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今週のヘッドライン: 2017年11月 4週号

安心の輪 より広くより強固に ―― 農業災害補償制度70周年記念大会開催(1面)【2017年11月4週号】

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 NOSAI全国(全国農業共済協会、髙橋博会長)は21日、東京都千代田区の東京国際フォーラムで「農業災害補償制度70周年記念大会」を開く。大会には、全国からNOSAI関係者などが参加。70年間にわたり自然災害の損失補てんを通じ農家経営を支えてきた農業災害補償法の大幅改正によって、NOSAI団体は今後、収入保険制度と農業共済制度の両輪を駆動輪として力強く運営する。大会では「備えあれば憂いなし」の農業生産体制の構築に向けた決意を改めて確認する。

 (関連記事4~5面:座談会、6面:70周年記念事業特集、7面:表彰組合紹介、8面:書写コンクール受賞者紹介、9面:功績者紹介)

(1面)

〈写真:基礎組織を基盤とした経営安定の機能は、今後も変わらない。職員と農家組合員とのふれあいが、今後の農業を支える(NOSAI岩手)〉

TPP11大筋合意 乳製品関税枠削減せず(2面・総合)【2017年11月4週号】

 米国を除く環太平洋連携協定(TPP)参加11カ国による新たな協定が、ベトナムで開かれた閣僚会合で大筋合意したことを受け、政府・与党は11月中にも国内対策を正式に決定する。新協定は、従来の協定のうち米国の離脱で知的財産の分野などを中心に20項目を凍結。カナダの要求などにより4項目が積み残されたが、日本政府は早期発効へ歩み寄りの協議を主導する考えだ。一方で、農産物の市場開放の水準は維持され、生産現場では影響への不安が広がる。政府が発効を急ぐのは、米国との自由貿易協定(FTA)交渉入りを回避し、米国にTPP復帰を促すのがねらいだが、協定の発効は農業分野はもとより、国民生活にも影響を及ぼしかねない。まずは新協定の内容や影響などについて国民に丁寧な説明を尽くすべきだ。

(2面・総合)

「広がる安心 自然災害と収入減少に対応する力強いNOSAIへ」をテーマに座談会(4-5面・特集)【2017年11月4週号】

 発足70年を迎える農業災害補償制度は、来年4月から農業保険法として新たな扉を開く。NOSAI全国(全国農業共済協会)は、東京都内で「広がる安心 自然災害と収入減少に対応する力強いNOSAIへ」をテーマに座談会を開催。福島大学農学系教育研究組織設置準備室長の生源寺眞一教授、農林水産省の大澤誠経営局長、NOSAI全国の髙橋博会長の3人が出席し、これまで農業共済制度が果たしてきた役割と、農業共済制度に加え、新たに収入保険制度も担うNOSAIのこれからについて話し合った。座談会の概要を紹介する。

(4-5面・特集)

NOSAIにお任せください(30)ふるさと見守り活動 地域実情に応じた防犯展開 ―― NOSAIぐんま(7面・NOSAI)【2017年11月4週号】

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 全国のNOSAI団体では農業災害補償制度70周年記念事業の一環として「ふるさと見守り活動」に取り組んでいる。NOSAIぐんま(群馬県農業共済組合)では群馬県警の指導の下、地域の実情に応じた防犯パトロールを展開。公用車のドライブレコーダー設置や、防犯研修会の開催など活動の充実と地域支援を図り、農業災害補償に加え、地域社会の安全確保と住みよい環境づくりにも貢献している。

(7面・NOSAI)

〈写真:「こども110番」を入れたNOSAIぐんまのオリジナルマグネット〉

播種機を1台で水稲、麦、大豆など多作物に汎用利用 ―― 農研機構・革新工学センター(16面・資材)【2017年11月4週号】

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 担い手への農地集積・大規模化が進む中、生産現場では作業の一層の省力化や高速・高精度化が求められている。こうした状況を背景に、農研機構・革新工学センターと民間企業が共同で、1台の播種機で水稲に加え、麦、大豆、トウモロコシなど幅広い作物に対応した「高速高精度汎用(はんよう)播種機」を開発した。作業速度は時速5~10キロで、従来機では困難だった稲乾田直播での高速点播が可能だ。2019年の実用化を目指しており、作業コストの低減で規模拡大や複合経営への貢献が期待されている。なお、農林水産省の農業機械等緊急開発(緊プロ)事業で開発された。

(16面・資材)

〈写真:水稲収穫後の圃場で麦を播種する高速高精度汎用播種機〉

温州ミカン 低樹高の主幹形仕立てで省力と品質向上 ―― 広島県大崎上島町・シトラスかみじま(17面・営農技術)【2017年11月4週号】

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 広島県大崎上島町原田の農事組合法人シトラスかみじまは県農業技術センターと協力して、温州ミカンで主幹から側枝を直接伸ばして結実させる「主幹形仕立て」を導入、省力化や品質向上を実現している。樹高が約2メートルと低く作業位置が主幹周辺へ集中するので、収穫などがしやすく、全体の作業時間が3割ほど削減できる。地面に近い下枝の生育を抑えた円筒形の樹冠にすることで、密植でも日当たりが良く収穫での一輪車などの作業動線も確保しやすい。点滴灌水(かんすい)や夏秋一発施肥を組み合わせ、施肥への作業負担を軽減する。不作のない収量安定に向け、作業体系や管理方法などの検討を続けている。

