

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 【福島支局】収穫間近の田んぼを見守る躍動感のあるかかし。製作した郡山市下白岩町の大和田正幸さん(67歳、水稲60アール)は、6年前からかかしを作り始めた。「スズメの食害から守るために作って置いた。スズメが寄りつかなくなった」。いま圃場には20体が並ぶ。関節が動かせる仕組みで、噴霧機や刈払機を背負わせ作業しているポーズで立たせた。

〈写真:スズメが退散するリアルなかかし〉

防風林「公約をしっかり吟味して選挙に対応しよう【2017年10月3週号】」

 ▼突然の衆議院の解散によって、国内は選挙戦が真っ盛り。安倍内閣の改造で体制を一新したばかり。朝鮮半島情勢に不安を抱える状況下、何故、国税も時間も費やしあえて政治の空白か? 各党選挙公約がそろい、党首論戦は信を問うべき争点の核心がどうも明確ではない。不透明な選挙劇場に見えなくもない。
 ▼心境の変化で、中国四大奇書の一つ『水滸伝(すいこでん)』を再び手に取った。原本訳ではなく吉川英治著の『新・水滸伝』、北方謙三版『水滸伝』との読み比べ。英傑(えいけつ)たちが理想郷に集結し終わる吉川版(未完、遺稿)に対して、水塞・梁山泊(りょうざんぱく)の隆盛と手汗握る巧みな戦闘描写で崩壊まで描く北方版。共に奸臣(かんしん)・高は悪役の極み。
 ▼皇帝側近から地方官吏までが賄賂で私腹を肥やし、罪なき人が捕らわれて遠隔地へ流罪や処刑が後を絶たない治世。天意により108人の豪傑が賊徒との烙印(らくいん)を押され、梁山泊に集まり「替天行道」の旗のもと、兵数で上回る官軍と死闘を展開する。
 ▼日本は、物語のような権力を私物化する宰相のいる腐敗国家ではなさそう。「悪吏は跋扈(はっこ)するが良吏はいるにはいる(略)。だが天の助けもあり悪い治世はそう長くは続くまい」と首領・宋江。窮地から逃げ延びた好漢に語り掛け梁山泊入りを誘う。
 ▼一部の国と異なり、幸い国民が選挙で政権を変えられる国にいる。その選択基準が公約であり国民との約束ごとだ。政権が公約に違わず実行しているか、厳しく検証し審判することが大切なのだろう。


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