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今週のヘッドライン: 2018年01月 3週号

年間重点企画「米を作る 米を創る」 国産イタリア米 外食需要が増 顧客ニーズ反映 ―― 石川県能美市・たけもと農園(1面)【2018年1月3週号】

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 水稲を中心に計46ヘクタールの大規模経営に取り組む石川県能美市牛島の有限会社たけもと農場は、イタリア米「カルナローリ」(8ヘクタール)を栽培。鮮度の高さや輸入品より安い価格を強みに、イタリア食材の問屋やイタリアンレストランなどの需要をつかむ。また、主力の「コシヒカリ」は、有機JAS認証、特別栽培、農薬不使用などニーズに細かく対応。年間予約も受け付け、インターネットを通じた個人客への直販を伸ばしている。「イタリア米が看板になって、いろんな問い合わせが来るようになった」と話す竹本彰吾代表(34)。顧客の声を敏感に反映することで「求められる米」を提供し、より強い経営を目指す。

(1面)

〈写真:イタリア米の米袋を手に竹本代表。昨年は8ヘクタールを手掛けた〉

土地改良制度見直し 耕作者の意向優先(2面・総合)【2018年1月3週号】

 農林水産省は17日、食料・農業・農村政策審議会農業農村振興整備部会(部会長・渡邉紹裕京都大学大学院教授)を開き、土地改良制度見直しの方向性を示した。土地改良区の運営について、担い手を中心とした耕作者の意向がより反映される仕組みに転換するのが柱で、同省は通常国会に改正法案の提出を目指す。農家戸数の減少や農地の集積・集約化などが進む中、持続可能な地域農業の確立には耕作者視点で土地改良施設の維持・更新などを進めていくことは欠かせない。一方、賦課金などが全て耕作者負担となれば、担い手にかかる負担の増大は必至で、農地の維持・管理にも支障が生じる恐れがある。地域ごとに営農状況が異なることなども踏まえ、より慎重で丁寧な制度設計が求められる。

(2面・総合)

18年産米の生産"目安" 45道府県が作成(2面・総合)【2018年1月3週号】

 農林水産省は17日、各道府県の農業再生協議会等が作成した2018年産主食用米の作付け方針の一覧を公表した。作付け方針は、18年産からの国による主食用米の生産数量目標の配分廃止を受け、東京と大阪を除く45道府県で協議会等が作成。公表は各産地の状況を整理・透明化することで、営農計画づくりなどに役立ててもらうのがねらいで、生産量の"目安"のほか、目安の根拠や対応方針なども紹介している。

(2面・総合)

こんにゃく 土地の味を追求 ―― 群馬県川場村・田口 滿保さん(3面・暮らし)【2018年1月3週号】

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 「もともと農産物はそこの土地から生産されるもので、土地ごとに特徴がある。こんにゃくで川場村の味を出していきたい」――。全国のこんにゃく生産量の約9割を占める群馬県。主力産地の一つである川場村天神で、田口滿保(みつやす)さん(74歳、コンニャクイモ50アール、ブドウ10アール)はコンニャクイモの栽培だけでなく、昔ながらの製法を続けて"川場村の味"のするこんにゃくの生産に力を入れている。

(3面・暮らし)

〈写真:地元の肥料を使って栽培したコンニャクイモを工場で加工する〉

年間重点企画「米を作る 米を創る」 ネット通販で米作りや地域性をアピール 小規模でも高収益 ―― 鳥取市・米蔵砂川屋(8面・流通)【2018年1月3週号】

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 鳥取市鹿野町で水稲2.4ヘクタールを作付ける「米蔵砂川屋」の砂川重雄さん(67)は、電話やインターネットを主にした販売に力を入れている。有機質肥料や自家製堆肥などを施用する土づくりで、県の特別栽培農産物認証を取得。市が運営するインターネットショッピングサイト「とっとり市」では、米の出品者の中で売り上げが1位になるなど高評価を得ている。昨年10月には米蔵砂川屋のサイトをリニューアルし、粒が大きい米を厳選した「鷲峰山(じゅうぼうざん)」の販売を開始。人気のブランド米に育てることを目標に、小規模農家でも可能な収益性の高い経営を実践している。

(8面・流通)

〈写真:「小規模農家が生き残る方策を考えて実践する」と砂川さん〉

現場の課題 早期克服へ 2018年度農林水産技術関係予算から(9面・営農技術)【2018年1月3週号】

 政府が今週から始まる第196回通常国会に提出する2018年度農林水産関係予算のうち技術開発関係分野については、農業競争力強化プログラムで示された「強い農林水産業」の実現に向けて、基礎的・先導的な技術開発や利用促進、社会実装の加速化を重点課題としたメニューとなっている。特に、農林水産技術会議事務局予算の重点事項は大きく5項目。そのうち、農業者のニーズを踏まえイノベーション創出に向けた技術開発などを目的にした「戦略的な技術開発の推進」に77億8600万円、民間と協力しAI(人工知能)やICT(情報通信技術)の現場での利用促進につなげる「研究成果の社会実装の加速化」に1億5200万円などを盛り込んだ。これら二つの事業を中心に紹介する。

(9面・営農技術)

