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今週のヘッドライン: 2018年03月 3週号

コマツナを強い産業に 通勤型農業で規模拡大 住居から圃場まで毎日20キロ(1面)【2018年3月3週号】

地域から信頼 愛着強く 質・量を安定 販路確保

180322_1.jpg  「ここで仕事をつくりたい、家族が養えるぐらいの強い産業をつくりたい」――。今田典彦さん(38)は、広島市安佐南区吉山でコマツナや広島菜、トウモロコシなどを栽培する株式会社ルンビニ農園を経営、約20キロ離れた出身地の同区川内から通いながら、ハウス65アールを管理する。経営を支えているコマツナは、品質の高さと安定出荷を強みに販路をつかみ、売り上げを伸ばしてきた。雇用も積極的に進め、社員2人のほか、近所の人を中心にパート従業員10人を雇う。通勤型農業を継続しつつ地域の中で信頼関係を築いて規模拡大を図るなど、山村に活気を生む強い経営体を目指す。

(1面)

〈写真:コマツナのハウスで作業する今田さん。学校給食用にも出荷している〉

TPP11承認案国会提出へ(2面・総合)【2018年3月3週号】

政府の説明は本当なのか 不安消す審議を

 米国を除く環太平洋連携協定(TPP)参加11カ国による新協定(TPP11)の署名を受け、政府・与党は年内発効に向けて国内手続きを加速させる方針だ。自民党は13日、TPP対策等合同会議を開き、新協定の発効に必要な承認案と関連法案を了承。政府は月内にも閣議決定し、今国会での早期可決を目指す。ただ、米国が抜けても農産物市場の大幅開放に変わりはなく、生産現場では影響懸念や先行き不安が根強い。さらに再交渉を条件にTPP復帰検討を示唆する米国の動向も見通せないほか、森友学園を巡る財務省の決裁文書改ざんなどの問題が明らかになり、国会運営も先行きが不透明になりつつある。ただ、新協定は国の将来にも大きな影響を与える。真摯(しんし)で丁寧な国会審議の徹底が求められる。

(2面・総合)

大雪被害で園芸施設など支援発表 共済加入者7割以上補てん(2面・総合)【2018年3月3週号】

農相「災害に備え、共済加入を」

 農林水産省は16日、北陸を中心に記録的な積雪が観測された今冬の大雪による被災農業者への支援対策を決めた。早期の経営再建に向け、農業共済における迅速な損害評価と共済金の早期支払いのほか、長期・低利の災害関連資金を措置。特に6千件を超す被害が確認されている農業用ハウスへの対応では、再建後の施設について園芸施設共済などへの加入を要件に、(1)経営体育成支援事業によるハウスの導入(2)規模拡大などに取り組む産地における簡易なハウスの設置に必要な資材や農業機械等のリースの導入――などの経費を助成する。

(2面・総合)

品質以外の多様な価値や特色にも JASの対象が拡大(8面・流通)【2018年3月3週号】

国内外への販売強化に 産品の強み 規格でアピール

180322_2.jpg  昨年6月に成立した改正日本農林規格(JAS)法に基づいて、食品・農林水産品における品質の平準化を主としていたJAS制度の規格が、今後の競争力強化に向け拡大する。品質以外の価値や特色など多様な規格の枠組みを事業者などが提案することが可能となったため、新制度第1号の規格として、切り花の日持ちを向上させる生産管理や、温州ミカン・「べにふうき」緑茶に含まれる機能性成分の試験方法の3規格を新設した。新しいJAS規格によってブランド化や差別化を付加し、国がお墨付きを与えることで、国内外の需要拡大につなげるのが狙い。その一方で、新規格導入に求められる基準が高すぎることで「対応が難しくなるのでは」など懸念する声もある。新JAS制度の概要や新設した規格内容、産地の意見などをまとめた。

(8面・流通)

中山間の農家で結成 水稲受託 コスト低減し農地守る ―― 奈良市・(有)上深川営農(9面・営農技術)【2018年3月3週号】

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 奈良市上深川町で、中山間にある水田の維持を目的に、水稲の作業受託を主な事業とする有限会社上深川営農は、茶や野菜など地元農家が法人化し共同運営。疎植栽培に取り組んで苗箱数を節減し、側条施肥による減肥などでコストを低減する。耕作放棄地を開墾して水稲育苗施設を設置し、農協からの苗管理受託や野菜作と多角化している。今谷善一代表(62)は「農地を守りながら働ける場をつくり、若手の雇用につなげたい」と話す。条件不利地ながら収益を向上させ安定経営を図っている。

(9面・営農技術)

