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今週のヘッドライン: 2017年11月 3週号

「農業保険法」の省令が公布 収入保険の法整備完了(1面)【2017年11月3週号】

 収入保険制度の創設を盛り込んだ農業保険法(改正農業災害補償法)の省令が2日公布され、来年4月の施行に向けて必要な関係法令はすべて整った。農業共済に加え、収入保険も担うNOSAI団体では、収入保険の相談窓口を開設するとともに、新たに収入保険と選択加入となる既存の類似制度の補てん金などを試算・比較できる簡易なシミュレーションソフトの公開を始めるなど、農家の制度理解に向けた取り組みを強化・加速化している。関係法令の決定を踏まえ、収入保険の仕組みを改めて紹介する。

(1面)

18年産以降の米政策 具体化へ議論スタート(2面・総合)【2017年11月3週号】

 自民党は10日、農業基本政策検討委員会を開き、2018年産以降の米政策の具体化について本格的な議論を開始した。米の生産調整をめぐっては、3年連続で過剰作付けが解消され、米価は上昇傾向にある。ただ生産現場では18年産以降、行政による生産数量目標の配分に頼らず、生産者・生産者団体が需要に応じた生産を行う仕組みに移行することで、行政の関与が弱まり、需給が混乱すると心配する声は多い。米政策の行方は、農業・農村の維持・活性化にも大きく影響する。生産現場の理解・納得のもとで、米の需給と価格の安定が見通せる万全な仕組みづくりが求められる。

(2面・総合)

簡易なシミュレーションで収入保険と類似制度が比較可能に(2面・総合)【2017年11月3週号】

 過去の収入金額などを入力すると、収入保険と既存の類似制度の掛金や補てん金などを比較できるシミュレーションソフト(暫定版)の公開が、10日からNOSAI団体のホームページ上で始まった。
 2019年1月からスタートする収入保険は、農業共済と収入減少影響緩和対策(ナラシ)、野菜価格安定制度など類似制度との選択加入となることから、掛金や補てん金などの見える化を図り、収入保険に対する正しい理解と農家の適切な制度選択を後押しする。


◆「収入保険と類似制度の比較シミュレーションの提供について」はこちら
 http://nosai.or.jp/nosai_kasou/171110Release.html

(2面・総合)

"女手二つ"で守る酪農経営 看板ばあばの人気チーズ ―― 静岡県浜松市北区 野中冨美子・正美さん(3面・暮らし)【2017年11月3週号】

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 「やりたいと思ったことはとにかくやってみる。できるできないは二の次」と話す静岡県浜松市浜北区の野中冨美子さん(83)は、80歳を超えて「チーズ工房のなか」を立ち上げた酪農家だ。嫁の正美さん(59)とともに、搾乳牛19頭を飼養する。自家産生乳100%の手作りチーズは、同市内を中心に県内外から訪れる利用者から評判を集めている。持ち前の明るさで"看板ばあば"ぶりを発揮する冨美子さんと、そのパワフルさに振り回されながらも支える正美さんを取材した。

(3面・暮らし)

〈写真:「牛がかわいくて仕方ない」と話す冨美子さん〉

新戒ねぎ ブランドへ 地区生産者・民間会社が結束 ―― 埼玉県深谷市・鈴木商店(8面・流通)【2017年11月3週号】

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 全国有数のネギ産地、埼玉県深谷市。市北部に位置する新戒(しんがい)地区で栽培される深谷ねぎを「新戒ねぎ」としてブランド化させる動きが活発化している。深谷ネギの中でも糖度が高いのが特徴だ。今、生産農家の有志と地元の卸売会社が協力して、ホームページ(HP)の作成やプレスリリースの発信などPR活動に取り組み、地元自慢のネギを世に広めている。

(8面・流通)

〈写真:左から鈴木さん、福島さん、剱持さん。日頃から同じ新戒ねぎの生産者として交流があるという〉

農研機構 稲WCS 高品質・安定生産の技術体系を確立(9面・営農技術)【2017年11月3週号】

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 農研機構は、高品質な稲WCS(発酵粗飼料)を安定生産するために、開発した新品種や収穫方法、発酵技術を組み合わせて体系化し、現場での普及を進めている。育種では、高糖度・高収量で牛が消化しやすいなどの利点がある新たな専用品種を開発した。改良型の収穫機で微細断した稲をトラックなどで輸送し、牧場などで調製する方式で効率化。さらに調製時に添加し発酵を促す乳酸菌製剤で、嗜好〈しこう〉性や保存性などを高める。飼料用稲の作付け拡大が続く中、耕種・畜産双方の利益向上へ技術体系の確立が求められる。

(9面・営農技術)

〈写真:湿田で稼働する微細断収穫機。刈り取り速度は従来の収穫機と遜色ない〉

日欧EPA 牛乳乳製品、豚肉・牛肉長期的には影響を懸念(2面・総合)【2017年11月3週号】

 農林水産省は2日、7月に大枠合意した日本と欧州連合(EU)との経済連携協定(EPA)で想定される畜産物や小麦、果実など28品目の影響分析結果を公表した。牛肉と豚肉、牛乳乳製品、構造用集成材などの4品目は当面、輸入の急増は「見込み難い」と評価しつつも、長期的には「関税引き下げの影響を懸念」と分析した。政府は、今月にも「総合的なTPP関連政策大綱」を改訂し、農業対策を含めた国内対策をまとめる方針だ。