研究機関や業者など連携が重要 日本植物防疫協会シンポジウム(9面・営農技術)【2018年1月3週号】

 日本植物防疫協会は16日、農薬による病害虫防除などについて、指導者の育成や消費者への情報発信をテーマにしたシンポジウムを都内で開いた。普及機関からは、人員が減少する中で農業形態の多様化や制度変更に対応する現状などを紹介。研究機関・農薬業者など関係者の連携や情報整理の重要性が確認された。

(9面・営農技術)

多くの支援で課題を克服 軌道に乗る鉢花経営【福島県・1月3週号】

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 【福島支局】東日本大震災後、双葉町からいわき市渡辺町に転居した吉田晴男さん(66)は、鉢花栽培を再開させ、環境にあった管理技術の習得に余念がない。5年前に土地を譲ってもらい、県の園芸産地等復興支援事業の補助金などを活用してハウスを設置。地域の農家との情報交換にも積極的で、経営は軌道に乗っている。

〈写真:出荷を迎えたハーデンベルギアを手に「順調に栽培が進んでいます」と吉田さん〉

農業用ドローンを販売 農薬散布を大幅に効率化【栃木県・1月3週号】

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 【栃木支局】ドローン(小型無人航空機)を販売する「株式会社NSi真岡(茂木町千本、水沼和幸代表・41歳)」は、2017年3月に農業用ドローン関連事業を専門に扱う「ジャパンアグリサービス株式会社」を立ち上げ、「DJI AGRAS(アグラス) MG-1」の販売と講習、整備を行っている。水稲230アールの栽培を委託しているジャパンアグリサービスの水沼代表は、「小回りが利くため、大規模生産者だけではなく中山間地でも集団で利用するなど、ぜひ活用してもらいたい」と話す。

〈写真:水沼代表と農業用ドローン「MG-1」〉

夫98歳・妻90歳 牛飼いは生涯現役で【鹿児島県・1月3週号】

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 【鹿児島支局】「牛は生きがい。子牛がかわいくて成長が楽しみ」と話す曽於市財部町の福岡利盛(としもり)さん(98)。妻のトミ子さん(90)と共に母牛4頭、子牛2頭を飼養し、水稲70アール、飼料畑120アールの作付けに汗を流す。福岡さんは、75歳までは建設会社などに勤める傍ら良質な子牛の生産に励み、60年以上にわたり繁殖牛の飼養に携わっている。昨年、曽於市畜産振興協議会から畜産振興への貢献で特別表彰を受けた。

〈写真:「楽しく牛飼いを続けていきたい」と元気な福岡さん夫妻〉

棚田の維持に一役 「石積み学校」開催【徳島県・1月3週号】

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 【徳島支局】地域おこし協力隊として2016年6月、上勝町に赴任した金子玲大(れお)さん(29)。「石積み学校」を開催し、石積みで農業を支えたいと意欲を見せている。京都府出身の金子さんは、早稲田大学在学時に県西部の吉野川市美郷で石積みの技術と歴史を研究。フェイスブックで参加者を募り、これまで棚田や道沿いの斜面など30カ所ほどの石積みを手掛けた。

〈写真:「自治体の依頼も受け付けています」と金子さん〉

収穫を楽しめる直売所【愛媛県・1月3週号】

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 【愛媛支局】松山市高田の道路脇に、収穫を体験できる直売所がある。約5アールの畑には、ダイコンが栽培され、手作りの看板が目を引く。運営しているのは、地元のJAを定年退職後、専業農家となった西原万寿夫さん(68)。還暦を迎えたのを機に「人生は楽しむのも大事」と感じ、体験型の直売所を思いついた。

〈写真:ダイコンを手に西原さん夫妻〉

防風林「冬枯れの空から人の色の存在に気づく【2018年1月3週号】」

 ▼冬枯れの夕暮れ、薄曇りの濃淡まだらな雲が空を覆いだしてきたとき、中学時代の美術教師の言葉を思い出した。「君の色彩感覚は幼稚園児並み」。絵の具をべたべたとまるで腕の悪いペンキ屋。絵の才は百%ないと数十年。
 ▼今なら青一色の空は描かない。筆に水をいっぱい含ませ画用紙の下地も生かしながら濃淡をつけまだらな空を描くだろう。あの頃、配色や筆の使い方を考えもしなかった。画家でもある片岡鶴太郎さんが「風景の色に原色ってないですよね。だから心にすっと受け入れられる」と、テレビで話したのをなるほどと納得した。
 ▼葉が全部落ちた取り残しの真っ赤な柿も、陽(ひ)のあたり具合で橙(だいだい)色がかって見えたりする。これが自然の育てた色。果実の着色や稲の葉色で収穫時期を判断するから、農家のみなさんは四季折々の色彩に敏感なのだ。
 ▼今年の新年号表紙には、長野県中川村の北島遊さんが描いた油彩画を掲載した。陽光浴びる駒ヶ根連山を背景に手前の深い森。葉のすべてが主張するように描かれ、麓には土を耕す農家も風景に溶け込んでいる。「私もいずれはこの土地の自然のひとつに」と話す北島さんの言葉が印象に残る。
 ▼都会を彩る構造物は真っ黒、真っ白、真っ赤が氾濫して往来する人々も無表情だ。人も自然の一部とすればそれぞれの色があり単色で表せる人はいない。それを認識できずに人を判断していないか。冬枯れの空からはそんな単純なことを気付かされた。

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