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今週のヘッドライン: 2017年12月 2週号

米の生産調整が新たな仕組みへ 2018年産は生産量735万トンに(1面)【2017年12月2週号】

 農林水産省は11月30日、2018年産主食用米の需給安定の目安となる生産量を735万トンとする需給見通しを発表した。3年連続の超過作付け解消で需給が引き締まる傾向にあることなどを踏まえ、数量は17年産米の生産数量目標と同じとした。ただ、これまで実施してきた各都道府県への生産量の目標配分は行わず、生産者・生産者団体主導で需要に応じた生産に取り組む仕組みに移行することから、生産現場では需給混乱を懸念する声も根強い。米の需給と価格の安定は、持続可能な米づくりの要であり、農業・農村の活性化や食料安全保障の確立の観点からも不可欠だ。国は、稲作農家が抱く先行き不安を受け止め、営農継続が見通せる環境づくりに引き続き責任を持って対応する必要がある。

(1面)

卸売市場法で農水省が見直し案 受託拒否の禁止で攻防(2面・総合)【2017年12月2週号】

 農林水産省は11月29日、自民党の農林関係合同会議で卸売市場法の見直しに向けた論点整理案を示した。焦点の取引規制のうち、卸に出荷物の全量引き受けを義務付ける「受託拒否の禁止」など6項目は、公正で透明な取引に不可欠として維持。ただ、それ以外は国による一律の規制などは行わず、卸売市場ごとにルールを定め、公表するとした。さらに、中央卸売市場の開設時に、国が都道府県などを「認可」する仕組みをやめ、民間を含めて一定の要件を満たすものを「認定」する仕組みも提起したが、出席議員からは慎重論が相次いだ。食料の安定供給を担う卸売市場の改革は、主役である農業者と消費者の双方がメリットを享受すべきで、論点を見定めた丁寧な議論が求められる。

(2面・総合)

外食時の食品ロス削減へ「おいしい食べきり」キャンペーン(2面・総合)【2017年12月2週号】

 食べ残しなどの食品ロス削減に向け、農林水産省や消費者庁などは1日から自治体などと連携し、外食時の「おいしい食べきり」全国共同キャンペーンの取り組みを開始した。来年1月末までの忘年会・新年会シーズンに、ポスターやパンフレットの配布などを通じて、"食べきり"を呼びかけていく。
 食品ロスは年間で推計621万トンとされ、その削減は喫緊の課題となっている。キャンペーンは「おいしい食べ物を適量で残さず食べきる運動」に賛同する都道府県・市区町村でつくる「全国おいしい食べきり運動ネットワーク協議会」と協力。①適量を注文②幹事が食べきりの声かけ③食べきれない料理は仲間で分け合う――などを柱とする「宴会五箇条」の実践や、宴会開始直後の30分と終了前の10分を"食べきりタイム"とする「30・10運動」などを普及啓発を図る。

(2面・総合)

パクチーで目指す地域活性化 ―― 千葉県船橋市・立川あゆみさん(3面・暮らし)【2017年12月2週号】

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 「自分自身がもっと楽しめるような農業をしたい」と話す千葉県船橋市の立川あゆみさん(44)は、同県八千代市吉橋の実家の畑でパクチーを栽培。東京の築地市場に卸すほか、通年での安定出荷を強みに飲食店と契約し販路を広げている。また、パクチーペーストを商品化し、通販大手のフェリシモや自らのホームページなどを通じて販売。収穫したパクチーをその日のうちに加工した新鮮な味わいでファンをつかむ。就農2年目、6次産業化や生消交流にも力を注ぐ今、「農業を通じて八千代に人を呼び込みたい」と地域活性化を見据えて汗を流す。

(3面・暮らし)

〈写真:パクチーを収穫する立川さん。「八千代は都心に近いので流通面で有利」と話す〉

思わぬ事故・災害に ―― 農機具共済の備え(5面・NOSAI)【2017年12月2週号】

 冬を迎え、農作業も一段落ついたという人も多い。秋の収穫で使用したコンバインや乾燥機などは、長期間格納されたままになるケースが多いため、故障や事故などが発生しないように、メンテナンスをしっかりとしておくことが重要だ。しかし、格納中の盗難の発生や、手入れを行っても避けられない災害や事故などに遭う恐れもある。万が一に備えて農機具共済に加入することが大切だ。

(5面・NOSAI)

土づくりのコスト低減へ 研究機関が中間発表(9面・営農技術)【2017年12月2週号】

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 堆肥や化成肥料を効率的に利用することで土づくりのコスト低減につなげようと、農研機構・中央農業研究センターなど研究機関がこのほど、都内で研究成果の中間発表会を開いた。有機物を施用する機会が減っている状況を踏まえ、散布しやすい堆肥複合肥料の普及や、緑肥の有効活用に向けた知見などが報告された。さらに、土壌養分量の簡易測定技術を現場での施肥量判定に生かし、過剰施肥を抑え資材費低減や品質・収量の向上につなげる取り組みもみられた。土づくりを通じた低コスト化の現状を紹介する。

(9面・営農技術)

〈写真:会場では鶏ふんと焼酎かすを原料にした複合肥料なども展示された〉

コンクリ張り農地化 相続未登記で新制度(2面・総合)【2017年12月2週号】

 農林水産省は11月28日、自民党農林関係合同会議で、生産現場のニーズに対応した農地制度の見直し案を示し、了承された。底地を全面コンクリート張りにした農業用ハウス等を「農地」扱いとする新たな仕組みを創設するとともに、相続未登記農地の農業利用を促すため、簡易な手続きで農地中間管理機構に利用権を設定できる制度を新設する。来年の通常国会で農地法等関連法の改正を目指す。