(17面・営農技術)

〈写真:「背を伸ばせば果実に届く。管理作業が大幅に楽」と金原さん〉

収入保険周知へ農水省が説明会 類似制度との優位性強調(2面・総合)【2017年11月4週号】

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 2019年1月から導入される収入保険制度の理解促進に向け、農林水産省は14日、農業者などを対象に制度の仕組みを丁寧に解説する都道府県別の説明会を、愛媛県を皮切りに始めた。農業保険法(改正農業災害補償法)の政省令が公布されたのを踏まえ、制度内容をより広く周知するのが目的。1月中旬にかけて全ての都道府県(51カ所)で順次開催する。

(2面・総合)

捕獲イノシシの受け皿に 飼養期間設けて肉質改善【鳥取県・11月4週号】

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 【鳥取支局】捕獲したイノシシを精肉加工し、特産品にしようと意気込む北栄町の徳岡憲一さん(54)。2013年から行政や観光協会と連携し、「鳥取中部イノシシ産業化プロジェクト」に取り組む。捕獲を活発化させるとともに、イノシシ肉の新たな需要と供給を生み出すことを目指している。

〈写真:牧場前で徳岡さん。「イノシシは警戒心が強い。ストレスを与えないよう飼育している」〉

自らイノシシ狩猟 ソーセージで販売【広島県・11月4週号】

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 【広島支局】尾道市瀬戸田町の長光祥子さん(34)は、捕獲したイノシシをソーセージに加工し販売している。「おいしい肉を食べてもらうことで、猟友会に興味を持ってもらい活動の維持に役立てば」と3年前から販売を始め、昨年は年間300キロの肉を製品化した。

〈写真:「瀬戸田のイノシシ100%のソーセージは、インターネットでも購入できます」と長光さん〉

イノシシラーメン 害獣を活性化に利用【愛媛県・11月4週号】

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 【愛媛支局】10月から新メニューに、イノシシを具材にした「乙亥(おとい)ラーメン」が登場した。提供しているのは、西予市野村町の「乙亥会館」内のビジターセンター・カフェ「こじゃんtea」。店長の千葉達也さん(42)は「猪骨からとったスープは、煮込めば煮込むほど、まろやかで優しい味になるんですよ」と話す。

〈写真:「乙亥ラーメン」を手に千葉さん。味はみそ・しょうゆ・塩の3種類で、各750円〉

流通量増加に応え カット野菜を拡大【石川県・11月4週号】

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 【石川支局】地元の耕作放棄地を利用し、栽培面積を増やしている志賀町貝田の「合同会社みどり農園」。カット用白ネギ4ヘクタール、刺し身のつま用ダイコン2ヘクタールを栽培している。代表社員の川村光男さん(68)は「カット野菜は、消費者が買いやすく使いやすいことから、流通量が増えてきている」と話し、通年出荷に向けて準備中だ。

〈写真:「農業がこんなに楽しいなら、もう10年早く始めていればよかったよ」と川村さん〉

50メートルの防風ネット 3分で回収できる装置を自作【宮城県・11月4週号】

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 【宮城支局】ナシ園で使う防風ネットを、取り外した後に回収する装置を利府町の伊藤邦雄さん(68)が製作、作業時間の短縮を図っている。伊藤さんは80アールでナシ「幸水」のほか、「長十郎」「二十世紀」など9種350本ほどを栽培。防風ネットは20本設置しており、自作の装置で1本当たり50メートルを3分ほどで回収できる。

〈写真:ネットを広げながら巻き取っていく伊藤さん(左)〉

防風林「過去を冷静に分析しそれをどう生かすか【2017年11月4週号】」

 ▼農作業事故防止の講演などで引用される「ハインリッヒの法則」。重大事故の背景に29の軽い事故が発生し300の「ヒヤリ」とした不具合が存在する、という内容。
 ▼米国のハーバート・W・ハインリッヒが1930年代に出版した労働災害の学術書で発表し、今でも1を頂点に300が底辺の三角図形は労働衛生研修などで多用される。事故の未然防止には「危なかった」との記憶を軽く見ず原因究明し対策を講じることがもっとも大切だとする。
 ▼ドラマなどでは「サルでも反省はできる」と部下を叱責(しっせき)する場面がある。だけどサルは悪戯(いたずら)を止(や)めるのみで、目標設定の変更や行動の改善までは考えない。反省は「姿勢」ではない。第2次世界大戦で何故(なぜ)日本が負けたのか? 『超入門 失敗の本質』(鈴木博毅著)は当時の両軍の考え方の相違と現代組織を客観的に比較して興味深い。30年前に発刊された『失敗の本質』(戸部良一ほか著)の解説書だ。
 ▼「物量の差」を敗因に挙げる論者は多い。それも正しいが、事後を考慮せず戦域を拡大し続けた「戦略性の欠如」、精神重視の「硬直した思考力」、零戦や巨艦優先の「イノベーション変化への不対応」。致命的なのが、現場から報告された情報を軽視する「リーダーシップの欠如」「組織の責任不在」などにある。
 ▼日露戦争で薄氷を踏む際どさで勝った日本を冷静に分析せず、蒙昧(もうまい)な組織を築いたのが敗因。今後の日本や組織にどう生かすか? 照らし合わせ軌道修正するのが「反省」なのだ。


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