(2面・総合)

絶滅危惧種の淡水魚を守り 環境保全米をブランド化【宮城県・11月3週号】

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 【宮城支局】大崎市指定天然記念物の淡水魚「シナイモツゴ」の生息環境を守り、環境保全米を手掛けてブランド化に努めているのは、大崎市鹿島台の「シナイモツゴ郷の米つくり手の会(会員10人)」。会長の吉田千代志さん(70)は「豊かな自然を守りながら、この土地が育んだ米をブランド化していきたい」と話す。

〈写真:「環境に配慮した米をブランド化していきたい」と吉田さん〉

耕作放棄地を再生 多彩な作物で搾油【鳥取県・11月3週号】

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 【鳥取支局】「ゴマを自分の手で栽培し、自然なごま油を搾りたかった」という倉吉市魚町の西川真さん(45)。遊休農地を再生し、植物油を生産・販売している。3.5ヘクタールの農園は、自家農園も含むが大半は3年以上の耕作放棄地の利用だ。ゴマ栽培や搾油は、指導できる機関や人もいないので、インターネットや文献などで調べた。

〈写真:油の変性や劣化が少ない直圧式低温圧搾生搾りで丁寧に搾油する西川さん〉

ゲーム雑誌とコラボ企画 若い世代に稲作アピール【高知県・11月3週号】

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 【高知支局】晩秋の収穫となる二期作が、ゲーム総合誌「ファミ通」の企画に合致したことから、高知市介良の中島正根さん(69)は、季節外れの稲作企画に加わった。「ファミ通を見る人の年齢層は若いと思う。最近若い人のお米離れが増えてきているので、これを機に関心をもってほしい」という中島さん。「ファミ通1500号記念コラボ米プロジェクト」で、田植えから収穫までリポートする企画の一員だ。

〈写真:「台風の影響はあるが、順調に実っている」と中島さん〉

マコモタケの葉でしめ飾り【富山県・11月3週号】

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 【富山支局】普通は廃棄処分するマコモタケの葉を活用して、正月用のしめ飾りを手作りしているのは、氷見市七分一(しちぶいち)地区の「農事組合法人七分一営農組合」女性部の4人。部長の山下富子さん(76)は、「マコモタケの葉は陰干しすると、イ草のような香り。時間が経過しても色落ちしにくいのも特徴」と話す。

〈写真:農作業の合間に4人で集まって作業。話し合いながら、格好良く仕上げていく〉

サトウキビ収穫40ヘクタールを受託 島一番の農家を目指す【鹿児島県・11月3週号】

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 【鹿児島支局】「畜産農家や野菜農家など島全体で協力して農業を盛り上げたい」と話す与論町の原田治彦さん(31)。サトウキビ5ヘクタール、サトイモ20アールを栽培し、サトウキビ40ヘクタールの収穫作業も受託している。原田さんは、24歳の時に福岡県から帰島し、役場の臨時職員として働いていた。父の新一郎さん(62)がハーベスターを導入したことがきっかけで、農作業受託オペレーターとして農業に携わり、自らもサトウキビを栽培を始めた。

〈写真:「サトウキビ栽培は、牛飼いに比べて初期投資も少なく管理も必要ないので、兼業で取り組む際は適していると思います」と原田さん〉

摘果ミカン活用 ポン酢「露っこ」【大阪府・11月3週号】

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 【大阪支局】農家女性を中心に構成する「富田林市生活改善クラブ連絡協議会(田中まさ子代表=68歳、会員20人)」では、富田林市東條地区で生産される温州ミカンを摘果した青ミカンを利用し、河内ポン酢「露(つゆ)っこ」を製造し、府外からも注文がくるほど好評だという。

〈写真:露っこは330ミリリットル640円、箱入りは700円で販売〉

防風林「消費者無視のおごりが不正を招く【2017年11月3週号】」

 ▼製鋼・建機製造企業によるデータの改ざんに加え、自動車会社2社での無資格者による品質検査も明らかになった。世界的に著名な企業の不正は、"日本品質"の評価を一気に低下させるのは明らかだ。
 ▼農業分野でも農協系レストランで高級銘柄牛肉と偽り、格下ランク肉の料理を提供していた事案も発覚した。かつて同様の偽装で団体トップが引責辞任した歴史は忘却の彼方に迷い込んだのか。このような不祥事のたびに頭をよぎるのは、規則を徹底順守してきた多数の従業員のこと。
 ▼築きあげたブランド力は一蹴されて、販売力低下は企業の命運にかかわる致命傷になる恐れもある。製品に対する品質の裏付けは、機械も食も同じで「安全・安心」は絶対だ。使用者などへの背信行為を「人の噂(うわさ)も七十五日」と軽く考えてはならない。
 ▼農業資材の製品紹介を担当していたころ、ある研究機関の方から「仕様データを熟読すること。カタログは誇張が必ずあるから、うのみにしてはダメだ。それだけでも公正な解説がでるきはず」と教えられた。基本となる製品データが改ざんされていてはゆがんだ記事となってしまう。
 ▼「高性能」「壊れない」と評された日本製品は、使用者や消費者の声なき信用の蓄積であり、生産に携わる人すべての創意や努力の成果だ。生販過程における些細(ささい)な緩みや過失が、消費者の不信の声となりこだまのように増幅し、名声は容易に失墜する。改ざんや偽装は消費者不在のおごりから発生している。

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