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今週のヘッドライン: 2018年03月 4週号

農福連携 広がる/農作業委託で取り組みやすく(1面) 福祉施設の認可を取得(特集)【2018年3月4週号】

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 農業分野の人材確保としても農福連携が注目される一方で、農家側は雇用体制の整備などにかかる負担も大きい。先進地の静岡県浜松市では、農家や福祉施設だけでなく自治体や企業、専門家などが一体となり「ユニバーサル農業研究会」を組織。障害者の就労支援と農業経営の改善を両立する協力体制やノウハウの共有を推進する。最近では、連携に取り組み始めた農家が、地元にある企業の特例子会社に作業委託することで、雇用などへの不安を解消して参入しやすくしている。多様な人々が参加する共生社会の実現が求められる中、連携への障壁を取り払う活動が広がっている。

(1面)

〈写真上:「すっかり作業にも慣れてきた」と作業を見守る鈴木さん(右)。中央はひなりの中島さん ―― 先進地・静岡県浜松市 まるたか農園〉
〈写真下:圃場の様子を見て回り、スタッフと綿密な打ち合わせをする新沼さん(左) ―― 宮城県松島町・株式会社あすファーム松島〉

農業の働き方改革で提言案 選ばれる産業へ(2面・総合)【2018年3月4週号】

 農林水産省は20日、農業経営者や有識者などでつくる農業の「働き方改革」検討会を開き、取りまとめ案を示した。産業界全体で人手不足が問題となる中、農業が職業として選ばれるよう、農業経営者の意識改革を最重要課題に位置付けた上で、特に「働きやすさ」や「やりがい」などを実感できる職場づくりに向けた実践項目(3段階・計20項目)を整理した。同省は月内に正式決定し、生産現場での活用を促す方針だ。高齢化や過疎化が進む中で、地域農業を次世代につなぐためには、必要な人材の確保・育成は待ったなしの状況にある。都市部で広がる"田園回帰"の流れも追い風に、官民挙げて多様な人材を農業に引き寄せる環境づくりを進めたい。

(2面・総合)

4月から始動 NOSAI団体の新全国運動 ―― 「安心の未来」拡充運動(5面・NOSAI)【2018年3月4週号】

 NOSAI団体は、4月から新たな全国運動「『安心の未来』拡充運動」をスタートする。期間は2021年度までの4年間で、運動目標に「すべての農家に『備え』の種を届けよう」を掲げる。4月1日の農業保険法(改正農業災害補償法)施行で、NOSAIは、農業共済制度の大幅な見直しに加え、新たに収入保険を担う。行動スローガン「より広く、より深く、農家のもとへ」を掲げ、役職員はこれまで以上に生産現場に足を運び、農家一人一人の理解、納得を得ながら「備えあれば憂いなし」の農業生産体制の構築を目指す。

(5面・NOSAI)

青年たちの熱き想い ―― 全国青年農業者会議 プロジェクト発表から(7面・青年)【2018年3月4週号】

 全国の4Hクラブ(農業青年クラブ)員が日頃の取り組みや、農業に対する熱い思いを発表する、第57回全国青年農業者会議が「『帰無仮説』~ここから始めよう、自分たちの未来へ、次世代の未来へ~」をテーマに東京都内で開かれた。全国の青年農業者が各地の大会を勝ち抜いた発表を聞き、語り合った。プロジェクト発表は、地域活動部門、畜産・土地利用型部門、園芸・特産作物部門に分かれて行われた。各部門の大臣賞受賞プロジェクトを取り上げる。

(7面・青年)

水田周りの管理 資材使い省力・効率化 異変には早急に対応(12面・資材)【2018年3月4週号】

 温暖な早場地帯では、今季の水稲作の春作業が始まっている地域もある。水田やその周辺で、作業に支障を来す箇所は見あたらないか確認が必要だ。水路などの補修作業は、水を張るころになってからでは難しくなる。春作業を始める前に、漏水などが発生しないよう対処しておきたい。この時期の圃場管理の重要性をあらためて確認し、用排水路の補修や畦畔(けいはん)法面(のりめん)の雑草抑制、水管理の簡便化を資材を使って省力・効率的に行う方法を紹介する。

(12面・資材)

機械化、外部人材の活用 ゆとり酪農へ ―― 群馬県東吾妻町・富澤牧場(13面・営農技術)【2018年3月4週号】

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 経産牛85頭、育成牛35頭を飼養する群馬県東吾妻町の富澤牧場(富澤裕敏代表)では、搾乳ユニット自動搬送装置や監視カメラなどを導入して、飼養管理の効率化を図っている。昨年9月には外国人技能実習生2人を受け入れ。牛の扱い方を覚えてもらうため、独自の作業マニュアルを作成するほか、監視カメラの録画映像を見てもらい技術習得を促す。家族経営をしながらも、自分の許せる範囲内で作業を外部に任せることで、ゆとりある酪農経営の実践を目指す取り組みを取材した。