〈写真:「育苗ハウスで野菜を作れば通年で作業ができる」と今谷代表〉

ロボット農機など成果を報告 ―― 内閣府のSIP(9面・営農技術)【2018年3月3週号】

 内閣府は13日、「戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)」として、研究や実用化を進める農業の自動化・知能化について成果発表会を開き、水稲を中心に自動走行するロボット農機や、小型無人航空機(ドローン)の空撮画像を活用した生育予測などについて研究者が講演した。

(9面・営農技術)

古代米の魅力伝える少量多品種の米作り【広島県 3月3週号】

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 【広島支局】三次市上川立町の玉井平一さん(77)は、1ヘクタールで水稲「ミルキークイーン」「姫ごのみ」などを作付け、うち20アールで約30種類の古代米や新形質米を栽培。販売方法など試行錯誤を重ねながら、少量多品種の米作りで独自の農業を展開している。

〈写真:2メートルほどに成長する香り米「バスマティ370」を手に玉井さん〉

事故率低減に貢献 NOSAIえひめ「チーム豚」【愛媛県 3月3週号】

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 【愛媛支局】JAえひめアイパックス株式会社の自社工場「せと風ファーム」の事故率が急に上がったのは、2016年10月。相談を受けたNOSAIえひめの豚専属チーム「チーム豚」が、すぐに原因の究明・指導に入った。病性鑑定の結果による対処のほか、飼養管理や畜舎環境・衛生面での指導にも力を入れた結果、8%まで上がっていた離乳後の事故率が、17年度は4.9%まで減少。安全圏内といわれる5%以下に抑えた。

〈写真:飼養管理などについて話し合う。左から、せと風ファームの岡田場長、NOSAIえひめの井原獣医師、渡部雅子獣医師〉

荒廃した竹林を生かす【宮城県 3月3週号】

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 【宮城支局】加美町中新田の高橋裕紀さん(67)は、定年退職後に名古屋市から帰郷、実家の荒廃竹林4アールを整備しながら竹炭作りを始めた。現在は竹炭や竹酢液、工芸品などの製造・販売のほか、伐採・搬出などの竹林整備の支援にも取り組む。

〈写真:生竹に穴を開けて加工品を作る高橋さん〉

耕作放棄地を活用・加工品開発 ウメで地域に活力【岩手県 3月3週号】

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 【岩手支局】花巻市大迫町外川目地区の「外川目梅の里協議会」(浅沼利一郎会長=78歳、会員11人)では、同地区産のウメを活用した地域づくりに取り組んでいる。耕作放棄地を活用したウメ栽培や新たな加工品の開発などを手がけ、地域の課題解決に向け力を注ぐ。

〈写真:価格(税込み)は、ジュースが南高梅230円、露茜250円。ゼリーが南高梅130円、露茜150円〉

島の農産物が香る地ビール 「種子島ブルワリーからはな」【鹿児島県 3月3週号】

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 【鹿児島支局】「自然の恵みがいっぱいのビールを通して、島の魅力を多くの人に伝えたい」と話すのは、南種子町茎永でビール製造所「種子島ブルワリーからはな」を営む伊藤理人(りひと)さん(42)。種子島の素材を使ったビール造りで地域の活性化に貢献しようと取り組んでいる。

〈写真:左から、タンカン、茶、パッションフルーツを使用したビール〉

防風林「災害時に心癒やす歌もあれば怒りを表す歌があっていい【2018年3月3週号】」

 ▼東日本大震災発生から7年。時の速度が早いのか遅いのか。人それぞれの心に去来する思いの濃淡によって時間軸は変幻する。農林水産省が公表した津波被災農地の復旧率は平均で89%。原発事故の影響が残る福島は59%という現実からも、それは推し量られる。
 ▼被災地住民でなくても、テレビから連日流れた詩の朗読『こだまでしょうか』(金子みすゞ)や、NHKの震災復興支援ソング『花は咲く』(岩井俊二作詞)のフレーズとともに、当日の記憶を蘇らせるのは筆者だけではないかもしれない。
 ▼中越地震後の仮設住宅には平原綾香さんの『ジュピター』が静かに流れていた。7年前、東北の避難場所を巡回する若者の弾き語りの歌を、誰ともなく口ずさんでいたという。被災者の傷ついた心に音楽療法の効果が今、見直されている。
 ▼山形県長井市で40年余も農業や生活を題材に現場で歌い続けるフォークグループ「影法師」が出版したCD付きの書籍に見(聴き)いった。収録される『花は咲けども』(あおき・ふみお作詞)は「花は咲く」とは趣がかなり異なっている。
 ▼「花は咲けども 春をよろこぶ人はなし(省略)うらめし くやしと 花は散る」――地震・津波で大切な人の命、原発事故で故郷を失った住民の悲嘆を、無人の村に咲く花が誰にも見られず命を終える心情に乗せた。まさに、恨み節なのだ。憔悴(しょうすい)した心を癒やす歌もいい。時には、怒りを素直に表現する歌も大切だ。

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