(2面・総合)

「出雲コーチン」を全国ブランドに【島根県・12月2週号】

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 【島根支局】飼育農家の減少で絶滅の危機にある「出雲コーチン」を増やし、特産にしようという取り組みが進んでいる。出雲市知井宮町で和牛の肥育から店舗販売までの経営を展開する「有限会社藤増」の代表取締役会長・藤江昭雄さん(77)は、出雲コーチンを全国ブランドの地鶏に育てようと、2016年から生産に着手。「できるだけ早く地鶏として形にし、羽数を増やして、出雲ならではの特産品としてブランドの確立を目指していきたい」と藤江さん。将来は出雲コーチンを提供する焼き鳥店などを開ければと意欲的だ。

〈写真:「出雲の特産品として全国ブランドの出雲コーチンに育てたい」と藤江さん〉

好評の柿渋・つるし柿 「柿の新たな歴史つくりたい」【広島県・12月2週号】

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 【広島支局】地域の柿を使い、染料や塗料として用いる柿渋や柿酢、つるし柿などを製造する尾道市御調町(みつぎちょう)の宗(むね)康司さん(61)。昨年5月に株式会社尾道柿園を立ち上げ、柿産業の復活を目指す。「町全体で御調の柿を盛り上げていければ。いろいろな人に柿を使ってもらい、370年の串柿の歴史に、新たな表現で新しい柿の歴史をつくりたい」

〈写真:つるし柿を仕込む宗さん〉

凍み豆腐作り最盛【福島県・12月2週号】

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 【福島支局】福島市立子山地区の特産品「凍み豆腐」を作り続けて40年になる稲作農家の高根正武さん(70)。毎年、稲刈りが終わると豆腐作りを始める。「今年は、台風などの影響で稲刈りが遅れたため、豆腐を乾燥させるための干し場の設置が進まず、出荷は去年より遅れる見込み」

〈写真:凍み豆腐の乾燥具合を確認する高根さん〉

イチゴの規格外品をビネガーに 爽やかな酸味と甘味が好評【大分県・12月2週号】

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 【大分支局】由布市庄内町五ヶ瀬の室小野(むろおの)地区では、イチゴを使った商品開発に取り組む「むろおの会」が、このほど「いちごビネガー」を商品化し人気を集めている。むろおの会は、イチゴ農家で会長を務める後藤泉次さん(67)が、規格外品を使った加工品を作ろうと、昨年10月に設立した。当初は「いちごソース」を試作したが、大量生産が難しく、単価を抑えられなかったため断念。その後、メンバーの発案でイチゴを酢に漬けたところ、爽やかな酸味とイチゴの程よい甘味がマッチした商品が誕生した。

〈写真:いちごビネガー(1本千円・税込み)を手に会長の後藤さん〉

イチゴハウスの遠隔管理を実験【長崎県・12月2週号】

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 【長崎支局】「ハウスに行かなくても、カメラやセンサーのおかげで、ハウス内の温度、湿度、日射量、土壌水分、二酸化炭素濃度などの状況がわかるので大変助かっています」と話す南島原市加津佐町のイチゴ農家・栗原雄一郎さん(41)=経営面積33アール。南島原市が廃校活用を兼ねて昨年誘致した、東京のIT関連企業「セラク」が中心となり、加津佐町の旧市立山口小学校舎内に「農業IT研究所」を開所した。2016年12月からは、栗原さんの園芸ハウスで遠隔管理システムの実証実験を行っている。

〈写真:温室内環境遠隔モニタリングシステム「みどりクラウド」の前で栗原さん(左)とセラク社員の鍬顕成さん〉

防風林「生活文化に味添える味噌、仕込む風景を残したい【2017年12月2週号】」

 ▼寒さも日に日に増して、早くも年の瀬。秋に収穫した大豆を煮豆作りや味噌(みそ)仕込みに取り組む農家もいるのでは? 10月に掲載した味噌企画記事に「身近な食材なのに知らないことが多かった」などのお便りやクイズの解答はがきを読者からいただいた。
 ▼「三年を囲うつもりで豆を搗(つ)く」(後藤比奈夫)。俳句の世界では、「味噌焚(た)き」や「味噌搗き」などが冬の季語だという。豆を蒸したり煮たりして、麹(こうじ)と塩を混ぜ込むシンプルな手順だが、麹には米や麦を使い地域や家庭ごとに受け継がれた工夫が伝承されている。日本人と味噌との間には悠久の食の歴史が積まれている。
 ▼スーパーには塩分を抑えた田舎味噌から白味噌、赤味噌など多彩な製品が販売されてはいるが、子供の頃から朝晩にすすった味噌汁が懐かしく郷里の味に近いものを選んでいる。野菜や魚、豚肉などを味噌樽(だる)に埋め込み保存のきく漬物や、「○○鍋」と称した味噌と地域食材をぐつぐつ煮込む料理は、全国どこにでもある。
 ▼醤油(しょうゆ)も大豆加工でできる調味料の一つだが、穀物が豊富に取れない海辺の地方では、小魚やイカの内臓を発酵させて魚醤油などを醸造した。日本人の生活の知恵が、米や大豆、農産物を多様な食文化に育ててきた。
 ▼近年、農家でも豆を煮る家庭は少なくなった。「老いてより夫婦気の合う味噌仕込み」(古賀まり子)。老夫婦が大豆を栽培し仲良く味噌を仕込む。そんな農村の営みや風景は永劫(えいごう)に続いてほしい。


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