(13面・営農技術)

〈写真:ティートカップを手に富澤代表〉

作業負担軽く、産休・育休確保 女性企業のモデルを目指す【福岡県 3月4週号】

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 【福岡支局】直営農場や直売店のスタッフの9割を女性が占め、女性ならではの視点を生かした生産や販売に取り組むのは、福岡市南区の農産物直売店「ぶどう畑」。社長兼店長を務める新開玉子さん(73)は「女性企業のモデルになりたい」と労働環境の整備にも力を入れている。

〈写真:「みんなで一緒にアイデアを出しながら働くのは面白い」と新開さん(左から2人目)とスタッフ〉


種豚自家育成、最高の肉質 町を元気づける「力豚」【高知県 3月4週号】

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 【高知支局】2015年の高知県豚枝肉共進会で農林水産大臣賞を受賞した「力豚(りきぶた)」。大月町の「松本養豚」は、種豚の自家育成に研鑽を積み、100%が自然交配だ。食味の良さにも定評があり、37年間で培った経験が安定した生産を支えている。

〈写真:餌は飼料会社と相談を重ね選び抜いたものを与える〉

オリーブ 今年も越冬に成功【福井県 3月4週号】

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 【福井支局】まちづくりや地域振興の業務を大野市から依頼されている株式会社「結(ゆい)のまち越前おおの」(代表=稲山幹夫さん)では、2015年から耕作放棄地などにオリーブを試験的に植栽。今年の豪雪でも越冬に成功し、オリーブを活用した町おこしに期待をかける。

〈写真:オリーブの木の横で「栽培を呼び掛けていきたい」と話す小島さん(右奥)と稲山さん(左)〉


廃品を利用して堆肥散布器製作【長崎県 3月4週号】

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 【長崎支局】対馬市美津島町の西山義典さん(64)は、廃品を利用して堆肥散布器を製作した。従来は堆肥を軽トラックで畑に運び人力で広げていたが、もっと楽にできないかと考えていたところ、道路工事で砂を散布する機械を見て考案したという。

〈写真:軽トラックの後方のシャフト部分に散布器を取り付けて引っ張る〉


水車を復活 精米+発電【京都府 3月4週号】

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 【京都支局】京丹波町の「仏主(ほどす)水と緑を守る会」は、昔ながらの農村景観を取り戻そうと2005年に地域のシンボルだった水車を復活。水車の動力を利用した「水車米」の販売などを行う。水車は09年に「エコマイクロ水力発電施設」として運用を始め、70ワットの出力があり、田畑に設置した300メートルの獣害防止電気柵や街灯の電力を賄う。

〈写真:「木製の水車は老朽化したので2015年に鉄製に補修した」と藤田さん〉


防風林「種子は共有財産だが 安易な海外流出防止には国を挙げるべき【2018年3月4週号】」

 ▼昭和初期に稲塚権次郎氏が育成した耐倒伏性短稈(かん)小麦「農林10号」ほど数奇な運命をたどった品種も少ないだろう。戦後、米国のボーローグ氏がこの農林10号を親系に作出した小麦品種が、発展途上国の多くの人々を救った「緑の革命」に寄与したと評価、ノーベル平和賞を受賞したのだった。
 ▼遺伝情報の世界的な共用を目的とした機関はなく知的所有権も明確でなかった時代。農林10号の血を分けた品種は、後に500以上におよんだものの、日本が敗戦国だったことで稲塚の功績は陰に隠れたとされる。
 ▼冬季平昌五輪の日本女子カーリングチームが休憩時に食べたイチゴが、日本から流出した品種だとし問題になった。韓国は日本産農水産品目を厳しく輸入規制したままで各国にイチゴを輸出、その被害金額は約200億円にものぼるという。
 ▼多くの自治体が銘柄イチゴの作出に力を入れ品種登録したものの、国際的には効力がない事を後になって知った人も多い。輸出力強化を政策の柱に据えながら、海外での知的所有権取得を推奨してこなかったのは、脇のあまさというものだ。
 ▼「民間の進出を妨げる」として、稲や麦などの優良種普及に貢献した主要農作物種子法が廃止となる。種子は適正に活用すべき公共財。海外企業に手渡し権利を独占されたら、草葉の陰で「またか」と稲塚は臍(ほぞ)をかむだろう。民間育成水稲種子が高値流通する現状からも、種子法廃止で生産費の高騰は目に見えている。


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